「ああ――――――いい気分だわ」
上質な風鈴のように凛とした声色が響いた。
太陽を背に夜の眷属が漆黒の翼をはためかせる。
葵は病的なまでに白く細い指先で口の端から滴る赤い雫を拭った。
その仕草からは妖艶な色気すら感じさせる。
口元には蠱惑的な笑みが浮かぶ。
その笑みは儚げで美しいのに、どこか作り物めいていて酷薄な印象を受ける。
吸血鬼の持つ力には魅了があると言うが、それが納得できるようなこの世の物とも思えない魔的な美しさがあった。
ドレスのように闇を纏う漆黒の吸血姫は愉しそうに笑った。
足りなかった血液が脳にめぐり、酷く気分がいい。
満たされる気分だ。
微笑を浮かべたまま「来なさい」と誘うように手招きすると、傅くように鉄の馬が夜の女王の下にはせ参じる。
それは先ほど白兎によって前輪を破壊されたはずのブレイブスターだった。
破裂した前輪は酸化した血液のような赤黒い膜に補われていた。恐らく蝙蝠化した葵の一部だろう。
前輪のみならずその漆黒の表面(フォルム)には血管のような赤い線がいたるところに広がり、臓物の様に脈打っている。
吸血姫は手懐けた鉄馬に横乗りになると、誇らしげにその表面を指先で滑る様に撫でた。
吸血鬼には暗示や動物を操る力があると言うが、AIであるブレイブスターに対してまでその力が及んでいるのか。
それとも単純に度重なる衝撃に壊れてしまったのか、その真偽は不明である。
「どうリクさん、私すごいでしょう!?」
両親に構って欲しがる子供の様な無邪気さで、自らの手に入れた力を誇示するように熱烈なラブコールを送った。
だから私を見て、と。
「空谷さん…………君は」
白銀の戦士は悔しさをにじませた声で呟き、変わってしまった目の前の少女を見つめシルバーブレードを強く握り締める。
リクはこれまで葵を殺さないよう努めてきた。
空谷葵という存在は自分にとっても、白兎にとっても大切な友人だったからだ。
だが、その躊躇いが、白兎の犠牲という結果を生みだしてしまった。
判断を、誤ったのだ。
「君は、自分が何をしたのかわかっているのか…………!
手にかけた社長の姿を見ても、君は何も感じないのか!?」
何の意味もないと理解しつつ、リクは感情のまま叫んだ。
白兎は命を賭けて親友である葵を救おうとした。
だと言うのに、白兎は喰らわれ葵は彼女を一顧だにしない。
これでは余りにも報われない。
そんなリクの叫びを受け、葵は不思議そうな顔をして首を傾げる。
「何を言うのリクさん。ちゃんと感じてるわよ? 今だって私の中に白兎を感じているもの」
ゾッとするほど赤い舌で唇を舐めずり、慈しむように自らの下腹部を擦る。
優雅さすら感じさせるその所作からは、先ほどまでの理性を失った獣のような凶暴性は感じられない。
一見すれば理性を取り戻したように見えるがそれは違う。
余りにも平然としたその態度からは、罪悪感という物が欠片も感じられなかった。
正気を取り戻したと言うのならば、今まさに親友を手にかけこんな悠然としていられるはずがない。
彼女は自分が何を喰らったを認識しているし、食材に対する感謝もある。
だがそれだけである。
捕食者と被食者。
吸血鬼が人を血を吸うのは、人が家畜を喰らうの同じ事だ。
あれ程否定していたその価値観を彼女は肯定してしまったのか。
そうでなければ、自らが親友を喰らってしまったことに納得する理由を見いだせない。
皮肉にも彼女を止めようとした彼女の犠牲が決定打となってしまった。
ただ一つ、確実な事実として。
もはやリクの知る空谷葵はそこにはいなかった。
目の前にいるのは理性の箍が外れた、ただの血に飢えたヴァンパイアだ。
「吸血鬼、貴様はここで討伐する――――」
ならば斃さねばならない。
人々に仇成す悪とならば、家族であろうと友人だろうと恋人だろうと即刻斬り捨てる。
それが正義の味方であるヒーローの宿命だ。
その事実を深い後悔と共に受け入れる。
苦悩も後悔も銀の仮面の下に押し隠し、剣の切っ先を突きつけ感情を殺した声で宣戦布告を叩きつける。
「酷いわ。どうしてそんな事を言うの?」
本当に分らないと言った純粋無垢な問い。
吸血鬼が血を吸うのは当たり前のことだ。
おかしいと言うのなら、その摂理に逆らってきたこれまでの方がおかしかったのだ。
「お前の存在が、人を傷つけるからだ」
友を殺された復讐などではなく。
人々を護る正義の味方としての答えを告げる。
如何にそれが自然の摂理であろうとも、そこに悪意が無かろうとも、無辜の人々を護るためならば彼は刃を振るう。
「違うわ。私は貴方が欲しいだけ」
彼女に誰かを傷つけるつもりなんてない。
実際に吸血して理解できた。吸血鬼の本能。
求めるという事は食べるという事だ。
食欲は満たされた、次は心を満たすための求愛行為。
これは彼女にとって愛の戦争だ。
葵はリクを愛したい。
リクは葵を排したい。
愛と正義。
理由は違えど互いの立場は明白だった。
ならば、するべきことなど一つだ。
「さあ――――殺(あい)し合いましょうリクさん」
蕩けるような声で吸血鬼が愛を謳った。
応えるようにベルトから無機質な機械音が響く。
[Both Leg Charge Completion]
両足に銀の瞬き。
稲妻の如き俊敏さで銀光が吸血鬼の正面まで到達する。
容赦なく振り抜かれた刃が少女のか細い首を撥ねた。
だがそこに残っていたのは猛スピードで急発進したした事で生み出された、少女の残像だけだった。
一瞬で離脱を果たした鉄騎はスピンするようなターンをして静止する。
鉄馬に乗る吸血姫は行儀よく両足を揃え横乗りになっており、アクセルグリップすら握っていない。
急加速やターンによる負荷も重力制御でキャンセルしているのか、まったく意に介さず涼しい顔のままである。
「行きなさい」
漆黒の吸血姫の声に再び血の鉄騎が駆る。
山岳地帯と言う整備されていないオフロードは、バイクが走るには余りにも適していない。
だが、そこは常識外れのモンスターマシンだ、加えて操るのは正真正銘のモンスターである。
慣性も体勢も関係ない無軌道の動きで、その規格外のスペックを存分に発揮する。
やはりブレイブスターによる機動力は厄介だ。
先ほどまでは疎らだった重力による負荷も、吸血による能力強化により常時展開されており、鈍った足では対処しきれない。
エネルギーチャージを行えば重力すら振り切り瞬間的に張り合う事は出来るが、エネルギー残量を考えれば多用で切る手段でもない。
持続的なスピードでは圧倒的に劣る。
ブレイブスターに腰かける本体はその機動力の盾に守られ、このままでは攻撃を当てる事すら叶わない。
まずはブレイブスターを破壊する。
相棒ともいえる存在の破壊を躊躇していたが、加減できるほど生易しい相手ではないのはもう明らかだった。
腰を落としシルバーブレードを構える。
フレームやタイヤと言った単純な外装は見ての通りすぐさま補修されてしまう。
となると修復不可能な箇所を徹底的に破壊する必要がある。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
愉しそうに謳うように、高らかな嘲笑が響く。
遊んでいるのか、ぶんぶんとケツを振った田舎の暴走族のような蛇行運転で漆黒の鉄騎が迫った。
だが、その動きも亜音速で繰り広げられれば、捉える事が不可能な悪魔染みた突撃となる。
無茶な動きにも関わらずどういう訳か転倒することなくバランスが取れているのは重力制御の賜物だろう。
「くっ」
躱すこともままならず、すれ違いざまに火花が散り、シルバースレイヤーの体が撥ね飛ばされた。
だが掠めただけだ、ダメージは軽微である。
すぐさま受け身を取って、地面で一回転して立ち上がる。
顔を上げた時には既に、Uターンしてきた漆黒のブレイブスターが迫っていた。
[Silver Blade Charge Completion]
シルバースレイヤーは受け身と同時に既にベルトを操作していた。
銀の光がブレードに満ちる。
「舐めるな」
野球のバッターの如く、待ち構えるようにしてシルバーブレードを振り被った。
左右にブレながら迫る亜音速の突撃は脅威だが、同じ技を二度も喰らうほどシルバースレイヤーの学習能力は低くない。
いかに速かろうともタイミングさえ見誤らなければ、左右の二次元的な動きであれば線を描く横薙ぎの斬撃で両断できる。
[Go! Silver Thrasher]
だが、タイミングを合わせて振り抜かれたその一撃は空を切った。
銀の軌跡を描くシルバースレイヤーの頭上に巨大な影がかかる。
「なっ…………!?」
見れば、そこには鉄塊が浮いていた。
重力操作により超重量を無くし、地面の凹凸を利用して跳び上がらせたのだ。
前輪を掲げたウィリーのような状態のままシルバースレイヤーの真上に来たところで、無重力から解放された0.5tの鉄塊が落ちる。
標的を押しつぶすべくスタンプのように後輪から落ちた。
シルバースレイヤーは咄嗟に両腕でガードするが、ズギャギャギャと、プレス機によりスチールが潰れるような甲高い音が鳴り響く。
猛回転を止めない後輪が腕の装甲を削る音だ。
「ぐ…………っ!」
丹田に力を込めその衝撃を堪えるシルバースレイヤー。
回転の摩擦によりブレイブスターが腕から弾かれ、跳躍するように離れる。
摩擦によって生まれた白い煙で尾を描きながら、その巨体はそのまま宙を進んでダムの壁面へと張り付いた。
「どうしたのリクさん? もっとカッコいい所を見せて!」
驚くべきことに、それは煽りではなく本心からの言葉だった。
自らを倒そうとする相手の活躍を願う倒錯した言葉だが、好きな相手の活躍を見たいという少女の心と、好きな相手を喰らいたいいう吸血鬼の心は彼女の中で矛盾なく両立している。
超重量の大型マシンが天地などないかのような縦横無尽さでダムの壁面を直走り、頂点近くで切り返すと落下するように滑り落ちた。
垂直に近い壁面を発射台をして最高時速に乗った黒い流星が白い戦士に襲い掛かる。
大きく飛び退き身を躱すシルバースレイヤー。
同時に、物言わぬ白兎の傍らに落ちていた銃――『ナハト・リッター』の扱う万能銃リッターゲベーアを拾い上げる。
三次元的な縦の動きまで加わるとなると近接戦のみでは捉えるのは難しい。だからこれを使う。
ダイヤルをフックモードに切り替え、先端のフックにシルバーブレードを連結する。
Uターンの隙を狙って引き金を引くと、漁に使う銛のように勢いよく刃が射出された。
だが、そんなものは常識外れた機動力の前には無意味だった。
自らを亜音速の弾丸としながらも、放たれた刃に超反応し常識はずれの軌道でこれを避ける。
刃は明後日の方向に飛んで行き、漆黒の吸血姫は健在だ。
愉しげな笑みを浮かべながらシルバースレイヤーを轢き殺さんと加速する。
「ぐぁ…………ッ!」
その衝突を躱し切れず、吹き飛ばされるシルバースレイヤー。
だが、吹き飛ばされながらも焦ることなく、握りしめたリッターゲベーアの引き金をもう一度引いた。
ワイヤーの巻き取り機能が動き、勢いよく刃が引き戻される。
背後から急接近する刃の存在に吸血鬼も気付き回避行動に移ったが、逃すまいと手首を返して鞭のようにワイヤーを振るう。
鞭の先端は音速に迫る。
たとえ相手が亜音速であろうとも逃しはしない。
引き戻ってきた刃がすれ違いざまブレイブスターの表面を掠める。
だが、いかにシルバーブレードと言えども掠めただけでは大した損傷を与えることはできない。
小さな穴を開けるのが精々だ。
シルバースレイヤーは地面に着地すると戻ってきたシルバーブレードを掴む。
「ちょっとだけ危なかったわ。けれどそれでおしまいなの?」
悪くない手だったが、ワイヤーが戻ってくると分っていれば同じ手は通用しない。
血の鉄騎は止まらない。
今度こそ敵を喰らわんと稲妻のような軌跡で悪魔が迫る。
「ああ、おしまいだよ」
「!?」
突然、ブレイブスターの動きが大きく減速した。
原因不明の現象に吸血姫が初めて戸惑いの表情を見せる。
シルバースレイヤーが動く。
[Right Leg Charge Completion]
弧を描くような軌跡で静止したバイクの背後へと回り込んだ。
そこには線を引かれたような水たまりがある。
そして、パチンと銀の火花弾ける右足で地面を踏みつけた。
飛び散った火花が水たまりへと引火し、炎の道が描かれた。
炎は一直線にブレイブスターへと延びると、爆発を引き起こしその表面にこびり付いた漆黒を吹き飛ばした。
使い手であるシルバースレイヤーはブレイブスターの構造は誰よりも理解している。
狙いはガソリンタンクだった。
ガソリンがなければエンジンは廻らない。
ここならば大きな損傷を与える必要なく致命的な打撃を与える事が出来る。
爆発したブレイブスターを見送りリクは心の中で戦友に詫びる。
だが足は完全に潰した、前哨戦は終わりだ。
シルバースレイヤーはキッと鋭く上空を見つめる。
そこには爆発の直前に離脱していた吸血鬼が翼をはためかせていた。
本番はここからである。
「……いいわ、いい。リクさん。ますます貴方が欲しくなっちゃった」
両手を上気した頬に添え、うっとりと恍惚の表情で呟く。
その肌から薄く白い湯気が沸き立った。
亜音速により生まれた空気の壁と言う盾を無くし、直射日光を浴びた弊害だろう。
上気分に水を差されたのか、恨めしげに空を見上げる。
「……これからデートは本番だって言うのに、舞台が悪いわね」
彼女がこれまで『陽の下を歩く者(デイウォーカー)』足り得たのは、吸血鬼としての吸血行為を行わなかったからだ。
だが二度の吸血により吸血鬼の属性が強まった今の彼女にとって日光は天敵足りうる。
強力な力を持つ彼女が一瞬で灰になるなどと言う事はない。
少々皮膚が焼かれる程度で、その程度の火傷など吸血鬼の再生力で瞬時に回復される。
致命的ではない、だが煩わしい。
「少し場を整えましょうか…………!」
片腕を天に掲げ頭上の太陽を握りつぶすように閉じる。
ぐにゃりと空が捻じれた。
周囲の風景が色あせるように影を落とす。
――――――夜が来る。
天には闇の帳が落ち、その中心には黒い太陽。
暖かな太陽が好きだったあの頃の自分を否定するかのように、日の光を否定する。
葵は天空に重力レンズを生み出し、光を歪ませてこの一帯に夜を作り上げたのだ。
闇の世界。
怪異の世界。
吸血鬼の世界。
この世界こそ、彼女が最大限の力を発揮できる世界だ。
世界の中央では、夜の女王が薄く笑う。
漆黒の闇の中に発光するような白い髪が煌々と輝き、朱色の薄い唇が吊り上がる。
「なん…………だと」
限定的とはいえ世界を塗り替えるほどの力にヒーローは僅かに驚愕した。
吸血鬼の力とは、これほどまでに強力なモノなのか?
空谷葵は、
クロウや妹紅と言った吸血鬼によって噛まれた結果、吸血鬼に為ってしまった者たちとは違う。
彼女は生まれながらの吸血鬼。真祖と呼ばれる純血種である。
その潜在能力は元人間の吸血鬼どもとは比べ物にならない。
吸血を否定していたからこそ、その力を十全に発揮する事ができずにいたが。
その枷が解かれた今、彼女は世界をも塗り替える怪異となった。
だが、夜戦を得意とするのはシルバースレイヤーも同じである。
しかしそれは彼の象徴たる月の恩恵によるもの。
この偽りの夜には月は存在せず、その位置には黒い太陽が鎮座していた。
つまりこの世界は吸血鬼のみが一方的な地形効果を得られるフィールドである。
闇の濃度が増す。
キーキーと音波のような甲高い鳴き声が幾重にも重なるように鳴り響いた。
吸血姫が周囲に侍らせたのは使い魔である蝙蝠たちだ。
本来であればシルバースレイヤーにとって使い魔である蝙蝠などは脅威ではない。
使い魔程度の力ではシルバースレイヤーの装甲を破ることはできないからだ。
だが真祖の力を発揮した今、使い魔の特性もまた変化していた。
宙に浮かぶ蝙蝠たちが一斉に羽を畳む。
その身を閉じた傘の様に捻ると、先端を高質化させ鋭利に尖らせた。
それはさながら槍のようである。
「行きなさい」
優しく囁くような声を合図に、一斉に槍が降り注ぐ。
シルバースレイヤーはバックステップで回避を試みるも、後方に跳んだ体は重く思うように動かなかった。
夜の訪れによって吸血鬼としての力がさらに高まったのだろう。
それに伴って周囲に圧し掛かる重力も増していた。
シルバースレイヤーの体をダーツの的にするように、ズガガガガと小気味良い音を立てて幾つもの槍が突き刺さる。
一つ一つは大した損傷ではないが、確実に小さな亀裂を広げてゆく。
「ちっ!」
[Body Charge Completion]
銀の閃光。
エネルギーをスパークさせ纏わりついた蝙蝠どもを振り払う。
そこで何とか体勢を建て直し、周囲を見渡せば、見えるのは闇。闇。闇。
前後左右、天を含めた全方位を取り囲むようにして、視界を埋め尽くす程の密度で蝙蝠たちが犇めき合っていた。
無限にも近い蝙蝠を生み出す吸血鬼に対して、白銀の戦士が持ちうる武器はそのは四肢と一本の剣のみ。
対応することは不可能に思われた。
一片の隙間もない豪雨のごとく漆黒の影が降り注ぐ。
もはや回避など不可能なその絶望的な光景を前にして、シルバースレイヤーは引くのではなく前に出た。
この程度の窮地乗り越えられずして何がヒーローか。
全てを切り裂く必要などない。
敵と自分を結ぶ最小限の道筋が開けばそれでいい。
[Go! Silver Thrasher]
振り上げた白銀の刃を一閃する。
縦に振り抜かれた一撃は蠢く闇を切り開いた。
それはさながら夜闇の中で人の足元を照らす月光の如く道筋を示す。
[Right Leg Charge Completion]
蝙蝠たちが再集結して道が閉じてしまう前に駆け抜ける。
シルバースレイヤーの戦いは如何に近接戦に持ち込むかに集約されている。
近づけば勝てるという訳ではないが、近づかなければそもそも始まらない。
その足を止めんと左右から蝙蝠たちが突撃してくるが、多少のダメージは気にせず、上空に浮かぶ夜の支配者の下へ一直線に突き進む。
密集した蝙蝠たちを利用して、踏みつけながら天へと駆け昇る。
「あぁ…………っ」
そんな決死の想いで自らの下とへと駆け付ける愛しい人を見て吸血姫は股座に手をやり熱い吐息を漏らした。
高鳴る胸を押さえきれず、待ち構えるのではなく迎えに行くように真正面から距離を詰める。
[Go! Silver Break]
昇り竜のように飛び上がりながら、横に振り抜く回し蹴りを放った。
蹴りの軌跡に銀の粒子が飛び散り瞬く。
銀光に中てられた吸血鬼の体がバラバラに砕け散った。
だがそれはダメージによるものではない。
自らの体を無数の蝙蝠に変えシルバーブレイクを回避したのだ。
蝙蝠たちはシルバースレイヤーの背後へと回り込むと、再集結して再び人型となる。
身動きの取れない空中で背後を取られたシルバースレイヤーだが、空振り行き所のなくしたエネルギーを推進力に変えグルリと背後へと反転する。
そのまま反転する勢いを乗せて、遠心力の篭った一撃で背後の敵へと斬りかかる。
だが、その途中で振り抜かんとする腕をガシリと掴まれた。
動きが読まれたという訳ではないだろう。
それは単純な反射神経と運動能力によるもの。
技術や経験を凌駕する、人間離れした力がそこにはあった。
単純なスペックが違う。
ただの素人ならまだしも、シルバースレイヤーの近接戦における実力は裏の界隈でも右に出る者はそうはいない。
そんな百戦錬磨のシルバースレイヤーと比較しても、なお化け物じみている。
シルバースレイヤーの視界がブレる。
吸血鬼が腕を掴んだまま空中で勢いよく回転を始めたのだ。
さながらダンスのターンのようだが、振り回されている方からすれば地獄である。
遠心力と高重力により、内蔵が飛び出るのではないかというほどの圧力が全身を襲う。
そして、吸血姫はそのまま地面へと急降下を始めると、勢いを乗せシルバースレイヤーの体を地面へと叩きつけた。
「がは…………ッ!!」
仮面の下の口元から血の混じった胃液が吐き出され、その体がバウンドする。
轟音と共に砂煙が舞い、地面に大きなクレーターを作り上げた。
使い魔たちは女王に道を開けるように一斉に周囲へと散る。
倒れこんだシルバースレイヤーの上に、ゆっくりと吸血鬼が馬乗りになった。
その体勢のまま両手を抑え、動きを封じると、口元から白く鋭い牙をむき出しにする。
「……リクさん。リクさん。リクさん! 貴方の血を頂戴!」
想いが成就される瞬間を前に、言葉に熱が籠る。
腕に力が入り、先ほどブレイブスターによって削られた腕部の特殊装甲が空き缶のように音を立て軋む。
吸血鬼とは吸血、飛行、魅了、蝙蝠化、再生力、葵に限って言えば重力操作といった数多の異能を持つ怪異の王だ。
しかして、吸血鬼の恐ろしさはそこではない。
その真の恐ろしさは、単純なその怪力にある。
振り払おうとするが、ビクともしない。
「ずっとそうしたかった。体が熱いの! あぁ……心臓がバラバラになってしまいそう。
さあ、私と一つになりましょう。そうすれば、もう寂しくなんてなくなるわ」
乙女は熱に浮かされたように思いの丈を吐露する。
だが、男はその言葉に引っ掛かりを覚え、思わず問い返した。
「寂しい…………?」
「だって、リクさん独りぼっちじゃない」
氷山リクは言葉に詰まった。
それが的外れだったからではない。
それは紛れもない事実だったからだ。
彼は独りだった。
別にハブられているとか、いわゆるボッチだったという話ではない。
困った人を放っておけず、誰にでも優しい彼の周りにはいつだって多くの人がいたし、通っている大学にだって友人と呼べる人もいる。
けれど、彼は誰と付き合うにも一つ線を引いていた。
一定以上は近づけないような、見えない壁のようなものがあった。
彼には正義の味方として全ての人間を守ると言う使命がある。
巨悪との戦いでいつ命を落とすとも知れないし。
自分の知り合いだからと言う理由で家族や友人、恋人なんかを巻き込んでしまうかもしれない。
誰かの大切になる訳にもいかず、誰とでも分け隔てなく付き合うか誰の心にも残らない。
自然とそんな生き方をするようになっていた。
「だから、私がずっとそばにいてあげる」
そして彼と同じ光と夜の狭間、夕暮れに立つ者として彼女には彼の引いたその線が見えていた。
そうじゃなくても、ずっと彼を見てきた。
ずっと彼を想ってきた。
全ての人間が大事だという事は、全ての人間が特別ではないという事だ。
彼の生き方は満ち足りているようで酷く孤独だ。
詰まる所、彼には背中を預けられる戦友はいても、心を預けられる親友はいないのだ。
人々の輪に加わって笑うのではなく、人々の輪を一歩引いたところから見守って満足気に笑うような。
そんな彼の笑顔が好きだった。
そんな彼の笑顔が嫌いだった。
優しい笑顔の中、時折見せる寂しそうな顔。
彼を心から笑わせてあげたいと思った。
その寂しさを癒してあげたかった。
寄り添っていたかった。
ずっとあなたの側に居たいと願ってしまった。
だが、その言動が一致していない。
傍に居たいと願った相手を、今ままさに血を吸い絶命至らしめんとしている。
単純に理論が破綻する程壊れてしまっただけなのか。
その真意がリクは分からなかった。
「私気付いたの! これまで拒否していた血を吸って、分かったの。
血を吸うって、命を喰べるってそう言う事なんだって」
空谷葵は吸血鬼と人間が共存できる世界を夢見ていた。
夢見るという事はつまり、そんな世界は現実のどこにも存在していないという事である。
だが、その答えは、最初から己の中にあったのだ。
あれ程否定していた、吸血鬼と言う己自身の中に。
生きた人間から血を吸うと言うのは、子供のころ飲んでいた吸血パックや、ましてやトマトジュースなんかとは違う。
命を喰らうという行為だ。
それは血を対価に相手の存在その物を己の中に取り込むという事である。
生きた証を。
生きた意味を。
その人間が生きた全てを、己の物にしてしまう行為だ。
本来、命を喰らうとはそいう行為なのだ。
「私の中で生きるの、ずっと一緒よ。永遠に。
白兎もいるわ、これからもっともっとたくさんの人が一緒に居られる」
それは一つになって生きるという事。
別れることも、争う事もない。
それは平穏が約束された永遠の世界。
「だから、貴方の血を吸うの! 貴方が欲しいの!
貴方の事が好き! 好きなの! 貴方が好き! 大好き、愛してる!!
だから私と生きて、私のために死んで! シルバースレイヤーァア!!!」
悲鳴のような絶叫。
熱に浮かされた声に目眩がする。
先ほどから拘束から逃れるべく抵抗しているが、まるで引きはがせない。
機関銃の様にぶつけられる愛の言葉に思う所がない訳じゃない。
リクだって葵の事は憎からず思っていた。
だけど、
「悪いけど、お断りだ」
それが答えだ。
見知らぬ誰かのための命を懸ける正義の味方は、特定の誰かのために死ぬことは許されない。
彼女のために死ぬことなど出来ない。
確かに正義の味方の生き方は孤独なのかもしれない。
切っ掛けはブレイカーズに浚われ、ナハトリッターに助けられた事だ。
最初は巻き込まれただけだったのかもしれない。
彼にそんな義務などないのかもしれない。
「それでも、俺が自分で選んだ道だ。寂しいとは思わない。余計なお世話だ」
その言葉に、腕を拘束していた握力が弱まる。
その隙を逃さずシルバースレイヤーは右腕で素早くベルトを操作した。銀の光が奔る。
だがエネルギーチャージをしたところで、この怪力に拮抗できるかどうか。
三行半をつきつけられた葵が呆然としていたのも一瞬。
ギリと噛み締めた口を開き、激昂したように牙を首筋へと突き立てた。
[Energy Type Change ―――――Mode Wizard]
変化は仮面に隠れたその下で起きていた。
氷山リクの赤い前髪と青い後ろ髪の色が入り混じり紫へと染まる。
それに呼応する様にシルバースレイヤーの全身を包む銀の輝きが紫電へと変わった。
今まさに牙を突き立てんとしていた葵の体がその輝きを受け、弾かれる様に引き剥がされる。
何が起きたのかわからず、葵は焼けるような痛みを全身に感じながら呆然とその紫の輝きを見つめる。
それはずっと彼を見てきた葵ですら見た事のない、シルバースレイヤーの姿だった。
―――――モード・ウィザード。
近接戦闘特化という戦い方が変わるわけでもない上に、単純な出力はモード・ファイターよりも3割程落ちる。
それ故に、リクがあまり好んで使用するモードではない。
だが、その攻撃には一つの大きな特徴があった。
ブレイカーズ製第三世代型怪人、『月』を象徴(モチーフ)とした惑星型怪人No.009(ラストナンバー)。
第三世代型にはその設計にこれまでの怪人にはない一つの要素が組み込まれている。
それは魔術的要素である。
実験的に神話型怪人に取り込まれ、惑星型怪人に正規導入された代物だ。
いわば科学と魔術のハイブリッドである。
惑星型怪人にはその設計にカバラの生命の樹(セフィロト)の見立てが組み込まれていた。
シルバースレイヤーに組み込まれたのは、セフィロトの樹における月を象徴とするセフィラ『イェソド(基礎)』である。
『イェソド』はアストラル界を表し、関する色は紫。数字は9。守護天使はガブリエル。そして金属は銀を示す。
モード・ウィザードにはその属性を付与する効果があり、銀は悪魔の弱点である。
紛いものである
覆面男には効果がなかったが、吸血鬼と言う生粋の怪異には銀の属性は効果的だろう。
出力の落ちるこのモードは、高重力下の活動には適していないが、確実に当てられる距離ならばこのモードこそがベストだ。
エネルギー残量:8%。
行動可能時間はあと僅か。
空に逃げられる前に一気に片を付ける。
周囲には視界を埋め尽くす程の蝙蝠による漆黒の壁ができているが、使い魔に構っていられる余裕はない。
残りエネルギー全てを目の前の相手に注ぎ込む。
防御はなしだ、刺し違えても仕留める。
そうシルバースレイヤーが決死の覚悟を固めた所で。
瞬間、空を埋め尽くす蝙蝠の天蓋が五つの閃光により焼き払われた。
「ッ!? なに?!」
蝙蝠たちを焼き尽くした閃光はダムの壁面へと衝突し、穿たれた穴から大量の水が瀑布となって溢れだす。
だが、彼らの視線はそんな方向には向けられていなかった。
彼らの視線は閃光の発生源に向けられる。
「なんで――――」
恋に喜憂していた夜の支配者が不快感に表情を歪める。
それほどまでに、それはこの世界において在ってはならない異物だった
現れたのは黄金。
黄金の歓喜。
背に猛き日輪を背負う。
その名は――――
「…………ゴールデン・ジョイ」
「どもどもぉ~」
黒い太陽が支配する闇の世界に、光を放つ黄金の太陽が地上より昇り来た。
その登場が余程意外だったのか、白銀の戦士もまた呆れたように言葉を失っていた。
「何で、お前」
「ははっ。ボロボロですねぇ。シルバースレイヤー」
傷付いた無様な様を笑い飛ばす。
元よりピンチだからといって助けるような間柄じゃない。
彼女にはわざわざ彼を助ける理由がない。
「まあ、その辺の事情はいろいろあるんですが。
ま、これだけ異界化してれば嫌でも目立ちますからね、来てみればこれですよ」
そう言いながら、ゴールデン・ジョイは地面に転がった白兎の死体を見つめる。
それで大体の事情は察したらしい。
「いきなり出てきて何なのよ! 邪魔しないでよ!!」
「はは。振られ女のヒステリーは見苦しいですよぉ」
言って。ぎらついた赤い瞳で吸血鬼を睨み付けながら前へと踏みでる。
日輪に中てられ、知らず吸血鬼が一歩引いた。
「あなたも。血を吸わないままであれば見逃してやってても良かったんですけどねぇ。
残念ですが。吸血鬼、特に真祖はぶち殺せが社是ですので。あなたはここで消えてください」
軽い調子でそう言ってのける。
だが、その言葉には軽さとは裏腹に確信に近い自信に満ち溢れていた。
太陽の化身たるゴールデン・ジョイは正しく吸血鬼の天敵である。
事実、彼女はこれまで何人ものバランスブレイカーである真祖を狩ってきた。
例え今の葵が相手だったとしても、ほぼ間違いなく勝利を収める事だろう。
「引っ込んでろ。俺がやる」
だが、その肩に制止の手がかかった。
ボロボロの銀の手甲。シルバースレイヤーだ。
「勝てるんですかぁ? あなたで」
試すような、嘲笑うような声。
正義の味方として、悪を滅ぼすためなら確実に勝てる手段を取るべきだ。
矜持や感傷など、そんなもののために意地を張るべきではない。
「そんな分かり切った事、いちいち聞くじゃねえよ」
そう言って、白銀は金色の横を通り抜ける。
金色はその返答に「ですか」とだけ言って肩をすくめた。
「いいでしょう。まあ私も逢瀬を邪魔するような野暮はしませんよ。
お膳立てはしました、ここから先はお二人で存分にどうぞ」
そう太陽に送り出され、月の戦士が一歩踏み出す。
その足元からは水音がした。
見れば、ダムの穴から溢れた大量の水が流れ、そこには小さな川が出来上がっていた。
そしてこれこそが、自らが行う筈だった吸血鬼退治のためにゴールデン・ジョイが打った布石だった。
吸血鬼は流水を渡れない。
にも拘らず、彼女は流水の真っただ中にいた。
不文律を破った吸血鬼は、その存在を一段階落とす。
空からは流水。
地上には太陽。
そして手には銀の刃。
吸血鬼退治に必要な舞台は十分すぎるほどに整った。
吸血鬼は絶大な力を持つ怪異の王であるが故に、その在り方に縛られる。
一つ一つは大した効果はなくとも、三つ重なれば十分な効果を発揮する。
「重力を全体に張ったのは失敗だったな」
重力の弱まりと共に力の弱体が手に取る様に把握できる。
今の葵からは白兎の血を吸う前程度の力しか感じられない。
今ならば勝てる。
そう確信する。
だが、それだけの悪条件を前にしても葵は引かなかった。
力の衰えは感じている、だけど。
溶けてしまいそうな日輪の輝きよりも。
流水に足を生み入れる嫌悪感よりも。
銀による全身が燃え上がるような痛みよりも。
内側からそれこそ自らの身を焼き尽くしてしまいそうな衝動があった。
彼女はどうしても彼が欲しい。
燃えるような恋慕の炎。
周囲に散らばった使い魔の蝙蝠たちを呼び寄せる。
それは元は葵の体の一部だ。
力の分散を避け、一点集中することで失った力を補ってゆく。
「どうしても貴方が欲しいの……欲しいの! リクさん!!」
「来い。決着をつけよう。吸血鬼」
吸血鬼が駆ける。
力を落としているはずなのにその動きは速く。
その瞬発力はブレイブスターのそれに匹敵するだろう。
待ち構える白銀の戦士は動かず、ベルトへとそっと手を添えた。
[Full throttle Charge]
残り全エネルギーを注ぎ込む。
全身が紫がかった光に包まれる。
その間に吸血鬼が距離を詰めた。
そして、人を濡れ紙のように引き裂く剛力が振るわれる。
[Go! Break Atack]
その一撃を紙一重で避ける。
僅かに掠めた頭部のパーツがはじけ飛んだ。
カウンターで胴の中心を殴り抜ける。
葵の全身が爆発するように弾け飛ぶ。
蝙蝠化による回避だ。
[Go! Silver Break]
その群体を散らすように回し蹴りを放つ。
紫の瞬きが横一文字を描き、蝙蝠たちか四方へと散り散りとなった。
如何に蝙蝠を仕留めようとも、本体である吸血鬼を倒すことは不可能である。
だが、倒す手段がない訳ではない。
全身を蝙蝠化しようとも、必ず核となる心臓が存在する。
蝙蝠たちの外見に差はなく、その心臓を見つけ出すことは困難だが、見つける方法はあった。
紫に輝く刃を手に、シルバースレイヤーが駆ける。
向かうのは、ばらけた蝙蝠たちの向かう先。
一旦ばらけた蝙蝠たちは心臓を中心に集結するのだ。
その中心にあるのが、吸血鬼の心臓だ。
[Go! Silver Thrasher]
斬。夜を切り裂き紫電が奔る。
鋭く醒めた月光が、一匹の蝙蝠を両断した。
僅かに遅れ、両断された蝙蝠を中心に空谷葵という型が復元される。
「か…………っは」
力を失った少女の体が、青年の胸に倒れこんだ。
それは受け止めたと言うより、倒れた体の先に青年がいたという形である。
しかし、圧し掛かってくる葵の体をリクは振り払わなかった。
もう彼女に彼を害するだけの力はない。
心臓を破壊した時点で消滅は免がれないのだから。
夜が明ける。
使い手が力を失い一帯を包んでいた重力レンズが崩壊した。
差し込んだ陽の光を浴びて、吸血鬼の体が徐々に灰となってゆく。
体を灰と溶かしながら、吸血鬼は目の前の首筋に噛みついた。
だが、弱弱しい牙では白銀の装甲は貫けない。
それでも愛する人に熱く情熱的な口づけでもするように、自身の消滅も気にせず首筋を啄み付た。
そんな、どこか憐れを誘う姿で消えゆく女を見ながら。
仮面の下の感情を隠して告げる。
「――――――地獄で詫びろ」
奪ってしまった命に。
己の為してしてしまった罪を。
彼女に悪意がなかったとしても。
誰かに陥れられたことだったとしても。
どんな理由があれ許される事ではないのだから。
「 」
首元から口を離し、耳元で少女が口を開いた。
けれどそれは言葉になる前に、少女の体は灰になって崩れ落ちた。
白色の灰が空に舞う。
[Energy Depletion Forced Release Transform]
同時に、エネルギー枯渇により変身が強制解除される。
生身となった体に強い風を感じながら、どこまでも飛んでいく白い灰を見送った。
途中、日の眩しさに目を細めると、その行先は見失われてしまった。
「お見事でした」
「結局、何が目的なんだお前」
何故リクを助けたのかの理由ははぐらかされて聞けず終いだ。
「いろいろあるんですって、じゃあその辺のお話をしましょうか。と、その前に」
そう言って、熱閃を放ちボコンと音を立てて地面を抉った。
人一人が入れるような大きな穴だった。
「まずは白兎さんの供養でもしましょうか」
【空谷葵 死亡】
【F-6 山中(ダム付近)/午後】
【氷山リク】
状態:疲労(大)、全身ダメージ(大)、両腕ダメージ(大)、エネルギー残量0%
装備:リッターゲベーア
道具:悪党商会メンバーバッチ(2番) 、
サイクロップスSP-N1の首輪、基本支給品一式、ランダムアイテム1~3(確認済み)
[思考・状況]
基本思考:人々を守り、バトルロワイアルを止め、
ワールドオーダーを倒す。
0:恵理子に対処
1:エネルギーの回復手段を探す
2:
火輪珠美と合流したい
3:ブレイカーズ、悪党商会を警戒
※大よその参加者の知識を得ました
※心臓部のシルバーコアを晒せば、月光なら1時間で5%、日光なら1時間で1%エネルギーが回復します
【近藤・ジョーイ・恵理子】
[状態]:疲労(大)、胴体にダメージ(小)、左肩に傷(大)、左胸に傷(大)、右腕に銃創
[装備]:なし
[道具]:イングラムの予備弾薬、シルバーコア、ランダムアイテム0~3(確認済)、基本支給品一式
[思考]
基本行動方針:悪党商会の理念に従って行動する
1:リクと話す
2:二時間たったらまた正義でも悪でもない参加者を一人殺害し、首輪の爆破を回避する
3:首輪を外す手段を確保する
最終更新:2016年10月02日 19:16