最高の猟犬 ◆7WJp/yel/Y
愛は周囲を警戒しながら北上していた。
忍者にとってこの手の隠密行動はお手の物、薄暗い闇の中を疾走していくその姿には一分の迷いもない。
草むらを疾走しながら愛は考える。
あの場に居た人間は少なく見積もっても五十人を超えていた。
そして、先ほど相対した三人は誰もが愛を殺し得ても不思議ではない相手だった。
それは純粋な実力が愛以上だと言う意味ではない。
愛の手持ちの武器がこの筒状のものだけという今の状況では戦闘に限界があるからだ。
現に何故か大した動きではなかった教頭斎に愛は殺されかけた。
その上、窮地に現われたあの女のように戦闘において優れた人間も居る。
だがあの傷では長くはない、死んではいないだろうが満足に動ける傷でもないだろう。
しかし、あの女ほどの腕前の人間がゴロゴロしていると仮定すると生き残ることは難しい。
様々な観点から見ても愛が確実に生き残れる方法は現時点では皆無。
贔屓目に見ても五分五分で死んでしまうだろう。
それも当然だ。
武器らしい武器はなく、忍術は威力も落ちていて体力の消費も著しい。
完璧に詰んだわけではないが苦しい状況に変わりはない。
だが、愛はまだ死ぬわけにはいかないのだ。
野球人形を完成させることで、ある国の殿と姫様の月光への覚えをよくして仕事を増やしてもらわなければいけない。
そのためなら戦えない、愛のような戦うための人間でないただの人を殺す事もやむを得ない。
愛は悪人ではないが忍者だ、任務を成功させるためには関係のない人々を殺す覚悟もしている。
とにかく今はどのようにして生き残るかを考えなくてはいけない。
忍者にとってこの手の隠密行動はお手の物、薄暗い闇の中を疾走していくその姿には一分の迷いもない。
草むらを疾走しながら愛は考える。
あの場に居た人間は少なく見積もっても五十人を超えていた。
そして、先ほど相対した三人は誰もが愛を殺し得ても不思議ではない相手だった。
それは純粋な実力が愛以上だと言う意味ではない。
愛の手持ちの武器がこの筒状のものだけという今の状況では戦闘に限界があるからだ。
現に何故か大した動きではなかった教頭斎に愛は殺されかけた。
その上、窮地に現われたあの女のように戦闘において優れた人間も居る。
だがあの傷では長くはない、死んではいないだろうが満足に動ける傷でもないだろう。
しかし、あの女ほどの腕前の人間がゴロゴロしていると仮定すると生き残ることは難しい。
様々な観点から見ても愛が確実に生き残れる方法は現時点では皆無。
贔屓目に見ても五分五分で死んでしまうだろう。
それも当然だ。
武器らしい武器はなく、忍術は威力も落ちていて体力の消費も著しい。
完璧に詰んだわけではないが苦しい状況に変わりはない。
だが、愛はまだ死ぬわけにはいかないのだ。
野球人形を完成させることで、ある国の殿と姫様の月光への覚えをよくして仕事を増やしてもらわなければいけない。
そのためなら戦えない、愛のような戦うための人間でないただの人を殺す事もやむを得ない。
愛は悪人ではないが忍者だ、任務を成功させるためには関係のない人々を殺す覚悟もしている。
とにかく今はどのようにして生き残るかを考えなくてはいけない。
「!」
そこで立ち止まる。
目の前に一人の女が居たからだ。
愛は身を低くして草むらに隠れ、女の様子を窺う。
女の手元には見たことない種類の銃と、妙な形をした黒い盾が握られている。
今は何とか隠れているが、この距離で銃を相手に戦うのは無謀だ。
しかし、先ほどの教頭斎や背中を斬りつけた女もそうだが妙な服装をしている。
紫色の硬そうな素材を使った服装、南蛮から入ってきた新しい服なのだろう。
今の流行ものなのだろうか?
いずれにしろ貧乏一門である月光には縁のない代物だ。
さて、ここでどうするか。
忍術を使えば勝てない事もないが、かなりの体力を消費してしまい先ほどのように万が一があれば死んでしまう。
しかし、ここであの女を倒すとあの銃を得ることが出来る。
最高は銃だけを奪ってここを去り、あの女を生かして愛が動くことなく人数を減らさせる事だ。
先ほどのような醜態を晒さないためにも殺傷力の高い銃を奪っておきたいところ。
愛は身構えて姿勢をさらに低くする。
デイバックから筆記用具とコンパスを取り出して、女の左右に向かって投げつける。
そして、二つが落ちる前に静かに、だが素早く駆け出す。
愛の手刀が狙うのは女の首。
筆記用具とコンパスに気をとられる間の一瞬の隙があれば十分だ。
この手刀が当たらないわけがない、愛は忍者、つまりは暗殺の専門家である。
気絶をさせて小銃と他の武器を奪う、それが愛の狙いだった。
目の前に一人の女が居たからだ。
愛は身を低くして草むらに隠れ、女の様子を窺う。
女の手元には見たことない種類の銃と、妙な形をした黒い盾が握られている。
今は何とか隠れているが、この距離で銃を相手に戦うのは無謀だ。
しかし、先ほどの教頭斎や背中を斬りつけた女もそうだが妙な服装をしている。
紫色の硬そうな素材を使った服装、南蛮から入ってきた新しい服なのだろう。
今の流行ものなのだろうか?
いずれにしろ貧乏一門である月光には縁のない代物だ。
さて、ここでどうするか。
忍術を使えば勝てない事もないが、かなりの体力を消費してしまい先ほどのように万が一があれば死んでしまう。
しかし、ここであの女を倒すとあの銃を得ることが出来る。
最高は銃だけを奪ってここを去り、あの女を生かして愛が動くことなく人数を減らさせる事だ。
先ほどのような醜態を晒さないためにも殺傷力の高い銃を奪っておきたいところ。
愛は身構えて姿勢をさらに低くする。
デイバックから筆記用具とコンパスを取り出して、女の左右に向かって投げつける。
そして、二つが落ちる前に静かに、だが素早く駆け出す。
愛の手刀が狙うのは女の首。
筆記用具とコンパスに気をとられる間の一瞬の隙があれば十分だ。
この手刀が当たらないわけがない、愛は忍者、つまりは暗殺の専門家である。
気絶をさせて小銃と他の武器を奪う、それが愛の狙いだった。
「なっ!?」
「動きはいい……だけど、残念賞ね。
隠れる時はもっと慎重にしたほうがいいわよ」
「動きはいい……だけど、残念賞ね。
隠れる時はもっと慎重にしたほうがいいわよ」
だが、手に広がった感触は柔らかいながらも硬い首の感触ではなく鈍い痛みだった。
女の持っていた奇妙な黒い盾によって手刀は防がれたのだ。
つまり目の前の女は愛に気付いていた、そして愛はのこのこと誘いに乗ってしまったのだ。
だから筆記用具にもコンパスにも気をとられることなくその盾で防ぐ事が出来た。
愛は激しく動揺するが、それでも身体に動きが染み付いているのか考えるよりも早く次の攻撃へと移る。
だが、女は愛が攻撃へと移るよりも早く鋭い蹴りを放つ。
愛はそれを無理やり後方に下がる事で何とか避ける。
だが、これは一番してはいけない動き。
当然の如く女はその銃を発砲する。
愛が自分のした悪手に気付く頃には避けられるはずもなく脳天を撃ち抜かれ――。
女の持っていた奇妙な黒い盾によって手刀は防がれたのだ。
つまり目の前の女は愛に気付いていた、そして愛はのこのこと誘いに乗ってしまったのだ。
だから筆記用具にもコンパスにも気をとられることなくその盾で防ぐ事が出来た。
愛は激しく動揺するが、それでも身体に動きが染み付いているのか考えるよりも早く次の攻撃へと移る。
だが、女は愛が攻撃へと移るよりも早く鋭い蹴りを放つ。
愛はそれを無理やり後方に下がる事で何とか避ける。
だが、これは一番してはいけない動き。
当然の如く女はその銃を発砲する。
愛が自分のした悪手に気付く頃には避けられるはずもなく脳天を撃ち抜かれ――。
「……え?」
なかった。
銃からは弾は出ずにニヤついている女がいるだけだ。
女は銃を懐に納めて何もしてこない。
愛はその行動の真意が掴めずにうろたえていると女は口を開いた。
銃からは弾は出ずにニヤついている女がいるだけだ。
女は銃を懐に納めて何もしてこない。
愛はその行動の真意が掴めずにうろたえていると女は口を開いた。
「ふふ、あんたも殺し合いに乗ってるのね」
「……あんた『も』ってことは」
「ええ、私も乗っているわ。さすがに『アレ』は私じゃ倒せないもの」
「……あんた『も』ってことは」
「ええ、私も乗っているわ。さすがに『アレ』は私じゃ倒せないもの」
『アレ』とはあの巨大なからくりの事だろう。
確かにあれは凶悪なまでの強さを誇っている。
あの『ばりあー』なるもので近寄らせずに『びーむ』なるもので人を焼き払う。
なにより大きいというのはそれだけで強いのだ。
確かにあれは凶悪なまでの強さを誇っている。
あの『ばりあー』なるもので近寄らせずに『びーむ』なるもので人を焼き払う。
なにより大きいというのはそれだけで強いのだ。
「かと言ってこの銃一本と自分の腕だけで全員を皆殺しに出来ると思うほど私は自信家じゃない。
仮に私がこの場で一番強いと仮定しても、どんなアクシデントが起こるかわからないんだもの」
「……結局、何が言いたいの?」
仮に私がこの場で一番強いと仮定しても、どんなアクシデントが起こるかわからないんだもの」
「……結局、何が言いたいの?」
愛は半ばこの女の言いたい事を察しつつも訊ねる。
女はニヤりと笑みを深くして言った。
女はニヤりと笑みを深くして言った。
「私と手を組まない?
さっきの動きは見事だったわ、誘いに乗っちゃったのは減点対象だけどね」
さっきの動きは見事だったわ、誘いに乗っちゃったのは減点対象だけどね」
予想通りの言葉だ。
確かに手を組めば生き残る可能性はグンと上がるだろう。
だが、同時に常に裏切りに怯えなければいけない。
相手は殺し合いに乗っていると明言しているのだ、握手をした瞬間に心臓を撃ち抜いてもおかしくはない。
確かに手を組めば生き残る可能性はグンと上がるだろう。
だが、同時に常に裏切りに怯えなければいけない。
相手は殺し合いに乗っていると明言しているのだ、握手をした瞬間に心臓を撃ち抜いてもおかしくはない。
「あんたも思ってたんでしょ、自分だけじゃ無理があるって。
その包帯も誰かにやられたいい証拠じゃない」
「……信じられないわね、そんなこと」
「まあ、そうよね。
殺し合いに乗って最後の一人になるってことと手を組むってことは大きく矛盾してるもの。
でも一人だけで生き残れるかしら? それなら条件付きででも手を組むのが利口なやり方というものじゃない」
「条件?」
その包帯も誰かにやられたいい証拠じゃない」
「……信じられないわね、そんなこと」
「まあ、そうよね。
殺し合いに乗って最後の一人になるってことと手を組むってことは大きく矛盾してるもの。
でも一人だけで生き残れるかしら? それなら条件付きででも手を組むのが利口なやり方というものじゃない」
「条件?」
その言葉に少しだけ興味が惹かれる。
条件付きとは一体どういう意味なのだろうか?
条件付きとは一体どういう意味なのだろうか?
「ええ、例えばそうね。
残りの人数が三割をきれば同盟は解消、次の放送までは命を狙わない期限付きの同盟とかね。
もちろんこれは例えばの話、最後の二人になるまでずっと組んでいてもいいわよ」
「へえ……」
残りの人数が三割をきれば同盟は解消、次の放送までは命を狙わない期限付きの同盟とかね。
もちろんこれは例えばの話、最後の二人になるまでずっと組んでいてもいいわよ」
「へえ……」
中々面白い話だ。
これがツボに嵌れば、かなり有利な展開になるだろう。
ツボに嵌る前に死んでしまう可能性もあるが、一人よりは確実性もある。
……目の前の女が裏切らないと言う前提がつくが。
これがツボに嵌れば、かなり有利な展開になるだろう。
ツボに嵌る前に死んでしまう可能性もあるが、一人よりは確実性もある。
……目の前の女が裏切らないと言う前提がつくが。
「どう、いい話だとは思わない?」
「そうね……」
「嘘はつかないわ。どう、乗ってみる?」
「そうね……」
「嘘はつかないわ。どう、乗ってみる?」
目の前の女はそんな友好的な姿勢を見せていると言うのに隙はちっとも見せない。
かなりの食わせ物だがそれぐらいの方が同行者としては都合がいい。
このままでは袋小路、何時死んでもおかしくない。
二人なら戦闘の際にも楽だし、何より見張りが出来る分ゆっくりと身体を休めることが出来る。
愛は女に目を合わせて力強く頷いた。
かなりの食わせ物だがそれぐらいの方が同行者としては都合がいい。
このままでは袋小路、何時死んでもおかしくない。
二人なら戦闘の際にも楽だし、何より見張りが出来る分ゆっくりと身体を休めることが出来る。
愛は女に目を合わせて力強く頷いた。
「ええ、乗るわ」
「そう、友好的な関係が築けて私も嬉しいわ。
私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」
「私は愛、風賀の国に住む月光の忍者よ」
「…………は?」
「そう、友好的な関係が築けて私も嬉しいわ。
私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」
「私は愛、風賀の国に住む月光の忍者よ」
「…………は?」
先ほどまでの薄気味悪さすら感じる余裕が飛び去り、女は愛の言葉に目を丸くした。
◆ ◇ ◆
白瀬は中々調子の良いスタートだと心の中で思っていた。
支給品はさおりちゃん人形とフライパンという目も当てられないものではあった。
だが、チンピラを一人殺して銃器を手に入れ、目の前の忍者装束の女とも同盟を組めそうなのだ。
白瀬が彼女と手を組もうと思った理由は主に三つ。
一つは先ほど言ったとおり自分一人では生き残れる自信がなかったから。
どんなに強力な装備で身を固めようと何が起こるかはわからない。
もう一つは愛の動きがCCRのエージェントと比べても、いやそれを十二分に上回る動きだったからだ。
白瀬や灰原、八神たちトップクラスのエージェントと何の遜色もない、かなりの腕前だ。
白瀬に手刀を振り下ろす時の動きに迷いがなかったこともポイントが高い。
最後の一つはあのホールで元同僚にして恋人である八神 総八郎らしき姿を見つけたから。
八神は身体能力、射撃の精度、その場の閃き、どれをとっても白瀬の一つ上をいっている。
まともにぶつかってはまず負ける。
と言ってもお人よしの八神が殺し合いに乗っていると思えないし。
ひょっとしたら、甘い彼のことだからとっくに気の狂った人間に殺されているかもしれない。
そんなことは白瀬は許せない。
強者ならば八神は容赦しないだろう、だから彼を殺せる可能性の高い弱者は一刻も早く殺さなければいけない。
支給品はさおりちゃん人形とフライパンという目も当てられないものではあった。
だが、チンピラを一人殺して銃器を手に入れ、目の前の忍者装束の女とも同盟を組めそうなのだ。
白瀬が彼女と手を組もうと思った理由は主に三つ。
一つは先ほど言ったとおり自分一人では生き残れる自信がなかったから。
どんなに強力な装備で身を固めようと何が起こるかはわからない。
もう一つは愛の動きがCCRのエージェントと比べても、いやそれを十二分に上回る動きだったからだ。
白瀬や灰原、八神たちトップクラスのエージェントと何の遜色もない、かなりの腕前だ。
白瀬に手刀を振り下ろす時の動きに迷いがなかったこともポイントが高い。
最後の一つはあのホールで元同僚にして恋人である八神 総八郎らしき姿を見つけたから。
八神は身体能力、射撃の精度、その場の閃き、どれをとっても白瀬の一つ上をいっている。
まともにぶつかってはまず負ける。
と言ってもお人よしの八神が殺し合いに乗っていると思えないし。
ひょっとしたら、甘い彼のことだからとっくに気の狂った人間に殺されているかもしれない。
そんなことは白瀬は許せない。
強者ならば八神は容赦しないだろう、だから彼を殺せる可能性の高い弱者は一刻も早く殺さなければいけない。
「ええ、乗るわ」
そこまで考えていると目の前の女が返事をした。
100%の安心は出来ないが、当面の裏切りは恐らくない。
この女も馬鹿ではないはずだ。
同盟を組んでいたほうが何倍も有利だとはわかっているだろう。
100%の安心は出来ないが、当面の裏切りは恐らくない。
この女も馬鹿ではないはずだ。
同盟を組んでいたほうが何倍も有利だとはわかっているだろう。
「そう、友好的な関係が築けて私も嬉しいわ。
私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」
私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」
白瀬は尋ねる。
目の前の女はやはり警戒を解かずに口を開いた。
目の前の女はやはり警戒を解かずに口を開いた。
「私の名前は愛、風賀の国に住む月光の忍者よ」
その唐突な、頭を心配してしまう言葉に思わず白瀬は――。
「…………は?」
そんな普段の姿とはまるで似合わない、間の抜けた声を発してしまった。
そして瞬時にその言葉の意味を理解しようと頭を働かせる。
『フウガ』の国。まず白瀬はそんな国を知らない、そして言い回し的に戦国時代のニュアンスを感じる。
そして戦国時代といえば武士と裏で暗躍する間者、つまり忍者が思い浮かぶ。
目の前の女、愛の服装は忍者忍者している。
白瀬はそこまで考えてようやく悟った。
そして瞬時にその言葉の意味を理解しようと頭を働かせる。
『フウガ』の国。まず白瀬はそんな国を知らない、そして言い回し的に戦国時代のニュアンスを感じる。
そして戦国時代といえば武士と裏で暗躍する間者、つまり忍者が思い浮かぶ。
目の前の女、愛の服装は忍者忍者している。
白瀬はそこまで考えてようやく悟った。
(ああ――――電波ね)
不意に思い出す、歩行者天国で見かけた一つの集団を。
その中心にはピンク色の髪をしてフリフリの服を着た如何にも頭の悪そうな女が居た。
つまりは目の前の女はそれだ。
それと同種、ベクトルは全く違うようだが。
その中心にはピンク色の髪をしてフリフリの服を着た如何にも頭の悪そうな女が居た。
つまりは目の前の女はそれだ。
それと同種、ベクトルは全く違うようだが。
(……かといってせっかくの同盟、しかも相手は強者、ここで放り投げる理由にはならないわね。
それに『風賀の国』という私の知らない組織の中の『月光』という部署なのかもしれない。
そう思いなさい、思い込むのよ白瀬芙喜子)
それに『風賀の国』という私の知らない組織の中の『月光』という部署なのかもしれない。
そう思いなさい、思い込むのよ白瀬芙喜子)
何故電波がこんな戦闘能力を持っているのかは知らない。
知らないが、それはどうでもいいことだ、些事に過ぎない。
白瀬は必死に目の前の事柄から逃げていた。
知らないが、それはどうでもいいことだ、些事に過ぎない。
白瀬は必死に目の前の事柄から逃げていた。
「…………………………………よろしく」
「ええ、こちらこそ。貴方はどこの国のものかしら?」
「…………………………………日本よ日本、決まってるじゃない」
「ニホン? ああ、日の本ね、確かに決まってるわよね。
その服装は南蛮由来のものかしら?」
「…………………………………エエ、ソウデスヨー」
「ええ、こちらこそ。貴方はどこの国のものかしら?」
「…………………………………日本よ日本、決まってるじゃない」
「ニホン? ああ、日の本ね、確かに決まってるわよね。
その服装は南蛮由来のものかしら?」
「…………………………………エエ、ソウデスヨー」
白瀬は真剣に頭痛を感じていた。
これからこの電波に悩まされ続けると思うと当然ともいえる。
白瀬は頭を軽く振って真剣な表情に無理やり作り変えて愛へと向き直る。
これからこの電波に悩まされ続けると思うと当然ともいえる。
白瀬は頭を軽く振って真剣な表情に無理やり作り変えて愛へと向き直る。
「同盟を組む際に二つつだけ約束して欲しい事があるのよ」
「……何かしら?」
「大したことじゃないわ。
一つは危険な状況で見捨てても文句は言わない、相手を庇う必要なんて全くないって言うこと。
もう一つはただある男、ひょっとするといないのかもしれないけど、八神 総八郎って男にだけは手を出さないで」
「? 別に構わないけど……殺されそうになった時は約束できないわ」
「ええ、そこまでは強要しないわよ」
「……良かったら話を聞かせてもらえないかしら、当たり障りがない程度で構わないから。
恋人かしら? それとも自分の手で殺さないと許せない仇か何か?」
「彼とは一線を越えた仲よ」
「なるほど、その男を生かしたいのね」
「……何かしら?」
「大したことじゃないわ。
一つは危険な状況で見捨てても文句は言わない、相手を庇う必要なんて全くないって言うこと。
もう一つはただある男、ひょっとするといないのかもしれないけど、八神 総八郎って男にだけは手を出さないで」
「? 別に構わないけど……殺されそうになった時は約束できないわ」
「ええ、そこまでは強要しないわよ」
「……良かったら話を聞かせてもらえないかしら、当たり障りがない程度で構わないから。
恋人かしら? それとも自分の手で殺さないと許せない仇か何か?」
「彼とは一線を越えた仲よ」
「なるほど、その男を生かしたいのね」
愛は納得したと言わんばかりに首を縦に振る。
この薄気味悪い女にもそんな人間らしい思考があったのだな、と少し安堵しながら。
その愛に向かって白瀬は――。
この薄気味悪い女にもそんな人間らしい思考があったのだな、と少し安堵しながら。
その愛に向かって白瀬は――。
「違うわ。
私はただ彼をこの手で殺したいだけなの」
私はただ彼をこの手で殺したいだけなの」
朗らかに、今まで以上に気持ちのいい笑顔でそう返した。
「………………………………は?」
今度は愛が愕然とする番だったようだ。
白瀬はそんな愛に気付いているのかいないのか言葉を止めようとしない。
白瀬はそんな愛に気付いているのかいないのか言葉を止めようとしない。
「私は綺麗に死にたかったんだ。
職業の関係上、御伽噺の主人公みたいに物語の後は平和に暮らしました、なんて結末は絶対に望めない。
それでつい最近そのときが来たんだけど死に損なっちゃったわけ。
ちょうど死に際を看取ってくれって頼んだ彼も居たんだけどね。
その後、私は必死に考えて答えを出したの。
私の死は彼に見届けてもらえなかった。だったら、彼の死に際は私が見届けるって決めたの。
それをするには私が殺すのが一番確実でしょ?」
職業の関係上、御伽噺の主人公みたいに物語の後は平和に暮らしました、なんて結末は絶対に望めない。
それでつい最近そのときが来たんだけど死に損なっちゃったわけ。
ちょうど死に際を看取ってくれって頼んだ彼も居たんだけどね。
その後、私は必死に考えて答えを出したの。
私の死は彼に見届けてもらえなかった。だったら、彼の死に際は私が見届けるって決めたの。
それをするには私が殺すのが一番確実でしょ?」
とんでもない理屈である。
綺麗に死に損なったから代わりに彼氏は殺す、なんて理屈で殺される男の身にもなってみろと言うものだ。
白瀬は喋りすぎたかと少し反省した表情になり、コホンと咳払いをしてから愛に話しかけた。
綺麗に死に損なったから代わりに彼氏は殺す、なんて理屈で殺される男の身にもなってみろと言うものだ。
白瀬は喋りすぎたかと少し反省した表情になり、コホンと咳払いをしてから愛に話しかけた。
「ところで貴女の武器はなにかしら? まさか何もないの?」
「使える武器は何もないわ。
他には何か筒状のものが一つ……使用方法は書いてないわ」
「使える武器は何もないわ。
他には何か筒状のものが一つ……使用方法は書いてないわ」
愛がデイバックから取り出したものは変わった起伏を描いた重火器。
その重火器の名はパンツァーファウスト、いわゆるロケット弾である。
その重火器の名はパンツァーファウスト、いわゆるロケット弾である。
「へえ、当たり――って程でもないわね、一本だけなら」
確かに車ぐらいなら軽く吹き飛ばせる威力はあるだろうが一つだけならあまり有効だとは言えない。
それでもフライパンとさおりちゃん人形に比べれば十分に当たりというものだ。
それでもフライパンとさおりちゃん人形に比べれば十分に当たりというものだ。
「これは私が預かっとくわ。どうせあんたじゃ狙いもつけられないでしょ。
代わりにフライパンあげるから」
「……正論だけどイラッと来るわね」
代わりにフライパンあげるから」
「……正論だけどイラッと来るわね」
そんなふて腐れた愛を尻目に白瀬はふと考える。
パンツァーファウストを手に入れ凄腕の自称・忍者を仲間に出来た今もう一人を追う必要はあるのか。
攻め込むよりも防衛する方が勝率は高いことを考えると、どこかに拠点を築くのも面白いかもしれない。
だが、武器を持っているかもしれない人間を見逃すのは痛い。
パンツァーファウストを手に入れ凄腕の自称・忍者を仲間に出来た今もう一人を追う必要はあるのか。
攻め込むよりも防衛する方が勝率は高いことを考えると、どこかに拠点を築くのも面白いかもしれない。
だが、武器を持っているかもしれない人間を見逃すのは痛い。
さて、拠点を築くか、それとも先ほどまでの方針と同じくもう一人を探すか――
【E-3/草原/一日目/黎明】
【白瀬芙喜子@パワプロクンポケット8表】
[状態]健康
[参戦時期]:最高の猟犬後
[装備]ベレッタM92(13/15)、ロケット弾
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×5、さおりちゃん人形@パワポケ6裏、ケチャップ(残り1/4程度)
[思考]
基本:優勝する
1:さて、どうする――?
2:戦力増強のため弱者から倒す、強者は後回し
3:愛と共に行動する
4:もし八神が参加していれば最優先で殺す
【白瀬芙喜子@パワプロクンポケット8表】
[状態]健康
[参戦時期]:最高の猟犬後
[装備]ベレッタM92(13/15)、ロケット弾
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×5、さおりちゃん人形@パワポケ6裏、ケチャップ(残り1/4程度)
[思考]
基本:優勝する
1:さて、どうする――?
2:戦力増強のため弱者から倒す、強者は後回し
3:愛と共に行動する
4:もし八神が参加していれば最優先で殺す
【愛@パワプロクンポケット5裏】
[状態]:右わき腹に傷(応急処置済み)
[装備]:なし、
[参戦時期]:月光ルート途中
[道具]:支給品一式、フライパン
[思考・状況]
1:自分が生き残ることが第一
2:そのためなら白瀬や他の人間を殺すのもやむ負えない
3:一先ずは白瀬と共に行動する
[状態]:右わき腹に傷(応急処置済み)
[装備]:なし、
[参戦時期]:月光ルート途中
[道具]:支給品一式、フライパン
[思考・状況]
1:自分が生き残ることが第一
2:そのためなら白瀬や他の人間を殺すのもやむ負えない
3:一先ずは白瀬と共に行動する
[備考]
※同盟を組む条件の詳細についてはは後続の書き手さんにお任せします。
※同盟を組む条件の詳細についてはは後続の書き手さんにお任せします。
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| 前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
| 013:くのいち GO! GO! GO! | 愛 | 052:華麗なるかな二流 |
| 025:野丸太郎は『普通』に過ごしたい | 白瀬芙喜子 | 052:華麗なるかな二流 |