勇者アンリ

先代の勇者とされる女性冒険者。
そして勇者でありながら魔王と結ばれた特異な人物。

天才的な剣の腕前と人の善悪を見抜く特異能力を持っていたとされ、幼少時から悲しむ者や苦しむ者を決して見捨てない娘だったとの事。
かつて魔王ダガラスを倒す為に旅立つも、魔王が本心では戦乱を望んでいない事を知ると相対する度に剣を収めて幾度も共存の可能性を唱え続けた。
結果的に魔王との戦いは史上初の『和解』という形で収まり、後にダガラスとの間に二人の子をもうけたと言う。

その経歴から彼女の『勇者』としての評価は様々。
『融和によって争いを鎮め平和に導いた』と讃える声もあれば、『勇者の使命を放棄した』と非難される事もある。
対魔族感情の厳しいグリルグゥルデン帝国等ではそもそも存在自体が無かった事にされているようだ。
いずれにしても、ロクシアにおける勇者の長い歴史の中でも特異な人物であろう。

現在は元魔王である夫と共に平和を願いながら辺境地で静かに暮らしている。
年齢は既に六十近いが、夫の魔力の影響か今でも若い姿を保っているようだ。
そして彼らの願いは『息子』へと託され、一人の勇者候補として送り出す事となる。


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最終更新:2024年01月04日 15:09