| お題 |
事実を真実と受け入れる |
| 開催期間 |
07/08/12~07/08/22 |
| 参加作品数 |
6 |
| 審査員 |
3人 |
| 本スレ |
19の293-319 |
| 議論スレ |
15 |
【チャンプ】
【準チャンプ】
作品一覧
【審査員】
- 青メガネ ◆ZtF6f3ypqw
- 日雇いくん ◆HIyaTOiQcI
- みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ
【採点レス】
310 名前:青メガネ ◆ZtF6f3ypqw [sage] 投稿日:2007/08/21(火) 01:48:35 ID:sPQ2k+Vj
>>296>>301に1点で
311 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 02:24:06 ID:RfyMPz7z
>>301 に
1点差し上げます。
312 名前:みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2007/08/21(火) 07:29:24 ID:fiCENYt+ ?2BP(391)
>>301に一ポイント
作品
獏
バリバリ食う
おれはおまえたちの寝言を山盛りで食う
おれは人間のすべてを愛するがゆえに
おまえたちの誰一人をも愛することがない
博愛の正体ってやつがこれだが、もちろんかまわないだろう
天候で変わるような美しい心情ではなく、不潔だが永遠の理性で愛されているのだ、おまえは
現実は見るしかない、真実は想像するしかない
おまえたちはお互いに言葉が通じないがゆえに現実を崇める
個別の脳に像を結ぶ現実を共有できると思っている
自分の想像力に不安を覚えているせいだ
己の想像に他者の介入する余地がないことを恐れる
想像の絶対性に目を背け、現実の相対性にすがりつく
自分たちが精神病棟の外にいると信じたいがゆえに
共有できる現実などない
絶対であるものにしか自由はない
おれはおまえたちが現実と呼ぶ寝言を愛す
おれがどこにいようとおれは自由だからだ
おまえたちの寝言をおれは食い、おれのひそやかな博愛を肥え太らせる
296 名前:獏[] 投稿日:2007/08/13(月) 02:50:56 ID:qtcFVW53
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>296 ばくさんのかばんしか思いつかないなあ。
事実を受け入れる
『事実を受け入れる』
彼女はサガンを読んでいた
秋は夜長 雲ばかり
僕は焼酎 飲んでいた
月は白粉塗り忘れた 真っ赤っか
―ゲラゲラゲラゲラ
名前の知れない観葉植物が枯れている
半月放っておくと固い葉は腐った
友達が昇進した
僕はクビになった
蟻がいなくなった
巣穴も見えなくなった
昔の彼女が湖に飛び込んだ
ニュースで伝える彼女の苗字は変わっていた
――事実を受け入れる
今年は雪が降らなかった
彼女は降ったと言う
今も降っていると言う
僕達はアパートを追い出された
地球の反対側でまた戦争が起きた
テレビは嘘をつかないと彼女は言う
僕達の住んでいる街に毒ガス攻撃が行われた
僕のお母さんが死んだ
僕の弟も死んだ
僕の彼女は生きている
今 彼女は隣でサガンを読んでいる
僕は野球バットで彼女を破壊した
297 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/08/14(火) 04:11:59 ID:FKVzbIwf
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>297 ご愁傷さまでした。
傍ら寝の夜に、髪薫る子に
悲しいけれど
足を折り畳み眠りに入る
小さな手を取り隣で眠る
巡る朝日に勇気は来ない
引き絞るような静けさだけ
秋休みならもう十分だ
生き 生きとした
萌え立つような
癒しが今は必要なだけ
299 名前:傍ら寝の夜に、髪薫る子に[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 00:32:09 ID:FDIK8gmJ
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>299 よくわかんないけど耐えているんですね。
もう
半年の、契約期間が終わり、ぼくは仕事を終えた
今日は暑かった
――ちょっと、せっかく勝ったのに、負けないでよ
カープファンの女性職員が、ベイスターズファンのぼくをなぶる
ヤクルトも勝ったので、カープは相変わらず6位だった
――残念だったですね
――ほんとよお、もう。寺原、もう、ダメなんじゃない?
――まだまだ、ですよ
ぼくにしろ、半年限りの意識はあったから、つまり、そういうつもりでいた
打ち上げは6時から、課長代理が店をとっていた
――宮木さんは、どうやって行きますか?
――うん、歩きで キミは、自転車?
――そうですよ、じゃ一緒に行きますか、ぼくも自転車押して歩きますよ
「おかげさまで仕事がはかどりまして、ありがとうございました」
半年の間、いつしか、ぼくも、職員の立場で仕事をしていたから
室長のよそよそしい敬語が
もうぼくは
――1階で、待っててね でも 私 凄い格好だよ
――ボランティア精神で、付き添いますよ
日光アレルギーの彼女は、長袖に手袋、それに日傘にスカーフ
――陽に当たると、酷いですか
――昔は30分くらいで治まったけど、もうね
ぼくは荷物を背負い、彼女のバックを前カゴに入れて
――もう、33ですからね なかなか、引きませんか
――なによ
「キミのおかげで、助かりました」
居酒屋の店先で、酔いに謝せられる、言葉はぼくを、ぼくも
明日からは
「いつでも、遊びに、来てよ」
いつでも、遊びに、来て、よ
――もう、この歳になるとね、友達が、次から次と
――結婚していきますか 宮木さんは、結婚は
――そんなの、まだまだ、よ もう
――本当に、助かったわ、仕事も、はかどって
――そう言ってもらえると、ありがたいですけど
――半年間 短かったけど、ありがとうございました
ぼくは、ひとつだけ、だけど、もう
300 名前:もう[sage] 投稿日:2007/08/15(水) 22:55:09 ID:UMjRhQ2O
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>300 さみしいんですかねえ。
グッバイ
本当に
ほんとうに さようならをする人には
サヨナラも 告げない
きっとそう
きっとそう
きっと そうするのでしょう
今までが そうであったように
本当に
ほんとうに さようならを しなければならない時
このくちびるに なんという
言葉を 浮かばせられるか
わたしは 知らない
知らない わたしは
サヨナラのかわりに
「グッバイ」 という言葉を
えらんでみて
できれば なんとか
なんとか 軽く
なんでもないように やさしく
けして冷たくならないような
グッバイ を
と思うのです
本当に
ほんとうに その時が来た
そのときには
サヨナラでなく 「グッバイ」 と
つぶやく程で かまわないからと
さようならをする人のことは想わずに
思ってみて
グッバイ
先のことはわかりませんが
その時に なってみなければわかりませんが
グッバイ
今言えることといえば たったそれだけで
ほんとうに
さようならをする人には
サヨナラなんて
告げないのでしょうが
ほんとうは
301 名前:グッバイ[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 23:11:32 ID:YdZggnmV
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>301 そんなのやだ。グッバイすら言いたくならないと思うよさみしい事だけど。
何も無き夜の夏
「真実の対義語は、嘘?」
「いや、そうじゃない」と、蝉が言った。そのあとで
「誰もそうは、言えないけれどね」と彼はつけ足した。
夏の、甘くまだるっこしい夜だった。
ぼくは目白台の急な下り坂を、早稲田に向かって歩いていた。
コインランドリーでは相変わらず機械たちが沸騰しそうになりながら回転し続け、
銭湯からは見えない湯気とともに低くくぐもった桶の鳴る音が聴こえてきた。
昨日、妻が死んだ。
人生における喪失自体は、そう珍しいことじゃない。
「事実を認めようとしないから、あんたはいつまでたっても就職できないんだよ」
そう言っていた母は、全身をナイフでめった刺しに刺さされて死んだ。
「普通の会社へ入って、普通の家族を持って、平凡な人生を送ることのどこが悪い?」
そう言っていた親友は、車ごと柱に突き刺さって死んだ。
いずれの場合も、不思議と悲しくはなかった。
ぼくもみんなと同じように事実を真実として受け入れようとしたし、またそう努力もしてきたからだ。
そんな僕を妻は、非人情だと言った。
ぼくもその通りだ思う。
いつの間にかぼくは当たり前のことを真実として機械のように処理し、それが正しいと思うようになっていた。その方が楽だからということに、薄々自分で気がつきながら。
目の前を、一匹の黒猫が通り過ぎようとし、目が合ったところで足を止めた。
「探しにいかないのかい?」気だるそうな抑揚のない声で、彼は訊ねてきた。猫はいつだってこんな声だ。
「何を?」
「君がいいと思うところをさ。」
「だって、」とぼくは言った。「そんなのとは関係なく、ものごとは過ぎ去ってくんだ」
ふうん、と猫は鼻を鳴らすと、興味を失ったというように尻尾を垂れた。
「そんなら、別にそれでいいけど。」
猫はそれだけ言うと、何か他に興味のあるものを見つけたのか、さっさとぼくの前から姿を消した。
あとにはもう、何も無かった。
相変わらずうだるような空気はあたりに充満していたし、この世界に悲劇なんてものはないと思われた。
真正面には巨大なビルが直立し、全ての窓という窓から、黄色い光を発していた。
その黄色い光を食べに、はるか6千億光年先の星々から虫のような粒子が集まって来ていたとしても、それはそれとしてぼくの心臓は毎分60~70回の鼓動を繰り返しながらぼくを生かしている。
「今晩は」と道端に小さな花輪をつけている〈祈り花〉が言ったような気がした。
「今日はとても暑い夜ですね」
ぼくはそれには何も応えず、ただ羽を持った世界中の言葉という言葉に呪詛をわめき散らしたい気持ちでいっぱいになりながら、マッチで煙草に火をつけ、マッチの火が自然に消えるのを待ってから、それをゆっくりと投げ捨てた。
そしてあとにはもう、ほんとうに何も無かった。
302 名前:何も無き夜の夏1/2[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 23:23:50 ID:45cw/Yok
303 名前:何も無き夜の夏2/2[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 23:25:57 ID:45cw/Yok
【コメント】
309 名前:日雇いくん ◆HIyaTOiQcI [] 投稿日:2007/08/21(火) 01:19:43 ID:RfyMPz7z
>>302-303 あのあたりにまだ銭湯ってあるんだへーって思っただけだった。
最終更新:2007年09月19日 01:29