「CROSS IMPACT THE 2nd-意図するもの-」
作者: SS 本スレ 1-710様
586 :CROSS IMPACT THE 2nd-意図するもの-:2015/05/13(水) 21:30:07
本スレ1-710 です
本スレ1-200様 の
お子様(設定スレ 2-014) とうちの子のスピンオフな二次SSの第2話を
仕上げましたので、投下します
以下、属性表記です
・
設定スレ 2-037 の共通設定を下敷きにした現代風ファンタジーな世界観での二次SSです
・第1話 (
創作物スレ 2-251 ) からの続きものですが、多分、ここからでも読めるはず
・ストーリーは長めで、続きあり、今後もかなりのご都合主義的展開を含む
・登場キャラクター&CPは、アレス様×メサイアです ( 二人の年齢は多分15-16歳位? )
・エロあり ( 行為未了につき注意 )
・メサイアさんの一人称について、俺と私の2つの表記が混在してますが、間違いではない…はず
・今回分ではあまり関係ありませんが、メサイアさんのチート性能は相変わらずです
→ メサイアさんに世界最高峰機能を持つ個体との設定を付けたままになってます…
・設定準拠ではない表記、設定矛盾のある表記を若干含みます
・キャラ&設定が1-200様の公式設定から外れている可能性あり
こんな感じですがよろしかったらどうぞ
587 :CROSS IMPACT THE 2nd-意図するもの-:2015/05/13(水) 21:32:19
何時もの相手とよりも、幾分長く交わし合った口付けの後に、普段と変わらぬ形で目の前
の相手から自らが着用している真っ白なオーバーシャツがたくしあげられる。
「……っ、……」
それだけの所作だったが、金髪碧眼の見目麗しい少年――メサイアは僅かに声をあげた。
脇腹の辺りに添えられる手の大きさも、与えられる感覚の何もかもが、何時もとは違う。
当たり前だ。彼は何時も自分が相手にしている、あの人とは違う。
もっとも、これから先、成す行為は同じなのだが。
そんな事を思いながら、メサイアは、自嘲気味に相手から与えられる感覚へと再び意識を
傾けた。だが、一拍置いた後で、彼が採った行動は、何時ものそれとは違った。
メサイアは、黒髪と漆黒の瞳の精悍な顔つきの相対する少年――アレスの面差しの方へと
視線を向けながら、自身の脇腹の辺りに置かれていた相手の手の甲に自らの掌を添えた。
「待って」
「今更、僕の事を拒むのか」
相対するアレスの表情には、苦味を帯びた、憤りにも似た情が浮かぶ。
今のこの時点で、こんな風に振舞えば、相対する者は例外なく、誰だってそう思うだろう。
そう思いながらも、メサイアは、今、この時点で相対する少年の所作を一度、制しておき
たかった。
メサイアには、彼――アレスが、此方へと傾けてきた、その情が痛い程に解ったからだ。
だからこそ、今、この目の前の少年に対して、しっかりと向き合いたい。
その時、自らが相対するアレスへと、メサイアはそんな想いを傾けながら応じたいと考え
ていたのだ。
此方側の肌に触れるアレスの手は僅かに震えていた。
その感触をメサイア自身が、自らの身体に感じたと同時に、アレスが此方へと傾けている
感情は更なる鋭さを帯びて、痛いほどに伝わってくる。
彼――アレスは、いつものあの人……リチャード博士とは違う。
鬱屈した感情と自らが内包する劣情の全ての捌け口とする為に、自分を抱く、あの男とは
違う。
また、例えその根幹に、誰もが等しく持つ生物的かつ、俗物的な欲求があるのだとしても。
アレスから受ける感情はそれだけではない。
彼が見せたのは、ただ一つ、唯一のもののみを欲し、一途に想い焦がれるあの感情だ。
その感情はメサイア自身にも覚えがあるものだ。
メサイア自身も小さな藍色の髪と瞳の少年を求めていたから。
初めて彼の姿を目にした時からもうずっと。彼の傍に留まりたいと思った。
その為にこれまでずっと、従順な自分を演じ続けてきたのだ。
最初に姿を目にした瞬間、その姿に惹かれた。
理屈など無い。ただ、単に、彼に直に触れたいと思った。
彼の傍に留まりたいと願った。
それは未だに完全な形では叶えられていない希みとなっていたが。
今、自らが目の前にしている、このアレスという少年は、恐らくメサイアがあの時に抱い
た想いにも近しい感情をもって自分を――此方側を見ているのだ。
「違う。俺は君を拒んだりしない」
「じゃあ、何だというんだ!」
メサイアが淡々と告げたかのように思える言葉に対し、アレスは激しい感情を乗せたまま
ぶつけるように、声を荒げた。
その場で相手から受けた言動に全く動じる事無く、メサイアは、碧く澄んだ瞳でアレスの
事を見つめていた。
もう既にメサイアの瞳には、熱に浮かされたような劣情を帯びた感情は見出せない。
先程、自らが受けた快楽の兆しに応じるように滲ませた、生理的な涙の跡を目元に僅かに
残してはいたが、その表情からは、快楽のみを見出そうとする意図は失せていた。
相対する美しい少年の表情の変化を目にしていたアレスは、ほんの一瞬の間ではあったが、
その場で言葉を失くしたかのように、ごく僅かに戸惑いを帯びた表情を見せた。
アレスのその表情を目に留めたメサイアは、その場で穏やかに微笑み、先程から自身の掌
を寄せ続けていた、相対するこの少年の掌をそのままそっと自らの手に取った。
程無くメサイアは、アレスの手の甲へと自らの顔を寄せ、其処へ静かに口付けを贈った後
で、小さな声で囁くように言った。
「違うよ。ちゃんと、俺を抱いて」
「何故、そんな事を言う」
相手からの全く予期せぬ言葉を受けて、アレスはそう返した。
快楽を追うつもりなど微塵もなさそうな表情を見せながら、そう述べた、この見目麗しい
少年の心境が全く判らなかったからだ。
「言っただろう。私は君に抱かれたい。ただ、それだけだよ」
相手からの言葉を認識した直後に、メサイアは再び相手の少年――漆黒の髪と瞳を持つ精
悍な少年――アレスの面差しを見つめながら、そう言いきった。
「抱いて」
直後に、メサイアは自らの両腕を伸ばし、目の前のアレスの身体を引き寄せ、抱くように
しながら、再度短く言葉をかける。
――もっと、君の事を知りたいから。
アレスの口元へと軽く口付け贈りながら、メサイアは自らの思念を目の前の少年へと明確
に伝えていた。
それを合図とするかのように、メサイアのオーバーシャツに覆われた胸元へとアレスの掌
の強い力が掛けられ、其処に留められていた釦の幾つかが強引な所作で外される。
――いいよ。君が望むとおり、僕の事が良く解るようにしてやるよ。
アレスはメサイアに対して、自らの思念を送り返しながら、相手の肩口へと噛み付くよう
な鋭い口付けを施してやる。
「……っ、ぅ……」
そんな風に強く口付けたところで、目の前の見目麗しい金髪碧眼の少年――メサイアから
然して大きな反応は返ってきはしない。
メサイアの方からは、アレスが想定していたとおり、生物として、必要最低限の息使いの
延長線上にもあるかのような小さな吐息が返ってくるだけだ。
それでも、メサイアは、そうした状態の中に在っても、まるで相手へと儀礼的な世辞でも
送るかのように、再びアレスの背中へと自らの両腕を伸ばしていった。
此方側へと縋り着くかのように伸ばされたメサイアの両腕を一度、軽く振り払うようにし
てあしらった直後に、アレスは、この相手の少年の一方の腕だけを取って改めて引いた。
続けてアレスは、その腕を引きながら、メサイアが自ら自身の上半身を捻り、うつ伏せに
も似た体勢を取るように仕向ける。
メサイアが意図した姿勢へと体勢を変えた直後に、アレスは、その状態を保持したままに
させる為に、相手の身体を自らの許へ組み敷くように強く押さえ込んだ。
そうした状況に置かれながらも、相対するメサイアの方は、まるでそれをあらかじめ了知
していたかのように、声ひとつ上げる事は無い。
やがて、メサイアの下肢を覆っていた衣服にアレスの手がかかり、手荒い所作でフロント
の釦が外されてゆく。
そうして釦が外された直後にアレスの手によって、強い力で下肢を纏う衣服が引き摺り降
ろされた。
「……っ、……」
それでもメサイアは、その場で僅かに声を上げただけだ。
アレスは、今、この場において漸く、相手へと背を向けるような姿勢を保持したままで、
自身の美しい肢体の様を視る者の方へと顕わにしていたメサイアの方を改めて見遣った。
これでもう、疑う余地は微塵も無い。
目の前のこれは間違いなく、男としての性を備えている。
それは今、此方側に背を向けるようにして、背中から太腿辺りまでの素肌を晒している。
性別を明らかにさせるその場所が晒されていなければ、それは無性の――人間でさえない
何かにしか見えなかったのだが。
今、中途半端に衣服を纏ったままで、こんな姿を晒していても、それは酷く美しい別次元
の生き物のように見える。
通常の同年代の少年がこのような姿を晒していたら、さぞ滑稽にしか映らないのだろうが、
目の前のこれは殊更美しかった。
正直なところ、この生物研究所の一角にある、しかも特別に誂えられたのであろう監視カ
メラが配置された部屋で、同性である男とこういう事をすることになろうとは思っていな
かった。
だが、今、目の前のこれを目にする限りでは、そんな事はどうでも良いように思えた。
「前置きなんかしてやると思っていたなら、大間違いだ」
目の前に晒されたメサイアの傷一つ無い、しなやかな肢体を目にしながら、アレスは小さ
な声で呟くようにそう言った。
彼が自らの許に組み敷くメサイアからは、返答も反応めいたものも一切無い。
アレスはその事を気に留めるのを敢えて止めた。
それから間を置く事無く、アレスはメサイアの臀部に掴むように片手を添え、空いている
もう一方の手指をその奥先へと差し入れる。
「……っ、ぁ!!」
漸く、今、この段になって、メサイアから初めて反応らしいものが返ってきた。
メサイアは、僅かに自らの背中を緊張させながら、小さく肩を震わせている。
「どうした、君はもう、こんな事、慣れているんだろう?」
「ん……」
アレスからの問いかけにメサイアが応える事は一切無かった。
それを気にかける事なく、アレスは其処に差し入れたままにしていた指を数度、動かす。
初めて指を差し入れた男の其処は、女のそれと同じような肉壁の内側の熱を直にアレスの
方へと伝えてくる。
其処に差し入れた指をアレスが動かす度に、組み敷くメサイアの背中が僅かに揺れる。
今までに男とこうした行為に及んだ経験など、アレス自身には無かった。
だから正確な意味での比較など出来はしない。
それでも、今、相対するこの少年の其処は、ただの排泄器官に過ぎないくせに、女の其処
と比較しても遜色のない感触と締まりをアレスの指許へと伝えてくる。
些かグロテスクな成りをした女のソレよりも、幾分慎ましやかな成りをしている分、今、
この時点に至っては却って好ましくさえ思えるくらいだ。
「ぁ……」
相手の意思など無視したまま、其処で指を動かす事を更に重ねていくうちに、メサイアの
吐息が少しずつ、荒くなり、熱を帯びてゆくのが判る。
「君は、ココだけでも、ある程度快楽を追えるように仕込まれているんだな」
「……う、……」
それがアレスの掛けた声に対する否定を込めた言葉を吐きそこなった故の声色だったのか、
吐息の延長線上にあるものなのか、アレスには解らなかった。
ただ、メサイアがそれ以上、言葉を続ける事は無かった。彼はアレスの許で、先程よりも、
ほんの少し荒い呼吸を繰り返しているだけだ。それ以上の反応は何も無い。
「どうした、この程度で終わってしまったら、君が困るんだろう?」
アレスが再び投げ掛けた声にメサイアの肩が僅かに揺れた。
そうして、うつ伏せに近しい状態に置かれていたメサイアの口元にほんの一瞬だけ、自嘲
めいた笑みが宿る。
ああ、そうだ――。
自分はあの子の傍に居るという立場を得るためにコレをしていたのだった。
それ以外の事など何も望んでいない。今はただ、従順な存在で在り続けるだけだ。
それは解っている。
メサイアは改めてそう思い直しながら、自らに覆い被さる相手の膝の辺りへと自身の片手
を遣り、アレスに触れた。
相手が一瞬動作を止めた事を確認するとメサイアは、僅かに上半身を捻るようにして相手
の方へと視線を送る。
直後に自身の其処に挿し込まれていたアレスの指が引き抜かれた事を確認したメサイアは、
アレスの方へと向き直るために、自分自身の身体を捻るように更に力をかける。
その所作は、先にアレスの膝の辺りへと置いたままにしていた右手を掴まれる事により、
あっけなく封じられた。
アレスは自身の右手を重ね、更に強く力を入れてメサイアの手を掴む。
「僕から逃がれようというのか」
メサイアを拘束し、自らの許に見下ろすような体勢を強いたまま、アレスは獣のように低
い声色をもって言った。
「違うよ。どうせならもっと、愉しみたくはないか」
アレスの憤りに満ちた漆黒の瞳の方へと視線を向けたまま、メサイアは相手に向かって、
先程とほぼ同じように平然とした態度でそう問いかけた。
【 続く 】
お読みいただきありがとうございました!
なんとかメサイアさんにお相手を誘ってもらいましたが、結局この程度かよ!という感じになりました
お前、特定の誰か一人以外には滅多に頭下げないだろ……と思いましたです
先行き不安な状態ではありますが、よろしければ、次回以降も読んでやっていただけると幸いです
最終更新:2015年05月24日 00:28