ファルコとサーリャの会話

-イテテ!もうちょっと優しく塗ってくれ!

「そんなこと言われましても…桜の国には『よく効く薬は苦い』って言葉があるんですよ?
 よく効く傷薬ならしみるものなんですよ。…多分。

 でも、なんでこんな怪我を?」

-なんでも何も、あのガチムチのニワトリ野郎と殴り合えばこうなるだろう。
 なんでったって鳥の癖にあそこまで殴り合いを極めてるんだ?

マッスルルースターですか…あれに正面から格闘戦を挑むのは無謀ですよ。話を聞く限り、私だって勝てる気がしませんから」

-もちろん真面目に、そのままの意味で殴り合うつもりなんて更々無かったさ。
 そもそも俺は殴り合い、斬り合いより弓矢の方が得意だしな。それくらい、サーリャもわかっているだろう?
 だがアイツは、俺の矢を目で見て避けながら殴りかかってきやがった。
 カリブディスの殻とクラーケンスキンを使って作った弓で放った矢をだぞ。
 …ったく、飛んだ郵便配達になっちまった

(カリブディスの殻なんてどうやって手に入れたんだろう、ファルコさん

-何よりあのニワトリ野郎…飛びやがった。
 と言っても俺みたいに翼で飛ぶって話じゃない、跳躍だ。ただのジャンプなのに、飛んでいるようにしか見えない。しかも空中で自在に動いて狙いをつけてくる。
 避けるどころか致命傷にならないように立ち回るのが精一杯だったぜ。
 お前たちが来るのがあと少し遅かったら、鳥人バーグンにされてたかもな、ハハハ…。

「縁起でもないこと言わないでくださいよ。
 ただ、マッスルルースターやその系統の魔物がオートデザイスに現れるなんて、以前は無かったはずですよね。
 物騒な世の中ですね」

-ああ、それが俺も気になってる。
 ここ数年、今まで大陸にしかいなかった魔物、それもかなり強力な奴がオートデザイスにも現れたって報告が増えている。
 何か碌でもないことの前触れじゃないといいんだが…


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最終更新:2022年11月17日 18:51