- イ 渡嘉敷島について
- (イ) (赤松命令説を否定等する文献)*
h 知念証人及び皆本証人の各証言(ha)
(a)(知念証人)*
知念証人は,第三戦隊の小隊長として赤松大尉とともに渡嘉敷島を守備していた者である。
知念証人は,陳述書に
「私は,正式には小隊長という立場でしたが,事実上の副官として常に赤松隊長の傍におり」
と記載した上で,証人尋問において,「沖縄県史 第10巻」の体験談に赤松大尉の自決命令はない旨記載したことについて,正しい供述である旨証言し,
「自決命令はいただいておりません。」
などと証言している(甲B67)。
知念証人は,琉球新報のコラムにおいても赤松大尉が自決命令を出していない旨途べている(甲B44)。
※知念証人に関する目取真俊氏の法廷傍聴記
(b)(皆本証人)*
皆本証人は,第三戦隊の中隊長として赤松大尉とともに渡嘉敷島を守備していた者である。
皆本証人は、集団自決の起こった昭和20年3月28日の自らの行動について,午前1時ころに主カ部隊と合流した,同日午前3時ころに赤松大尉の下に報告に行ったが,自決命令に関する話は一切なかった。翌29日になって部下から集団自決が起きたとの報告を受けた,赤松大尉とは親密に連絡を取っていたが,同年8月15日の終戦に至るまで赤松大尉自身からも他の隊員からも,赤松大尉が住民に自決命令を出したという話は一切聞いていないなどと証言している。
皆本証人は,「WILL」(平成17年12月号,甲B86)に「中隊長の見た現場」という論稿を寄せ,同趣旨を記載している。