平成……そこは、工業が盛んになり、様々な機械が発売される時代。
テレビもアナログから地上デジタルに変わり、高画質になった。
だが…

2012年_____


「昔か…」
男装の麗人、佐月はそう呟きながら自分の家の玄関の扉を開ける。

「ただいまー」
家にはだれもいない、両親は仕事のようだ。

「いっそ昔のを体験してみたいなー……」
佐月はそう言いながら自分の部屋にバッグを置き、仰向けになる。
「とりあえず…ねっ転がる」
おい、お前はのび太くんか。


…だが彼女は知らなかった。


あることを体験するという事を……。







1970年_____


「せんぱーい。待つでヤンスよー!」


小さい学ランの少年は慌ててバッグを引きずりながら向こうのサングラスの少年を追いかける。
「おっ!五郎!」
「先輩時間がないでヤンスよー」
「そうでぃ!ひろし、ど根性で行ってみろぃ!」
シャツに張り付いている黄色いカエルはサングラスの少年、「ひろし」にそう言う。
「うるせぃやぃピョン吉!言われなくても分かってるよ!」

とど根性で走り、学校へ向かおうとすると……


「あっ!ひろし君」


セーラー服の少女に声をかけられる。

キキィィ!
足をブレーキ。
「いやぁ京子ちゃんおはよう!」
「またど根性で遅刻から逃れようとしてるのね?」
「いやぁ…アハハっ!」
「早くいかないと遅れるわよ!」
と、セーラー服の少女、「吉沢京子」は走って学校の方へ行ってしまった……。
「京子ちゃん…」





「先輩何してるでヤンス!間に合わないでヤンスよ!」

ひろしの浮かれきっている状態を五郎はそう我を返らせる。


「あっ!いっけねぇ!!京子ちゃーーーーーん!!」





また戻って2012年_____


~佐月の部屋~
「うーん……白黒テレビ、カラーテレビ、車、ローラー式洗濯機…」
と、身体を起こし、歴史の資料集を眺める。

「どれも古いなー…。でも体験してみたいなー」
すると…


「ん…グフッゴホッ!!」
突然の咳。
そして…

「あぁ……」
バタッ


倒れた。









そのあとは…覚えていない。

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最終更新:2012年02月07日 16:51