8月末日。夏休みも、もう終わりと言う頃。カレンダーを捲ると赤い丸印が。
そう、明日は学校が始まる日だった。
関係ないと、今までなら唾を吐き捨て登校義務と言うのを無視していただろう。だが、今年は違った。
学校へ行こう、と思った。気まぐれ、と言うのもあるのであろうが、僕には変えられない理由が存在した。
いつもの様に、パソコンの電源を入れ、とあるチャットへと誰かが来ないか待機していた。そこに、彼女が居た。
彼女と僕はすぐに仲良くなった。僕はいつしか彼女との会話を生き甲斐に感じる程に。彼女が僕のことを暇潰しの道具と考えてたとしても、ネットの仲だとしても、僕は彼女に惹かれて、友達。僕の妄想だとしてもそう思ってた。いつしか個別チャットで話す程の距離になっていた。
『大町中』彼女はそこに通っているそうだ。そう、僕と同じ学校だ。
後は、言わなくても分かるだろう。彼女に会うため、明日学校へと。
机には手付かずの宿題が放り出されていた。


当日、僕に目線が集まった。当然だ。僕は普段、学校に来ていないから物珍しいのであろう。
授業、部活、どちらも軽く流していた。彼女の事、僕にはそれしか頭に無かった。
待ち合わせの校門。彼女が僕の日常を変えてくれた。
「…おい、久しぶりだなぁ」
頭上から聞こえる、耳障りな雑音。
彼等が来た。僕をいじめるグループ。
十文字 初 を筆頭とした、学校一の不良で有名な、『チーム、バース』
だ。
彼女に会う、勿論そんな事僕にはうまくいくわけないのであった。

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最終更新:2012年08月11日 15:11