迷走ヒーロー ◆jnvLTxNrNA
レッドは己の情けなさに腸を煮えくり返らせながら、来た道を引き返して東に向かっていた。
神社にいた者達は皆、野丸太郎も銀髪の女とピンク髪の女の二人組も芳槻さらも見ていないと言っていた。
人に向かってロケットランチャーやマシンガンをぶっ放つような連中が人の集まりそうな施設を避ける理由はない。進んで近づいて行くはずだ。
当初、二人組が商店街の西の出入り口から出て行くのを見たため、二人組は西に向かったと判断したが、
消防署には誰もおらず、七味達も襲われてないとすると、連中は商店街から西ではない別の方角に向かった可能性が高い。
つまり二人組は西の出入り口から出て西に向かったように見せかけて別の方角、
おそらく真逆の東に向かったのだとレッドは考えた。
そう判断して、今ならまだ間に合うと思い、一度東に戻ることにした。
神社にいた者達は皆、野丸太郎も銀髪の女とピンク髪の女の二人組も芳槻さらも見ていないと言っていた。
人に向かってロケットランチャーやマシンガンをぶっ放つような連中が人の集まりそうな施設を避ける理由はない。進んで近づいて行くはずだ。
当初、二人組が商店街の西の出入り口から出て行くのを見たため、二人組は西に向かったと判断したが、
消防署には誰もおらず、七味達も襲われてないとすると、連中は商店街から西ではない別の方角に向かった可能性が高い。
つまり二人組は西の出入り口から出て西に向かったように見せかけて別の方角、
おそらく真逆の東に向かったのだとレッドは考えた。
そう判断して、今ならまだ間に合うと思い、一度東に戻ることにした。
「クソっ!俺はまた判断ミスをっ!
こうしている間にも連中がまた人殺しをしているかもしれないのに!
その場合、それは判断を過った俺のせいだ!クソっ!」
こうしている間にも連中がまた人殺しをしているかもしれないのに!
その場合、それは判断を過った俺のせいだ!クソっ!」
誰に言い聞かせるわけでもなくレッドは呟く。
しかし言葉に出してみると、より一層自分が情けなく感じられ、その事により一層腹が立つ。
しかし言葉に出してみると、より一層自分が情けなく感じられ、その事により一層腹が立つ。
………レッドは気づいていない。この判断こそが間違いであることに。
レッドの追いかける4人中3人、白瀬芙喜子と愛、野丸太郎はレッドの当初の判断通り商店街から西に向かったことに。
そしてその内の1人、野丸太郎はレッドが神社で情報交換をしている間に神社の北を西に向かって突っ切り、禁止エリアに突っ込んだことに。
更に残る2人、白瀬芙喜子と愛はレッドが神社に行く途中にも、神社から戻る途中にもその前を通った消防署にいたことに。
レッドの追いかける4人中3人、白瀬芙喜子と愛、野丸太郎はレッドの当初の判断通り商店街から西に向かったことに。
そしてその内の1人、野丸太郎はレッドが神社で情報交換をしている間に神社の北を西に向かって突っ切り、禁止エリアに突っ込んだことに。
更に残る2人、白瀬芙喜子と愛はレッドが神社に行く途中にも、神社から戻る途中にもその前を通った消防署にいたことに。
何故レッドは白瀬達と出会うことができなかったのか?
レッドが白瀬達と出会うチャンスは行きと帰りで2回あった。
白瀬達は何回か消防署を出たり入ったりしていたのだが、レッドが消防署の前を通った時、白瀬達は2回とも消防署の中にいたのだ。
1回目は白瀬達が時間軸について話し終わった時。
その時は白瀬達がうまく気配を消していたため、レッドは気づかなかった。
2回目は白瀬達が野丸太郎及び、巨大殺人クワガタと戦闘した後、これからのことについて消防署の中で話し合っている時。
この時は1回目に消防署には誰もいないと判断したために、特に見向きもせずスルーしてしまった。
レッドが白瀬達と出会うチャンスは行きと帰りで2回あった。
白瀬達は何回か消防署を出たり入ったりしていたのだが、レッドが消防署の前を通った時、白瀬達は2回とも消防署の中にいたのだ。
1回目は白瀬達が時間軸について話し終わった時。
その時は白瀬達がうまく気配を消していたため、レッドは気づかなかった。
2回目は白瀬達が野丸太郎及び、巨大殺人クワガタと戦闘した後、これからのことについて消防署の中で話し合っている時。
この時は1回目に消防署には誰もいないと判断したために、特に見向きもせずスルーしてしまった。
それに、もっとレッドの目を引きつけるものがあった。
巨大殺人クワガタの死体と戦闘の跡である。
戦闘の跡は状況から見て恐らくクワガタとのものだろう。
問題は何故こんなバケモノがいるのかということと、誰がこのバケモノを倒したのかということだ。
しかし気にはなったものの、何より優先すべきことがあるためその場は後にした。
巨大殺人クワガタの死体と戦闘の跡である。
戦闘の跡は状況から見て恐らくクワガタとのものだろう。
問題は何故こんなバケモノがいるのかということと、誰がこのバケモノを倒したのかということだ。
しかし気にはなったものの、何より優先すべきことがあるためその場は後にした。
☆ ☆ ☆ ☆
商店街より東の市街地には、役場、映画館、港がある。市街地を外れれば学校と野球場がある。
レッドは東に戻りながら、商店街より東のどの施設に行くかを考え、結論を出し、その場所にたどり着いた。
レッドは東に戻りながら、商店街より東のどの施設に行くかを考え、結論を出し、その場所にたどり着いた。
そこは学校。
市街地から出たのは、市街地と神社の往復でかなりの時間を潰してしまったため、
あの二人組がまだ市街地にいると考えるのは甘いと考えたからだ。
あの二人組がまだ市街地にいると考えるのは甘いと考えたからだ。
レッドは早速学校のグラウンドに足を踏み入れる。
レッドには時間がない。
危険分子の抹殺というヒーローとしての使命を一刻も早く完遂させるため、今は一分一秒が惜しいのだ。
学校に何もなければ危険分子が他に害をなす前に別の場所に移動しなくてはならない。
レッドはグラウンドを見渡した。すると部室棟横の木の下に人を2人確認した。
レッドには時間がない。
危険分子の抹殺というヒーローとしての使命を一刻も早く完遂させるため、今は一分一秒が惜しいのだ。
学校に何もなければ危険分子が他に害をなす前に別の場所に移動しなくてはならない。
レッドはグラウンドを見渡した。すると部室棟横の木の下に人を2人確認した。
☆ ☆ ☆ ☆
「ふぅ~
30分あればできると思ったが、なかなか骨が折れる」
30分あればできると思ったが、なかなか骨が折れる」
ヘルガと夏目准は部室棟横の記念樹の下に二朱公人の墓穴を掘ることにした。
やはり埋葬するからには、それらしい場所にしたい。
しかし成人男性1人が収まる穴を掘るのはかなりの重労働である。軍人で体を鍛えているヘルガをもってしてもだ。
スコップが1本しかなかったため交代で掘っていたが、2人ともそろそろ腕が疲れてきていた。
やはり埋葬するからには、それらしい場所にしたい。
しかし成人男性1人が収まる穴を掘るのはかなりの重労働である。軍人で体を鍛えているヘルガをもってしてもだ。
スコップが1本しかなかったため交代で掘っていたが、2人ともそろそろ腕が疲れてきていた。
(そろそろ30分か……)
十波典明が芳槻さらを説得、保護しに校舎に入ってからまもなく30分経つ。
30分経っても十波が戻らないことから何かあった、おそらく芳槻さらと接触できたことは間違いない。
約束ではヘルガたちも十波のところに駆けつけなければならない。
さらを説得する過程で問題が起きた可能性、あるいはまったく別の問題が起きた可能性があるからだ。
30分経っても十波が戻らないことから何かあった、おそらく芳槻さらと接触できたことは間違いない。
約束ではヘルガたちも十波のところに駆けつけなければならない。
さらを説得する過程で問題が起きた可能性、あるいはまったく別の問題が起きた可能性があるからだ。
「夏目、そろそろ30分だな」
「……そうですね」
「……そうですね」
二朱の埋葬に固執していた准だが、約束は約束である。
それに学校に来た本来の目的は芳槻さらの保護だ。
それに学校に来た本来の目的は芳槻さらの保護だ。
(もう少し待ってて下さいね……二朱さん)
准は心の中で二朱にそう伝えると、ヘルガと共に校舎に向かって歩き出そうとした。
しかし
「お前たち、そこで何やってる!?」
2人の前にレッドが立ちはだかった。
☆ ☆ ☆ ☆
木の下の2人に近づいていくにつれ、俺は木の下には2人ではなく3人、いや2人と1人だったものがいることに気づいた。
1人だったものは木に背を預け座っている体格のいい男。目と胸から血を流して死んでいるのが一目でわかる。
そしてすぐ側でスコップで穴を掘っている軍服を着た女とその様子を見守るメイド服の女の2人だ。
おそらく2人はあの男を殺し、あげくの果てに埋めてしまう気だ。
俺はグッと奥歯を噛み締めた。
1人だったものは木に背を預け座っている体格のいい男。目と胸から血を流して死んでいるのが一目でわかる。
そしてすぐ側でスコップで穴を掘っている軍服を着た女とその様子を見守るメイド服の女の2人だ。
おそらく2人はあの男を殺し、あげくの果てに埋めてしまう気だ。
俺はグッと奥歯を噛み締めた。
(この島にはどうしてこんなに悪がはびこっているんだ!)
怒りが沸々とこみ上げてくる。
(目の前の人間が悪なら答えはただ一つ、倒すのみ!
それが正義のヒーローだ!)
それが正義のヒーローだ!)
2人がこちらを向いた。
「お前たち、そこで何やってる!?」
軍服の女が銃を構えてきた。
きっとあの銃で男を殺したに違いない。
きっとあの銃で男を殺したに違いない。
「貴様ぁ!!」
俺は軍服の女との距離を詰めるべく足を踏み込んだ。
軍服の女は俺の動きに驚いたようだった。
俺にそんな脅しが通じるとでも思ったのだろうか?
俺は踏み込んだ足で地面を蹴ると軍服の女との距離を一気に詰め、銃を持った手を蹴り上げる。
軍服の女の手から銃がこぼれ落ち、腕が跳ね上げられる。
そして腕が上がったことでがら空きになった左わき腹に右アッパーをいれた。
軍服の女の身体がくの字に曲がる。感触から言って、あばらを1、2本もらった。
女は膝をついてせき込んでいる。しばらくは動けないだろう。
ここで止めをさしてもいい。だが敵は1人ではない。もう1人、メイド服の女がいる。
俺はメイド服の女の方に向き直った。
女は軍服の女が取りこぼした銃を構えていた。自分の頭に向かって。
俺は驚かされた。
俺にそんな脅しが通じるとでも思ったのだろうか?
俺は踏み込んだ足で地面を蹴ると軍服の女との距離を一気に詰め、銃を持った手を蹴り上げる。
軍服の女の手から銃がこぼれ落ち、腕が跳ね上げられる。
そして腕が上がったことでがら空きになった左わき腹に右アッパーをいれた。
軍服の女の身体がくの字に曲がる。感触から言って、あばらを1、2本もらった。
女は膝をついてせき込んでいる。しばらくは動けないだろう。
ここで止めをさしてもいい。だが敵は1人ではない。もう1人、メイド服の女がいる。
俺はメイド服の女の方に向き直った。
女は軍服の女が取りこぼした銃を構えていた。自分の頭に向かって。
俺は驚かされた。
(どういうつもりだ!?)
さすがに手が止まる。女のやってることの意味がわからない。
女が引き金を引いた。しかしあるはずの銃声がしない。
女が引き金を引いた。しかしあるはずの銃声がしない。
「モデルガンよ」
「モデルガン……だと?」
「モデルガン……だと?」
☆ ☆ ☆ ☆
ヘルガたちはレッドに事情を説明した。
二朱公人はもともと仲間で、30分ほど前に襲撃されて殺されてしまったこと。
それで、二朱を埋葬しようと穴を掘っていたこと。
反射的にモデルガンを構えたのはこの島の状況では仕方なくて、最初から交戦の意志は無かったことを話した。
二朱公人はもともと仲間で、30分ほど前に襲撃されて殺されてしまったこと。
それで、二朱を埋葬しようと穴を掘っていたこと。
反射的にモデルガンを構えたのはこの島の状況では仕方なくて、最初から交戦の意志は無かったことを話した。
「本当にすまない!」
「いや、私たちも誤解されてもおかしくないことをしてたんだ。すまなかったな。
私はヘルガ。そっちが夏目准だ。殺し合いには乗っていない」
「俺はレッド。正義のヒーローだ。
もちろん殺し合いには乗っていない」
「いや、私たちも誤解されてもおかしくないことをしてたんだ。すまなかったな。
私はヘルガ。そっちが夏目准だ。殺し合いには乗っていない」
「俺はレッド。正義のヒーローだ。
もちろん殺し合いには乗っていない」
レッドはヘルガたちから話を聞いて素直に謝った。
誤解とはいえ殺し合いに乗っていないヘルガを負傷させたのだからばつが悪かった。
誤解とはいえ殺し合いに乗っていないヘルガを負傷させたのだからばつが悪かった。
「本来ならここで情報交換の一つでもしたいのだが、
私たちには芳槻さらを保護しに行った十波典明のところに駆けつけるという約束があってな。
時間がないんだ」
「芳槻さら……だと?」
私たちには芳槻さらを保護しに行った十波典明のところに駆けつけるという約束があってな。
時間がないんだ」
「芳槻さら……だと?」
レッドの身体が強ばった。
「あぁ、私たちが学校に来た目的は芳槻さらの保護だ
今は十波という男が1人で芳槻を探して校舎に入っている。
30分経っても戻らないから芳槻と接触できたことはたぶん間違いないが、
何か問題が起きた可能性がある」
「ふざけるな!!お前たちは知らないかもしれないが、
芳槻さらは俺の仲間だった甲子園児を殺した危険人物なんだぞ!
そんな奴を保護だと?そんな甘い考えは今すぐ捨てろ!
奴は倒すべき悪だ!」
「それは違うよ」
今は十波という男が1人で芳槻を探して校舎に入っている。
30分経っても戻らないから芳槻と接触できたことはたぶん間違いないが、
何か問題が起きた可能性がある」
「ふざけるな!!お前たちは知らないかもしれないが、
芳槻さらは俺の仲間だった甲子園児を殺した危険人物なんだぞ!
そんな奴を保護だと?そんな甘い考えは今すぐ捨てろ!
奴は倒すべき悪だ!」
「それは違うよ」
2人の会話に准が割って入った。
この島で准はさらを助けるために行動してきた。
レッドは甘い考えと言うが、准にとっては甘い考えではないし、捨てるつもりもない。
この島で准はさらを助けるために行動してきた。
レッドは甘い考えと言うが、准にとっては甘い考えではないし、捨てるつもりもない。
「たしかにあの子は私のお腹を刺したり、私の知り合いのピエロさんを殺したり、
あなたの言う甲子園児って人を殺したかもしれない。
でもね、私はあの子を悪だとは思わない。
こんな島にさえ来なければあの子は普通の女子高生だと思う。
私はあの子をこの島のひどい状況から救ってあげたいの」
「だがしかし、奴は悪となった!もとがどうだったかは関係ない!
悪は悪だ!そして悪は倒さなければならない!」
あなたの言う甲子園児って人を殺したかもしれない。
でもね、私はあの子を悪だとは思わない。
こんな島にさえ来なければあの子は普通の女子高生だと思う。
私はあの子をこの島のひどい状況から救ってあげたいの」
「だがしかし、奴は悪となった!もとがどうだったかは関係ない!
悪は悪だ!そして悪は倒さなければならない!」
「あの子は好きで殺しをして悪になったんじゃない。
殺さなきゃ殺されるっていう状況がそうさせたの。
誰もがあなたみたいにこんな状況でも自分を見失わないほど強いわけじゃない。
事実、私も二朱さんに会わなかったら自分がどうなっていたかわからない。
あの子みたいに殺しをしていたかもしれない。
でも二朱さんに会ったから私は私でいれたの。
出会いで人は変われる。それはあの子も例外じゃない」
「変われるだと?その考えが甘いと言うんだ。
例え変わったところで奴は殺人という罪を犯したんだ!
その罪は死をもって償わなければならない!」
「死ぬことが罪を償うことだと私は思わない。
ごめんねって謝ってくれたら私はあの子を許すつもり。だってこの状況じゃ仕方ないから。
でも死んじゃったら謝ることもできなくなるんだよ?」
「芳槻さらが謝れば貴様は奴を許すかもしれん。
だが俺は許せない!奴が謝ったところで甲子はどうなる?
生き返るのか?生き返るわけないだろう!
奴が犯した罪は謝罪の言葉だけで許せるものじゃないんだ!
悪いが俺は貴様の考えは理解できない!
俺は何と言われようと悪を倒すという自分の正義を貫く!」
殺さなきゃ殺されるっていう状況がそうさせたの。
誰もがあなたみたいにこんな状況でも自分を見失わないほど強いわけじゃない。
事実、私も二朱さんに会わなかったら自分がどうなっていたかわからない。
あの子みたいに殺しをしていたかもしれない。
でも二朱さんに会ったから私は私でいれたの。
出会いで人は変われる。それはあの子も例外じゃない」
「変われるだと?その考えが甘いと言うんだ。
例え変わったところで奴は殺人という罪を犯したんだ!
その罪は死をもって償わなければならない!」
「死ぬことが罪を償うことだと私は思わない。
ごめんねって謝ってくれたら私はあの子を許すつもり。だってこの状況じゃ仕方ないから。
でも死んじゃったら謝ることもできなくなるんだよ?」
「芳槻さらが謝れば貴様は奴を許すかもしれん。
だが俺は許せない!奴が謝ったところで甲子はどうなる?
生き返るのか?生き返るわけないだろう!
奴が犯した罪は謝罪の言葉だけで許せるものじゃないんだ!
悪いが俺は貴様の考えは理解できない!
俺は何と言われようと悪を倒すという自分の正義を貫く!」
レッドはそう言い切ると校舎に向かって歩き出した。
しかし准が先回りしてレッドの前に両手を広げて立ちふさがる。
しかし准が先回りしてレッドの前に両手を広げて立ちふさがる。
「悪を倒すだけが正義じゃない!
悪から弱い人を守って、救い出すのも正義だって私は思う!」
「確かにそうだ。だがな、芳槻さらは悪だ!悪に差し伸べる手はない!
そこをどけ、夏目!」
悪から弱い人を守って、救い出すのも正義だって私は思う!」
「確かにそうだ。だがな、芳槻さらは悪だ!悪に差し伸べる手はない!
そこをどけ、夏目!」
レッドの怒号に准はレッドを睨みつけることで返す。
正直、准はレッドが怖い。
レッドがヘルガに繰り出したパンチは素人の准から見ても強烈なものだった。
あのパンチが准にレッドに対する恐怖心を植えつけていた。
しかし、准にとって一番怖いのはこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になること。
さらが殺されること。
このままレッドを通せば間違いなくそうなる。そんなのは絶対にイヤだ。
その意地が准の勇気を駆り立てる。
だがレッドにしてみれば准は自分の正義を邪魔する障害物でしかない。
正直、准はレッドが怖い。
レッドがヘルガに繰り出したパンチは素人の准から見ても強烈なものだった。
あのパンチが准にレッドに対する恐怖心を植えつけていた。
しかし、准にとって一番怖いのはこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になること。
さらが殺されること。
このままレッドを通せば間違いなくそうなる。そんなのは絶対にイヤだ。
その意地が准の勇気を駆り立てる。
だがレッドにしてみれば准は自分の正義を邪魔する障害物でしかない。
「どうしてもどかないと言うなら……」
レッドは准の鳩尾に拳を叩き込んだ。
「かはっ」
准の腹部には刺し傷がある。幸いにも傷が開いたということはなかったが、
激痛が走り、准の意識を刈り取った。
准は膝をつきそのままうつ伏せに倒れ込んだ。
激痛が走り、准の意識を刈り取った。
准は膝をつきそのままうつ伏せに倒れ込んだ。
「貴様……」
今まで状況を見守っていたヘルガが声を上げる。ここまでする必要があるのかというのがヘルガの本音だ。
「ヘルガ、俺が芳槻さらを倒しに行っている間、夏目を頼む」
「待て!芳槻さらの保護は死んだ二朱の願いでもあるんだぞ!」
「俺に悪を助ける道理はない。
強いて言うなら、これ以上悪事を働けないように息の根を止める。
それが俺なりの慈悲だ」
「待て!芳槻さらの保護は死んだ二朱の願いでもあるんだぞ!」
「俺に悪を助ける道理はない。
強いて言うなら、これ以上悪事を働けないように息の根を止める。
それが俺なりの慈悲だ」
そう言い残すとレッドは校舎に向かって走って行った。
悪を倒す為に。
悪を倒す為に。
【F-3/学校/グラウンド/一日目/昼】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:殺人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:校舎に行き芳槻さらを殺す
2:1のあと野丸or2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前に殺す
3:2のあと病院に向かう
4:黒野鉄斎の保護
5:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
6:東やほるひすを守る
7:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:殺人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:校舎に行き芳槻さらを殺す
2:1のあと野丸or2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前に殺す
3:2のあと病院に向かう
4:黒野鉄斎の保護
5:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
6:東やほるひすを守る
7:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る
【夏目准@パワプロクンポケット9】
[状態]:気絶中
腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ
[装備]:スコップ
[道具]:支給品一式×2、スパナ、拡声器、不明支給品0~4個
[思考・状況]
1:さらを助けてあげたい
2:レッドに対して不信感
3:二朱さん……
4:九条さんに会いたい。
5:十波がさらを救えるか少し不安。
[状態]:気絶中
腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ
[装備]:スコップ
[道具]:支給品一式×2、スパナ、拡声器、不明支給品0~4個
[思考・状況]
1:さらを助けてあげたい
2:レッドに対して不信感
3:二朱さん……
4:九条さんに会いたい。
5:十波がさらを救えるか少し不安。
【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏】
[状態]:右肩に怪我
左わき腹の肋骨の1本にひび
(走ったりなど激しい運動に支障をきたします)
[装備]:モデルガン、ナイフ、軍服
[道具]:ラッキョウ一瓶、支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田という悪を育てるために亀田に立ち向かう。
1:あまりにも亀田に対抗する戦力が大きくなってきた場合はそれを削る。
2:レッドに対して不信感
3:十波を少し信頼。
[状態]:右肩に怪我
左わき腹の肋骨の1本にひび
(走ったりなど激しい運動に支障をきたします)
[装備]:モデルガン、ナイフ、軍服
[道具]:ラッキョウ一瓶、支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田という悪を育てるために亀田に立ち向かう。
1:あまりにも亀田に対抗する戦力が大きくなってきた場合はそれを削る。
2:レッドに対して不信感
3:十波を少し信頼。
前へ | キャラ追跡表 | 次へ |
090:CHERRY BLOSSOM~戻らない歯車~ | 夏目准 | ― |
090:CHERRY BLOSSOM~戻らない歯車~ | ヘルガ | ― |
079:赤、情報、神社にて。 | レッド | 094:彼は彼なりの正義を |