主に
オウカバクフにて棲息域を広げている水棲の妖怪。『河童』と言う名は種としての総称であり、一口に言っても棲息地の水質などで名前と特性が大きく変わっていく。だがごく一部を除いて、寒色系のゴムのような表皮に鳥類の嘴のような口、頭頂部には真珠色の皿のような物体が乗っており、背には亀のような甲羅を背負っている姿と、卵胎生であるコト、そしてキュウリが好物である事が共通事項となっている。
生態
一部を除いて基本的に水中で活動しており、総じて早く泳ぐコトができる。表皮と筋肉がゴムのようにしなやかで、なおかつ少々特殊な骨格を持つ為、片腕を縮ませるコトで反対の片腕を伸ばすコトができる。さらに頭と四肢を身体の中に引っ込めて亀のように甲羅に籠もるコトもできる。また、非常に力が強く、自身の5倍以上重い物を持ち上げることができる。
頭の皿は二つの役割を持ち、1つは力の源である『水』を保持する為の器官で、陸上での活動中にこの部分で貯めた水がなくなると活動を停止し、そのまま衰弱死してしまう。もう一つはオウカバクフにおける魔力である『霊力』や『妖力』をコントロールするための器官で、この部分を破壊されると尽きるまで霊力・妖力を放出し、そのまま死んでしまう。こう言った点から頭の皿は重要な器官であると同時に弱点となっている。
食性は基本的に草食よりの雑食であり、普段は水草や苔を主食にしており、偶に川魚も食べる。、キュウリを好物としている理由は味が主食の水草に近いと言うコトと、1本食うだけで陸の上を1時間は活動できるだけの水分を補給できると言うコトから。ソレ故中にはキュウリを駄賃代わりに要求し、その見返りとして川魚を採ってきてくれたり、背中に乗せて向こう岸に渡らせると言う頭のいい個体もいる。
河童の成長形態
河童は卵から孵った際に必ず最初に『カワコ』と呼ばれる形態で生まれてくる。ここから育った環境次第で様々な形態に変化していく。
カワコ
河童の幼体とされる形態。表皮の色は薄緑色。どのような成長形態を果たした河童でも、ソレらの番が成した卵から生まれるのはこの形態である。謂わばもっとも純粋な状態であり、非常に好奇心旺盛で感受性豊か。警戒心を持たないので天敵となる存在にすら近寄る危うさがある。当然人間にも懐く。この形態のみの特徴として水に混ざると高い治癒能力を発揮する体液を持っており、それゆえ傷薬の代わりに売り出そうと捕獲を試みる者もいる。
カワタロウ
カワコが水質の綺麗な淡水域(川・池・沼)で成長した場合に変化する形態。表皮の色は緑。オウカバクフにおいては最も多く見られ、温厚で気の優しい形態である。非常に臆病な性質を持っているため中々人前に姿を現さないが、困っているヒトを見逃せず、また人から受けた恩を決して忘れない義理堅さも持ち合わせている。ちなみに、気の許した相手には相撲を取るが、前述通り見かけ以上に力が強い為注意が必要。
ヒョウスベ
カワコが水質の汚れた水域で成長した場合に変化する形態。表皮の色は青紫。カワタロウとは打って変わって非常に凶暴で矮小な性格になり、育った場所の水質の影響で爪に毒を持つようになっている。性質としてはゴブリンに近く、3~5匹でグループを組んで人間やカワタロウに襲いかかっていく。なお、この形態は非常に適応力が高く、どんな水質の水域に入ってもすぐさま順応してしまう。その為個体によっては海を渡るコトもでき、目撃情報はオウカバクフに限らず各地で報告されている。
スイコ(水虎)
ヒョウスベが一定以上の妖力を蓄えるコトで変化する形態。表皮の色は青白く、虎のような群青色の模様を持つ。身体と甲羅がより鈍重で頑丈になり、ヒョウスベ以上に凶暴な性格になっている。爪のみならず口から発射する水のブレスにも毒が入っており、高い妖力を発揮して水属性の法術も扱う。ヒョウスベ同様適応力が高く、また肥大化した影響で体力も大きく上がっているので難なく海を渡るコトができ、攻撃能力の高さと凶暴な性質も相まって危険度の高い
モンスターと見られている。
イソテング(磯天狗)
カワコが海水域で成長した場合に変化する形態。表皮の色は青緑だが、その容姿的な特徴はほぼ人間に近く、甲羅も嘴も持たない。また、衣服と甲冑を着用しており、頭頂部の皿はレンズのような大きさまで小さくなって額に移動する。カワタロウと違ってある種の社会性を持っており、海底洞窟などの人の目に届かない場所で群れを成して暮らしている。知能が高く、また霊力を保有している為、一個体ごとの戦闘力は高め。
ウミゴゼン(海御前)
一部のイソテングが成長することで成るとされている形態。今のところ伝承の中での存在で、詳細は不明。わかっているコトはイソテング以上の高い霊力を持ち、水そのものを操る力を持っているとされているコトのみ。
ヤマコ
カワコが陸上で活動していると変化する形態。表皮の色は薄い赤茶色だが、ソレ以外の見た目はカワコそのまま。最低限の水分で陸上を長く活動できるようになっており、4足歩行で地上を駆け回る。その性質は小型犬に近く、カワコ同様人懐っこい。泳ぐ能力は一応あるが、潜水能力は失われており、水面を犬かきで泳ぐ程度しかできない。
成長の系譜
幼体 カワコ┬成長A カワタロウ
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├成長B-1 ヒョウスベ─成長B-2 スイコ(水虎)
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├成長C-1 イソテング(磯天狗)─成長C-2 ウミゴゼン(海御前)
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└成長D ヤマコ
最終更新:2015年02月11日 01:08