~日影神社~
シャッシャッシャッ
巫女、火影礼子は今日もほうきで葉っぱを掃いていた。
「ふー…ちょっと疲れてきたなぁ……あら?」
鳥居から誰かが来る気配を感じた礼子。
「お参りに来た人かしら……」
「神社ですかー……」
「えぇ、ここは御守りとかも売ってるの」
観光目的で来たらしい悟飯に碧は案内している。
「……」
「どうしたの?ピッコロさん」
「…何でもない」
ピッコロはあたりを見回している。
そりゃそうだ。神社なんてナメック星では見たこともないだろう……多分。
「(お参りに来た方かしら…でも何かしら?あのターバンにマントを付けた奴…)」
礼子はほうきで落ち葉を掃くふりをして神社に来た方を観察。
「(いかにもあの格好は怪しいわ…きっとあの二人を襲ったりするんじゃないでしょうねぇ……。第一…)」
「(緑色の皮膚からして人間じゃない!!)」
完全なる思いこみである。
「御守りでも買いに行きます?」
「そうね」
すると碧はポケットから1000円札を出し、悟飯とピッコロに渡す。
「なんだこれは…」
「お金」
即答する碧であった。
「御守りなどとは効果があるものなのk」
スタッ!
「現れたわね!魔物め!」
ピッコロが言い終わらないうちに礼子の巫女モード(?)発動。
「何だ貴様」
「ピッコロさん知らないんですか?巫女ですよ。ここの補佐する人d」
「聖域に入る邪悪よ!今退散してやるわ!」
悟飯の説明もむなしく置かれ、礼子は懐から「悪霊退散」と書かれたお札をとりだす。
「(悟飯さん。この巫女さん彼を誤解してるんじゃ?)」
「(…あり得ますね)」
「……」
ピッコロは無表情に礼子をじっと見る。
「そんなに余裕なのね。では……」
礼子は目を閉じる。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前………!!」
ピシィンッ!
念入りされた札はピシッとまっすぐに立つ。
「悪霊……」
ダッ!
一方的にピッコロへ走り出す。
「退さ…」
ガクッ!
「キャァ!!」
ベタッ!
足をくじいてしまい、彼の目の前でずっこけてしまう礼子。
数分後……
「な…なんて強敵なの……!?私の札がきかないなんて……!!」
「「全然違うと思います」」
彼女の激しい思いこみと勘違いに碧と悟飯は心の中でそう突っ込む。
「とりあえず、僕達はただここの御守りを買いに来ただけですから……」
悟飯はなんとか礼子に誤解をとかせようとする。
「……そうだったのですか!?いやはや申し訳ございません。この私がこのような無様な格好を見せられて…」
頬を赤くする礼子。
「悟飯。誤解はといたのか?」
「はい!」
ピッコロの問いに悟飯は大きく首を下に動かした。
「これが……」
「えぇ。何にいたしますか?」
小さな木製の建物に御守りがずらりと並んでいる。
最終更新:2012年02月16日 16:41