彼は彼なりの正義を ◆1WZThYdb3Q
屋上へと続く階段を前に、レッドは一人感慨を覚えていた。
――思い返してみれば、長かった。
実際はまだ半日も経っていないのに、何日も追いかけ続けていたような錯覚がある。
それだけ、この瞬間を待ちわびていたという事だろう。
――思い返してみれば、長かった。
実際はまだ半日も経っていないのに、何日も追いかけ続けていたような錯覚がある。
それだけ、この瞬間を待ちわびていたという事だろう。
レッドはふと、近くに備え付けられている時計に目をやった。
その針は、12時のほんの僅か前を指している。
恐らくあと数分もすれば、再び放送が聞こえてくるのだろう。
だがここで、はやる気持ちを抑えてまで放送を待つ必要など何もない。
どうせその時が来れば、勝手に放送は流れるのだ。
その針は、12時のほんの僅か前を指している。
恐らくあと数分もすれば、再び放送が聞こえてくるのだろう。
だがここで、はやる気持ちを抑えてまで放送を待つ必要など何もない。
どうせその時が来れば、勝手に放送は流れるのだ。
(待っていろよ、芳槻…)
決意を胸に、小さく息をつく。
無意識のうちに彼の拳が固まってゆく。
無意識のうちに彼の拳が固まってゆく。
レッドは、静かに階段を上り始めた。
● ● ●
「あの出来事」からどのくらい経っただろう。
今でも脳裏に焼き付いて離れない、あの出来事。
振り払っても振り払っても、十波の頭にはあの映像が回り続ける。
いきなり目の前が眩い光に包まれて、さらがスローモーションのようにゆっくりと倒れていった、その映像が。
今でも脳裏に焼き付いて離れない、あの出来事。
振り払っても振り払っても、十波の頭にはあの映像が回り続ける。
いきなり目の前が眩い光に包まれて、さらがスローモーションのようにゆっくりと倒れていった、その映像が。
十波の目の前でさらが死んだのは、これで二度目だった。
一度目はさらが自ら命を絶って、二度目は突然他人に殺されて。
昔も今も、自分は何もできなかった。
さらの命の灯が消えていくのを、ただ眺めている事しかできなかった。
だから、ずっと泣いていた。
二度と動かないさらの体に突っ伏して、いつまでも泣いていた。
自分の無力さが途方もなく悲しくて。
十波の涙は止めどなく流れていく。まるで、枯れる事を知らないかのように。
一度目はさらが自ら命を絶って、二度目は突然他人に殺されて。
昔も今も、自分は何もできなかった。
さらの命の灯が消えていくのを、ただ眺めている事しかできなかった。
だから、ずっと泣いていた。
二度と動かないさらの体に突っ伏して、いつまでも泣いていた。
自分の無力さが途方もなく悲しくて。
十波の涙は止めどなく流れていく。まるで、枯れる事を知らないかのように。
――それからどの位経っただろう。
気がつくと、十波のすぐ近くには人がいた。
いや、人と呼んでいいのかどうか分からない――全身を赤いコスチュームで包んだ、はっきり言って「変」な人物。
この場に似つかわしくないその風体に、十波は思わず顔を上げる。
見れば、その人物もこちらに顔を向けている。
気がつくと、十波のすぐ近くには人がいた。
いや、人と呼んでいいのかどうか分からない――全身を赤いコスチュームで包んだ、はっきり言って「変」な人物。
この場に似つかわしくないその風体に、十波は思わず顔を上げる。
見れば、その人物もこちらに顔を向けている。
そして、十波の目とレッドの目がマスク越しに合った。
その瞬間。
その瞬間。
「が…はっ…」
十波の体が、音もなく地面に沈んだ。
● ● ●
追い続けていた者が死んだ事から生まれた、奇妙な喪失感。
甲子の仇をこの手で討てなかった事への、身勝手な怒り。
目の前の少年が新たな「悪」なのではないかという、僅かな疑念。
それら全てがレッドを衝動に駆り立てた。
気がついた時には既に遅かった。
自分の右手に残る衝撃が、自らの行動を如実に物語っていた。
甲子の仇をこの手で討てなかった事への、身勝手な怒り。
目の前の少年が新たな「悪」なのではないかという、僅かな疑念。
それら全てがレッドを衝動に駆り立てた。
気がついた時には既に遅かった。
自分の右手に残る衝撃が、自らの行動を如実に物語っていた。
だがその途端、レッドは早くも後悔することになる。
いくら何でも、まずかった。
少年は純粋にさらの死を悲しんでいた。それ位はレッドにも分かる。
例え芳槻が『悪』の存在であろうとも、目の前の少年には関係のないことだ。
ましてや、少年がさらを殺したなどと考えられるはずがない。
いくら何でも、まずかった。
少年は純粋にさらの死を悲しんでいた。それ位はレッドにも分かる。
例え芳槻が『悪』の存在であろうとも、目の前の少年には関係のないことだ。
ましてや、少年がさらを殺したなどと考えられるはずがない。
(クソっ!俺は…)
結局、レッドはまた誤解してしまったのだ。
いきなりの出来事に驚いたのか、少年は口を開かない。
何も分からぬままに腹を殴られたのだ、それも当然だろう。
自らの行為の謝罪をするため、レッドは十波のもとへ歩き始めた。
いきなりの出来事に驚いたのか、少年は口を開かない。
何も分からぬままに腹を殴られたのだ、それも当然だろう。
自らの行為の謝罪をするため、レッドは十波のもとへ歩き始めた。
● ● ●
~~~~~~~♪
突然、会場内に音楽が鳴り響く。
時間が正午を迎え、放送が始まったのだ。
時間が正午を迎え、放送が始まったのだ。
音楽が鳴りやんでから少し経ち、死者の読み上げが始まった。
その声からは、同情の響きなど微塵も感じられない。
その声からは、同情の響きなど微塵も感じられない。
きっと会場の誰もが、自分の行動を中断してこの放送に耳を傾け始めているのだろう。
● ● ●
十波に歩み寄る途中で、レッドはその放送を聞いた。
東の死を知って、複雑な感情が沸き起こった。
野丸の死を知って、胸に安堵が広がった。
さらの死を知って、放送が真実であると改めて思い知らされた。
東の死を知って、複雑な感情が沸き起こった。
野丸の死を知って、胸に安堵が広がった。
さらの死を知って、放送が真実であると改めて思い知らされた。
そして何よりも、この場で未だに殺し合いが続いているという事実がレッドを苛立たせた。
――俺はこんなところで、何をやっているんだ?
自分がこうやって空回りしている間にも、死んでいる人がいるかもしれないのに。
不意に猛烈な焦りに襲われる。
よく考えれば、芳槻さらが死んでいる以上、もうここに長居する必要はないのだ。
自分にはまだ、平山の死の原因となった二人組を探すという使命が残っている。
不意に猛烈な焦りに襲われる。
よく考えれば、芳槻さらが死んでいる以上、もうここに長居する必要はないのだ。
自分にはまだ、平山の死の原因となった二人組を探すという使命が残っている。
居ても立っても居られなくなり、レッドは十波へ向かっていた歩みを止める。
レッドの体はゆっくりと方向を変え、屋上の入口へと向き合う格好になった。
レッドの体はゆっくりと方向を変え、屋上の入口へと向き合う格好になった。
怪訝な顔をしている十波に背を向け、そのまま彼は走り出した。
この殺し合いを止めるために、十波への謝罪も忘れて。
この殺し合いを止めるために、十波への謝罪も忘れて。
【F-3/学校/グラウンド/一日目/日中】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:殺人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前に殺す
2:1のあと病院に向かう
3:黒野鉄斎の保護
4:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
5:ほるひすを守る
6:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:殺人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前に殺す
2:1のあと病院に向かう
3:黒野鉄斎の保護
4:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
5:ほるひすを守る
6:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る
【十波典明@パワプロクンポケット10】
[状態]:「人を信じる」という感情の復活?
さらを失ったことによる大きな喪失感、右上腕に怪我
[装備]:バタフライナイフ、青酸カリ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]基本:さら……
[備考]
1:……?
2:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。
3:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
4:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、殺し合いに乗っていると思っています。
5:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。
6:さらが過去から連れてこられた、と思いました。
[状態]:「人を信じる」という感情の復活?
さらを失ったことによる大きな喪失感、右上腕に怪我
[装備]:バタフライナイフ、青酸カリ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]基本:さら……
[備考]
1:……?
2:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。
3:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
4:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、殺し合いに乗っていると思っています。
5:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。
6:さらが過去から連れてこられた、と思いました。
※北側校舎屋上に十波が蹴飛ばした機関銃(残弾中程度)が落ちています。
※本当に「人を信じる」という感情が復活したかは、後続の書き手さんにお任せします。
復活しなかった場合、
1:信頼できる人間とは「何故自分と手を組むのか、その理由を自分が理解できる人物」を指します。
2:逆に「自分の理解できない理由で手を組もうとする人間には裏がある」と考えてます。
復活しなかった場合、
1:信頼できる人間とは「何故自分と手を組むのか、その理由を自分が理解できる人物」を指します。
2:逆に「自分の理解できない理由で手を組もうとする人間には裏がある」と考えてます。
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| 090:CHERRY BLOSSOM~戻らない歯車~ | 十波典明 | ― |
| 093:迷走ヒーロー | レッド | ― |