願い事1つだけ ◆jnvLTxNrNA
『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』
【~prologue~】
「ふぅ~」
部室棟横の記念樹の下で私は完成した二朱公人の墓を見つめて、1人ため息をついた。
墓としてはかなり粗末なものだがそれは仕方ない。目を閉じて二朱に黙祷して冥福を祈ると同時に謝罪をする。
私は二朱の願いを果たすことができなかった。
芳槻さらは死んでしまったのだ。
墓としてはかなり粗末なものだがそれは仕方ない。目を閉じて二朱に黙祷して冥福を祈ると同時に謝罪をする。
私は二朱の願いを果たすことができなかった。
芳槻さらは死んでしまったのだ。
私はレッドを追わなかった。否、追えなかった。
気絶した夏目准を1人置き去りにするわけにはいかなかったからだ。
仕方なく夏目を記念樹横の部室棟の野球部の部室に寝かせ、墓穴掘りを再開することにした。
そしてレッドが去ってから数分後、放送で芳槻さらの名が呼ばれた。
レッドが殺したのか、それとも十波典明が接触した時点で手遅れだったのかはわからないが、事実として芳槻さらは死んでしまった。
事実として二朱と夏目、それから十波の願いは叶わなかった。
いくら悔やんでも悔やみきれないだろう。
しかし、だからこそ『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』というのが私の持論だ。
『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』からこそ、死は悔しくて、やるせないのだ。
気絶した夏目准を1人置き去りにするわけにはいかなかったからだ。
仕方なく夏目を記念樹横の部室棟の野球部の部室に寝かせ、墓穴掘りを再開することにした。
そしてレッドが去ってから数分後、放送で芳槻さらの名が呼ばれた。
レッドが殺したのか、それとも十波典明が接触した時点で手遅れだったのかはわからないが、事実として芳槻さらは死んでしまった。
事実として二朱と夏目、それから十波の願いは叶わなかった。
いくら悔やんでも悔やみきれないだろう。
しかし、だからこそ『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』というのが私の持論だ。
『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』からこそ、死は悔しくて、やるせないのだ。
『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
亀田は死者の蘇生も可能なのかもしれない。
なにしろ亀田は『永遠の命』を叶えられるらしいのだ。死者を蘇らせることなどわけないだろう。
ハッタリの可能性もあるが亀田の持つ技術力を考えるとハッタリに聞こえない。
今考えると、私はあの処刑場で一度死んでいて、蘇生された後この殺し合いの放り込まれたのかもしれない。
まぁ、蘇生した人間を殺し合いに放り込む意味がわからないが……
はっきり言ってこの可能性が本当であるとは考えたくない。
何度でも言う、『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』のだ。
安易に打ち消されないから人は死を恐れ、生きようとする。
死は絶望であり、生きることは死に対をなす希望なのだ。
なにしろ亀田は『永遠の命』を叶えられるらしいのだ。死者を蘇らせることなどわけないだろう。
ハッタリの可能性もあるが亀田の持つ技術力を考えるとハッタリに聞こえない。
今考えると、私はあの処刑場で一度死んでいて、蘇生された後この殺し合いの放り込まれたのかもしれない。
まぁ、蘇生した人間を殺し合いに放り込む意味がわからないが……
はっきり言ってこの可能性が本当であるとは考えたくない。
何度でも言う、『死は絶対で、安易に打ち消されるようなものであってはならない』のだ。
安易に打ち消されないから人は死を恐れ、生きようとする。
死は絶望であり、生きることは死に対をなす希望なのだ。
もし、亀田が死者を蘇らせる力を持っていれば、死は絶望でなくなることになり、同時に生きることが希望でなくなることになる。
そんなことはあってはならない。この世界には希望が必要なのだ。
しかし……
視線を二朱の墓から部室棟に移す。
そんなことはあってはならない。この世界には希望が必要なのだ。
しかし……
視線を二朱の墓から部室棟に移す。
『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
この言葉に希望を求めるならそれもありなのかもしれない。
希望の形など人それぞれなのだから……
希望の形など人それぞれなのだから……
◆ ◆ ◆ ◆
墓を作り終え、空き部室に戻ると夏目が目覚めていた。
「芳槻さんはどうなりましたか?」
私が夏目の身体を心配する前に夏目の方から私に質問を投げかけた。どうやら放送は聞いてないらしい。
私は1枚の紙を夏目に手渡した。
私は1枚の紙を夏目に手渡した。
「これは?」
「夏目が気を失っている間に流れた放送のメモだ。第2回放送までに死んだ全ての人間の名と禁止エリアを書いておいた」
「夏目が気を失っている間に流れた放送のメモだ。第2回放送までに死んだ全ての人間の名と禁止エリアを書いておいた」
夏目はメモを受け取り、目を通し、そして私の予想通り、動揺を顔に表した。
無理もない。
芳槻さらの死は夏目がこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になったことを意味するのだから……
無理もない。
芳槻さらの死は夏目がこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になったことを意味するのだから……
「夏目、私は言ったはずだ。
死は恐ろしいんだ、絶対なんだ。簡単に怯えを失ってはいけない。死は、恐れるものなんだと。
もう夏目はこれから強くなるしかないんだと。」
「…………」
死は恐ろしいんだ、絶対なんだ。簡単に怯えを失ってはいけない。死は、恐れるものなんだと。
もう夏目はこれから強くなるしかないんだと。」
「…………」
今回ばかりはダメージが大きいらしい。
夏目はメモを見たまま動けなくなっている。
夏目はメモを見たまま動けなくなっている。
「……私は校舎から十波が出てこないか見ておく。
十波が出てくるまでにできるだけ気持ちを整理するんだ」
十波が出てくるまでにできるだけ気持ちを整理するんだ」
だから私は夏目に時間を与えることにした。
気休めにしかならないだろうが、気休めでも、それで夏目が立ち直れるならそれでいい。
私は夏目に背を向けて、部室棟から出ようとした。
気休めにしかならないだろうが、気休めでも、それで夏目が立ち直れるならそれでいい。
私は夏目に背を向けて、部室棟から出ようとした。
◆ ◆ ◆ ◆
【願い事1つだけ~夏目准の場合~】
(なんで…?)
准はヘルガの予想通り動揺した。
(なんで…なんで…?)
“ある人物”が死んだからだ。
(なんで…なんで…なんで…?)
しかし“ある人物”が誰であるかまではヘルガの予想通りではなかった。
(なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…?)
ヘルガの予想は芳槻さら。
しかし、実際は違う。
しかし、実際は違う。
(なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…なんで…?)
その“ある人物”の名は……
(なんで、あんたが死んでるのよ!?)
“九条英雄”
メモに書かれたこの名を見た瞬間、准の視界は真っ暗になった。
メモに書かれたこの名を見た瞬間、准の視界は真っ暗になった。
(九条さんが死んだら維織さんはどうなるのよ!?)
准の大切な親友、野崎維織の大切な人。
維織は九条と出会ってから本当にいろんな顔をするようになったと准は思う。
准の知ってる中であれほどお似合いなカップルはいない。
その大切な親友の大切な人が死んだ。
維織は九条と出会ってから本当にいろんな顔をするようになったと准は思う。
准の知ってる中であれほどお似合いなカップルはいない。
その大切な親友の大切な人が死んだ。
そして……
(九条さんが死んだら私はどうなるのよ!?)
准も少なからず想いを寄せた人が死んだ。
(嫌だ……)
(嫌だ……)
もう二度とあの日常には戻れない。
あの喫茶店での日常には、准が九条をからかい、九条がそれにツッコミを入れ、維織がその傍らで本を読むという日常には二度と戻れない。
あの喫茶店での日常には、准が九条をからかい、九条がそれにツッコミを入れ、維織がその傍らで本を読むという日常には二度と戻れない。
(こんなの嫌だよ……)
『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
准の脳裏にふと亀田の言葉がよぎる。
(そうだ…!この殺し合いに優勝して九条さんを生き返らせてもらえれば…!)
それは甘い誘惑。
(あの眼鏡に頭を下げるのは癪だけど、あの日常を取り戻せるなら…!)
その誘惑に心が揺れる。
あの日常を取り戻せるなら、あの日常を取り戻せる方法があるならそれにすがりたい。
たとえそれが人殺しという許されざる方法だとしても。
それほどまでに准にとっては愛おしい日常なのだ。
あの日常を取り戻せるなら、あの日常を取り戻せる方法があるならそれにすがりたい。
たとえそれが人殺しという許されざる方法だとしても。
それほどまでに准にとっては愛おしい日常なのだ。
(なんてね。そんなことできるわけないじゃない……)
でも准はわかっていた。そんな方法で九条を生き返らせたとしても、九条も維織も喜んでくれないであろうことを。
(遠前町に帰ったら、まず維織さんに謝ろう。九条さんと一緒に帰ってこれなくてごめんって謝ろう。
維織さん、絶対悲しむよね……)
維織さん、絶対悲しむよね……)
だから強くなろうと准は決心する。
九条の死という悲劇からから立ち直れる程に。
大切な親友、維織を悲しみから守れる程に。
そう決心すると真っ暗だった准の視界に光が射した。
九条の死という悲劇からから立ち直れる程に。
大切な親友、維織を悲しみから守れる程に。
そう決心すると真っ暗だった准の視界に光が射した。
◆ ◆ ◆ ◆
【願い事1つだけ~十波典明の場合~】
さらは死んだ。
同じ親切高校の神条紫杏にライフルで撃たれた。
さらを撃った紫杏も許せなかったが、二度もさらを助けることができず、二度もさらを死なせてしまった自分自身が何よりも許せなかった。
できるならいつもの夢だと思いたい。
いつもの夢よりちょっと質が悪いだけだと思いたい。
でも、さっきの放送と握ったさらの手がどんどん冷たくなっていくリアルな感覚が、俺にこれが現実であることを突きつけてくる。
同じ親切高校の神条紫杏にライフルで撃たれた。
さらを撃った紫杏も許せなかったが、二度もさらを助けることができず、二度もさらを死なせてしまった自分自身が何よりも許せなかった。
できるならいつもの夢だと思いたい。
いつもの夢よりちょっと質が悪いだけだと思いたい。
でも、さっきの放送と握ったさらの手がどんどん冷たくなっていくリアルな感覚が、俺にこれが現実であることを突きつけてくる。
俺は空を見上げた。屋上に出たときと変わらない青空。でもさっきまでの気持ちよさではなく、今はただ虚しさを感じる。
『私は十波君を……信じます』
『……十波…君……大……好……き……』
さらの最期の言葉が頭に響く。
誰も信じられないと言ったあの時と違って、俺を信じると言ってくれた。
俺の告白に大好きだと答えてくれた。
そういう意味では、俺はさらを変えることができたのかもしれない。
誰も信じられないと言ったあの時と違って、俺を信じると言ってくれた。
俺の告白に大好きだと答えてくれた。
そういう意味では、俺はさらを変えることができたのかもしれない。
でも……救うことはできなかった。
さらにはこれから先、ずっと俺の隣を歩いて欲しかった……
さらにはこれから先、ずっと俺の隣を歩いて欲しかった……
なぁ、さら……
俺がもっと早くさらの所に駆けつけていたらこの結末は違ったのか?
この青空も、この屋上から見える景色も違って見えたのか?
さらがまたいなくなって、俺はまたひとりぼっちだよ……
天道を倒して甲子園に行ったこと、岡田を倒して日本一になったこと、プロ野球選手になったこと、
他にもさらがいなくなってからも嬉しいことや楽しいことはいっぱいあった。
でも、さらが隣にいないとそんな嬉しいことや楽しいことも、どこか虚しいんだ。
嬉しいことや楽しいことはさらと分かちあわないとその喜びは半分になってしまうんだ。
さらを変えるなんてこと言っときながら、変わったのは俺の方がだったのかもしれない。
いや、変わったんだ。俺はさらが好きになったから。
さらしか信じることができなくなったから。
さら以外の全てを信じられなくなったから。
俺がもっと早くさらの所に駆けつけていたらこの結末は違ったのか?
この青空も、この屋上から見える景色も違って見えたのか?
さらがまたいなくなって、俺はまたひとりぼっちだよ……
天道を倒して甲子園に行ったこと、岡田を倒して日本一になったこと、プロ野球選手になったこと、
他にもさらがいなくなってからも嬉しいことや楽しいことはいっぱいあった。
でも、さらが隣にいないとそんな嬉しいことや楽しいことも、どこか虚しいんだ。
嬉しいことや楽しいことはさらと分かちあわないとその喜びは半分になってしまうんだ。
さらを変えるなんてこと言っときながら、変わったのは俺の方がだったのかもしれない。
いや、変わったんだ。俺はさらが好きになったから。
さらしか信じることができなくなったから。
さら以外の全てを信じられなくなったから。
結局この世界で信じられるのはさらだけだったんだ。
こんな世界に、さらのいない世界に、信じるもののない世界に俺の生きる意味はあるか?
俺にはわからないんだ。
なぁ、さら。教えてくれよ。
俺はこれからどうやって生きていけばいい?
こんな世界に、さらのいない世界に、信じるもののない世界に俺の生きる意味はあるか?
俺にはわからないんだ。
なぁ、さら。教えてくれよ。
俺はこれからどうやって生きていけばいい?
何を理由に生きていけばいい?
『殺し合いの優勝に見合う『賞品』として、特別に願いを一つだけ叶えてあげるでやんすよ。
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
例え願いの内容が巨万の富でも、巨大な力でも、永遠の命でも、自分自身の国でも、何でも叶えてあげるでやんす』
突然、俺の頭にあの荷田くんみたいな奴の言葉が響いた。
俺は気づく。そう、そうだよ。この殺し合いに優勝すればいいんだ!
優勝してさらを生き返らせてもらえばいいんだ!
あの荷田くんみたいな奴は願いを1つ、何でも叶えてくれるって言ってたじゃないか!
悪魔の囁きってのはこういうのを言うんだろうな……
でもそれでさらが帰ってくるなら……
あの荷田くんみたいな奴にお願いするのはちょっとムカつくけど、それでさらが帰ってくるなら……
進む道が人殺しという修羅の道でも、それでさらが帰ってくるなら……
俺は鬼にでも、悪魔にでも、何にでもなって………!
俺は気づく。そう、そうだよ。この殺し合いに優勝すればいいんだ!
優勝してさらを生き返らせてもらえばいいんだ!
あの荷田くんみたいな奴は願いを1つ、何でも叶えてくれるって言ってたじゃないか!
悪魔の囁きってのはこういうのを言うんだろうな……
でもそれでさらが帰ってくるなら……
あの荷田くんみたいな奴にお願いするのはちょっとムカつくけど、それでさらが帰ってくるなら……
進む道が人殺しという修羅の道でも、それでさらが帰ってくるなら……
俺は鬼にでも、悪魔にでも、何にでもなって………!
なれるわけないよな……さら……
どこか満たされたようなさらの顔を見て俺は先程までのバカな考えを捨てた。
さらは最期の最期で他人を信じることができるようになった。一歩前に進んだ。
なら、彼氏の俺が何時までも過去にすがって立ち止まってちゃいけないよな。
過去を振り返ることは悪いことじゃない。でも、すがっちゃいけないんだ。
過去は過去として受け入れて俺は前に進まないといけないんだ。
殺し合いに優勝してさらを生き返らせようなんて、思いっきり過去に後退する行為だ。
その根源には『あの頃に戻りたい』という念があるからだ。
それに俺はさらと約束したじゃないか。
俺は野球を頑張るって、それでさらは俺のことを応援するって最期に約束したじゃないか。
その約束を果たすためにも、さらに相応しい彼氏であるためにも、俺は前に進む。進み続ける。
まずは他人を信じてみよう。その人達とこの殺し合いをぶっ壊そう。
そんでもってあの荷田くんみたいな奴を倒して、この馬鹿げた島から出る。
もとの生活に帰ったら野球を頑張る。いろんな所に行く。いろんなものを見る。いろんな人に出会う。いろんな話を聞く。
さらが見聞きできなかったことまで俺が見て聞く。
そして俺がおじいちゃんになってあの世に行ったら、あの世でさらと再会する。
さらと再会したらそれまで見聞きしたことを全部さらに話す。
どこか満たされたようなさらの顔を見て俺は先程までのバカな考えを捨てた。
さらは最期の最期で他人を信じることができるようになった。一歩前に進んだ。
なら、彼氏の俺が何時までも過去にすがって立ち止まってちゃいけないよな。
過去を振り返ることは悪いことじゃない。でも、すがっちゃいけないんだ。
過去は過去として受け入れて俺は前に進まないといけないんだ。
殺し合いに優勝してさらを生き返らせようなんて、思いっきり過去に後退する行為だ。
その根源には『あの頃に戻りたい』という念があるからだ。
それに俺はさらと約束したじゃないか。
俺は野球を頑張るって、それでさらは俺のことを応援するって最期に約束したじゃないか。
その約束を果たすためにも、さらに相応しい彼氏であるためにも、俺は前に進む。進み続ける。
まずは他人を信じてみよう。その人達とこの殺し合いをぶっ壊そう。
そんでもってあの荷田くんみたいな奴を倒して、この馬鹿げた島から出る。
もとの生活に帰ったら野球を頑張る。いろんな所に行く。いろんなものを見る。いろんな人に出会う。いろんな話を聞く。
さらが見聞きできなかったことまで俺が見て聞く。
そして俺がおじいちゃんになってあの世に行ったら、あの世でさらと再会する。
さらと再会したらそれまで見聞きしたことを全部さらに話す。
うん、我ながら見事な将来設計図だ。
「よし、そうと決まれば前に踏み出そうか」
俺は声に出して自分に言い聞かせるとさらのデイパックの中身を自分のデイパックに詰め込み、
さらの頭からリボン解いて、それを自分の左腕に巻きつけた。
まぁ、リボンは形見ってやつかな。過去に戻りたいってわけじゃないけど、でも何時でもさらを傍に感じていたいんだ。
次に傍らに転がっていた機関銃を回収する。
殺しはもうしたくないけど、相手が殺る気なら仕方ない。俺はさらの分も生きないといけないからな。
できればこの引き金を引くことがないようにと祈りながら俺は機関銃の持ち手を握る。
最後にさらを背中に担ぐ。下ではヘルガさんと夏目さんがお墓を掘っているはずだから一緒に埋葬してもらおう。
さらの頭からリボン解いて、それを自分の左腕に巻きつけた。
まぁ、リボンは形見ってやつかな。過去に戻りたいってわけじゃないけど、でも何時でもさらを傍に感じていたいんだ。
次に傍らに転がっていた機関銃を回収する。
殺しはもうしたくないけど、相手が殺る気なら仕方ない。俺はさらの分も生きないといけないからな。
できればこの引き金を引くことがないようにと祈りながら俺は機関銃の持ち手を握る。
最後にさらを背中に担ぐ。下ではヘルガさんと夏目さんがお墓を掘っているはずだから一緒に埋葬してもらおう。
(ヘルガさんたちに謝らなきゃなぁ……)
そんなことを考えながら俺は前に歩き始めた。
◆ ◆ ◆ ◆
「やっぱり、ダメだった、か……」
光を取り戻した准の視界に飛び込んできたのは、
頭部を原形がわからないほどまで破壊されて、足元に倒れ伏せたヘルガと血まみれのスパナ、
それを握る自分の手、返り血で赤く汚れたメイド服だった。
それを握る自分の手、返り血で赤く汚れたメイド服だった。
「はぁ~、これじゃ維織さんやあいつに会わす顔がないなぁ……でも私が優勝すれば……」
維織と九条の日常は取り戻せる。そこに准の姿はなくても構わない、と准は思った。
維織と九条が喜んでくれなくても構わない。准は維織の悲しむ顔が見たくない、と思った。
こんなことをして維織が悲しまないわけがないことはわかっている。
でもその悲しみの穴は九条が埋めてくれる、と思った。
でも……
維織と九条が喜んでくれなくても構わない。准は維織の悲しむ顔が見たくない、と思った。
こんなことをして維織が悲しまないわけがないことはわかっている。
でもその悲しみの穴は九条が埋めてくれる、と思った。
でも……
「九条さんがいなくなってできた維織さんの悲しみの穴は、大きすぎて私には埋められないよ……
それに、維織さんの傍に九条さんがいないなんて想像できないよ……」
それに、維織さんの傍に九条さんがいないなんて想像できないよ……」
できるならあの3人の日常に戻りたい。でもそれは叶わぬ願いなのだ。
だが維織と九条の2人の日常を取り戻す、という叶えられる願いもある。
だから准は強くなろうと決心する。
せめて叶えられる願いだけでも叶えられる程に。
せめてこの殺し合いに優勝できる程に。
准は荷物をまとめて学校を後にした。
だから准は強くなろうと決心する。
せめて叶えられる願いだけでも叶えられる程に。
せめてこの殺し合いに優勝できる程に。
准は荷物をまとめて学校を後にした。
(こんなことはきっと間違ってるんだろうなぁ)
維織を悲しませることに戸惑いを感じていないわけじゃない。
このメイド服を血で汚すことがどういうことかもわかっている。
このメイド服を血で汚すことがどういうことかもわかっている。
(でもこの足は、もう止まらない……!)
◆ ◆ ◆ ◆
俺がグラウンドに出るとヘルガさんも夏目さんもいなかった。
ただ完成した二朱さんっていう人のお墓だけがあった。
ただ完成した二朱さんっていう人のお墓だけがあった。
「スコップがないんじゃさらのお墓が作れないじゃないか」
俺はそんなことを愚痴りながらさらを記念樹にもたれかけさせた。
わかってる。俺はヘルガさんたちとの約束を破ったんだ。
下手すると俺のことをさらを殺した殺人鬼と思ってるかもしれない。
殺人鬼から逃げるのは当たり前だ。だからヘルガさんたちはもう学校にいない。
でも俺はそれでいいと思う。事実、俺はさらを救えなかったのだから。
確かに俺は前に進むと決めた。だけど、だからといってさらを救えなかった罪が消えたわけじゃない。
さらは許してくれるだろうけど、俺自身が許せない。
この罪は俺が一生背負っていくことになるものだ。
だけど俺は前に進むと決めた。この消せない罪を全部背負って前に進むと決めた。
わかってる。俺はヘルガさんたちとの約束を破ったんだ。
下手すると俺のことをさらを殺した殺人鬼と思ってるかもしれない。
殺人鬼から逃げるのは当たり前だ。だからヘルガさんたちはもう学校にいない。
でも俺はそれでいいと思う。事実、俺はさらを救えなかったのだから。
確かに俺は前に進むと決めた。だけど、だからといってさらを救えなかった罪が消えたわけじゃない。
さらは許してくれるだろうけど、俺自身が許せない。
この罪は俺が一生背負っていくことになるものだ。
だけど俺は前に進むと決めた。この消せない罪を全部背負って前に進むと決めた。
その先にはさらがいるから。
俺はさらと二朱さんっていう人に黙祷した。
さらには、すぐには会えないけどいつか必ず会いに行く。だから待っていてくれという願いを。
二朱さんは生前ヘルガさんや夏目さんとさらを助けようと行動していたらしい。
だから二朱さんには、そのこと対する感謝とさらを救えなかったことに対する謝罪を、それぞれ黙祷で伝えた。
さらには、すぐには会えないけどいつか必ず会いに行く。だから待っていてくれという願いを。
二朱さんは生前ヘルガさんや夏目さんとさらを助けようと行動していたらしい。
だから二朱さんには、そのこと対する感謝とさらを救えなかったことに対する謝罪を、それぞれ黙祷で伝えた。
「さぁ、行くか!」
手始めに、この殺し合いをぶっ壊す。
◆ ◆ ◆ ◆
「ふぅ~」
私は視線を部室棟から再び二朱の墓に移すと二度目となるため息をついた。
完全に油断だった。
夏目があんな暴挙にでる可能性ぐらい容易に予想できたはずなのに、あの時私はその可能性を失念していた。
後ろで夏目が立ち上がる音がしたので、もう立ち直ったのかと思い振り向いた。
しかし私の目に映ったのは立ち直った夏目ではなく、目の前にまで迫ったスパナだった。
もはや回避は不可能だった。私はその痛烈な一撃をまともに受けて、意識を失ってしまった。
そして、次に気がつくと私の足元には私自身の死体があった。
完全に油断だった。
夏目があんな暴挙にでる可能性ぐらい容易に予想できたはずなのに、あの時私はその可能性を失念していた。
後ろで夏目が立ち上がる音がしたので、もう立ち直ったのかと思い振り向いた。
しかし私の目に映ったのは立ち直った夏目ではなく、目の前にまで迫ったスパナだった。
もはや回避は不可能だった。私はその痛烈な一撃をまともに受けて、意識を失ってしまった。
そして、次に気がつくと私の足元には私自身の死体があった。
二朱はきっと夏目がこんな暴挙を起こして何も思わないはずはないだろう。きっと止めようとしたはずだろう。
私はもう一度目を閉じて二朱に謝罪する。夏目を止められなくてすまなかった、と。
隣では十波が私と同じように黙祷をしている。
その左腕には芳槻のものと思わしきリボンが巻き付けてある。
この男は本当に芳槻のことを大切に想っていたんだなと思う。
私はもう一度目を閉じて二朱に謝罪する。夏目を止められなくてすまなかった、と。
隣では十波が私と同じように黙祷をしている。
その左腕には芳槻のものと思わしきリボンが巻き付けてある。
この男は本当に芳槻のことを大切に想っていたんだなと思う。
黙祷を終えると十波は学校から出て行った。その顔は希望に輝いてるように見えた。
私はその顔見て、この世界もまだ捨てた物じゃないと思った。
この世界にはまだ希望が残っているとわかったから。
この世界にはまだ希望が残っているとわかったから。
さぁ、そろそろ行こうか、地獄とやらに……
【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏 死亡】
【残り33名】
【残り33名】
【夏目准@パワプロクンポケット9】
[状態]:腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ
[装備]:スパナ、モデルガン
[道具]:支給品一式×3、スコップ、拡声器、ナイフ、ラッキョウ一瓶、不明支給品0~4個
[思考・状況]
1:九条さんを生き返らせる
2:レッドに対して不信感
3:二朱さん……
[状態]:腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ
[装備]:スパナ、モデルガン
[道具]:支給品一式×3、スコップ、拡声器、ナイフ、ラッキョウ一瓶、不明支給品0~4個
[思考・状況]
1:九条さんを生き返らせる
2:レッドに対して不信感
3:二朱さん……
【十波典明@パワプロクンポケット10】
[状態]:「人を信じる」という感情の復活
右上腕に怪我
[装備]:機関銃
[道具]:支給品一式×2、バタフライナイフ、青酸カリ、スペツナズ・ナイフ
[思考・状況]基本:この殺し合いをぶっ壊す!
[備考]
1:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。
2:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
3:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、殺し合いに乗っていると思っています。
4:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。
5:ヘルガの死に気づいてません。
[状態]:「人を信じる」という感情の復活
右上腕に怪我
[装備]:機関銃
[道具]:支給品一式×2、バタフライナイフ、青酸カリ、スペツナズ・ナイフ
[思考・状況]基本:この殺し合いをぶっ壊す!
[備考]
1:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。
2:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
3:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、殺し合いに乗っていると思っています。
4:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。
5:ヘルガの死に気づいてません。
| 前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
| 094:彼は彼なりの正義を | 十波典明 | |
| 093:迷走ヒーロー | 夏目准 | |
| 093:迷走ヒーロー | ヘルガ | GAME OVER |