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青春ヨーイドン!

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青春ヨーイドン!◆VnfocaQoW2




恥ずかしいけどさ―――
一発コイバナかますから、ちょっと黙って聞いてくんない?



【大島咲夜・14歳の場合】



アタシってさ、ほら、がさつじゃない?
短気だし喧嘩っ早いし家庭科の実技で補習食らうし部屋片付けらんないし。
そんでもって何より怪力だしね。
幼稚園の頃のアタシの仇名、「サクゾー」。
コレね。
「女ではありえねー程強いから、ホントはお前、男だろ?」っていう由来。
まあ、言われりゃ納得なんだけどさ。
ホント、そうなんだけどさ。
それでもやっぱり、ケッコー傷ついててさ。

そんな時だったさ。
とーるが引っ越してきたのって。

その頃のとーるってなよなよした都会っ子でさ。
なかなか回りに溶け込めなくって。
公園なんかで、よく近所の二つ三つ年上の子に苛められてて。
一人で泣いてて。
ま、その時のアタシ、実はとーるなんてどうでも良くて。
イジメって行為にむかっ腹が立って。
それでまあ、やっちゃったワケ。
イジメっ子どもを、がつーんと、こう、さ。
したらそいつら、わんわん泣き出して、散り散りに逃げ出して。
アタシが滑り台の上で勝利のポーズを取ってたら、なんか視線を感じて。
下向いたら、そこにさ。
とーるがいたんだ。
すっげー目ぇキラキラさせてさ、ほっぺた赤くしててさ、
アタシのこと見上げて、こう言ったのさ。

『カッコイイ……』

その表情がもーなんだか、ほんとにもー。
胸がぽかぽかして堪んなくなる表情でさ。
思わずとーるのこと、ぎゅーって抱きしめちゃって。
で、勝手に誓ったのさ。

―――とーるは一生、アタシが守る!

それがアタシの初恋さ。


でもさ、年月って残酷だよね。
女って損だよね。

その頃は弱っちかったとーるがさ。
そのあと空手なんか始めちゃって。
なんか才能あったらしくて。
メキメキと頭角なんて表しちゃって。
中学に上がった頃にはケンカ番長みたいになっちゃって。
で、いー笑顔でこんなこと言うわけ。

『これでもう、サクに守られないで済むな』

え、それって何? 幼馴染卒業宣言?
ふざけんなっつーの!
アタシはアンタを一生守るって決めてんのに!

もー、そう思ったら居ても立っても居らんなくってさ。
その場で決闘を申し込んださ、アタシは!

……結果?
聞くねぃ、そんなコト。

ボロ負けだったさ。
アタシのパンチもキックも全部避けられてさ。
避けられまくってさ。
アタシが息切らした頃に、一撃、ズドン!
正拳、顔面に、ズドン!
……まあ、寸止めだったんだけどさ。
その勢いに腰抜かしちゃってさ。

『な? わかっただろ?』

そう、余裕の笑みで言う訳さ。
おまえなんていらねーって言う訳さ。

さらば、アタシの初恋……
って、その日、布団に包まって泣いたわけ。
泣きながら思ったわけ。

  ―――弱っちいとーるに
  ―――とーるを守れるアタシに
  ―――あの頃の関係に
  ―――戻りたいな、って。

したら、コレですよ。
アタシのシモの方に、何か変なの生えました。
それだけで済んだなら良かったけど。
とーるのムネのあたりに、何か変なの膨らみました。
どうやらシモの方の、何か変なのも無くしたみたい。

有り得ねええええええ!??

って思いながら、一日、一週間、一月。
有り得ました。全然。
なんだか周りにもすんなり受け入れられてます。

これってやっぱりアタシの願いが天に通じたの?
にしちゃー中途半端におっぱいやらなんやらが残っちゃってますが。
そんな細かい事は気にしない!
大事なことは、とーるが弱くなったこと!
これでまたとーるを守れること!
これでまたとーると一緒にいれること!

……だったのに。

アタシ、見ちゃいました。
校舎裏で、一人で、とーるが泣いてるのを。
で、聞いちゃいました。とーるの泣き言を。

『畜生! なんで女になんかなっちまったんだ!
 こんな体じゃアイツに告白できないじゃないか……』

がーん、がーん、がーん……
咲夜ちゃん、ドショックだったさ。
とーるが強くなったのはホレた女にコクる為でした!?
そりゃーもー、視界も真っ暗だったさ!

はい、コイバナ、完!
コクることなく玉砕!

それで終わってれば、よくある青春の一ページだったんだけど……
今のアタシ、なんか殺し合いの島に放り込まれたみたいなんだよねー。
それだけなら良かったんだけど。
いやいやいやいや、良くないんだけど。
良かったんだけど。
あーもー、上手くいえねー!!

要は! あったのさ! とーるの名前が! 名簿に!

心臓が、ドクンってなったね。
感情がしっちゃかめっちゃかになったね。
何をどうしたらいいのか、もーわやくちゃでさ。
頭をワシワシしてたんだけど……
こんな状況でもはっきりと形を変えないモノがあったんだ。
キモチがあったんだ。
つまり!

「とーーーーるぅーーー!!
 愛してるぞーーーーー!!」

うぉおおお!!
言っちゃった言っちゃった!!
ムネにずっと仕舞い込んでた、コイツをついに言葉に出しちゃった♪
うぉー恥ずかしいぃぃ!
でも嬉しいぃぃ!

そうしたら、もうね。
このキモチは絶対に伝えなくちゃって思いで一杯になっちゃって。
もーそれだけで脳みそパンパンで。
仕方ないじゃん!
アタシ、バカなんだからさ!

「アタシはッ! アンタにッ! コクるッ!」

死ぬ前に! なんとしても!
この溜め込んだ想いを、とーるに叩きつけてやるッ!!
他のコトなんて、知るもんかッ!



【一日目・深夜/A-1 雪の高地 → ?】

大島 咲夜
【状態】健康
【装備】不明
【所持品】基本支給品、支給品不明
【思考】
1.とーるにコクる!


   =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=   


頭ん中整理つけたいからさ。
俺の話に付き合ってくれますか?



【三葉透・14歳の場合】



今、オレが混乱してるのは、名簿を見たからで。
名簿の中に、オレの幼馴染の名前があったからで。

大島咲夜―――

オレにとって、この大島さん――― サクは。
大事な大事な、たった一人の、女の子なんです。
だから、オレ、なんつーか、こう、昂ぶっちゃって……
頭の中、真っ白で……

サクと初めて出会ったのは、幼稚園の頃。
そのころのオレは、引越し先に馴染めないばかりか、
都会から来た標準語を喋るスカした奴ってことで、
イジメの対象になってたんです。
そんなある日、同じ組の一人から遊びに誘われて。
すげーワクワクしながら待ち合わせ場所の公園に着いたら。
当時小学二年生だったそいつのお兄ちゃんたちが待ち構えてて。
生意気なオレをシメるって、いきなり殴って来たんです。

オレ、身が竦んじゃって。
泣きながら、ごめんなさい、ごめんなさいって繰り返すことしかできなくて。
そんな反応しかしないオレがつまんなかったんでしょうね。
五、六発殴られて、鼻血を出したところで、
砂場に転がされて、それで終わりでした。

そこにね。
女の子が、駆け込んで来たんです。
これがサクなんですけど、当時オレはその名前を知らなくて。
幼稚園で見たことのある子だな、くらいにしか思わなくて。
何しに来たのかな、とか思いながらぼーっと見てたんです。
サク、うぉおおお、とか声を上げながら、腕をぐるんぐるん回して。
オレをイジメた二年生に、殴りかかったんです。

強かったです……
今思い出しても震えが来るくらい、強かったです。
サクはそうして、あっという間に年上どもを蹴散らして。
何故か滑り台に駆け上って。

『おーしまさくやのいるかぎり! このよにあくはさかえない!』

ポーズをつけて、キメ台詞を叫んだんです。
夕陽をバックに伸びる影が、ちょうどオレに差して。
オレは震えました。余りのカッコよさに痺れました。
サクもこっちに気付いたみたいで。
滑り台から飛び降りて、こっちにテテテと駆け寄ってくると。
オレのこと、ぎゅって抱きしめたんです。


『アタシが、守る!』

それからオレはサクの子分みたいな立場になって。
毎日毎日、日が暮れるまで一杯遊んで。
何年か経って……
それである日、気付いちゃったんですよ。

『ぶー、聞いてよとーる!
 せーりの時ってプール入れないんだって!
 楽しみにしてたのになぁ……』

オレが男で、サクは女で。
オレは男として、サクのコト、好きなんだって。

そしたら、急にね。
サクに当たり前のように守ってもらってる自分が情けなくなって。
こんな弱っちいオレはずっとサクの子分なのかなって悔しくなって。
強くなりたいって、思って。
オレ、近所の空手道場の門を叩いたんです。
小五の年でした。

それからずっと、オレは空手に打ち込みました。
一年、二年、三年……
県大会でもいいとこ行くようになったし、
高校生にも引けをとらなくなったし、
皆、オレに才能があるみたいなコト言うようになりましたけど。
それって才能とかじゃなくて。
ただ、単に、思いの強さだって、オレは思うんです。
サクに見合う立派なオトコになりたい。
オレはそれしか考えてませんでしたから。

ケンカも、一杯しました。
サクって、妙に正義感が強いんで、方々に敵、作ってたんですよ。
で、そいつらがサクに手を出す前に、先手必勝って奴で。

そんな四年目にね。
オレ、サクに告白することに決めたんです。
一生懸命、告白の言葉を練って。
夜書いた文章に朝転げまわって破り捨てたり。
ああでもないこうでもないと悩みまくって、結局。

   ―――これでもう、サクに守られないで済むな
   ―――だから……
   ―――これからはオレにサクを守らせてくれ!

この言葉に決めたんです。
でも……

『え、それって何? ふざけんなっつーの!』

告白の言葉の半分も言わないうちに、サクは怒り狂ったんです。
子分だと思ってたオレが、まさかの下克上でも企んでるって思ったんでしょうね。

笑ってくださいよ。
恋するあのコと果し合いですよ。
結果だけいうと、圧倒的に勝ちました。
サク、パワーは凄いんだけど、
テクとか全然無いんで……

オレ、家に帰って、自分のバカさを責め続けました。
サクを守るために身につけた力を、
サクを傷つけるために使ってしまった……
泣きながら眠りにつきました。

  ―――強くてカッコいいサクに
  ―――その後ろをついて行くだけのオレに
  ―――あの頃の関係に
  ―――戻りたいな、って。

そんな夢を見たせいかもしれないですね。
朝起きたら、オレ、女になってました。
……ホントですって。
オレだって信じたくないですけど、マジですって。
サクよりでっかいオッパイ、ついてますって。
有るべきモンも無くなりましたって。
あーあ。

こんなオレを見て、サクね。
すっげー、マジですっげー嬉しそうなカオしたんです。
で、自分の持ってる服のあれやこれやをオレに着せるんです。
思いました。
オレの想いって、全然通じてなかったなって。
サクにとってのオレって。
男でも女でも、どっちでもいいような存在だったんだなって。
只の子分なんだなーって。
なんか、すっげーがっくり来て。
一人で、校舎裏で、泣きました。


あー、済みません。
なんか関係ない回想を長々と聞かせちゃって。
それも後半、泣き言でしたし。
でも、オレ。
なんか頭の中、スッキリできたみたいです。


結局、オレにはサクが全てなんだって、
オレはどうしても、サクにこの想いを伝えたいんだって。
そのことが、ハッキリしたので。

ははっ……、笑っちゃいますよね。
どうやって生き抜くとか、戦うとか、逃げるとか。
そんなのよりも、告白なんて。
自分でも、バカだなぁって思います。

結果なんてわかりきってます。
オレは今も昔もサクに異性なんて思われてません。
でも。でもね。
この想いを伝えないでは死んでも死に切れないんですよ!


「サク! 好きだぁぁ!!」





【一日目・深夜/F-6 遺跡の島 → ?】

三葉 透
【状態】健康
【装備】不明
【所持品】基本支給品、支給品不明
【思考】
1.サクに想いを告げる! 


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