今をときめく天才探偵少女は、いまだ十二歳の小学生。
子供にミスの一つや二つあって当然、責めるものなど誰もいない。

けれども彼女は探偵でありながら、恋に恋する純情少女。
恋を本とウワサで知る、恋愛経験ゼロ年生だ。
厳しい訓練を積んだ一流エージェント・天原創ですら、異性を前に鼓動は抑えきれない。
まして、同世代と隔絶して人恋しかったアニカに、甘酸っぱい感情を御する経験などあるはずもなく。
ゆえに抗う術を知るはずもなく。

特殊部隊の抹殺任務という前情報、過去の経験による先入観、そして今しがた見た悪夢。
言葉の選択をあやまつには十分すぎるバッドコンディション、加えて彼女の聡明さを剥ぎ取る厳選キャストたち。
若気の至りともいえるその短絡さ、その答え合わせには間を置かない。


(あっ、殺される……?)

蛇に睨まれた蛙。猫の前の鼠。鷹の前の雀。
天敵に標的とされた獲物たちはあまねくこのような恐怖を味わっているのだろうか。
心臓を握りつぶすような冷たい殺意は、か弱いその身をぶるりと震わせる。
これまで逮捕に導いてきた凶悪犯罪者たちは、ただの犯罪者ごっこだったのだろうか、そう思えるほどに鋭く冷たい殺気だ。
天宝寺アニカはようやく己の失言を悟った。

同時に、事態は動き出した。
ダン、と、フローリングの床を足で打ち付ける音が聞こえた。


真理の即応力は部隊随一。
その割り切りの速さ、切り替えの速さは、電光石火さながらである。
対峙した相手からすれば、減速せず、ウィンカーも出さずに右折してくる車のようなものだ。
初動に至るまでには一切のラグはなく、故に予測不能。


だが、動いたのは真理ではなかった。
家屋を揺るがすかのような強烈な踏み込みの重低音を響かせたのは哉太であった。

真理を上回る反応を見せたわけではない。
例えるならば、早押しクイズで問題を聞いてからボタンを押すか、最初の一節でボタンを押すかのようなもの。
真理がアニカの語った内容に基づいて決断したのなら、哉太はアニカの声の調子に基づいて決断した。
そのタイムラグはそのまま初動の差に帰結する。
初動の差は特殊部隊員と一般剣術家の差を大きく埋め、タイミングを逆転せしめた。

哉太の強烈な踏み込みは、これより猛撃体勢に移るというこれ以上ないアピールである。
なれば真理にはライフルを選択する余地などない。
選ぶべきは近接武器。
肩から下げた警棒、その一択。
出遅れた以上、まずは攻撃よりも防御である。

条件反射的に飛び退き、予測される脇差の一撃を叩き落すことにすべてのリソースを捧げる。
異能を無意識に発動させながら、上下左右あらゆる方向からの一撃に対応できるように気を巡らせる。


だからこそ。

哉太が攻撃に移らなければ、そこに空白の時間ができる。

「アニカ! 俺の真後ろに付け!」
「Got it!」

端的に言えば哉太のそれはフェイントであり、時間稼ぎだ。
真理は警棒のホルダーに手をかけ、哉太は脇差の柄に手をかけた。
まさに一触即発、だが互いに武器は抜かれない。
武器を抜けば、あとは殺し合いだ。
今が事態の分水嶺。

哉太とはすみ、そしてアニカは玄関から見て上座の位置に、真理は下座の位置に。
他方、夜帳は比較的真理の位置に近く、誠吾は客間のすぐ外、玄関の軒下で見張りをしている。
来客応対マナーからすれば赤点の席次案内、招かれざる客を迎え入れるにあたっては最適解。


目算、この場の最大戦力は哉太である。
真理が仮に人質を取るならアニカ一択。次点ではすみとなろう。

真理の同行者の二人は人質足り得ない。
夜帳は薬剤師でありながら毒にも薬にもならず、
誠吾はじゃれ合いレベルながら哉太と言い争った。
そもそも哉太たちから見ても立ち位置がグレーゾーンの二人である。
無理に人質にしたところで窮地に陥るのみ、脅しにはなり得ない。


(あの人の孫なのよね。
 やっぱり銃弾斬れる技量はあるのかしら……ああもう、最悪!
 落ち着け、相手に隙を悟られちゃダメよ。正面突破、退却、交渉、どれにする……?)

最初の一手に先手を取られた時点で空白の期間を生まざるを得ない。
外部からの変化を期待するのは悪手だ。
奥からさらに人が現れるか、八柳藤次郎がいよいよ到着するか、あるいは真理の前科を知る女学生二人が到着するか。
いずれも真理にとってはマイナス要素でしかない。

正面突破は厳しい、人質も封じられた、となれば退却か交渉か。
客間の壁に取り付けられた厳かな掛け時計の秒針が時を刻む。


他方、哉太にとっても、楽観視できる状況ではない。
(一瞬あれだけの殺気を向けてきたくせに、何事もなかったかのように凪いでやがる。
 あのマザコン野郎と違って隙もねえ、いや、隙があるのかどうかが分からねえ。
 モザイクがかかってるような得体の知れない相手だ。
 どうする? このまま退くのを待つのか?)

アニカとはすみは後方部隊、特にはすみは異能を含めても一切の戦闘力を持たない。
良くいえば守るべき非戦闘員、悪意のある言い方をすれば足手まといだ。
相手が真理だけなら哉太自身が前衛として壁となれるが、同行してきた夜帳と誠吾の立ち位置が定まらない。
三人を相手取るほどの体力も残っていない。


チッ、チッ、チッと、幾度秒針が刻まれただろう。
十か、三十か、六十か。


緊張の糸は秒を追うごとに張り詰め、けれど激情は秒を追うごとに緩まっていく。
本能から理性へとスイッチが切り替わっていく。
どちらかの深呼吸が聞こえた。
それが合図だった。

「話し合いをしましょうか。
 お互いに誤解があるようだから」


交渉に臨むための両輪とは、建前と武力。
平和を望むという建前。
実力行使に出れば痛い目を見ると思わせるだけの武力。
どちらが欠けても成り立たず、そしてどちらの陣営にもそれらは健在である。
真理は哉太も、身を守っただけだという建前が通じる。
だから言葉が引き出せる。
言葉を引き出せた時点で、初動対応で軍配が上がったのは哉太である。

(最悪の事態は回避できた。
 だが、まだ気は抜けねえ……。
 この女はクロに限りなく近いだろ)
(寿命縮んだ……。マジ早まった……! まだよ、まだ言い訳は通じるはずよ。
 退くにしても心象は上げておかないと後で詰むでしょ。さすがにこの場の全員敵にまわすのはヤバいって!
 落ち着きなさい、冷静に冷静に、気取られちゃダメよ……)
(バカバカバカ! 何やってるのアニカ!
 これじゃパートナー失格じゃない!
 ……calm down。さっきのミスは忘れなさい! 話し合いが、『話し合い』が始まるんだから)
(小田巻さんの異能には興味がありましたが、一瞬見せたあの気迫。
 本当に特殊部隊ならば実力行使は厳しいですね。
 八柳さんも閻魔さんとは隔絶した実力の持ち主のようだ。迂闊な行動は致命的ですか。
 リンちゃんには及ばずとも、素晴らしい女性たちがいるのですが……。番犬たちが邪魔だな)
(ふぅん、特殊部隊、ね。
 これまでの証言にウソはなさそうだけれど……。
 青、赤、青、赤、赤……。そして一番赤いのは月影さん、と。なるほどね、誰に付くのがいいのかな)
(特殊部隊という言葉が出たのにはびっくりしたけれど……、彼女はずっと対話の姿勢を崩していませんよね~?
 感情任せの強行は、ときに取り返しのつかない事態を招くわ。
 哉太くんだって、その恐ろしさはよく知っているはず。同じ轍を踏ませないようにしないと……)




特別警戒態勢。
哉太も真理も、いっそ過剰なまでの警戒心を以って対坐する。
真理の警戒心に呼応して、その異能が静かに真理を包み込み、感情をベールの向こうに覆い隠していく。

「こういう誤解を招くから、不用意に口に出したくはなかったんですけどね。
 『元』陸上自衛隊特殊作戦群、小田巻真理。
 二カ月前に離隊しています」

これが特殊作戦群『SOG』から秘密特殊作戦群『SSOG』へと転属した彼女の、正式な書類上の経歴である。
アニカに出会ったのも試用期間であり、時系列にも矛盾はない。

他組織の引き抜き、自衛隊上がりの叩き上げ、経歴に関わらず、SSOG所属後に骨の髄まで叩き込まれることはただ一つ。
日本国に秘密特殊作戦群など存在しない。
この原理原則である。
これを貫くことに一切の違和感も罪悪感もない。


「で、その『元』特殊部隊様がよ、なんだってこんな辺鄙なド田舎に来てるんだ?」
「哉太くん!」

哉太のねめるような態度と憎まれ口を、はすみがぴしゃりと遮った。

「やりとりは始終見てたから、気持ちは理解するわ。
 だけど今一度、言葉に気を付けて、ね。
 あなたは一度、気持ちを落ち着けたほうがいいわ」
「……はい」

話題の当事者が目の前にいると分かっていても、不用意な言葉は控えるべきだと分かっていても、どうしても言葉が攻撃的になってしまう。
その自覚がある。
話し合いははすみに任せて、哉太は素直に後ろに下がった。

「カナタ、カナタ」
「なんだよアニカ」
「Don’t be sad instead be happy。」
「いや、分かってるって」

哉太は後ろ目でアニカを意識すると、ばつの悪そうな顔で頭をぽりぽりと掻いた。
真理が実力行使に出ないように、番犬のようにどっしり構えておくべきだろう。
そう考え、どすんと腰を地に着けて座るが……。

(なんだ、この違和感)
顔を見ているのに記憶に残らない印象の薄さ、背景のように薄い存在感。
特殊部隊関係者であることを隠す必要がなくなったからか、それともこれが異能なのか。
全力の警戒すら容易くすり抜けてきそうで得体が知れない。
武芸を修める哉太だからこそ気付いたのかと思ったが、アニカも無言で冷徹な視線を向けている。
ならばおそらく、はすみも夜帳も誠吾も気付いているはずだ。


「真理ちゃん、話を続けようか。
 二人はある意味当事者だし、話を進めるのは、しがらみのない人間のほうがいいでしょ?」

真理の違和感に気付いたのか気付いていないのか、誠吾も見張りの片手間に会話に入り込んでくる。

各々立場は異なるも、全会一致で避けるべきことがらは一つ。
疑念を膨らませない。
膨らみすぎればやがては爆弾のように破裂し、周囲に大きな混乱をもたらす。
争いに発展し、被害者が出るのは誰も望まない。
探り合う空気の中、真理の申し開きが始まる。

「なぜ私がこの村にいるのか、ですよね?
 大した理由じゃなくて悪いですけど、ただの旅行ですよ」
「旅行? ということは、観光かな?」
「そう。再就職活動で疲れ切った心と身体を、大自然の中で癒す。美味しいお酒と食事で英気を養う。
 これが自分を労わるということでしょう?」
「ああっ、分かります~。
 私もきつい仕事を終えた後は、すい~と・お~くまや山オヤジさんのお店によく寄るんですよ~。
 美味しさは、煩わしさも不安も、みんな吹き飛ばしてくれるんですよね~」
「そう、それよそれ! そういうことよ!
 私には心の洗濯が必要なの。命の水が必要なの!」
「カナタ、この人たち、ダメな大人の香りがするわ!」
「あなたたちも大人になれば分かるわよ、この理不尽な世の中がさ」
「ええ、ええ、ウイルス流出だなんて、本当にふざけていますよ~。
 こんな不満、溜めておいてもいいことなんてありません。
 私が聞きますから、つらいこと、全部ぶちまけちゃってもいいんです。ね?」

盛大に口論し、謂れのない疑いをかけられて、ささくれ立った心に捧げられる共感。
聞き上手で性格の悪い同僚にいつもそうしてもらうように、
傷心を労わり、焦慮を鎮め、心に溜まった毒素を絞り出しては、薬湯を染み渡らせるように癒していく。
北風に対する太陽のように、冷たい感情をときほぐしていく。
専門の訓練など受けていなくとも、派閥を渡り歩いて親世代の老人たちを仲裁し続ければ自然と身につく対人技能だ。
同調は尋問の基本姿勢である。

「つらいこと? 言いたいこと? 山ほどあるに決まってるでしょう!?
 何がバイオハザード、何が女王、何が村の呪い。
 私は一切関係ないでしょうが!!
 私は今回のことは100%無関係なの!
 なのに斬り殺されかけるし、いきなり疑われるし!
 無実の証拠だってあるんだから!」

腰のおしゃれなポシェットに手を突っ込み、満を持してバシン! と叩きつけたのは、カギ、三枚の紙ペラ、そして一枚の台紙だ。

古民家群に居を構える忍者屋敷さながらの民宿『ひだ』のカギ。
三枚の紙ペラは、領収書だ。
『ふわふわけ~きオムレット』。
『くそうめぇ~せうゆ』。
そして地酒『山折』三合分。
昨日の至福の軌跡を示す三枚である。

そして、山折村観光スタンプラリーの台紙。
ご当地ヒーロー山尾リンバが地域活性化プロジェクト:『山村▲むすめ』に扮し、
てくてくと歩くイラストが付いたファンシーな台紙である。

「VHの後に宿を取ることも、スタンプを押すことも、領収書を発行することも不可能!
 これこそが、私がこのVHに関わっていない鉄壁の証拠です!」

バス停前、すい~と・お~くま、そして山オヤジのくそうめぇら~めん。
レシートの軌跡どおりにぽすん、ぽすん、ぽすんとスタンプが押されている。
神社のスタンプは残念ながら空白だ。八柳剣術道場も空白である。

「なるほど、内容も日付も、これなら潔白の証明になるね」

まさに昨日からこの村に滞在していたという鉄壁のアリバイだ。
なにより、作戦前に三合の地酒を飲むなど、考えるまでもなく隊員として落第だろう。

「……Sorry、Ms.マリ。あなたのことを誤解していたみたいだわ。
 昨日から滞在していない限り、これらを用意することは不可能ね」
「では~、お互いに不幸な行き違いがあったということで……」


アニカは、呑み込む。
容疑を、疑念を、その可能性を、ひとまず呑み込む。
彼女自身が探偵であるからこそ、そして一度は真理を出会い頭に告発するという失態を犯したからこそ、もう勘だけで黒だとみなすことはできない。
平時の殺人事件であればアリバイ崩しも試みるだろうが、今はそのような行為に意味はない。
もし怪しいと感じたなら、丁寧な身辺調査を以って、あらためて内情を探るしかない。
探偵が活躍できるのは犯行後、百歩譲っても今まさに行われようとする犯行のみ。
起こりうる事件に対して先んじて打てる手は限られるのだ。


けれど、この場にいるのは様々な経歴と職業の六人。
アニカの信条に沿ってコトが進むはずがない。

「少し待ってください」
「えぇと、どうしましたか、月影さん?」
「小田巻さんがただの観光客なのは分かりました。
 ですが……。だからこそ特殊部隊と繋がりがないというのは、早合点では?
 内通者だという可能性は排除できませんよ」

「えぇと……、どういうことでしょうか~?」

はすみの仲裁に待ったがかかる。
声の主は、それまで沈黙を守っていた月影夜帳だ。

「小田巻さんが観光客であることと、特殊部隊の仲間だということは両立するでしょう?
 VHが起こった後に特殊部隊の側に引き入れれば良いわけですから」

彼が何を言いたいのか、アニカは察した。
そもそも真理がクロ、かつ特殊部隊が絡むとすれば、可能性は三つ。

最も可能性が低いのは、元々研究所がこの村でVHを起こすつもりで準備をしていたパターン。
現実性は限りなく低い上に、疑いの種があちこちにバラ撒かれる危険な考え方だ。
加えて、元々計画されたものだったとすれば、内情を知ると思わしき虎尾茶子にも飛び火しかねない。
すべての不可能を除外した後に残ったならば選ばざるを得ない程度の可能性であろう。

一つは、特殊部隊が人海戦術で正常感染者を少数作成していた、
あるいは臨床実験前のワクチン等を入手しており、抗体を得た隊員を送り込んできたパターン。
治療方法が確立しているならば可能性としてはゼロではない。
もっとも、先ほどのスタンプシートとレシートで明確に否定されたパターンでもある。

もう一つ、それらより格段に、確実に実行されうるパターンが存在する。

「Ms.マリは村を封鎖している特殊部隊じゃないわ。
 けれど、村内に正常感染者の元隊員がいると分かっているなら、特殊部隊が秘密裏に接触して協力を仰ぐ可能性は否定できない。
 she's a spy。そう言いたいのね?」
「ええ、ご明察の通りです」

ただの一般人ならば、スパイとして現地で雇うにはあまりにもリスクが高い。
だが、勝手知ったる元隊員ならばどうか。
部隊の気風もやり方も熟知している。
まさに即戦力となるだろう。

緊急条項として書類や法律に明記されているかどうかは問題ではない。
夜帳にとって重要なのは、『それができそうだ』ということである。


「驚きました。ものすごい想像力ですね。
 副業に作家でもやってみたらどうかしら?」

真理はスパイではない。特殊部隊からの刺客でもない。
夜帳の言い分は100パーセント難癖だ。
鼻で笑いとばすべき軽虚な妄想だ。
――探られて痛い腹がなければ。

気丈に振る舞いつつ、真理の内心で滝のごとく汗がしたたり落ちる。
無意識に、左手で右腕の火傷を庇うように覆い隠してしまう。
強く疑われているこの状況自体が、村での前科二犯の真理にとって看過できるものではない。
人生のツケは最も苦しいときに必ずまわってくるという言葉を思い出した。

最初に取り逃がした女学生が接触してくれば、あるいは八柳藤次郎を押し付けた女学生が逃げ延びて来たら、天秤は容易に傾き転覆するだろう。
かといって、助けてくれた女学生を襲いました、女学生にあなたの親族の殺人鬼を押し付けて逃げましたなどと今さら告白したところで、
心象は悪化の一途をたどるだけだ。

そもそも気丈に振る舞うべきではなかったのか?
恥もかなぐり捨てて哀れさを演出すべきだったのでは?

証明すべきものからして、間違っていた。
求められるは、安全ではなく、安心。
必要なのは、『やっていない』証拠ではなく、『これからもやらない』証拠だったのだ。
そんなもの、すぐには出せない。

あらゆる過去が牙を剥き、焦燥が心を蝕む。
けれど、彼女に宿った異能はまわりにそれを決して悟らせない。

「月影さん、その仮説はいささか強引ではないかしら~?」
「Mr.ツキカゲ。可能性だけは確かに私も考えた。
 けれどこれはquibble。言いがかりでしかないわ」
「そのとおりだ。私は小田巻さんを根拠もなく疑っています。
 ですが、みなさん多かれ少なかれ、その可能性に行き着いているはずでしょう?」
「……」
そんなことはない、そう強く否定することはできない。
それは、この期に及んで危機感に欠けるお花畑だということを白日の下に晒す行為だ。
はすみが多少強引にでも和解を優先したのは、藤次郎の件があるからだ。
哉太や夜帳ほど真理を強く疑っているわけではないが、完全なシロと決めつけてもいない。

「それでも、追放するのはどうかと思うのだけれど……」
「小田巻さんが一般人ならともかく、武器を持った元特殊部隊ですよ?
 ……恥を忍んで言いますが、私は臆病な小心者だ。
 こちらの情報がすべて搾り取られた挙句、準備万端の特殊部隊が突入してくるなんて情景すら浮かんでしまう」

夜帳の懸念もある意味当然のものではある。
もはやこれは常識や理論の問題ではない。
真理の信用の問題なのだから。


「哉太くん、君はどうだい? さっきから険しい顔をしているようだけど?」
「一つ質問をして、結論を出したい。
 小田巻サンよ、あんた数か月前まで部隊にいたんなら、装備とか、要注意メンバーのことは分かるよな。
 本当に特殊部隊と関係ないなら、そいつらの情報を教えてもらえるか?」

袋小路に陥っていく。
情報の漏洩は自衛隊法第59条に違反するが、そこは問題ではない。
問題はもっと根本的なところであり、かつ至極単純だ。
SSOGがどう動いているのか分からない。
なにより、SSOGに同僚を売れという要求はお話にならない。
だから、

「……それは、分からない」


こう答えるのが精一杯。
部隊の内実など紛れもない機密事項、そんなことは常識だ。
その常識が路傍の石にも劣るこの状況で、どこまでも非協力的なその態度は、決裂を想起させるには十分すぎる。
信頼関係を醸成しようとしない者は、他人からも信頼されない。

「機密事項だからですか? それとも、別の理由でも?」
「……」

夜帳のさらなる追及にも、真理は口をつぐむ。
哉太たちは間違いなく特殊部隊の情報を何か持っている。
そう確信している。
だからこそ、口から出まかせに答えることはできない。

仮に現役の特殊部隊員だと答えれていれば、部隊を売ることはできないという答えを返していただろう。
好悪はともかく、まだ納得感は得られる回答だ。
『元特殊部隊員』という半端な関係者のアピールが、彼女の評価を定まらないもの、理解し難いものへと落とした。
ミステリアスを通り越して、背中を見せてはならない人間だという領域まで押し出した。

「回答はありませんか。
 私はこの集団内の立ち位置が定まっていませんから、結論はみなさんに従います。
 間違いのない決定をしていただきたいものです」
「お互いに事情を呑み込むことは、……できなさそうね」
「はすみさん。悪いけど、俺はこの人に背中を任せるのは無理だ」

哉太は拒絶する。はすみもアニカも、それ諌める言葉を次ぐことはない。
信頼関係を醸成しようと努めず、煙に撒こうとする態度はデッドラインに抵触する。
加えて、警戒すればするほど真理の異能が強くはたらき、代わりにこの場にいる者の不信を買う。


もちろん、情報を伏せているのは真理だけだと思うなかれ。
真理とて、哉太たちがいくつも隠し事をしていることには勘付いている。

圭介から聞いた特殊部隊の襲撃に言及していない。
奥の三人を呼び出して、戦力開示をおこなっていない。
これら個々の事象にまでは行き着かなくとも、話の流れからも開示していない情報があることくらいには行き着いている。
けれど、それを指摘したところで何になろうか。
弁明の場にインプットされるのは不信感、アウトプットされるはもはや沈黙のみ。


「夜帳さん、見張りの交代いいかい?
 真理ちゃんも、哉太くんたちも、ちょっといいかな?」

煮詰まる状況、重苦しい空気。
誰が最初に口を開くか。
汗のにじみ出る張り詰めた空気の中で、声をあげたのは誠吾だった。

「僕が彼女を連れて行こう。
 僕が真理ちゃんを連れてここを出て行く。それでどうかな?」

思わぬ提案だった。
誠吾が真理を連れて、袴田邸を出て行く。
落としどころとしては悪くはない。
真理は対話や弁明の足掛かりを得られ、哉太たちにとっては信用できない人間が袴田邸から離れ、
はすみの懸念したグループの分割が防がれ、そして夜帳にとっての邪魔者が二人も立ち去る。
それでも、これまでの会話の流れからすれば、若干の唐突さは否めない。

「一応、経緯を聞かせてもらえないかしら~?」
「それは構わないんだけど、語る前に一つだけ、みんなに隠し事をしてたことを詫びないといけない。
 僕の異能は、実は光が見えるだけじゃないんだ。
 他人の心の状態を光として可視化できる異能だと推測している」
誠吾に向けられた五人の視線が興味から真剣みを帯びたものへと変わる。
特に顕著なのは月影夜帳であり、誠吾の目に映る色も鮮血を思わせる真紅へと変わっている。

「その異能で、彼女の潔白が分かった、ってことかしら、Mr.ウスイ?」
ある意味、刑事事件専門の探偵事務所に閑古鳥を鳴かせるような異能だ。
いち早く反応したアニカに対し、誠吾は苦笑いを浮かべる。

「ご期待に添えなくて悪いけれど、そこまで万能じゃないよ。
 具体的なことなんて何一つ分からないし、隠し事があるかないか止まりの精度だ。
 ロジカルな説明なんてアニカちゃんの足元にも及ばないし、
 真理ちゃんが天来の大ウソつきならばどうしようもないんだよね」


誠吾はばつが悪そうに、眉間に指をあてた。
使い勝手はあまりよくなさそうな異能だ。
それに、ここまでの話に、真理に付くような要素は一つもない。
首をかしげる女性陣に対して困ったような微笑みを浮かべ、誠吾は言葉を続ける。

「無実も秘密も見抜けない、とてもちっぽけな異能さ。
 それでも心を覗き見られるのは気持ち悪いだろうと黙っていたんだけど。
 この異能に意見を引っ張られるから、あまり話し合いにも口を出さなかったんだけど。
 けれど。けれどね。真理ちゃんの光が弱まってくのが見えるんだ。
 今も、赤い光が弱く、弱くなっているのが見えるんだよ」
「それは自業自得だろ?
 だいたい、気を落としてるから同情するってのは違うんじゃないのか?」
「そうだね。哉太くんの言うことは至極正しいと思うよ。
 けれど、同時にこうも思うんだ。
 傷ついているときに、一人も味方がいないことが、果たしてどれほど辛いことだろうって」


傷つき引き裂かれた心を労わるかのように、誠吾はゆっくりと、やさしく語る。

誠吾の回答に、約一年前の哉太の記憶が呼び起こされる。
あのときから、それまで笑い合っていたのが幻だったかのように、彼らの絆はあっけなく千切れて消えた。
山折圭介から罵倒され、日野光には険しい目を向けられた。
両親は日々憔悴していき、藤次郎は現実を受け入れきれずに困惑していた。
そんな中で、ただ一人。

『あたしは哉くんを信じてる。
 たとえ村中が敵に回ったとしても、あたしだけは哉くんの味方だから』
誰よりも先にかけられた茶子の言葉は救いだった。
十年来の親友に見放され、誰からも怯えの色を向けられ、生き地獄と化した村での日々に垂らされた救いの糸だった。


だから、誠吾の言うことが分かってしまう。
あのときの自分に、わずかに二人を重ねてしまう。
真理こそが祖父をハメようとしている大罪人だと思っていたのに、悪印象が覆い隠されてしまいそうになる。

「教師ってのはロマンチストの集まりでね、成り行きで教職に就こうなんて人は一人たりともいやしない。
 一人一人に理想の教師像があるんだよね。
 僕のクラスの今期の学級目標はね、『地球上で一番たくさんの"ありがとう"を集めるクラスになろう』。
 僕は生徒たちに胸を張れるような、彼女らに恥じない人間でありたいんだよ」
「だから、小田巻さんに手を差し伸べる、ということなんですね?」
はすみの問いに、誠吾は大きくうなずいた。

「確かに彼女は隠し事をしていたのかもしれない。
 今も、僕らに言えないことの一つや二つは抱えているのかもしれないね。
 けれど、彼女も彼女なりにVHを解決しようとしてくれているだろう?
 僕はその志を疑わない」

真理は自分が特殊部隊関係者だということは隠していた。
だが、岳の仮説を伝えるにあたって、一切の細工をおこなっていない。
一言一言に付随する信用の動きを目視できるからこそ、その部分は疑っていない。


「彼女は僕とは比べ物にならないくらい心身ともに強くて、この村を一人で横断することだってできるんだろう。
 それでも、心が傷つかないなんてことはないでしょ?
 だって、人間だ。一人の女性なんだよ。
 今だって、僕の目には弱弱しい青い光が見えてるんだ。
 身を挺して戦って、誰からも顧みられないなんて、誰にも感謝されないだなんて、
 そんなのあまりに、あまりに報われないじゃないか」


どこか遠くを見ていた哉太が、ふうとため息をつく。
「いいさ、俺はこの人は信じてないが、あんたは信じよう。
 あんたが本気なら止めない。追いもしない。
 月影さん、あんたはどうだい?」
「彼女が私たちに関与しないのであれば、私は何も言うことはありません。
 彼がいる間は暗躍も不可能でしょうから。
 お互いに遭うことはなかった、それで構いませんよ」

大勢は決まった。
こうなればアニカもはすみも、二人に反対意見を述べることはない。
誠吾に手を引かれて、真理は袴田邸を後にする。


『諸君の存在は決して世に出ることはない。
 活躍が人の目に留まると思うな。感謝の言葉を期待するな。
 暗闇の中で汚泥を啜り続けるような過酷な任務が続くものと思え。
 そして、だからこそ、諸君らの心を決して裏切らない確固たる価値を持ちたまえ。
 もし諸君を心から信頼してくれる人間を見つけたならば、その人間を大切にすることだ』

奥津隊長から新人隊員への激励の言葉を、真理はふと思い出した。
誠吾の瞳に映る自身の鏡像に、サファイアのような輝きが宿っている気がした。



誠吾と真理の二人は袴田邸を後にする。
無事に出で立つに際して、哉太から真理に言伝が一つ。
次に出会ったときに誠吾がいなければ、敵とみなして容赦はしない。
それが哉太たちから送られたメッセージだ。

八柳藤次郎排除のための共闘には至らず。
道行く人間に注意を促し、人によっては袴田邸へと送り込んでいくことになるだろう。

当面はもう一つの言伝、嵐山岳の唱えた解決策を実行するため、研究所を目標とする。
もっとも、場所が分からないため、当面の目標は登記情報のある村役場、あとは道中の放送局か。
緊急時ともなれば、村長室に入ってマル秘印が押された記録を覗くくらいは許容範囲だろう。

「さっきはごめんね、一人で語っちゃったけれど、ちょっと恥ずかしかった?」
「あの状況で恥ずかしがる余裕なんてありませんでしたし。
 それに、あそこまで言われたら、なんていうか、悪い気はしません。
 さっきの言葉どおり、私だって一人の人間なんですから」
「そうか、よかった。
 ……これは独り言なんだけどさ。
 君が今日までに何をしてきたか、僕は問わない。
 もし、君が仮に村の人に手出しをしていたとしても、僕は責めない」
「それは……」

視線を右腕の火傷へと落とした。

「何も言わなくていい。仮にそうだったとしても、それだけの理由があったはずだから。
 僕が君を守るよ。
 強さなら、君の足元にも及ばないかもしれないけれど。
 言葉の刃から君を守ることはできるはずだから」

真理と目線を合わせ、心を見透かすような透明な瞳で、心の深層まで届く声で。

「僕はあなたを信じるよ」

それまでの軽薄さを消し去り、ささやくように言葉を乗せる。
傷んだ心に言葉が染み入り、心の内側で反響する。
そのシンプルな言葉は一笑に付すにはあまりにも甘美だった。

真理の心に蒼炎が灯る。
特殊部隊という鬼札は決して逃さない。
じわりじわりと毒のように広がっていく信頼に、誠吾は心の中でほくそ笑んだ。



袴田邸の軒下で誠吾と真理の背を見送りながら、哉太は神妙な顔をして佇む。

「カナタ、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。ちょっと嫌なことを思い出したもんでさ」

一年前のあの日、山での特訓から帰宅する最中の出来事。
頭からわずかに血を流しつつ、森の中を誰かに追われるように必死で逃げる日野珠の姿を目にした。
珠に声をかけようとしたが、気配を感じて珠の後方に目を向ければ、彼女を追う何人もの見慣れない連中の姿があった。
只事ではないと彼らの前に立ち塞がり、何をしていたのかを問いただすと、回答はこうだ。

『我々は山で倒れていた少女を見つけて診療所まで運ぼうとしていた。
 だが、目を覚ました少女が錯乱して逃げ出した、それを追っていたのだ』

けれどもあの珠がその程度であれほど取り乱すとは思えない。
哉太はその回答に疑念を抱き、連中との間にひと悶着起こしてしまったのだ。
それでも哉太の、八柳流門下生の名誉にかけて、流血沙汰には至っていない。

その翌日。
哉太は傷害事件の加害者として取り調べを受けた。


相手は村長の招いていた医療研究者。
弁解しようにも、すでに村中に噂が広がっていた。
珠に無実を証言してもらおうと必死で詰め寄ったが、何も覚えていないとの回答しか得られず、光や圭介から眉をひそめられた。
誰も来やしないだろうと横着し、修行場に残していた木刀からは血液の付着が確認され、信頼が崩れていった。
現場付近から珠の血液も発見され、木刀に付着した血液に珠のものも混じっていたことで、より亀裂も深まっていった。
残ったのは哉太が暴行をはたらいたという証言と、珠にまで手を出したのではないかという疑惑。
友人の絆をずたずたに引きちぎるには、十分だった。

今思えば、あれが『研究所』の連中であり、珠は何かを知ってしまったのだろう。
そして自分は村への憎悪を植え付けられ、村を出て行ったということになる。
だが、研究所への憎悪よりも今は。

「茶子姉、無事かな……」
あのどん底にて、無条件に信頼を示してくれた茶子。
研究所について何かを知る彼女の安否が、今は無性に気になる。
彼女が研究所側の人間だということを知らず、藤次郎の凶行も未だ受け入れきれないまま、哉太は探し人を思いやる。



誠吾たちが邸宅を出て行ったあと、夜帳もあらためて和義やリンの行方に関して尋ねるが、やはり求めていた答えはない。
だが、高級住宅街から古民家群へ最短距離で移動するなら、この周辺は必ず通過するはずだ。
(田園地帯を経由して大回りか、あるいは商店街の南側を迂回しているのでしょうか?
 当初は学校を目指していたのだから、宇野さんの自宅は古民家群のでも北よりの位置にあるはず……。
 であれば、今しばらく、時間には余裕がありますか)

そんな考え事をしつつ、廊下を徘徊していると、はすみとばったり鉢合わせた。

「あ、月影さん。どちらに行かれるんですか~?」
「ああ、ちょっとトイレに行こうと思いまして。
 それから、万が一のときのために家の構造を確認しておこうかと」
「まず、トイレは反対側ですね~。
 それと、向こうは眠っている子たちがいますから、お静かにお願いします。
 もうそろそろ起きてくる時間だと思いますけれど」
「ああ、わざわざすみません」
「いえいえ~、それとこの家の地下室には行かないほうがいいですよ。
 家主の袴田さんが地下室の扉の向こうでゾンビになっているようで~」
「分かりました。気を付けておきます」
「それと、もしよければなんですが~、後でみなさん診ていただけませんか?
 もちろん、月影さんが専門のお医者さんではないことは理解していますけれど」
「それは構いませんが、皆さん了解はしてくれますかね?」
「そこは立ち会いますし、私からも説明します」

医師のように診察することはできないが、たとえば痛みに応じた薬を処方することなどはできる。
ロキソニンと限定しないが、痛み止めなどの処方も可能だろう。
何より、問診にかこつけて、全員の異能と性格を把握する機会かもしれない。
邪魔な大人二人が出て行き、異能抜きで障害になり得るのは今のところ哉太のみ。
八柳藤次郎が気になるが、未だ姿を現さない。
真理の出まかせだったか、別の獲物を見つけて道を逸れたのかもしれない。
ならばこちらもしばらくは余裕があるだろう。
夢に邁進するために、夜帳は考えを巡らせていく。

真理という分かりやすい異分子に眩まされ、袴田邸の面々は危険人物の存在に気付かない。
祖父の乱心という情報に気を乱されて、過去の傷跡に捉われて、彼ら彼女らは内憂にたどり着かない。
信頼という闇に紛れ、吸血鬼はより深みへ深みへとその身を潜ませていく。

【D-4/袴田邸/一日目・朝】
天宝寺 アニカ
[状態]:異能理解済、全身にダメージ(小・回復中)、顔面に腫れ(回復中)、頭部からの出血(回復中) 、疲労(大)、精神疲労(小)
[道具]:催涙スプレー(半分消費)、スタンガン、八柳哉太のスマートフォン、斜め掛けショルダーバッグ、包帯(異能による最大強化)
[方針]
基本.このZombie panicを解決してみせるわ!
1.休んだらここにいる皆からHearingするわよ。
2.Ms.チャコが地下研究施設について何かを知ってるかもしれないわね。
3.私のスマホどこ?

※他の感染者も異能が目覚めたのではないかと考えています。
※虎尾茶子が地下研究施設について何らかの情報を持っているのではないかと推理しました
※異能により最大強化された包帯によって、全身の傷が治りつつあります。


八柳 哉太
[状態]:異能理解済、全身にダメージ(中・再生中)、臓器損傷(再生中)、全身の骨に罅(再生中)、疲労(大)、精神疲労(中)、山折圭介に対する複雑な感情
[道具]:脇差(異能による強化&怪異/異形特攻・中)、打刀(異能による強化&怪異/異形特攻・中)、双眼鏡
[方針]
基本.生存者を助けつつ、事態解決に動く
1.見張り中
2.アニカの推理を手伝う。
3.ゾンビ化した住民はできる限り殺したくない。
4.爺ちゃんが虐殺なんてしてるわけないだろ! ないよな……?
5.圭ちゃん……。


【犬山はすみ】
[状態]:異能理解済、疲労(大)、異能使用による衰弱(大)、ストレス(中)
[道具]:救急箱、胃薬
[方針]
基本.うさぎを探したい。
1.アニカの聞き取りの準備をする
2.今は自分とここにいる子供達のことを考えて、休憩する。
3.生存者を探す。



月影 夜帳
[状態]:異能理解済、ストレス(中)
[道具]:医療道具の入ったカバン、双眼鏡
[方針]
基本.この災害から生きて帰る。
1.八柳哉太を遠ざける
2.和義の情報を得て、少女の誰かの血液を吸う
3.和義を探しリンを取り戻して、リンの血を吸い尽くす

※吸血により木更津閻魔の異能『威圧』を獲得しました。

【D-4/一日目・朝】

小田巻 真理
[状態]:疲労(中度)、右腕に火傷、精神疲労(中)
[道具]:ライフル銃(残弾5/5)、血のライフル弾(10発)、警棒、ポシェット、剣ナタ
[方針]
基本.生存を優先。女王感染者を殺して速やかに事態の処理をしたい、が、迷いが生じている。
1.役場に向かう
2.女王菌を隔離するため研究所を探す
3.八柳藤次郎を排除する手を考える
4.結局のところ自衛隊はどういう方針で動いているのか知りたい

※まだ異能に気付いていません。


碓氷 誠吾
[状態]:健康、異能理解済
[道具]:災害時非常持ち出し袋(食料[乾パン・氷砂糖・水]二日分、軍手、簡易トイレ、オールラウンドマルチツール、懐中電灯、ほか)、ザック(古地図、寝袋)
    山歩き装備、暗視スコープ、ライフル銃(残弾5/5)
[方針]
基本行動方針:他人を蹴落として生き残る
1.真理の信頼を得て手札とする
2.役場に向かう
3.女王菌を隔離するため研究所を探す
4.捨て駒を集める

※夜帳が連続殺人犯であることを知っています。
※真理が円華を犠牲に逃げたと推測しています。
※真理の隠形には気付いていますが、異能かどうかは確信していません。

074.目覚めの朝 投下順で読む 076.対特殊部隊撃退作戦「CODE:Aurora」
時系列順で読む
ギザギザチャートの信頼口座 天宝寺 アニカ 風雲急を告げる
八柳 哉太
犬山 はすみ
月影 夜帳
小田巻 真理 それぞれの成果
碓氷 誠吾

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最終更新:2023年09月24日 01:55