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「ハァ…」

女になってしまったうまいぼうのため息が、今度は風呂場に響く。
業火はすでに上がっている。プロパティコントロールの影響だろう、持参した着替えの服を着てリビングにいるはずだ。

「アシベのやろー…今度会ったら絶対許さねぇ…」

そう言いながら女になった自分の身体を洗っていた。
何故だか何の苦もなく洗う事が出来た。これもプロパティコントロールの影響であろう。

しばらく湯船に浸かって、上がった。
身体を拭いて、洋服箪笥に入っていたワンピースの様なパジャマを着た。
寝巻きは全て女物になっていた。
因みに彼は、いや彼女は一連の動作で自身の身体をまともに見ていない、よほど恥ずかしいのだろう。

「ふぁー…いつになったら戻るんだろ…」

うまいぼうは自室でくつろいでいた。窓からは夕陽が差し込んでいる。

「さっさと寝ようかな…これは悪夢だきっと…」

コンコン、とドアがノックされた。今ノックする人物は一人しかいない。

「うまいぼう……いるか……?」

ドアの向こうから業火の声が聞こえた。

「どうぞー。」

カチャ、と静かな音を立ててドアは開いた。
業火は部屋に入ってくるとドアを閉めた。

「……何の用…?」
「……いや………別に………///」

そう言いながら業火の息は荒くなっている、うまいぼうはそれに気づいた。

「……あ…あのさうまいぼう…俺たちさ…付き合って一年だろ…まだー恋人らしい事も…出来て無いよな………///」

そう言いながら今度はカーテンを閉めた。

「…そう…だね……」

もうどうにでもなれ…うまいぼうはそう思いながら適当に話を合わせた。

「………あのさ、単刀直入に聞くと…俺の事…好きか…?//」
「……うん、大好きだよ。」
「…そっか…////」

今度はうまいぼうに近づいた。
そして……

「…っ!/////」
「!!!!!」

業火が自身の唇をうまいぼうの唇と合わせた。
業火の舌は不意打ちされたうまいぼうの唇をこじ開け、うまいぼうの舌と絡む。

「ぷはっ………////」

しばらくその濃いキスを堪能したが業火が自ら唇を離した。

「ご、業火…?;」
「…すまないな…いきなり…」
「う、ううん、全然平気だよ。」
(ビックリしたー…そんなに大胆だったのあいつ!?;)
「平気、か…」

業火の息はさらに荒くなっている。

「…///」

もみゅ。

「!?!?//」

うまいぼうは驚いた。業火の手がうまいぼうの大きな胸を触っているからである。

「………俺は…知りたいんだ…お前の全部を……////」
「っぅ……///」

業火の手に入る力は少し強くなっている。
振りほどこうとしても今の身体では力不足だ。
そこへ業火は再びキスをした。胸に手をおいたまま。

「んん…////」
「つぅ……///」
(や…やめてくれぇ…!!)

口は塞がれて声が出せない。

その状態のまま、うまいぼうはベッドへ押し倒された。

(おいおいおい!!!これって…あぅ…//)

どうやら段々と快楽の波が襲って来た様だ。
業火は口を離し、

「うまいぼう……可愛いぞ…/////」

と言い、再び口づけをした。
業火の舌がうまいぼうの舌に絡んでくる。今の状態のうまいぼうにはそれすら快楽になっていた。


「んっ…んん……////」
「ぅぁ…っ……/////」

二人の息が荒くなっていく。

「見たい…お前のありのままの姿…」
「……!!!」
(い、今の発言…まさかとは思うけど…)
『そのまさかじゃない?』
「!!!」

いきなりうまいぼうの頭に声が響いた、この声、間違いない。

(アシベか!!)
『正解ー、プロパティコントロールで俺を超能力使いにしたから。テレパシーで話して、念写でそっちの風景を見てるよー。それより、何とかしないと楽しい事になっちゃうと思うよ?』

その言葉の通り、業火はうまいぼうの胸を揉み、口づけをしながら、ワンピースのようなパジャマを脱がそうとしている。

「俺…もう…抑えられないぜ……うまいぼう……////」
「んんーーーーー!!!」

業火が発言するとき以外は口を口で塞がれてしまって言葉が出ない。

『ねーねー、このままでいーのー?まあ俺もオイシイ状況見れて良いんだけどー。』
(良い訳…無いだろ…あぅ……//)
『あらあら、女の子の身体に馴染んでるー?可愛いねー。』
(あぁ…ぅ……は…早く…早く戻せ……っ……///)
『んー?それが人に頼む態度かな…?』
(なんだと…うぁ…//)
『ほら、ちゃんと頼むときは敬語でしょ?』
(……お、お願いします……あっ……どうか……許して…あぅ…下さい……///)
『んー、テレパシーでサボっちゃダメだよー。ちゃんと君の口から言わなきゃ。』
(何っぁあ……この状況…分かってるのか…あぁぁ……///)
『分かってるから言ってるんだよー。ほら早くー☆』

「っつぅ!!!」
「うぉ!?」

うまいぼうは力を振り絞り業火の口づけを振りほどく。

「アシベェェ!!!お前と喧嘩してしまってェェ!!!すみませんでしたァァァァァ!!!」





しばしの静寂が部屋に響いた。

「……な……っ………うまいぼう……!?!?あれ!?!?なんで俺こんなところに!?」

いきなり人が変わったかの様に業火は混乱していた。
どうやら、業火の「認識」が解除された様だ。
記憶もそれに合わせある程度消えた様だ。

「あれ…何この状態……」

自分の手に触れているものと体勢から考えていた様だが、すぐ結論が出た様だ。

「…………!?!?!うう、うまいぼう…!?…え!?!?えーと…………」
「ご…業火ー…?」
「えーと………ーーーよくわかんないけど…す、すみませんでしたァァァァァァァ!!!!!」

バリィィィン!!と窓を突き破り夕陽で赤く染まる道を疾走していった。

「…………」

うまいぼうは服が乱れたまま某然としていた。

「あーあ、もうちょっとでもっと面白くなると思ったのにー。」

部屋には何時の間にかアシベが居た。

「ったく…本当にどうなるかと思ったよ…早く男に戻してくれ。」
「はいはい、ちょっと待っててねー。」





ーーーそれから数日後、平和な日々が流れていた。

「はぁー…この間は酷い目にあった…」

うまいぼうはしっかり男に戻っていた。

「よぉ、うまいぼう。」

声をかけて来たのは業火だ。

「あ、よ、よぉ…業火………」
「どうしたー、そんなオロオロして。」
「この間さ、俺たち、何か話さなかったっけ?」
「?いや?ここ数日はぶらぶら現世を歩いてたが。」
「そうか…うん、それだけ。じゃあな。」
「ああ…じゃあな。」
(変なヤローだな…)

「本当になかった事になってるのか…」
「まあまあ、俺は楽しかったしー。」

そういうアシベは先日のうまいぼうが業火に襲われる様子の写真を持っていた。

「あ、お前それ!!!」
「ふふふー、バッチリ写ってる♪」
「このヤロォォォォォォォォ!!!」

逃げるアシベを追いかけるうまいぼう、平和な風景が流れていた。

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最終更新:2012年08月16日 17:44
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