父と息子の思惑 ◆NXWWzEezZM
一面に広がる砂浜。
静かに満ち引きを繰り返す海。
星が煌く空。
しかしそんな景色すら目に入らないほど、七原正大は後悔していた。
静かに満ち引きを繰り返す海。
星が煌く空。
しかしそんな景色すら目に入らないほど、七原正大は後悔していた。
「クソッ、俺があの時亀田を捕まえておけば……」
自責の念にとらわれながら、彼はここに来る前のことを思い出す。
◆ ◆ ◆
帝都で起こった大地震。
その全ては自分の仕業と言い切った亀田。
話の通じる相手では無い、そう思って奴の操る大型鉄人をぶちのめしたまでは良かった。
しかし、亀田が次に呼び出した巨大な化け物、それが問題だった。
アレを放っておいたら、ただでさえ地震で深刻な被害を受けていた帝都は壊滅していたかもしれない。
だから、アレを倒そうとした自分の判断は間違っていなかったハズだ。
しかし、結果として亀田を捕らえ損ねて、またしてもこの『殺し合い』という暴挙を許してしまった。
自分の判断は間違っていたのだろうか?
その全ては自分の仕業と言い切った亀田。
話の通じる相手では無い、そう思って奴の操る大型鉄人をぶちのめしたまでは良かった。
しかし、亀田が次に呼び出した巨大な化け物、それが問題だった。
アレを放っておいたら、ただでさえ地震で深刻な被害を受けていた帝都は壊滅していたかもしれない。
だから、アレを倒そうとした自分の判断は間違っていなかったハズだ。
しかし、結果として亀田を捕らえ損ねて、またしてもこの『殺し合い』という暴挙を許してしまった。
自分の判断は間違っていたのだろうか?
───あの化け物と戦ってみたい
そういう自分の我が儘な好奇心のせいで、本来やるべきだったことを見失い、勇敢だった少年や『ブラウン』と名乗っていた男を犠牲にしてしまったのかもしれない。
しかも、自分は元の世界ではあの化け物と戦った結果、二人の仲間を失い、自分も致命傷を受けて『殺された』のだ。
そんな自分が、原理は分からないものの再び生を受けていて、関係の無い少年達が殺されてしまった。
こんなことがあっていいのだろうか?
しかも、自分は元の世界ではあの化け物と戦った結果、二人の仲間を失い、自分も致命傷を受けて『殺された』のだ。
そんな自分が、原理は分からないものの再び生を受けていて、関係の無い少年達が殺されてしまった。
こんなことがあっていいのだろうか?
いや、絶対にあってはならないことだ。
でも、犠牲になった人達を、自分には蘇らせることなんて出来ない。
だからこそ、もうこれ以上の犠牲は出させない、出させてはいけない。
それこそが犠牲になった人達へのせめてもの報いである。
今度こそ、亀田はこの手で討ち取らなくてはならない。
でも、犠牲になった人達を、自分には蘇らせることなんて出来ない。
だからこそ、もうこれ以上の犠牲は出させない、出させてはいけない。
それこそが犠牲になった人達へのせめてもの報いである。
今度こそ、亀田はこの手で討ち取らなくてはならない。
……しかし、一人では亀田に辿り着く手掛かりも何も無いし、少々不安でもある。
やっぱり、まずは協力する仲間が欲しい。
湯田君や、元の世界で共に戦っていた仲間達に出会えればいいのだが……。
やっぱり、まずは協力する仲間が欲しい。
湯田君や、元の世界で共に戦っていた仲間達に出会えればいいのだが……。
◆ ◆ ◆
海岸からおよそ20メートル、水深で言うとギリギリ立っていられるくらいの所、布具里は一人そこに立っていた。
訳の分からないまま殺し合いの会場とやらに連れて来られて、開始と言われたら今度は海の中だ。
おかげで服はズブ濡れだし、本来心地よいハズの浜風が、追い討ちをかけるかのように身体を冷やしていく。
このままだと風邪をひいてしまうだろう、今は一刻も早く陸に上がらないと。
そう考えた彼は、ゆっくりと岸に向かって歩き出し、やがて砂浜まで到着する。
訳の分からないまま殺し合いの会場とやらに連れて来られて、開始と言われたら今度は海の中だ。
おかげで服はズブ濡れだし、本来心地よいハズの浜風が、追い討ちをかけるかのように身体を冷やしていく。
このままだと風邪をひいてしまうだろう、今は一刻も早く陸に上がらないと。
そう考えた彼は、ゆっくりと岸に向かって歩き出し、やがて砂浜まで到着する。
「いや~、しかしあの眼鏡の坊主も中々酷な事をしてくれるねえ。
いきなり海の中に放り出すなんて、反抗期真っ盛りの我が息子だってそんなことはしないというのに。
まあ終わったことは仕方ない、とりあえず早く服を着替えようか」
いきなり海の中に放り出すなんて、反抗期真っ盛りの我が息子だってそんなことはしないというのに。
まあ終わったことは仕方ない、とりあえず早く服を着替えようか」
こうして彼はデイパックの中身を漁り、何か代えの服になるそうなものを探してみる。
しかし出てきたのは地味な色のベストが一つだけ。
当然それだけじゃ着替えた内に入らないが、濡れた服を着続けるよりはマシという事で、上半身の衣服をその場で脱ぎ、出てきたベストを羽織ってみる。
しかし出てきたのは地味な色のベストが一つだけ。
当然それだけじゃ着替えた内に入らないが、濡れた服を着続けるよりはマシという事で、上半身の衣服をその場で脱ぎ、出てきたベストを羽織ってみる。
「しかしこれは重いなあ。
何か鉄みたいなのが入ってるけど、もしかしたら高く売れるかもしれないな」
何か鉄みたいなのが入ってるけど、もしかしたら高く売れるかもしれないな」
と、しょうもない事を考えてみる。
もっとも、こんな場所で金属目当てで買い取ってくれるような者は居ないだろうが、高く売れるという直感だけは、間違ってはいなかった。
彼の冒険者としての勘が、果たしてそうさせたのだろうか。
もっとも、こんな場所で金属目当てで買い取ってくれるような者は居ないだろうが、高く売れるという直感だけは、間違ってはいなかった。
彼の冒険者としての勘が、果たしてそうさせたのだろうか。
◆ ◆ ◆
夜の砂浜で誓いを立てた七原。
黙っていては何も出来ないと考え、彼はまず支給品の確認を行うことにした。
一回大きく深呼吸をして、気合いを入れてデイパックを開けてみる。
地図、コンパス、水、食料、その他色々な便利な品が入っている。
それらを一通り確認して、それらを中に戻す。
黙っていては何も出来ないと考え、彼はまず支給品の確認を行うことにした。
一回大きく深呼吸をして、気合いを入れてデイパックを開けてみる。
地図、コンパス、水、食料、その他色々な便利な品が入っている。
それらを一通り確認して、それらを中に戻す。
俺はこんなものが欲しいんじゃない……!
彼が何よりも欲しがっているのは武器である。
元の世界では名刀、妖刀、機関銃、鬼乃手など、多種多様な武器を使いこなしてきた。
どんな武器が入っていても、それなりには使いこなれる自信がある。
とにかく、亀田にも勝てるような武器が欲しい。
その一心でデイパックから掴み出したのは、高そうな箱で出来た入れ物だった。
元の世界では名刀、妖刀、機関銃、鬼乃手など、多種多様な武器を使いこなしてきた。
どんな武器が入っていても、それなりには使いこなれる自信がある。
とにかく、亀田にも勝てるような武器が欲しい。
その一心でデイパックから掴み出したのは、高そうな箱で出来た入れ物だった。
◆ ◆ ◆
ベストの重さにも慣れ、再び支給品を漁りだす布具里。
入っていたものは一通り確認してみたものの、ベストの他に着られるような物は入っていなかった。
服を探すのは諦めて、どこか人の集まりそうな場所でも目指そうとしたところで、見覚えのある人物がすぐ近くに居たことに気付いた。
こうなったら選択肢は一つしかない。
迷わず彼はその人影へと近寄っていった。
入っていたものは一通り確認してみたものの、ベストの他に着られるような物は入っていなかった。
服を探すのは諦めて、どこか人の集まりそうな場所でも目指そうとしたところで、見覚えのある人物がすぐ近くに居たことに気付いた。
こうなったら選択肢は一つしかない。
迷わず彼はその人影へと近寄っていった。
◆ ◆ ◆
七原がデイパックから取り出した木の箱。
彼は期待に胸を膨らませて、その箱を開けてみる。
その中身は、彼の期待に沿うものではなかった。
しかしその落胆を消し飛ばすくらいに、彼に大きなインパクトを与えたものが入っていた。
彼は期待に胸を膨らませて、その箱を開けてみる。
その中身は、彼の期待に沿うものではなかった。
しかしその落胆を消し飛ばすくらいに、彼に大きなインパクトを与えたものが入っていた。
「これは……忍者装束か?
随分変な物が入っていたもんだな。
何か怪しい仮面まで入ってるし、これは嫌がらせなのか?
まあ当然だよな、俺らは亀田の大型鉄人をコテンパンにぶちのめしたからな。
恨みを買ってるんだろう」
随分変な物が入っていたもんだな。
何か怪しい仮面まで入ってるし、これは嫌がらせなのか?
まあ当然だよな、俺らは亀田の大型鉄人をコテンパンにぶちのめしたからな。
恨みを買ってるんだろう」
自らが出したその結論にガッカリした七原であったが、このまましまうのも惜しいと思い、とりあえず広げてみる。
うん、変装には使えそうだ。
広げてみたところで特に収穫は無かったので、綺麗に折りたたんでそれをしまおうとする。
うん、変装には使えそうだ。
広げてみたところで特に収穫は無かったので、綺麗に折りたたんでそれをしまおうとする。
その時だった。
「よお、我が息子よ。
無事に生きてたか、結構結構」
「ゲッ、親父!?」
無事に生きてたか、結構結構」
「ゲッ、親父!?」
七原の前に現れたのは彼の父、布具里だった。
上半身裸にベスト着用という、何とも言いがたいファッションで。
上半身裸にベスト着用という、何とも言いがたいファッションで。
◆ ◆ ◆
「……で、親父は開始早々に海に落ちて、服がずぶ濡れだから替えの服を探していると」
「おお、話が早いな我が息子」
「おお、話が早いな我が息子」
再会した二人は、これまでの情報をお互いに交換した。
もっとも、まだ始まって間もないため、支給品の情報くらいしか話すことは無かったのだが。
もっとも、まだ始まって間もないため、支給品の情報くらいしか話すことは無かったのだが。
「で、俺は服を探している、お前は要らない服を持っている。
これは俺に服をあげろと神が言っているようなもんだろう」
「……じゃあ服はやるから、さっさとどっかに行ってくれ」
「寂しいことを言うなよー。
ここで会ったのも何かの縁だ、一緒に冒険するとしようじゃないか、な!」
これは俺に服をあげろと神が言っているようなもんだろう」
「……じゃあ服はやるから、さっさとどっかに行ってくれ」
「寂しいことを言うなよー。
ここで会ったのも何かの縁だ、一緒に冒険するとしようじゃないか、な!」
そう力説する布具里。
しかし対する七原の方は乗り気でないような表情を浮かべる。
しかし対する七原の方は乗り気でないような表情を浮かべる。
(親父と一緒に行動するなんて、何をされるか分からないしなあ……。
足手まといになられても困るし。
でも、一緒に行動する仲間は欲しいし、どうしたものか……)
足手まといになられても困るし。
でも、一緒に行動する仲間は欲しいし、どうしたものか……)
亀田を倒す、ただそれだけにもっとも効率的な方法を考え、沈黙する七原
中々次の一言が出ないそんな七原に痺れを切らしたのか、布具里は新たな提案を持ちかける。
着ていたベストを脱ぎながら。
中々次の一言が出ないそんな七原に痺れを切らしたのか、布具里は新たな提案を持ちかける。
着ていたベストを脱ぎながら。
「よし、じゃあ今俺が上半身に着ている服とお前の服を交換しよう。
交換なら文句無いだろ、この服は高いんだぞ?
だいたい50円くらいはするハズだ。
な、悪い提案じゃ無いだろ」
(注! 彼らの居た時代の1円は、今の5000円の価値があります。)
交換なら文句無いだろ、この服は高いんだぞ?
だいたい50円くらいはするハズだ。
な、悪い提案じゃ無いだろ」
(注! 彼らの居た時代の1円は、今の5000円の価値があります。)
『ベストは高い』、それは事実であったが、布具里はハッタリのつもりで発した言葉である。
しかし、その言葉に少しだけ心を揺さぶられた七原は、布具里のベストを手にとってみて、感触を確かめてみる。
しかし、その言葉に少しだけ心を揺さぶられた七原は、布具里のベストを手にとってみて、感触を確かめてみる。
(うん、作りはしっかりしているな、高価だと言うのもあながち嘘では無いかもしれないな。
さらに、簡単な攻撃や銃撃からは身を守れるくらいの強度はありそうだ。
これは親父の言う通り、悪い提案じゃない、むしろ、こっちが得をする提案だな)
さらに、簡単な攻撃や銃撃からは身を守れるくらいの強度はありそうだ。
これは親父の言う通り、悪い提案じゃない、むしろ、こっちが得をする提案だな)
金銭的価値、そして実益。
どちらも自分の忍者装束を上回るものかもしれない。
そう判断を下した七原は、布具里の提案を受け入れた。
どちらも自分の忍者装束を上回るものかもしれない。
そう判断を下した七原は、布具里の提案を受け入れた。
◆ ◆ ◆
しばらくして、七原は一人砂浜で考えていた。
ベストと忍者装束の交換が決まった後、布具里が目の前で着替えようとしたので、近くに見えた海の家で着替えるように言いつけた。
変質者と一緒に居るのを見られたら、良からぬ誤解を招きかねないし、何より見た目的によろしくない。
布具里はそれを了承し、交換で手に入れた服一式を持って海の家まで歩いていった。
七原が考えるべきはここからだった。
ベストと忍者装束の交換が決まった後、布具里が目の前で着替えようとしたので、近くに見えた海の家で着替えるように言いつけた。
変質者と一緒に居るのを見られたら、良からぬ誤解を招きかねないし、何より見た目的によろしくない。
布具里はそれを了承し、交換で手に入れた服一式を持って海の家まで歩いていった。
七原が考えるべきはここからだった。
──海の家までは歩いて5分くらいだろう。
親父が着替えるのに2分くらいかかるとして、今から急いで反対方向に行けば、夜の闇に紛れて親父を置いて逃げることも出来るハズだ。
親父に関わるとロクなことが無いから、置いて行く方が気は楽になるだろう。
でも、これから仲間に会うことが出来る保障は無い。
親父はいくら変な行動をしようとも、味方にはなってくれるだろうし、ここで集団を作っておくのも悪くない。
さて、どうしようか──
親父が着替えるのに2分くらいかかるとして、今から急いで反対方向に行けば、夜の闇に紛れて親父を置いて逃げることも出来るハズだ。
親父に関わるとロクなことが無いから、置いて行く方が気は楽になるだろう。
でも、これから仲間に会うことが出来る保障は無い。
親父はいくら変な行動をしようとも、味方にはなってくれるだろうし、ここで集団を作っておくのも悪くない。
さて、どうしようか──
大正の世を生きた快男児、七原正大。
今度こそ完膚なきまでに亀田を叩きのめす、ただそのために、彼は思案する。
今度こそ完膚なきまでに亀田を叩きのめす、ただそのために、彼は思案する。
【B-5/砂浜/一日目/深夜】
【七原正大(ななはら まさひろ)@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康
[参戦時期]:ほるひす戦敗北直後
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品残り0~2個、地味な色のベスト
[思考]
基本:亀田を倒す。
1:親父を待つべきか考える。
2:仲間と合流する。
3:ほるひすには警戒。
【七原正大(ななはら まさひろ)@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康
[参戦時期]:ほるひす戦敗北直後
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品残り0~2個、地味な色のベスト
[思考]
基本:亀田を倒す。
1:親父を待つべきか考える。
2:仲間と合流する。
3:ほるひすには警戒。
[備考]
※ 持っていた武器と野球人形等のアイテムは全て没収されています。
※ 大正編のどの人物とどの程度面識があるかは後の書き手に任せます。
※ 持っていた武器と野球人形等のアイテムは全て没収されています。
※ 大正編のどの人物とどの程度面識があるかは後の書き手に任せます。
【地味な色のベスト@パワプロクンポケット3】
金属メッシュとチタン仕込みで、ピストルの弾も止める。
いわゆる防弾チョッキ、普通に着用するにはやや重い。
智美が三橋からプレゼントされたものである。
特に説明書きは無い。
金属メッシュとチタン仕込みで、ピストルの弾も止める。
いわゆる防弾チョッキ、普通に着用するにはやや重い。
智美が三橋からプレゼントされたものである。
特に説明書きは無い。
【B-5/砂浜/一日目/深夜】
【布具里@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康、ずぶ濡れ
[参戦時期]:不明
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品残り0~2個(本人確認済み)、亀田幻妖斎の服(仮面付き)
[思考]
基本:正大に寄生して生きる。
1:寒い。早く海の家に行って濡れた服を着替えよう。
2:着替えたら七原のもとに戻る。
【布具里@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康、ずぶ濡れ
[参戦時期]:不明
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品残り0~2個(本人確認済み)、亀田幻妖斎の服(仮面付き)
[思考]
基本:正大に寄生して生きる。
1:寒い。早く海の家に行って濡れた服を着替えよう。
2:着替えたら七原のもとに戻る。
[備考]
※ 支給品は濡れていません。
※ 確認済みの支給品の中に、衣服になるものは入っていません。
※ 支給品は濡れていません。
※ 確認済みの支給品の中に、衣服になるものは入っていません。
【亀田幻妖斎の服@パワプロクンポケット5裏】
亀田幻妖斎が着用していた衣服。
いかにも怪しげなおかめのお面が一緒に入っている。
亀田幻妖斎が着用していた衣服。
いかにも怪しげなおかめのお面が一緒に入っている。
投下順に読む
時系列順に読む
| 前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
| GAME START | 七原正大 | 041:時間移動か洗脳か |
| GAME START | 布具里 | 041:時間移動か洗脳か |