「……」
碧は無表情だったが心の中では驚いていた。
何故会ったこともない人物にそれが分かるのか……。
嘘をつくわけにはいかない。
碧はそんな感じがした。

「違いますか?」
青年の言葉に我に返った。
「……えぇ」
小声でうなずいた。
そして一番訊きたかったことを述べる。

「何故それが分かるのですか?」


「……」
青年は答えていいか答えない方がいいか、そんな顔をしていた。
そして…

「僕の師匠あなたの気を感じたとおっしゃいました」
「私はテレポートくらいしか…」
「でもピッコロさんがあなたの瞬間移動に興味がありまs…」
ガラッ
襖が開く。
「ねえ、なんか屋根の上に緑色のがいる気がするんだけど」
朱太だ。
「緑色の?いる?」
「まさか……!」
青年は突然和室を出た。
「(知ってるのかな?)」


~屋根の上~
ビュゥン!
「何してるんですか?ピッコロさん?」
青年が飛んでターバンとマントを付けたピッコロという奴にそう言う。
「なんだ…待ってただけだ。奴は?」
「え、えぇ」
「分かった」
スタッ
屋根から飛び降り、着地する二人。
ガチャッ
「どうした…の……!?」
碧たちが来た。だが碧は驚いた。
「あーあ。随分と変わった客が来たようだな」
朱太はそれだけ言い、
「あら…夕食どうしましょう?」
泊まらせるつもりなのか、そう小さく緑里は言った。

「その緑色のは……?」
指した指がかすかにふるえている。

「あぁ、紹介が遅れました。僕の師匠のピッコロさんです」
「……」
ピッコロは無表情にこちらを見つめる。
「で、そのピッコロさんとやらが私の力に興味があると?」
「興味ではない。ただ気になるだけだ」
ぶっきらぼうに答えるピッコロ。
「ふーん……」
「まぁ、立ち話もなんですから、家に入りましょう」
この緑の一言で場所が変わった。


~和室~
「(戻ったな…)」
碧はそう思った。
「ピッコロさんは、お茶にしますか?」
「…水でかまわない」
「分かりました。そのタ-バン取ってもいいのよ?」
「いや、いい…」
緑里は和室を出た。
バリッ
「で、テレポートしか使えないような碧になんで気になるの?」
せんべいをバリバリ食べながらそういう朱太。
「(お兄ちゃん…)」
無礼さに呆れる碧。
「相手になって欲しい」
「はい?」
ピッコロの言葉に理解できない碧。
「貴様の実力が知りたい」
「え……」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年02月19日 15:54