「たくよー、ブチョーめぇ!俺が異動だとよ!『君は田舎が好きかい?』はぁ?ドラマ見すぎだってのぉ!」
キキィーー!!ドカン!!
男の意識と命は一瞬で途切れた
第一章、天国
「うっ……うぅ…頭いてっ…昨日は飲んだからなぁ………ん?ここどこだ?」
男は美しい花園の中にいた
あまりの美しさにしばらくボーッとしていたが、男はあることに気が付いた
「……まずい…ここは誰かの家の敷地だ…酔った勢いで入っちまったにちげぇねぇ……さっさと逃げよ……」
逃げ道を探してみると、向こうの生け垣の下に穴があるではないか
「よし、なんとかくぐれそうだぞ……うん…ちょっと小さい…いてっ!あっ!こりゃバラだ!」
「もしもし?」
男は突然後ろから声をかけられた
「わっ!わわっ!」
「いけない!気をつけて!!」
「こっ、これには訳がありあっ…あぁーーーーー!!」
なんと男は生け垣の『影』から下に落ちてしまったのだ
「あれまぁ、ホントに堕ちてしまいましたか…影が地獄への穴だってのは常識だろうに………」
第ニ章、地獄
「あーーれーー!!」
男は暗闇をどこまでも落ちていた
「あーーれーー、あーーれーー、あーれー?」
なにやら下に明かりが見える
男は考えた、この高さから落ちたなら、もう絶対におだぶつだ。
「あぁ、短かい人生だった…ユリエ…帰れなくてごめん………」
その頃地獄では、閻魔大王がいつものように罪人を裁いていた
「貴様はしっかりと罪をおかしている」
「そんな!私は真面目だけがとりえで!」
「嘘をはけ!貴様は立ち小便の常習犯だろうが!!人生で258回も立ち小便をしているぞ!!」
「そっ…それは…」
「釜湯でだ、連れて行け」
すると哀れな男の左右から屈強な鬼が2人現われ、男を引きずって行ってしまった
「ふぅ、まだこんなにいるのか…」
閻魔は分厚い帳簿を眺めながらつぶやいた
「…しかし、そんな苦労も明日まで、明日になれば注文したワシそっくりのロボット『自動判決機器』が届く!これで楽できる!!はっはっ、裁くのはワシだから誰もワシを裁けんぞ!!」
その瞬間、閻魔の頭上の空気ダクトの穴から飛び出した男が、閻魔の頭にぶつかってきた
哀れ閻魔は首の骨を折って死んでしまった
一方男は閻魔の首をへし折った勢いのまま、近くにあった閻魔の鏡に飛び込んだ
終章、現世
「もう!あの人昨日は帰らなかったのね!!どうしてくれましょう!」
ユリエは憤慨していた、昨日は交際3年目の記念日だったのだ
「大事な記念日すっぽかして!ただじゃおかないんだから!!」
ドガシャガラガラン!!その時隣りの自分の部屋からもの凄い音がした
「えっ!なに!」
ユリエの部屋の鏡から飛び出した男はタンスに突っ込んでフラフラになっていた
「こっ…ここわ…」
「キャー!アンタなにやってんの!!なんで何タンスぶっこわしてんの!!なんで私の下着に頭突っ込んでんの!!!」
「ユリエ…ユリエか…よかブヘェッ!」
強烈な回し蹴りが男の頬にめり込んだ
「今日は生きてここからでられないから」
死の恐怖、それしかなかった
最終更新:2009年09月02日 20:48