私はなんのために生まれたのだろう。時々そう思う。
学校へ行って、クラスメートと話して…ヒマつぶしにある建物へ行って、話し込んでいた。
満足しているはずだった。


ある日私の前に現れた少年。彼は魔神だった。
彼は私に言った。「私とあなたって、他人とは思えませんね」と。
彼はそう言ってほほ笑んだ。

彼の本当の姿を見たとき、私は怯えはしなかった。いつも気弱な私が、怯えなかった。
自分でもなぜだろうと思った。でもその問いに答える気はなかった。

そして彼は私に告白した。真っ赤にして「好きです」と。
ここでも私はどういう表情をすればいいか分からなかった。なにせ告白などされたことがなかったのだ。
とりあえず私は感謝の言葉だけ述べ、受け入れた。

自覚はあまりないけど閻魔様の弟子になり、傍観者や生物と仲良くなり、私は満足していたと思った。





ある日私の前に現れた天才。天才はこう告げた。
「お前は宿命に従い、同じ存在である僕と共に朽ち果てる」

つまり私は、死ぬ。
ここでもどういった表情をすればいいのか分からなかったが、それよりも恐怖と不安が私を覆った。
そして硬く決めた。
『周りはこれを知ってはいけない』と。
せめてこのことを知っていいのは、遠いようで近い、あの先輩だけ。

だから魔神にもよそよそしくしてしまうけど、許して。あなた達に迷惑をかけるわけにはいかないのだから。
ソファーで楽しくおしゃべりしている者たち_私の事を記憶から消して楽しく喋りしててね。


私の事など、私の王子様以外には分からないから

そして何時しかできた、今までになかった心_それは『軽蔑





ねえどうして?どうしてあなたはそこまで私に構うの?私に関わらなければ、あなたは幸せに暮らしていたのよ。
え?「行ってはいけない?」 何処へ?
私は王子様と共に朽ち果てる、これは運命なのよ。
「朽ち果てる」って意味を知ってる?「人に知られないまま、空しく死ぬこと」よ。ほんと、言葉どおりの意味ね。

じゃああなたにだけ、教えてあげる。
私があなた達を見下していたことを


彼らはいつも『わたし』は『わたし』だと言ってくれた。そういって彼らは私を助けた。だけど、みんなは知らなかったみたい。
その『わたし』がなにかというのを。
私は異端なの。みんなは並はずれた者すごいチカラを所持しているのに、私は違った。何もかもが違った。私は底無しの劣等感を持ちながら、自分の存在意義に常に疑問を感じていた。

そんな強いチカラを持っているくせに、彼らは私に接してくれた。だけどね…


『わたし』というものが何なのかというのに気付いた者は一人もいなかった



だから、彼らにお礼を言ってあげて下さい。
お友達とか、お仲間の気分はほんの僅かだけ味わえました」とね。







「ね、私の可愛くて、優しくて、愚かな王子様」

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最終更新:2014年03月01日 18:34