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霊夢4

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■霊夢4


霊夢もの第3話、Eパートです。
いきなり霊夢サイドからスタートです。

フランドールのほか、ついにあいつが出てきます。
ではどうぞ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ああもうまったく! 何でこういう時に見つからないのよ!」

 今、私は○○の手当てをするために薬箱を探している。

 ○○はここにはいない。近くの森の、私が張った結界の中で待ってる…はず。
 もっとも、○○の怪我の責任のいくらかは私にあるのだから、本当に待っているのかはちょっと自信が無い。

 事の起こりはパチュリーの持ってきた一部の号外、そこに載っていた写真だった。
 ○○と魔理沙が、手を取り合い見つめ合っている写真…。
 それを見た私と、アリスと、パチュリーの3人は、『魔理沙があいつにたぶらかされた』と思った。

 …日頃から魔理沙にべったり(本人は否定しているけど)なアリス。
 いつも迷惑そうにしている影で、魔理沙の来訪を待ちわびている様子のパチュリー。
 二人はこの写真と、載っていた記事を見て、○○の殲滅を決定した。
 アリスは一足早く○○を見つけて攻撃し始め、一歩送れて神社に着いたパチュリーは、私に事態を説明してくれた。

 あの写真が目に入った瞬間、頭が真っ白になった。
 え? なにこれ? いつの間にあの二人が? どうして?
 頭の中に訳の分からないものが渦巻き、記事の内容も上手く認識できない中、魔理沙の証言とやらが目に入った。

『あいつの事か? 結構好きだぜ』

 絶対○○が魔理沙をたぶらかした、そうに違いない。私が決めた、今決めた。
 そうしてパチュリーとともに飛び出した私は、程なくアリスと合流、そして○○を見つけ出した。

 アリスとパチュリー、そして私。3人とやり合う事になった○○は…生き残りはしたものの、怪我をした。

 私達はといえば、揃いも揃って呆けていた。
 なぜ? よく分からない。とりあえず負けかけた…というのは確かなように思う。

 呆けた頭がはっきりするにつれ、目の前が見えてくる。
 そこには、倒れ臥している○○。
 全身から血を流し、片足が焦げ、そのままうつ伏せでピクリとも動かない。
 まるでそのさまは、○○が…

「……!」

 目を閉じ、頭を振ってわきあがったいやなイメージを消す。
 そうだ、大丈夫。
 ○○はちゃんと目を覚ました。
 いろいろ聞きたい事はあるけど、とりあえず死んではなかった。
 ○○はちゃんと生きていたんだ。

 せっかく膝枕してやったのに、飛びのかれた時はさすがにちょっとムッと来たけど。
 …まあ、どけと言ったのは私だし、今まで戦ってた相手だって考えれば、仕方ない気がするけど…ちょっとだけ
傷ついたかも。(←彼は照れてただけです)

 …大体、冷えた頭で冷静に考えてみれば、こちらの根拠…と言うかソースは、あの天狗の書いた新聞だ。
 そう、あの天狗なのだ。
 『疑ってかかってやっと話半分』なんてことの多いあれを、インパクトのある写真を見たからとはいえ頭っから信じきるなんて…
私とした事が。
 他の二人も大体同じ結論に至ったのか、なんだかばつが悪そうだった。
 まあ、殲滅は事情を確認してからでもいいよね、うん。
 そう思って、実行に移そうとした、時。

 悪い事は重なる。
 事もあろうに、あの傍迷惑な妹が号外を読んだというのだ。
 アリスやパチュリーと同じくらい、魔理沙のことを思っている。…いや、誰はばからず好きと公言していると言う点では一番
積極的と言えるあの吸血鬼、フランドール・スカーレット。
 今彼女は、大急ぎでここを目指している。
 目的は一つ。あいつを…○○を壊す事。
 そうする事で、魔理沙を取り戻せる。そう考えているのだろう。
 …それが間違いだと気付きもしないで。

 もし号外の内容が正しいなら、それをしてしまえば魔理沙は「切れる」。
 そして、フランの事を敵とみなして、そのまま二度と、元の関係には戻れない気がする。
 間違っているなら、…おそらくこちらの可能性が高いが…なおまずい。
 だって、やるだけ無駄だから。 

 …とりあえず、○○の怪我の応急手当だけでもしておかなければならない。
 このまま行けば、○○はなす術もなくフランに消し飛ばされる。
 だから必死に薬箱を探しているのに、

「何で見つからないのよ、もう!」

 こんな事なら、○○だけでも連れて来ればよかった…、…!

 連れて…来れば?

「そうだ…」

 何故気付かなかったのだろう。
 今○○を一人にしてはいけない。
 フランの目的は『○○を壊す事』だ。
 『ここに来る事』じゃない。
 つまりフランがなにかの偶然で、○○を見つけたら…!

「っ!」

 思うやいなや神社を飛び出す。
 お願いだから間に合って…!
 すでに日はとっぷりと暮れ、星が見え始めていた…。





「あー、一応聞いてもいいか?」
「何?」
「人から聞いた話なんで外れてたら謝るが…あんたがフランドール・スカーレットで間違いないか? レミリアの妹の」
「あってるよ」
「そうか…」

 思わず手で顔を覆い、そのまま天を仰いで『oh my god...』などど言いつつ神に文句をぶちまけたくなる。
 両腕が痛いし、転びそうなんで出来ないがね。
 実際のところ、非常にやばい。
 こっちの戦闘能力はほぼゼロ。戦う事はおろか逃げる事もまず不可能。こんな状況でどうしろと?
 …向こうは殺る気満々だし…

「魔理沙に変な事したでしょ」
「覚えが無い」
「魔理沙をおかしくしたんでしょ」
「まったく知らん」
「魔理沙を『てごめ』にしたんだって?」
「してたら多分俺生きてない」

 多分無意味だろう問答を続ける。しかしものの見事に平行線だな…
 とか思ってたら、向こうが痺れを切らしたらしい。
 うわ早っ!

「あーもう、もういいよ。消えちゃえ!」
「やだ」
「うるさーーーーい!! 禁忌『レーヴァティン』!!!」

 彼女の持っていた杖が炎を纏った巨大な剣へと変わる。やば…!





 炎の剣が、森を、薙いだ。
 私の目の前で、あいつは、消えた。
 やっとたどり着いたそこには、もうすでにフランがいて、
 なにかを叫びながら、フランが、剣を…

「…○○っ!」

 弾かれた様に飛び出し、一目散にそこへ降りたつ。
 そこは地面が大きく抉られ、木々は一瞬で灰か炭に変じ、その難を逃れた木も一部が燃え盛っていた。

「あ…」

 思わずその場にへたり込む。地面はまだ熱かったが、そんな事さえわからなかった。
 …間に、あわなかった…。

「…ちぇっ」

 そんな私の耳に入るフランの舌打ち。
 思わずキッとそちらを睨む。

「何霊夢? …いいからそこどいて、危ないよ」
「…! あ、あんた…っ!」

 文句を言い終わるより早く、高まる魔力にその場を飛びのく。
 直後、フランの放った魔力弾がそこを直撃、更なるクレーターを作った。

「ぐっ…フラン! あんた…」
「やっぱり生きてた。だめじゃん、ちゃんと消えなきゃ」
「え…?」

 土煙が晴れ、クレーターがはっきりとその姿を現す。
 その中央にいたのは…

「○○!」

 そう、レーヴァティンによって跡形も無く消えたはずの○○だった。
 でも何故? どうやってあんなところに?

「モグラみたいだね。私は見た事無いけど。…まあいいや、今度ははずさないから」

 そのフランの言葉にはっとする。
 そうだ、今はそんな事よりフランを止めなきゃ!

「フラン! ちょっとま…」
「禁弾『カタディオプトリック』!!」

 爆音とともに天空高く放たれた光弾が、急角度で地上へ…○○めがけて落ちていく。
 私はとっさに○○をかばいに入った。
 迫ってくる光弾を受け止めるべく、結界を展開する。
 …着弾。また着弾。そしてまた着弾。
 ○○が全く動かせそうに無い現状、かわすのではなく受け止めるしかないが、さすがにきつい。
 渾身の力を振り絞って耐えるが、もう結界にほころびが入り始めている。
 このままじゃ、二人もろとも…。でも、だからって○○を見捨てる事はできない。しかし…
 結界が限界を迎え、さらに光弾が降り注ごうとした。
 …その時。

「ブレイジング…スタァァァァァァァァッ!!!!!」

 叫び声とともに、彗星が私達とフランの間を駆け抜ける。
 光弾はその輝きに飲まれ、消滅してしまった。
 …遅いわよ、もう…。

「…魔理沙?」

 フランが呆けた声を出す。

「よっ。…珍しい所で会うな、フラン」

 そういって片手をあげたのは、たった今駆け抜けた彗星だったもの。
 そう…今回のキーパーソンの一人、霧雨魔理沙だった。





 なんだかいきなりめまぐるしく状況が変わり始めた感がある。
 霊夢たち3人との決戦、妹様襲来警報、レーヴァティンを如何にか避けたが、あっさり見破られ絶体絶命、そこに現れたのが…

「…魔理沙?」

 いつか来るとは思っていたが、このタイミングとは。
 まあ、運がよかったと言うべきか。
 この調子なら、生き残れそうな気がしてきたからだ。

「霊夢…」

 俺は、とりあえずかばってくれた霊夢に声をかける。
 霊夢は、俺のほうを振り向くとほっとしたように言った

「良かった…生きてて…」
「全くだ」

 自分でもそう思う。何せあのよけ方は賭けだったからなぁ…

「間に合ったみたいね」
「肝を冷やしたわよ、全く…」

 そういって降りてきたのはパチュリーとアリス。
 二人とも疲れた顔をしている。

「パチュリー、アリス…」
「よう、お二人さん。如何にか生きてるよ。…二人が魔理沙を?」

 俺の問いかけに二人は首を振って答えた。

「ちょっと違うわ。実は妹様を見つけるために、一度街道に戻ってから魔力探査をしてみたんだけど…」
「ぜんぜん見当はずれな方…つまりあんたのいる方に反応が出たのよ。大急ぎで戻ってきたわ」
「その途中、ちょうど号外の事で神社に行こうとしていたらしい魔理沙と鉢合わせしてね?」
「事情を話して、ついてきてもらったってわけ」

 なるほどね。全く、最後の最後でやっと運が向いてきたか。

 上空では、魔理沙とフランが弾幕ごっこしつつ言い争いをしている。

「だから、それは誤解だって言ってるだろ!? 私はあいつに恋愛感情なんか持って無いっての!」
「嘘だ! じゃあ何で魔理沙はあの写真の中で、あいつとあんなふうに手なんてとりあってたのさ!」
「だから前話したろ!? あいつのスペルカードは特別で、私達みたいなのが魔力を充電してやらないと使えないんだって!
 あいつはいつもリストバンドの下にカードをしまってるから、わざわざ取り出すよりそのまま充電したほうが手っ取り早くて
 楽なんだよ!」
「二人で恋人みたいに見つめ合ってたくせに!」
「あれはあいつが手を握られたくらいでドギマギしてたから、からかってやってる最中だったんだよ! あの後すぐにあいつに
 からかうなって思いっきり怒鳴られたんだからな! マジで!」

 ……。

「あー、アリスさんにパチュリーさんや…すまんがあの魔理沙の証言を以って、俺の主張と代えさせていただきたいんだが…」
「…ええ、よーく分かったわ…」
「…ごめんなさい」
「ァリス、ハャトチリ?」
「ゲンキダシテー」

 ず~ん…と沈んだ顔で謝ってくる二人。慰める人形。…まあ、誤解が解けたようで何よりだ。

「霊夢も、OK?」
「え、あ、ええ…」

 霊夢も、なぜかあわてた様子だったが…とりあえず分かってくれたようだ。良かった良かった。

「OKじゃないよ。全く、せっかく邪魔な無礼者が消えてくれると思ったのに…」
「え?」

 見上げるとそこには、どこか残念そうな顔をした、紅い少女が立って(と言うか浮いて)いた。

 霊夢たちが彼女に気付き、驚きの声を上げる。

「…レミリア!」

 そう、レミリア・スカーレット。
 紅魔館の主、『永遠に紅い幼き月』とも呼ばれる『紅い悪魔』、吸血鬼である。




あとがき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

37です。

「3話目」、Eパートでした。
ほんとにFパートまで行っちまった…orz

勘のいい方は気付かれたかもしれませんが、実は霊夢、ある根本的なところを勘違いしています。
このあたりはFパートで語られる予定なので、そちらのほうにどうぞ。(マテ

ここでなんとレミリア登場!
…いや、さきのあらすじ(エピローグとルビをふる)をお読みの方なら予想がついたかと思われますが、
これから彼女が最後の?爆弾を落としてくれる予定です。お楽しみに。

さて、Fにかかるか…ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=(;-_-)/ゼンリョクダッシュ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

霊夢もの第3話、Fパートです。
とつぜん登場したレミリア、その真意やいかに?

今回フランドール関連で、かなり強引、或いは俺的解釈全開と思しき展開があります。
○○の態度が気に障るかもしれませんので、ご注意を。
ではどうぞ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 傍迷惑な号外から始まった誤解の連鎖。
 その結果、アリス、パチュリー、さらには霊夢、挙句の果てにはフランドールと、
 幻想郷最強クラスのお歴々に殺されそうになった俺だが、
 魔理沙の援軍もあってようやっとその誤解が解けて一安心…という所に、
 不穏当な発言とともにやってきた一人の人物がいた。それは…

「…誰かと思えばちみっこか、何だよこんなときにこんなところで」
「ちみっこいうな! 何度言ったら分かる!」
「…あんた、ホント度胸あるわね…」
「古今東西、一般人でレミィにそんな口が叩けるのは多分彼だけでしょうね…」

 紅魔館の主たる吸血鬼、レミリア・スカーレットだった。

「…で? どういうことだよ、なんか俺に消えてほしそうな発言だったが?」
「まさしくその通りだよ。無礼者な上に邪魔者と来ては、いくらなんでも看過できない話だ、全く」
「わけが分からん…」

 無礼者呼ばわりはまあ分かる。俺はこいつの事を主に『ちみっこ』と呼んでいるからだ。
 おまけにタメ口だし。
 だが、俺がこいつの事をそう呼ぶようになった…と言うか、怖がらなくなったそもそもの原因は、こいつの自爆によるもの
なんだがなぁ…

 俺がここに来てすぐ、魔理沙が俺の歓迎会を開こうと言い出した。
 要は理由をつけて宴会が開きたかっただけなんだろうが、そのおかげでさまざまな幻想郷の住人と会い、交流をもてたのだから
ありがたい話ではあった。
 さすがに冬の真っ盛りの時期と会って、参加人数はそんなでも無かった(例えばマヨヒガ組は完全欠席)が、それでも好奇心などでか
わざわざ集まってきた面々がいた。
 そのうちの一人が彼女、レミリアである。

 初めて見た彼女は威厳に満ち、近づきがたい雰囲気を持っていた。
 絶対的な『格の差』とでも言うのか、とにかく『敵わない』と言うイメージと、近付き難さを感じていた。
 …が、しかし。
 珍しく(本当に珍しい話らしい)悪酔いした彼女が、俺の前で『ある事』をしてしまったことで、それらの雰囲気が消し飛んだ。
 俗に『れみりゃ変身』と呼ばれる、本来新月のときまれに発生すると言う…所謂、幼児化である。

 はっきり言って、お子様だった。これでもかと言うくらい。
 そしてかわいかった。
 それを見てしまったことで、危うく彼女の御付のメイド長に『殺人ドールの刑』に処せられる所だったが。

 …まあとにかく、これがきっかけで彼女に対して…何と言うか、耐性のようなものを持ってしまったのだ。精神的に。
 おかげで、普段のノリで彼女と会話が出来るのだが、それが彼女には『無礼』と映っているらしい。
 …あるいは、恥ずかしいところを見られたので、目撃者を消したいとか?

「お前、そこまで…」
「何の話だ?」

 …声に出てたか、いかんいかん。
 だが、邪魔者とはどういうことだ? 皆目見当がつかないが…。
 と言うか、むしろそれ以上に…

「なあ、ひょっとして今回の件、裏で糸を引いてたのはお前なんじゃないのか?」
「「「えっ!?」」」

 そばにいた霊夢、パチュリー、アリスの3人が驚きの声を上げる。
 確かに『まさか?』だが、こいつは確か『運命を操る程度の能力』を持っていたはず。それを使えばあるいは…

「…察しがいいな、○○。そう、今回の黒m「くろまく~」…」

 ちゅどんっ!

「そう、今回の黒幕は」
「いやいや待て待て、今なんか撃ち落としたろ!? 通りすがりの何か撃ち落とさなかったか!? おい!」
「気にするな。 割り込むほうが悪い」
「そーなのかー!?」

 絶対違うと思うがなぁ…
 あ、なんか冬っぽいふくよかそうな妖怪がピクピクしてる。

「話がそれたな。戻すぞ、いいか?」
「はあ…」
「何か気が抜けるわね…」
「同感」

 俺も。
 アリスなんかまだポカンとしてるし。

「今回の件、黒幕といってもいいのは…ほかならぬこの私だよ。○○」
「どういうこと? レミィ。…あの号外は天狗の書いたものでしょう?」
「そうだよパチェ。あれは天狗が書いたものだ」
「な…ならなんで黒幕があなたなのよ。矛盾するじゃ「そういう事」ない…って、霊夢?」

 再起動したアリスの問いをさえぎるように、霊夢が言う。
 どうやら理解したようだ。

「レミリア…あなたひょっとして、私達に○○を消させようとした?」
「「な!?」」

 そう、レミリアはおそらく、誰よりも先にあの号外に目を通し、あの号外を利用して俺が命の危険に遭う様に『運命改変』を
施したのだ。
 初めは、自分と関係性の薄いアリスを使って。
 それで消しきれないとなると、パチュリーや霊夢を。
 いずれも、冷静に考えれば誤解と分かる程度のそれに『気付かない』と言う形を以って。
 それらが回避された…いや、回避されそうだと分かった時点で、最終的にはフランドールと言う『切り札』までも切ってきた。

 …さすがにことごとく運やら何やらで回避されたのは予想外だったろうが…。

「つくづくしぶとい奴だよ、お前は。…まあ、私もこれで消えるならそれまで、程度の気分で干渉したから、別に生き残ったとしても
 どうと言う事はなかったんだがね」
「…フランドールにはマジで殺されかけたな」
「あれはいけるかと思ったんだが」
「じゃあ、なんで?」
「…霊夢が俺をかばったからか?」
「私が?」
「あのままだと俺はともかく、霊夢が無事じゃすまない…そう思ったんだろう。だから魔理沙を『間に合わせた』…違うか?」
「その質問に関しては『Yes』と答えておくよ」
「…なんで!?」

 霊夢がレミリアに詰め寄る。まあ、確かに。
 俺もよく分からなかったが、今ならなんとなく分かる。
 レミリアが『霊夢を守るため』に『改変』を行った事、俺を指しての『邪魔者』呼ばわり。これらのことを考えれば…。

「やっぱあの号外だろ、動機は」
「そうね」
「レミィ…」
「だからそれがわかんないのよ! あれに載ってたのは『魔理沙と○○の事』でしょう!? フランはともかく、何であんたが!?」

 ……。

「…は?」
「え?」
「はい?」
「ん?」

「…な、何よ」

 いや、一瞬思考が止まったぞ。今霊夢はなんと言った?

「…なあ、パチュリー。霊夢にはあの号外、見せたんだよな?」
「え、ええ。確かに見せたわ」
「ならなんであんな台詞が出るわけ?」
「私に聞かれても…」
「…パチェ、あれを読んだときの霊夢の様子は?」
「え、えっと…」

 ヒソヒソ話の末、パチュリーが必死にそのときの情景を思い出そうとする。頑張れパチュリー、君だけが頼りだ。

「確かあの時は、号外の最初…あの記事の部分を見た瞬間固まったのよ。一度。その後、からくり人形みたいにギギギッと音を
立てそうな動きで首を上下させて記事を読んでいたようだったわ…。すぐ私に号外を返して、外へ飛び出していったんだけど」
「…つまりその時、何らかの…、例えば例のこいつと魔理沙のツーショット写真でも見て、固まった…思考停止したまま、首だけが
 無意識に動いていた…という風にも考えられるわけだ」
「…つまり、霊夢はあの記事を完全には把握していないと?」
「おそらく」

 通りで。あいつが怒るとしたら魔理沙と霊夢自身の両方に関してのはずだから、おかしいなーとは思っていたんだが…。
 しかしこれはこれで厄介な気がするがどうでしょう。

「あー…霊夢?」
「何よ」

 そうこうしている間にレミリアが霊夢に説明をしようとしていた。
 プリーズウェイト! その説明待った! こっちの死活問題に~!

「どうもあの号外の内容について誤解があるみたいだが、あれは…「違う違う違う!ちがあぁぁぁぁぁう!!!」何だ!?」

 叫び声の方を見る。そこにはまだやりあっていた魔理沙とフランドールの姿。
 叫んだフランドールは…なんかめったやたらにレーヴァティンを振り回していた。森が燃える~。

「いけない…。水符『プリンセスウンディネ』!」

 パチュリーの展開した水の魔法が、森についた火を消し止める。良かった、これでここが焼け野原にならなくてすむ。
 しかしフランドールのほうへ向かった水は、彼女の剣が発する熱でかなり蒸発してしまっているようだ。
 恐るべし、吸血鬼の底力。
 で、当の本人は…

「あいつは魔理沙をだましてるんだ、あいつは魔理沙にへんな事しようとしてるんだ!」
「だから何度も言ってるだろ? それは誤解だ。あいつは別に…」
「嘘だ!」
「嘘じゃないよ、ほんとだって!」
「あいつは魔理沙を取ろうとしたんだ!」
「取られてないって」
「嘘だぁぁぁぁぁっ!!!!」

 それだけで吹き飛ばされそうな殺気を噴出させながら、フランドールは…泣いていた。
 泣きながら、なおも叫んだ

「あいつは魔理沙を取ったんだ! 私から魔理沙を取ったんだ!」
「だから違うって!」
「あいつが来てから魔理沙が来なくなった。パチュリーの所に行く事はあっても『私の所』には来なかった!」
「…」
「あいつが魔理沙を取ったんだ! あいつが来なきゃ魔理沙はきっと…」

「自分に会いに来てくれた…か?」

 ポツリと呟いた俺の言葉。だがしかし聞こえていたらしい。彼女は俺を睨みつけ、さらにヒートアップする。
 やれやれ、自分で自分をピンチにしてどうするんだか、俺は。

「あんたを壊せば元に戻る! 魔理沙は会いに来てくれる! だから私は…!」

 その姿は、まさしく駄々をこねる子供そのものだった。

 泣きながら、その手にした杖…今は巨大な炎の剣と化したそれを振るう様を、俺はただじっと見ていた。
 事態の変化にやっと追いついたらしい霊夢たちがカバーに入ろうとするが…遅い。
 その剣が、俺に迫り、そして…





 後ろから彼女を抱きしめた奴によって、止められた。

 抱きしめたのは、魔理沙。

 魔理沙を振りほどこうと暴れる、フランドール。
 そんな彼女の耳元で、魔理沙は、言った

「ごめんな、寂しい思いをさせて」

 暴れていた剣が、止まる。
 その瞬間、切っ先は俺の眼前、10cm程のところだった。
 俺は、動けなかった。
 …俺は、動かなかった。

 魔理沙に抱きつき、泣きじゃくるフランドール。
 誰もが、黙ってその様を見ていた。

「…で? 結局お前にとって魔理沙は何なんだ?」

 俺を、除いて。







 一つ、たとえ話をしよう。
 あるところに、人形遊びの好きな子がいた。
 その子は近所の友達とは遊ばず、いつも一人、家の中で人形達と戯れていた。
 何故友達と遊ばないのか? そう聞いた大人がいた。
 そうしたら子供は答えた。
 「だって友達は都合が悪いと、私の遊びたいときに遊んでくれない」
 「人形達なら、いつだって、私の好きな時に応えてくれる」

 …そしてこうも言ったそうだ。

 「人形達なら飽きたとき、いつでも自由に捨てられる」
 …とな。


 お前にとって、魔理沙は何だ?
 この話で言う、どっちにあたる?

 …そうか、ならいい。それならいい。


 もう一つ、たとえ話をしよう。
 もしも、魔理沙が不治の病にかかったら?
 それも、明日をも知れぬ命だ。
 その病は、治すにはたった一つの方法しかない事が分かった。
 例えばお前が血を吸って吸血鬼化したとしても、その病は治らない。
 確実に、死ぬ。いや…消える。
 魂をも蝕む、その病によって。

 お前なら、どうする?

 そうだろうな。方法が一つなら、そうだろう。
 だが、これには副作用がある。
 これで助かった奴は、心が、死ぬんだ。
 
 二度と自分から話しかけない。
 二度と自分から笑いかけない
 二度とお前に応えない。
 魔理沙が、魔理沙じゃなくなるからな。

 それでも、命を救うには、この方法しか、ありえない。
 命をとるか、心をとるか。
 お前なら…どうする?

 そうだな。
 決められるわけが無い。
 そういうものだ。それで正しいと思うよ、俺は。

 …思うに、魔理沙も、それと同じ状態だったんじゃないか? …程度はどうあれ。





「どういうこと?」
「いやなに。たいした事じゃないがね…」

 問いかけるフランに、俺は肩をすくめて言った。

「今回の事で分かったろ? 魔理沙は別に、お前の事をないがしろにしたわけじゃない。お前の事は、むしろ大事に思ってる。
 …ただ、時間的な理由とかで、先に解決しておきたい事があったから、それを優先させただけでな」
「…」
「…もっとも、お前の言うとおり、その原因のほとんどは俺だろうがな」
「…」

 大分彼女も落ち着いてきたようだ。話を聞く気になっている。

「例えば、パチュリーには会いにいったって話。あれは俺が頼んだ事なんだよ。…俺が外から来たって事は知ってると思うが、
 外には妖怪の類なんていないからな、つまり当時の俺はなんら自衛の手段を持ってなかった」
「それで?」
「だから魔理沙に相談したんだ。保護されるだけじゃダメダメだろ? どうにか自衛の手段がほしかったんだよ」
「ああ、それで私はパチュリーんところに行ったわけだ。あそこなら資料に事欠かないしな」

 そう魔理沙が肯定する。しかし彼女はまだ釈然としない様子だ。

「…でも、その後は? …魔理沙はあんたのところに通ってたって…」
「その事については俺もよく分からんが…想像はつく」
「どんな?」
「…お前さんは、俺があと1ヶ月と半月くらいで幻想郷(ここ)からいなくなるって知ってたか?」
「え!?」

 …知ってるわけ無いか。号外で始めて俺のことを知ったようだったしな。

「つまり、外に興味を持っていた魔理沙が、俺から何らかの話を聞くには、急を要する必要があったんだ」
「…私に会うよりも?」
「お前らは、魔理沙さえ長生きすればそれこそ100年は会ったり話したり出来るだろ? 俺はそうは行かなかったんだよ。
 …ここを出たら、基本的にもう二度とここに来る事は無いからな」
「あ…」
「あるいは…お前への土産話か何かにでもするつもりだったんじゃないか?」
「えぇ!?」

 言われて彼女は魔理沙を見るが、魔理沙は応えずそっぽを向いた。
 ただ、微妙に顔を赤らめ、さらにばつ悪げに頬を掻いていたので、割と彼女にはバレバレだった。

「魔理沙…」

 フランドールの顔にやや明るいものが混じる。
 …今のうちに言っとくか。

「…聞いた話じゃ、お前さんは500年近く地下にいたんだって?」
「え、あ、うん…」
「それだけ待ってやっと出来た友達なら、会えなくて寂しいと感じるのは当然だろうな…」
「…」

「…でもさ、逆に言えばそれは、500年近く『我慢出来てた』って事だよな?」
「?」
「確かに、友達の存在を知らないで過ごす500年は、知った上で待つ1年よりも過ごしやすいかもしれないが…
 要は発想の転換だよ」
「発想の転換?」
「『自分は500年近く我慢出来てた。なら今更数ヶ月程度、我慢できないわけが無い』…とか」
「あー…」
「俺の件に限って言えば、『どうせあいつは後2ヶ月足らず、私と魔理沙は80年。今我慢したっておつりが来る』…とかな?」
「そっか…そんな考え方があるんだ…」
「すぐに出来るって訳でも無いだろうがな。おまえは別に一人って訳でも無いだろ? 姉貴がいる、メイド長がいる、門番さんに、
 パチュリーや小悪魔たちも。みんなお前がつらいときに、きっと支えてくれるだろう面子ばかりだ。いつだって頼っていいんだ。
 そう考えればもう1つ2つ、出来る我慢も増えるだろ。頑張れがんばれ…な」
「…うん」

 …なんか、めっちゃ臭い事言った気が…まあいいか。
 そう思ったのもつかの間だった。

「…○○が」
「ん?」

 なにやら俺とフランドールを除く皆が驚愕の表情でガタブルしている。
 なんだなんだ?

「○○が壊れたぁぁぁぁぁーっ!」
「上海蓬莱気を付けて! ○○が何かまともっぽい事言ってるわよ!?」
「えーと、この危機的状況を如何にかする方法は…」
「おい、無事か? 頭は大丈夫か? ちゃんとバカか?」
「○○! ○○しっかりして、ねえ!」

 ……。

「お…お前ら…」
「○○、いいから落ち着け、今医者を連れてくるから!」
「永遠亭に連絡…いえ、精神科医はどこ!?」
「人形達を使って探してみる!」
「頼む、事態は急を要する!」
「○○~っ!」




「俺を何だと思ってるんだぁぁぁ~~~っ!!!!!」


あとがき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

37です。

「3話目」、Fパート終了~。
Gパート…orz

何か○○が壊れてます。
今回はかなり来てます。

…ええ。最後のみんなのうろたえっぷりは私自身の心情です(マテ

いよいよ次はGパート、第3話のエピローグに入ります。
長かった…!
…Hパートだけはやらんぞ、絶対…。(超不安)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

霊夢もの第3話、最終Gパートです。
よ~やっと終わりました~!

そういうわけでエピローグです。
ではどうぞ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「うー…」

 どーも、○○です。
 今動けません。

 あの号外による大騒動からはや3日、神社の周りは平和そのものです。
 騒動の反動だと思うと、何か微妙な気分ですが。

「あの後も急展開だったからなぁ…」





「いや、私達は真面目だぜ?」
「真面目すぎるくらい真面目よ」
「むしろあなたが不真面目ね」
「まあいつもの事だがな」
「だから落ち着いて? いつもどおりバカでいいのよ?」
「もういいよ…」

 5人がかりでの暴言にさめざめと涙を流す。
 何かもうどうでもいいや…

「あ…あは…あはははは!」
「?」

 突然フランドールが笑い出した。

「フラン…?」
「あは、あはは、あははははははは!」
「…くっ…ふふ…」
「○○?」
「はははははははは!」

 後はもう大爆笑。
 みんな徐々に笑い出し、みんななんだかもう色々吹っ切れた感じだった。


「ほんとにごめんね、魔理沙も、○○も…」
「あー、まあ私があんまり会いに行かなかったのもあるからな、気にするな」
「こっちもいいよ、気にしてない。…ま、さっき話した事だけ、気に留めといてくれればいいや」
「うん!」

 心底申し訳なさそうに謝るフランドールに、魔理沙と俺がそういうと、彼女はちょっと涙の残る、でも満面の笑顔で頷いた。

「フラン…」
「お姉様…」

 そして向き合う姉妹。
 本来なら地下に…そうでなくとも紅魔館の中にいなくてはならないはずのフラン。
 本来なら、ここは無断外出をした妹を姉が叱る場面なのだが…
 二人の間の空気は、とても穏やかだ。

「お姉様ごめんなさい。勝手に外に出ちゃって…」
「いいのよ、フラン。今回あなたは大事な事を学べたようだから。…でも、こんな無茶はもうこれっきりにしてね」
「うん!」

 そんな、口調まで変わって…って、あれが地だしな。うん。
 しかしまあ、変に威圧的な口調になるより、ああいうお嬢様然とした口調の方がよっぽど威厳を感じるのは何でかね?
 …あっちも地なんではあろうが…。

「それと…今日は結果オーライだからいいけど、どうせ殺るならもっと真面目に殺らないとどこまでも生き延びるわよ。
 この人間生命力だけはゴキブリ並みだから」
「おーいこらぁ! こっち見ながら何不穏当な事唆しとるかぁ!」

 いやマジ、縁起でもないから。

「うん、頑張る」
「そこは頑張るな~!」
「あははっ、冗談だよ、冗談」
「冗談に聞こえんて…」

 思いっきり脱力する。勘弁してくれ…

「あははははっ! …じゃあお姉様、私、館に戻ってるね」
「ええ、そうしてて。私は後始末してくから」
「はーい! 魔理沙、またね!」
「ああ、また近いうちになー」
「○○!」
「ん?」
「今日はありがと…それじゃね」
「おう。じゃあな、フランドール」
「フランでいいよ。じゃ、また!」
「…ああ。またな、フラン!」

 こうして、皆が見送る中小さな紅い台風はお家へ帰っていきました。
 にしても…

「まさかとは思うが…おいちみっこよ、ひょっとして実はこの展開を読んでたんじゃないのか?」
「「「「はぁっ!?」」」」

 突然の俺のぶっ飛んだ発言に、皆が驚きの声を上げてこちらを見る。
 そんな中レミリアだけが、こちらを見ぬまま冷静な声で聞き返してきた。

「…どうしてかしら?」
「いや、なんとなく浮かんだだけだがね…。何かこう不意に、今までの騒動全部が、この瞬間のための布石であったかのように
 感じられたんだよ」

 …周りの視線が再びイタイものを見るものになってくる。

「あ、あんた…」
「いくら何でも…そこまで突飛な…」
「さんざバカ呼ばわりしといて今更常識求めんなよ!? …で、どうなんだ?」

 俺の問いかけにレミリアは…

「さあ、どうかしらね?」

 そういって、振り向きざまに片目をつぶり、笑いかけてきた。いたずらっぽい表情で。

「…まあ、いいけどな」

 俺もそういって、話を終わらせた。
 …って、あれ…?

「どうでもいいけど、フランが飛び出したときはまだ日が出てたよな? どういうわけか今回は平気だったが…もしもの事が
 あったらどうする気だったんだ?」
「あ…」

 間抜けな声を上げて固まるレミリア。…おいちょっと待てまさか…。

「…考えてなかったのか?」
「あー…だ、大丈夫よ。読み取った運命じゃ大丈夫ってなってたし、うん」
「考えてなかったのな…」

 それでいいのか、紅い悪魔。
 そう、気が緩んだ瞬間。

「…あっ…だだだだだ…がっ…!」

 今まで感じなかった全身の痛みが、一気に襲ってきた。

「お、おい○○、大丈夫か!?」
「大丈夫じゃないだろ。あれだけのダメージの上に、土の盾があったとはいえフランの魔法弾を直でくらったんだ。…骨の一つや
 二つは砕けてるんじゃないのか?」
「な!?」
「レミィ、それホント!?」
「このクレーターが何で出来たと思ってる? 霊夢がカバーに入る直前まで、こいつは一人でフランと向き合ってたんだよ。
 …どうやってか、レーヴァティンまでかわして」
「レーヴァティンを!? あの怪我で!?」
「あー…種明かしゃ簡単だぜ? あれは…。ただ穴掘っただけだし」
「穴? …ああ、なるほど…」
「まず、地面に倒れこむ。土の符の力で、自分の真下に、自分が入れるだけの穴を掘る。後は上に、土をかぶせる…これを大急ぎで
 やった。それだけだよ。…それだけしか出来なかったとも言うが」
「いや、無理するな!」
「いいから黙ってなさい!」
「うーい…」

 言ってそのまま横たわる。
 …いや、体勢的にはぜんぜん変わらんけど。

「とにかく医者を呼ばないと…永遠亭に…」
「いやその必要はない」
「レミィ!?」
「何で必要ないのよ!」
「何で咲夜がここにいないと思う?」
「え?…あ!」

「お待たせしました、お嬢様」
「待たせたわね」
「いや、いいタイミングだったよ」

 そういって現れたのは、レミリアおつきのメイド長、十六夜 咲夜(いざよい さくや)。
 そして、永遠亭に住む蓬莱の薬師、八意 永琳(やごころ えいりん)だった。



「…片足は第2度の火傷、両腕は筋肉がずたずた、さらに全身の骨が骨折もしくはヒビ…か」
「そんなにひどかったの!?」
「…よく今までしゃべったりとか出来てたな…」
「まあ、痛みとか感じてなかったからな…」
「それは痛みを通り越したって言うのよ…」
「あうあうあう…」

 俺の発現に呆れ顔で言うメイド長と、何か壊れ気味の霊夢、つーか落ち着け。

「…ふう、どうやらあの号外、珍しく半分は本当だったようね」
「え?」

 ため息とともにメイド長が聞き捨てならない台詞をはく。
 待てメイド長それは禁句…

「だから、『霊夢と魔理沙と○○が三角関係になっている』って…あんたの心配ぶりなら、つまり半分は本当ってことでしょ?」
「…え?」

 嫌ーーーーーーーーーー!

「え? だってあれって○○と魔理沙の…え? 私? え? あれ?」
「…総員、対騒音防御」
「畏まりました」
「了解」
「ほら、あなた達も」
「ハーイ!」
「ミザルイワザルー」
「消音結界準備OK…」
「よし、いつでもいいぜ」

 いや、俺動けないっすから! 耳塞げないっすから! ざんねーん!

「な…何よそれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!?????」

 …そして、霊夢の絶叫を最後に、俺は意識を失ったのだった…。ちゃんちゃん。





「全く、何で私があんたなんかと…」

 ここ最近の霊夢の口癖となりつつある台詞。
 顔で苦笑(わら)って心で泣いて、俺はその台詞を聞き続けている。

「…ほら、あーん」
「あー…まぐっ」

 今食べさせてもらってるのは永琳先生特製レシピによる薬膳粥だ。
 どーもよく分からんが、このお粥をちゃんとした栄養と一緒に食べていれば回復が早まるらしい。
 つくづく天才って…と言うか幻想郷ってすごい。下手なギャグ漫画なら再現できるぞ、この調子じゃあ。
 …現実に俺がそういう状況っぽいし。

「晒し者にはなりたくなぁーーーーーーい!」
「黙って食べる!」
「はい…あーん」

 何で食べさせてもらってるかって? だって俺今両手使えねーもん。

 今回の件で、何だかんだと言っても多大な迷惑をかけたということで、アリスとパチュリーが正式に謝ってきた。
 別にいいとは言ったのだが、向こうが納得してくれなかったので、交換条件を出す事にした。
 今回散々お世話になったカードのバージョンアップをお願いする事にしたのだ。
 ボロボロになったり、行方不明になった木刀とかの代わりを…というのも考えたが、彼女らの得意分野を考えてそっちの方にした。
 フランも謝ってきたが、あれはあの時決着が付いたという事でOKということにしたので、とりあえずは、『彼女を愛称で
呼ばせてもらう』というので納得してもらった。
 レミリアに関しては…ノーコメントの方向で。

 むしろ世話になった永琳さんのほうは、俺の治療のために新しい調合で薬を作ったそうなので、その試用経過をレポートにして
出してもらえばいいという事だった。

 …で、残った霊夢に関しては…

「ほら、こぼれてるわよ!」
「あ、すまん…」
「全くもう、世話が焼けるんだから…」

 …という感じで、俺の世話を焼いてもらっているのである。

「しっかし、あれだけの怪我が完治まで1週間強とは…常識を疑うよ。全く」
「あの薬師はそこらへんがとんでもないからね…まあ、リハビリやなんかもあるから、もうちょっとかかるだろうけど」
「それでも十分すごいよ…っと、ご馳走様」
「はい、お粗末様」

 かちゃかちゃと食器を片す音。
 こういう時って、あの台詞が似合うよな

「いつもすまないねぇ…ケホケホ」
「『そんな事は言いっこなしよ』…とでも言ってほしいの?」

 ジト目で返された。いいじゃんか、暇なんだから。

「こっちは忙しいの。あんたがいない分仕事は増えるし、あんたの世話でさらに増えるし。全くなんで私がこんな…」

 ブツブツ言う霊夢。うう、面目ない。

「全く、早く良くなって、少しは手伝いなさいよね」
「うい~っす」

 努力します。

「じゃあ、私は片付けとかがあるから」
「うす」

 そういうと霊夢は、食器を持って出て行った。
 …さて、暇だ。




「…とっとと出てきなさい、萃香」
「なに~?」

 目の前に小さな娘が現れる。
 その頭には立派な角。
 幻想郷でも見かけなくなったという幻想のきわみ…『鬼』の伊吹 萃香(いぶき すいか)だ。

「ちょっとあんたに言っておきたい事があってね」
「ん~?」

 聞いているのかいないのか、いつでも酔っ払っているこいつは、その赤ら顔でフラフラしながら、台所へ向かう私についてくる。

「…で? なーに?」

 食器を水桶に付けてすぐ、萃香が聞いてくる。
 私は戸棚に向かいながら、話を切り出した。

「あんたでしょ? 家に届いた号外を隠したのは…、それも、ひょっとして紅魔館に届けなかった?」
「え?あれ? あー…ばれた?」

 失敗しっぱい、とばかりに舌を出す萃香。
 『ばれた?』じゃないわよ…

「あんたね、そのおかげでとんでもない事になったんだから…分かってんの?」
「えー? でも面白かったし…それに霊夢もまんざらじゃなかったんじゃないの? あいつの世話して」
「どこが? めんどくさいだけじゃない! あいつってばちょっと目を離すとすぐ無茶して怪我して、ちょっとは大人しく
してるかと思ったら今度は食事やら何やらでいちいち世話が焼けるし! ホント私が見て無いとダメダメなんだから!」
「…ラブラブじゃん…」

 …プツン

 私はあるものを戸棚から探し出す。
 こんなときのために常備しておいたものだ。
 散々引っ掻き回してくれた上に、ここまで事実無根な事をのたまってくれたお礼は…

「たっぷりしないとね…フフフフ」
「霊夢? …それ…!」

 取り出した『それ』を、入れ物である枡から一掴み取り出す。
 萃香の顔が瞬時に真っ青になる。
 私は『それ』を振りかぶり…

「私とあいつは…」
「ちょっとまって霊夢! 落ち着いて! お願いだからそれだけは、ね!?」
「何でもっ!なあぁーーーーーーーーー一い!」
「痛ーーーーーーーーーっ!!!!」





「…なんか、季節はずれの節分に泣く鬼の声みたいな悲鳴が…」
「ぐ、具体的ですね…」

 俺もそう思う。

「…で? 何の用なんだ? このデバガメ天狗」
「デバガメって…取材活動と言って下さいよ」

 そう。俺の部屋には来客がいた。
 霊夢を通してって訳ではないようだが…いいのかね? まあいいけど
 客の名は射命丸 文(しゃめいまる あや)。
 鴉天狗にして、『文々。新聞』の記者。そう、件の号外を書いた、迷惑の張本人だ。

「お前の『真実の号外』とやらで俺がどんな目にあったと思ってるんだ? …この程度ならまだましだろ」
「うう…それを言われると弱いです…」
「で? 用件は何なんだよ」
「あ、はい。今回、私の号外が原因で大怪我をさせたようなものなんで、一言お詫びに…と」
「ほー」

 なかなか殊勝な心がけだ。

 …本当にそれだけなら。

「で、他には? 今なら気分がイイから(←注意)、質問くらい答えてやれなくも無いぞ?」
「本当ですか!? いえ、実は今回の大騒動の渦中の人に、この件の感想をぜひ聞かせていただきたいと…」

 …判決、有罪。

「…雷って、さ」
「…はい?」
「空気を裂いて大地を穿つもの…なんだよな」
「はあ、そうですね…」
「そう、空気を、裂くんだ。…風とか、風とか、風とか」
「あ、あの…?」
「他にこうも言うよな、悪い事をした子が怒られるとき、『雷が落ちた』…って」
「えと…」
「あのね文さん、俺、今体は動かないけど、『イメージだけなら出来るんだよ』」
「……(汗)」
「さて、問題です」
「な、何でしょう?」
「騒動の原因と思しき人が、謝罪にかこつけて全く反省していないと自ら暴露するような行動を取った時…渦中の人はどんな風に
 思うでしょう?」
「……(滝汗)」
「今日は日本晴れかぁ…。こういう日に落ちる雷を『青天の霹靂』って言うんだって?」
「あ、あの、私急用を思い出したので、これで!」

 言うが早いか、外へ飛び出す文。
 しかしあわてているのか、襖やらなにやら閉めずに行って、結果部屋から飛んでいく彼女が丸見えだったりする。
 対するこちらはあわてず騒がず、『すでにイメージから何から準備完了状態の』雷符に意識を向ける。
 …エネルギー全使用、充填率120%。
 後はただ一言、『キーワード』を呟くだけ

「…『落雷(ヴォルク・タン)』」

 どごぉぉぉぉぉぉん!!

「あ~~~~~~…」

 …復讐、完遂。

「いい空だ…寒いけど」





 世は全て事もなく、本日は、晴天なり。



あとがき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

37です。

「3話目」、Gパート、そして全パート、終・了!
長かった…。
でもHパートはやらんで済みました…。

ちなみに、最後に○○が呟いた『キーワード』は、とあるTRPGの同名の魔法から取りました。
何か使ってみたくなったもので…。

まさかここまで長引くと思いませんでした。本当にきつかった。
書いてて楽しかったから良いんですけど、途中どうつなげようかとか色々悩んでかなり参りました。
後半はなんだか強引とも言える展開で、好評をいただいた前半部に比べてどうだろう? とかかなり不安です。

楽しんでいただけるといいのですが。

第4話は予定では5話との前後編もの。今回よりさらに長くなるだろう事が今から予想されます。
詰め込む癖を如何にかしないと…orz

では、またいずれ。

>>359

備考:激しく続きキボン!

───────────────────────────────────────────────────────────

「霊夢…」
「ん……」
霊夢の細い身体をしっかりと抱き締め、柔らかな唇を奪う
さらりとした黒髪を弄りながら、舌を滑り込ませて吸上げる
「ん~~」
声にならない声を挙げるも、悦に浸ってるのか抵抗の様子は無い
「ぷはっ……」
息が苦しくなりそうなところで、糸を引く唇を離す
「ちょ、ちょっと……新年の挨拶ぐらいできないのあんたって人は」
ぶぅ、と紅い頬を膨らませながらの抗議
「おお? 挨拶なら今しただろ。俺はどうも定型の挨拶が嫌いでな。一年で最も白々しい一瞬と言っていい」
「もう……莫迦…」紅潮しつつ微笑を浮かべる霊夢。嫌がってるようには見えない
そう、今は午前零時──新年を迎えた丁度その時である
「それでだな…」
上着のポケットから小さい包みを取り出し、霊夢に差し出す
「これ、受け取ってくれないか。クリスマスの代用って言っちゃ何だけどな」
「え……いいの?」
如何にも期待感満々な笑みを浮かべ、包みを開ける霊夢
「あ……」
淡いピンク色のリボン。霊夢の知己だという古道具店で偶然見つけたものだ
霊夢は物思いに耽るかのようにそっと目を閉じる
「ありがと……大切にするわ」
身体を寄せてくる霊夢を、優しく抱き締める。互いに無言のまま、しばし静かな時が過ぎていく


 就寝の準備をすべく布団を敷く
厚手の式布団に、毛布、柔らかい掛布団。これなら寒くは無いだろう
後は等身大の霊夢抱き枕でもあれば、朝をも忘れる夢心地に間違いは無いが、無いものは
仕方あるまい
横になり、毛布に包まった時、静かに襖が開いた。隣部屋の霊夢が顔をのぞかせる
「…ねぇ」少しの沈黙の後、もじもじとした様子で霊夢が切り出す
「ん?」
「……一緒に、寝ていい?」
ドキン、と俺の心臓は早鐘のように鳴り始める
「あ、ああ…構わないとも」
返事をする前から霊夢は一方的に布団に入ってくる
「左腕、横に出して」
霊夢の求めに応じ左手を伸ばすと、霊夢は頭を乗せて枕代わりにする
「腕枕なんて…迷惑かしら?」
「…別にいいさ。おやすみ、霊夢」
「はい、おやすみなさい」



 聞こえるのは冷たい風の音と、軽やかな彼女の寝息
冬の静かな夜は、時間まで積もる雪の中に埋没してしまったのだろうか
左腕は肘の先からもう感覚が薄れ、手の部分が完全に冷たくなってしまっているのがわかる
腕が壊死するとはこういうものなのだろうか
だが、眠れない原因はそれだけではあるまい
自分の愛した少女が、真横で無防備な寝姿を晒している
霊夢と恋人関係になってからまだ日が浅い。同じ布団で寝るのも今夜が初めてだった
なのに、霊夢は──
…何とも思っていないのだろうか?
…信頼してくれてるのだろうか?
……全てを承諾しているのだろうか
俺の中で、暗い何かが燃えあがる
──我慢できない
霊夢の身体を求め、空いてる右腕を差し出した時
「○○……」微かに聞こえる、自分の名前
その一言ではっと我に返る
寒いのか、霊夢は寝返りをうつと背中を丸めて布団の中に潜り込む
起きてしまった様にも見えたが、またすぐに軽やかな寝息を立てる
自分のことを──夢見てくれている
俺は拘束の解けた左腕を布団に入れる。暖かい毛布と冷たい手で奇妙な感覚を覚える
空が白み、部屋の中が少し明るくなったように感じる
「おやすみ…」小声で、そっと囁いた



 ──寒い
身を切るような冷たさに思わず目を覚ます
隣にいるはずの霊夢の姿は無い。もう起きているのだろう
懐中時計に目をやる──九時
霊夢は寝坊に煩い。正月から怒鳴らせるのも嫌なので起きる事にする
 襖を開けると、部屋には紅の大輪が咲いている──紅白では無く、紅い着物姿の少女がそこにはあった。頭の上には淡いピンクのリボン──
霊夢は俺の姿に気づくと、振り返って膝を正す
「明けましておめでとう御座います」霊夢は手を畳に置き、深々と礼をする。普段からは想像
の付かない可憐でおしとやかな姿に、思わず目を奪われる
「あ、ああ…おめでとう」眠い目を擦りながら、返事を返す
「お雑煮、出来たわよ」はぁ、と霊夢は溜息を付きながら促す



 外は昨日から変らず大雪。正月としての風情など何も無い 
だが暖かい雑煮を食べ、甘酒を口にすると正月らしい気分にはなった
だが睡魔には勝てそうも無く、盛んに欠伸が出ては涙目を擦る
「何であんたそんなに眠そうなのよ」
誰のせいだ、とも思った
「霊夢こそ、よく寝てたな…」
「おかげさまで、ね」



「うー……」
満腹になり、酒が入ったせいだろうか。急激に眠気が襲ってきた
「ここで寝たら風邪引くわよ。ちゃんと布団で寝なさい」
「うーん、正月の昼から寝るなんて何か申し訳無いんだよな」
「まぁそうだけど…こんな大雪じゃ誰も来ないわよ」
確かにそうだろう。今日は誰もがこたつむり化してるに間違い無い
「腕……痛かったでしょ」
「あぁ…」
ちゅっ、と唇が触れ合う
「おやすみなさい。今度はいい夢見てね?」
「物足りないな。また添い寝でもしてもらおう」霊夢の腕を引っ張り、寝室に連れ込む
「も、もう……着替えるの時間かかるのに……」



 布団の中でお互いに寄り添う。寒さを凌ぎ、互いに確かめ合うように
「さっき、言い忘れちゃったわ」
「ん?」
「今年も…宜しくお願いします。って」顔を赤らめながら微笑を浮かべる
「いや…今年からだ」華奢な身体を壊さぬように抱き締める。
「霊夢……俺……お前が……」
霊夢は一瞬驚愕の表情を見せるが、俯くように小さく頷く
「うん……」
その言葉を聞いた途端、俺は半ば飛び掛るように霊夢の唇を奪う


忘れることの出来ぬ、記念すべき新年が幕を開ける

>>363

───────────────────────────────────────────────────────────

霊夢「あけましておめでとう」
○○「おめでとうございま~す」

○○「新年を迎え、心機一転の幻想郷」
霊夢「今年もよろしくお願いします」
○○「さて、年をまたいでなんか書いてみようと頑張ってみる件、正しくはなぜか俺達に代理でしゃべってもらおう企画。後半になりましたが…」
霊夢「何しようかしらね」
○○「…は?」
霊夢「考えて無いらしいのよ、どうも」

○○「うちの作者って…」
霊夢「行き当たりばったりよねぇ…」

霊夢「とりあえずSSの感想をば」
○○「>>363氏の霊夢もの~」

霊夢「…(真っ赤)」
○○「…(真っ赤)」
霊夢「…○○?(もぢもぢ上目遣い)」
○○「だめ(真っ赤)」
霊夢「…なんで?(涙目)」
○○「絶対理性がもたないから」
霊夢「うー…(しょんぼり)」
○○「というか今仕事中だし、ね?」
霊夢「うん…」

○○「…>>363氏、GJ! …しかし、なんだかこっちめちゃくちゃあてられて…。あー、顔が熱いっす(真っ赤)」
霊夢「これからの暮らしのいいお手本として、参考にさせていただきます。あの…ありがとう!(真っ赤)」
○○「新年早々出勤という事で、ご苦労様です」
霊夢「お仕事頑張ってね!」


霊夢「…後で添い寝、絶対添い寝(耳うち)」
○○「マジ?…って言うか、マイク音ひろってる、音ひろってる!」
霊夢「え!?え、あっ…あう…(さらに真っ赤)」
○○「あはははは…(汗)」
霊夢「う~!(コタツもぐりこみ)」
○○「って、おい、恥ずかしいからってコタツの中なんかに入ってどう…何やってるか中でぇぇぇっ!?(混乱)」

(しばらくお待ちください)

霊夢「…っぷはぁ!(飛び出し)」
○○「…またこうなるのかよ…(げっそり)」
霊夢「だって私達の場合これが基本だもん(ぬくぬく)」
○○「…また四十八手がどうとか言われるぞ?」
霊夢「いいの! あったかいから」
○○「……あ~、何か続行困難になってきました。まことに勝手ながら、この辺でお開きに…」
霊夢「え? 続けないの?」
○○「ネタも無い上にこの体勢でどうやって?」
霊夢「む~…しょうがないか」

○○「>>365(95)氏もあけましておめでとう! あなたにもいい年でありますように!」
霊夢「まとめ人さんもおめでとう! 今年もよろしく!」
○○「>>368氏、>>369氏、そして職人の皆さん、ROMの皆さん」
霊夢「改めて…」
○○&霊夢「あけましておめでとう! 今年もよろしくお願いします!」

○○「じゃ、初詣に行くか」
霊夢「すぐそこだけどね(べったり)」

○○「……」

○○(何でかな?急に「にわやえ」なんて単語が浮かんだ…)




というわけで、今年もよろしくお願いします。

今回の実験・・・・・・・・・・多分失敗

>>370

───────────────────────────────────────────────────────────

「・・・・・・ぅん?」
「おはよう、○○」
「ああ…おはよう、霊夢」
「○○ってホントに朝は弱いのね。正月だからって寝過ぎはよくないわよ」
「いやぁすまん。早起きってのはどうも苦手で…」
「そういえば霖之助さんの所で読んだ本に、朝早起きが出来ない人っていうのは血行が悪い、
 って書いてあったわよ」
「へぇ、そーなのか。・・・・・・だからって霊夢…」





「電気アンマはやめてくれよ・・・・・・」





 朝の血行(一部)良好






 博麗神社の元旦はとても静かだ。普通の神社で見かける人ごみや四方八方から投げられるお賽銭やそれを狙う賽銭泥棒
 なんてのは霊夢にしてみたら幻でしかない。もしかしたら霊夢の幻想が現実世界で具現化しているのではないかと思って
 しまうほどである。そんな中、俺と霊夢は…

「やっぱり正月の朝はお雑煮よねぇ」
「こたつに入りながら喰う雑煮は黄金の組み合わせだよな。これで鶏肉がはいってりゃ文句無しなんだが…」
「文句があるなら食べなくていいのよ(怒」


 普通に朝食をとっていた。


「幻想郷で過ごす初めての正月がこんなにもダラけたもんだとはなぁ。(ゲップ)」
「あら、これが普通よ。それとも私と過ごす正月はそんなに退屈?」
「滅相も無い」



 俺がこの幻想郷に迷い込んで初めて会ったのがこのぐうたら巫女、霊夢だった。
 深い森の中で危うく妖怪の餌になる寸前に助けられたのだ。
 その後帰る当ての無い俺に霊夢は人間の里なら自分を保護してくれるだろうと教えてくれたが
 助けてくれた恩ぐらいは返したいと言う俺に霊夢は
「じゃあウチの家の手伝いでもしてもらおうかしら」と行った。
 そんなんお安い御用だっつ~の、とそのときの俺はやる気マンマン男、略してマン男だった。


 が、しかし。


 初の宴会手伝い、妖怪だらけの面子に終始ビビリまくる。興味本位で剥かれそうになるので全力で逃亡。

 洗濯物を取り込んでいるところをパパラッチ天狗に隠し撮りされ、新聞に『下着ドロ、白昼堂々の犯行!!』と書かれる。
 霊夢やその他の幻想郷住民から半殺しに会う。全治一ヶ月

 二回目の宴会手伝い、流石に周りの面子にも慣れてきたので親睦を深めようと試みる。ちっこい鬼の女の子に力試しと
 して腕相撲を申し込まれる。全力を出すも見事に完敗、そして脱臼。全治五日

 ここで生き抜くには力が必要だと思い白黒魔砲使い魔理沙から弾幕ごっこを学ぼうとする。勉強するより体で感じた方が
 飲み込みも早いだろうと言われ初っ端からまさかの実戦投入。アステロイドベルト(Luna)を時間一杯避け続けろと言われ
 るが開始十秒で被弾。魔理沙の持っていたポ○の油で事なきを得る。

 三回目の宴会手伝い、おもちゃ扱いされることも無くなりほぼ全員と交流をもてるようになる。突然幻想郷のえらい方で
 ある紫さんにお酒を勧められる。断るわけにはいかないので一杯頂く。しかし、飲んだ酒は『ニコラシカ』だったので
 失神しそうになる。なんとか踏ん張ってみたものの健闘虚しく倒れてしまい、しかも運悪く霊夢の上に倒れこんでしま  
 った。その後どうなったか覚えていないが、気づいた時には永遠亭の診療室の中だった。全治三ヶ月



「いやぁ、よく今まで生き延びれたよな、ホントに」
 今までの事を振り返ってみたら不意に涙がこぼれた。
「全くだわ。どんだけあたしに迷惑かけてきたと思ってるのよ」
「そう言われてもなぁ…。でも家の事や宴会の手伝いなんかは一生懸命やったつもりだよ」
「それはあるはね。おかげで私の心にも少しはゆとりってものができたもんだわ」
「それ以上ゆとりを持ってどーすんだ…」


 霊夢の言葉を聞いてふと考えた。
 俺はまだ霊夢に全ての恩を返せてないのかもしれない。と、言うより助けてもらった後の方が迷惑かけた量が半端じゃな
 いだろう。そう思ったら何かせずにはいられない。

「なぁ、霊夢」
「んっ…何?」
「俺に何かしてもらいたいことって、ないか?」
「…えっ?」
 霊夢は少し驚いた顔をした。
「俺は霊夢に助けられてその恩を返すためにここでお世話になってる訳だろ?でも実際は恩返しするどころか迷惑かけてる
 ことのが多い。だから少しでも多く霊夢のためになることがしたいんだ」
「・・・・・・」
 俺が自分の気持ちを伝えると霊夢はうつむいてしまった。
「あれ、霊夢?どうした?」
 呼びかけに答えない。
(あっれ~、何かまずいこと言っちまったか?それともまるで役に立たないダメ男、略してマダ男がなにでかい口きいてん
 だよ!なんて怒ってんのか?やべぇよ新年早々永遠亭でご厄介なんて洒落になんねぇぞオイィィィ…)
 頭の中で様々なBADエンディングを思い浮かべていると霊夢が不意に口を開けた。
「・・・・・・何でも・・・・してくれるの?」
 いつもの霊夢の口調ではない。
「えっ…?あ ああ、何でもしてやるよ」
 心なしか少し顔が紅くなっている。
「えっとね・・・・・実はさっきから・・・・・お願いしたいことが・・・・・あってね・・・」
 今の霊夢からは普段では想像できないほどの恥ずかしがってるオーラが出ている。そんな霊夢を目の前にした○○は

(ちょっ…なんだこの空気?霊夢もありえないぐらいモジモジしてるし…。も、もしかして霊夢…俺と××したいとか言う
 じゃ…。いや、××だけでなくもっとディープな△△や目も当てられない様な☆☆なんかも…挙句の果てには二人揃って
 X・Y・↓・↑なんて決めてみたり!?ウッヒョホーイ!こんな異郷で正月の昼間からハッスルできるなんて!夢なら覚めんといてー!!)

 一瞬にして頭の中が春一色になってしまった。妄想が音速の速さでひろがっていく○○に霊夢は言葉を続けた。

「・・・・じゃあ・・・・おねがいしても・・・・いい?」
「お、おおおおオッケイぃい!何でもよござんすよ!」


 満面の笑みで霊夢の願いが告げられた。



「境内のお掃除、よろしくね」




-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

「あ~~~~~、さぶい~~~~~」

 霊夢からの死の宣告をしっかりと受け止め、○○は雪の積もった境内を黙々と掃除していた。

「はぁ…期待を大きくしちまった分現実を受け止めるのが重くなっちゃったなぁ。ってか霊夢もなんであんな思わせぶりな
 表情するんだよ…」
 多少の愚痴を吐きつつも自分で言い出したことなので○○は手を止めるはけにはいかなかった。かじかんだ手さすりながら掃除していると遠くの方から何か飛んできた。
「おぉ~、年明けからしっかりと雑用してるなんて偉いもんだな」
「そりゃどうも。初詣だったらそこの賽銭箱に…」
「私がそんな金持ってる様に見えるか?」
「…見えないな」

 今年一番の参拝客(?)、霧雨魔理沙は新年の挨拶に来たのだが、当の霊夢はこたつの中で熟睡していたので
 掃除中の俺の話し相手になってくれた。(もちろん掃除は手伝わない)

「それにしても…」
「ん?何だ?」
「良くもまぁこんな家事手伝いを続けてるよなぁ。嫌になったりしないのか?」
 魔理沙が呆れ口調で尋ねてきた。
「んな訳ないだろ。俺は好きで今の事を続けてるんだからな」
「なるほどな、真性のマゾヒストってヤツか」
「断じて違う!」
「ジョークだぜ、ジョークw」

 こんな会話を続けながら掃除も半分は終わってきた。だいぶ疲れもでてきたので少し休むことにした。その休憩中に
 ○○は魔理沙にある事を尋ねた。

「なぁ魔理沙、一つ訊いてもいいか?」
「私のプライベートなことについては一つも教えられないぜ」
「そんなこと訊かねえよ…。・・・・霊夢って、俺のことをどう思ってんのかな?」


「ハァ?」
「あ、いや、そーゆう意味じゃなくって…。俺って霊夢の役に立ってるのかなって思って…」
「お~お~、そっちか。・・・・ヌフフ・・・・なるほどねぇ」
「な、なんだよ?なるほどって…」
「いやぁなに、こっちの話だ。まぁ率直に言うとお前が霊夢の役に立ってるかどうかなんて知らんよ」
「…そっか」

 魔理沙の口からは気の利いた言葉など微塵も出ず、○○は落ち込むしかなかった。

「オイオイ、何を柄にも無く落ち込んでるんだ?」
「いやぁ、俺だってナイーブな一面もあるんだよ…」
「何言ってんだか。・・・・ん、そーいえば…」
「何だ!?霊夢が何か言ってたのか?」
 つい声を荒げてしまい魔理沙も少し驚いてしまった。
「おおぅっと、まぁ落ち着けって。別に何か言っていたわけではないさ。ただ…」
「ただ?」
「少しだけ、変わった気がするな」

 変わった?あの霊夢が?

「俺からしてみれば幻想郷の住人はみんな変わってると思うんだが」
「私は普通だぜ、ってそういう意味じゃない。○○が来てから霊夢の性格は変わったと思うんだ」
「へぇ。どんな風に?」
「今まで霊夢は周りの奴に対してもの凄く無関心だったんだ。それが最近じゃお前に対しては何かと口を挟むようになった」
「それは俺がへまなことばっかしてるからだろ」
「単にそれだけじゃない気もするがな」
「どういうことだよ、それ?」
「要するにだな、お前の存在が霊夢にとってマイナスなわけじゃない、ってことだな」
「・・・・・そっか・・・」
 どこをどう要したのかわからないが、それを聞いて○○は少し安心した。
「さてと、私はそろそろ帰るぜ」
「ん、霊夢に会わなくていいのか?」
「私が挨拶に来たことを言っといてくれればいいさ」
「おう、わかった。伝えておくよ」
 そのまま魔理沙は俺に背を向け、片手をヒラヒラ振って少し日の落ち始めた空を音も無く飛んでいった。
「さてと、残りを片付けっかな」


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 日が全て落ちる前にやっと境内全体の掃除が終わった。
「くっはぁ~、やっと終わったぁ…」
 この境内では雪かきから始まり濡れた落ち葉をかき集めるという作業がとても重労働に思えた。
「こんな地味に疲れることを霊夢はずっと続けてきたのか…。ほんと、霊夢には頭が上がんないよなぁ」
 あまりにも周りが静かなのでついつい独り言を始めてしまった。
「しかもこの境内をずっと一人でだもんな。こんなのしょっちゅうやってたら発狂するよな、俺だったら」
 自分で言ったことに笑っている内に一つだけ気づいたことがあった。

「・・・・・ずっと・・・・・一人で?」

 少し前に魔理沙から聞いたことがあった。自分と霊夢は昔からの付き合いではなく知り合ったのもここ何年か前なのだと。
 魔理沙に限った話じゃない。今の宴会に集まる人たちだってほとんどがそうだ。

「俺がここに来るずっと前から、霊夢は一人でここで生活してて、妖怪退治にいって、冬になったらこんな風に雪かき
 して…、何年も続けてきたんだろうな…」
 そう考えたら少し胸が苦しくなった。
「・・・・もっと頑張らないとな」


「何を頑張るの?」

「ぬおぁっ!」
 ちょっとした決意表明の直後、背後から聞こえた声におもわずみょんな悲鳴を上げてしまった。
「れ、霊夢?いつからそこに?」
「『こんな風に雪かきして…』からだけど」
「そ、そっか…。すぐに声かけてくれればいいのに」
「だって、ブツブツ独り言いってるもんだから、さすがに躊躇しちゃったわよ」
「あぁ、それもそっか…ごめん」
「別に謝らなくても…。まぁいいわ、お掃除お疲れ様。お風呂沸いてるわよ」
「うん、わかった…」
 そう返事すると霊夢は「体冷えきっちゃうわよ」と言って家の中に入ろうとした。

「・・・・・なぁ、霊夢」
 霊夢は歩みを止め振り返った。
「ん、なあに?」

「今まで俺は霊夢に色々と迷惑かけたり、その度に助けられてきた。たぶん、というか確実にこれからも色々と霊夢の手を
 焼かせるようなこともあると思う。…でも」

 霊夢は何も言わずに立っている。

「いつか・・・・いつか霊夢を心から支えられる男になりたいって、決めたんだ。

 だから・・・・・今年も・・・・・世話になってもいいか?」

 自分の今の気持ちを伝い終えた。お世辞にも良い言葉だとは言えないだろうし、他人からしてみればとても安っぽい言葉かも
 しれない。だけど、これが今の自分の本当の気持ち。

「・・・・・・・霊夢?」
「・・・・・・・・・・・・フフ」

 少し間を空けてから不意に霊夢は笑い出した。ギャグを言ったつもりじゃないのだが…

「なっ…何で笑うんだよ!」
 あんな事を言った後に笑いが起こると流石に恥ずかしくなってきた。
「あ、ごめんなさいね。新年の挨拶にしては凄く真剣な感じがしたもんだから、ついね」
「…そーですか」

 一気に体から力が抜けていくのがわかった。

「あぁ~、ま~そーいうわけだから。んじゃあ俺は風呂に入らせてもらうよ」
 そう言って霊夢の横を通り過ぎ母屋に向かおうとした。

「一つだけ・・・・訂正さしてくれない?」

 後ろから霊夢の声がした。振り返ってみるとそこにいる霊夢の顔が



 今まで見たことの無い、とても優しく、人懐っこい笑顔をしていた。




「『今年も』じゃなくて・・・・・『これからもずっと』よ」






後書き=====================================================================================================

 ども、328でっす。石は投げないで下さい…
 今までは皆さんの勇姿を遠くから見ていただけでした。
 しかし!多くのすばらしい作品をみるたびに自分の妄想が膨らんできてしまい、
 やっとこさ吐き出す決心がつき、今回は投稿させてもらいました。
 初めてSSを書いたもんですからおかしい部分も多々あると思いますが…
 いやぁ37氏や363氏の様に甘さ全開には書けませんでした!
 甘さ控えめな上に微妙なネタを盛り込んでしまい、なんともしょっぱいものになってしまいました。
 このSSを見てほくそ笑んでくれたら幸いです…















おまけシナリオ=============================================================================================


「う~寒い。早く暖まらんとな」
 震える体を抑えて風呂場へと向かう。
「ほら、風邪ひかないうちに早く入っちゃいなさいよ」
「はいはい。…何か霊夢ってお母さんみたいだよな」
 そう言うと霊夢の顔が少し紅くなった。
「な、何変なこと言ってんのよ…」
「いやぁさ、子供の頃にも母親から同じようなこと言われた気がするんだよ。
 今日みたいに家の周りが雪でいっぱいで、子供にしたら最高に遊べる環境だったんだよ。」
 霊夢の表情もすぐに元に戻って、俺の話を静かに聴いてくれている。
「夕方遅くまで友達と遊んで家に帰るとさ、母親が今みたいに風呂沸かしてくれてるんだよ。
 そういえば子供の頃は母親と一緒に風呂入ってたな。いや、ホント子供の頃だけだぞ。
 で、俺も背中とか流してもらったけど、あれはよかったな。人に背中を流してもらうのってなんかスゴク気持ちもんだと
 思うんだよ。霊夢もそう思わないか?」
 そう言って振り返ると霊夢はいつもより少し真剣な顔をしていた。
「アレ?…霊夢?」
「・・・・・・・・・・・わかったわ」
 一言そう言うと霊夢は家の奥に歩いていった。
「え、何だ?…わかったって…何を?」


 



 カッポ――――ン



 そんな音が今にも聞こえてきそうだ。○○は湯船に肩まで浸かって考えていた。

「むぅ~~~、霊夢のやつ、何がわかったていうんだよ?いきなり俺が母親の話を始めたから俺をマザコンだと思ったのか?
 いやいや、そうだとしたらまずいぞ…何がまずいか自分でもわかんねぇけど」
 などと自問自答していると戸口の方から声が聞こえた。

「○○ー、湯加減どう?」

「おーう、バッチグ~だぞ」
「そう?それは良かったわ。・・・・・じゃあ、入るわよ」
「どーぞー・・・・・・・ってオイ、入るって…」
 と、ツッコミをいれようと戸口の方に顔を向けた。

 カララッ

 乾いた音と共に戸口が開き、湯煙の向こうに霊夢の姿がぼんやりと見えた。その霊夢の姿は…

「れ、っれれれれっれりえれっれ・・・・れいみゅ?」
「何?どうかした?」

 バ ス タ オ ル 一丁!

「ちょっ…おまっ……何してんの!?」
「何って…背中流してあげようと思ったんだけど」
「えっ?・・・・あっ!わかったって、そっち!?いや、でも、あれは、こーゆーいみでいったわけじゃねぇんだげど…」
「何ワケのわかんないこと言ってんのよ?…ほら、はやくしなさいよ」
「え、ちょ、ちょっと待っ…」




 今、俺はとんでもない状況に陥っている ある意味生命の危機 しかし 人生で初の女の子との入浴イベント
 天国か地獄かを決める唯一の鍵は 俺の理性


「どお?背中痛くない?力強すぎたりしないかな?」
「いえっ丁度いいっす…」
「でもやっぱ男の人の背中って大きいわよね。洗い甲斐があるってもんだわ」
「そ…そうかな?」

 頭の中に浮かんでくる卑猥な考えを押さえつけるのに必死で、霊夢の言葉に相槌を打つのはやっとのことだった。

(やばいぞやばいぞやばいぞ…。今まで生きてきてこんなにおいしいイベントは初めてだ…。だがもしここで自分の
 欲望にかられたら、それこそ幻想郷住人からは女の敵とみなされLWの雨あられ、死んだところで三途の川はあの
 巨乳死神に渡してもらえないだろうし、裁判長にはラストジャッジメントで消し炭に…チクショーこんな所で輪廻
 の環からはずれてたまるかっつ~の!でもどうせなら死ぬ前に間近に霊夢のバスタオル姿を脳裏に焼き付けてやろ
 うじゃないか!いよっしゃ~見るぞ、見てやるぞ!ビビッタリなんかするもんか!)

 チラッ ←ビビリ

「・・・・・・・・・・」

 初めて見る霊夢の素肌は、外で見た雪よりも一層白くて、スラッと伸びる手や足はいつも見せる力強い弾幕ごっこ
 をやってのけている姿からはとても想像できないほど華奢なものだった。
(そして、このバスタオルの下には、まだ俺の知らないもう一つの幻想郷が…)


「・・・・・・・・あっ!ちょっと○○!」
「えっ?あぁっ!!ごめんなさい!別にそういう意味で言ってみたわけじゃn」
「何ワケわかんないこと言ってるのよ!?それよりも鼻血出てるじゃない!」
「え?あ、ホントだ…」

 漫画のキャラかよ…俺…

「一体どうしたのよ!?もしかしてのぼせたんじゃ!?」
(いや、ほとんどアンタの所為だよ…)
「と、とにかく止血しないと…。ティッシュ取って来るわ!」
 そういって霊夢は戸口から出ようとした。
「い、いや大丈夫だよ、すぐに止まるから」
「そんな事言ったって…」
 俺が呼び止めて霊夢が振り返った瞬間、霊夢の体に巻いてあった一枚に結界が…

「あっ」
「!!!!!!!!!!!(絶句)」

 落ちた













「? アレ?」

 気づくと霊夢は少し恥ずかしそうな顔をして突っ立っていた。格好はチューブトップに短パンという今までに見たことの
 無い服装で。

「何だよ、ちゃんと服着てたんじゃないか。なんでそんな紛らわしいことを…?」
 そういうと霊夢は顔を真っ赤にして
「なっ!何でって…!


 男の人の前でチューブトップに短パンなんて恥ずかしいでしょ!?」


(そーゆー問題じゃねぇだろ…。やっぱ変わってるわ、この巫女。ってか何であんな服もってるんだよ…)
 

おまけ後書き=================================================================================================

 正直に言います。今回はこれが書きたかったんです…本編はコレに繋げるための前フリでした(爆
 ちなみに元ネタは某家庭教師マンガからもってきました。

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