「少し、遠回り」
作者:SS・人形カスタム 本スレ 1-091様
144 :オリキャラと名無しさん:2013/03/16(土) 05:33:37
1-091 です
私も妄想の勢いが止まりませんでしたので、勝手に
創作物スレ 2-128 の後日談として、
『しーさま、下校途中に繊さんに会う』SSを書きましたので晒します
145 :少し、遠回り:2013/03/16(土) 05:36:37
通い慣れた道ではないが、この辺りを歩くのは初めてではない。一人で歩くのも、初めてではない。
しかし幾分落ち着かない様子であるのは、先日邂逅した異国の少年――シンのことが気懸かりだったためだ。
彼と共に話し、共に遊び、確信した。彼は人工的に作られた命だ、と。自分と同じく。
彼ははじめ、牧との接触を望んでいた。
恐らくは、牧自身にではなく、彼が庇護する、人ならざる魔人――繊に接触することが目的なのだろう。
接触したその後の目的は、考えたくもない。
それについては自分が危惧することではないと、義兄達から言われている。
とは言え、そのまま見過ごすことができるほど、薄情な性質は持ち合わせてなどいなかった。
だから少しだけ、遠回りをしようと思った。少しだけ。
「おー、プチじゃねえか」
不意に、背後から声を掛けられた。
「え……?あ!繊、こんにちは!」
振り返ると、今まで思案していた当の本人が立っていた。
暢気そうに買い物袋をぶら下げて。季節はずれな薄着で。
彼は本来、一人で外出することを好まない。この街なかで会えるとは思っていなかった。
「珍しいな、一人なのか?」
少し小走りに駆け寄ってきて、二人並んで歩き始める。
「うん。今、学校の帰りだから」
「へえ!学校!まじで?へえー。楽しい?」
「うん。古文とか僕にはちょっと難しいけどね。エイシアも、一緒に通うことになったんだ」
「まじかwwあ、ちょっと待って、コーラ買う」
自動販売機を見つけると、首から提げた小銭入れの中から500円玉を投入した。
「プチもコーラでいい?」
「あの……プチって、僕のこと?」
先ほども『プチ』と呼ばれた。
「あ……悪い。俺、人の名前覚えらんなくてさ」
コーラのペットボトルを手渡しながら、少しだけ申し訳なさそうに微笑んだ。
彼が名前を覚えないのは、義兄たちから聞かされてはいたが、自分のことをこのように呼ばれたのは初めてだった。
「あ、いや、いいんだ、気にしないで。コーラ、ありがとう」
「つかさ、白髪も学校通うってまじで?あいつもリコーダー吹いたりすんの?吹けんの?」
「……リコーダーは……吹かないんじゃないかな、多分……。
あ、繊は?音楽の授業好きだったの?」
「ん?俺?好きも何も、学校って行ったことないからなー。ほら、こっちの人間じゃないしさ」
「あ……そっか、そうだよね……。ごめん……」
「でも行ってたとしても嫌いだろうなー。リコーダー吹ける気しねえし。
牧もすっげーヘタクソだったし。こっそり練習してたけど。これ、内緒な。
プチは賛美歌歌ってそう」
「え?賛美歌?」
「うん。あ、でも、白髪も似合うか、賛美歌。つか、お前ら全員似合うよな」
「え?そう……?」
「うん。なんで?歌わねえの?」
「うん……歌わないけど……今度、みんなで練習してみるね!」
そう言って微笑むと、繊も釣られて微笑んだ。
「じゃあ、僕、こっちだから」
「おう、気をつけて帰れよ」
「繊も……!どうか……気をつけて」
「ああ、ありがと」
「コーラご馳走様!」
彼が穏やかな日常を送れていることを、確認できてよかった。
彼がこうして笑っていられるのなら、それがずっと続くようにと願う。
もう一人、シンもどうか、安寧でいられるように。
【END】
勝手に絡んですみませんww
そして、
》2-144に書き忘れましたが、文中のプチがしーさまです
しーさまのお名前、一度も出てきませんでしたがね!!
勝手に、『しーさんは古文苦手』設定付けちゃいました、すみません
繊さんはしーさまと話してるだけで癒されてるはず!逆はどうだかなwww
187 名前:1-091 投稿日: 2013/04/01(月) 23:20:00
※人形注意
※汚部屋注意
繊さんおでかけ
》2-144-145 をろだに上げました
雑貨屋にてかわいい小銭入れを見つけて思わず購入
最終更新:2013年04月05日 21:32