クインテットとは

クインテットはかつて存在したゲームメーカー。
イースシリーズの1~3を制作したスタッフが独立して設立した。
中心となったのはイースのプログラマー橋本昌哉とシナリオの宮崎友好。
エニックスからスーパーファミコンで発売された作品が有名だが、色々あって現存しない。

クインテットの魅力とは何か

ゲームをプレイする際何を重視するか。
どの部分が良ければ好きになるか。

RPGが好きな人はシナリオ(物語、ストーリー)をあげる人が多いだろう。
しかし、シナリオの良いゲームを作るのは難しい。
クインテットの社名は音楽用語のクインテット(五重奏)から来ている。
ゲームを構成する「プログラマー」「企画」「グラフィック」「サウンド」「プロデューサー」を五重奏に見立てたのだ。
クインテットを構成する要素に(中心メンバーにシナリオの人が居るにもかかわらず)「シナリオ」がないことが、それを暗示しているかもしれない。
更に、社名はカルテット(四重奏)にするつもりが、既に使われていたのでクインテットにした経緯がある。
この時足されたのが「プロデューサー」で「シナリオ」は補欠候補ですらなかった。

物語より先にゲームとしての面白さを追求する。
そんな姿勢があったのか分からないが、スーファミ時代のクインテットは、優れたシナリオである以上に、優れたゲームであった。

プレイヤーが主役

クインテットの作品には神と悪魔がよく出てくる。
ゲームなので敵と味方は大体出てくるが、神と悪魔という両極に位置する存在を置くことで、その間にある「人間(プレイヤー)」をかいてるのだと思う。

私はゲームのキャラがプレイヤーを見る瞬間が好きです。
天地創造でクマリ様がこんな事を言います(ちょっとネタバレ)。
+ ...
「君は運命の輪の外にあって、運命の輪を変えられる人」
このセリフは、本来アーク(主人公)へ向けられたものですが、その先にいるプレイヤーへ向けたものと捉えることも出来ます。
すべての創作物は、触れるもの、鑑賞するもの、プレイする者がいて初めて成立します。
そして、物語に介入できる(と錯覚する)ビデオゲームは、その性質が大きいです。

伝えたいことををあえて曖昧にし、判断をプレイヤーに委ねるのは、とても勇気がいることです。
事実、クインテットの作品は大ヒットに至りませんでした。
しかし、白黒はっきり付けられる世の中は、どこか味気ないものです。

クインテット作品のプレイ環境

ここまで聞いて「よし!プレイしよう」と思ったあなた。
残念ながら、クインテットの作品は気軽にプレイ出来ません。
ソフトのプレミア化はしてませんが、実機購入が第一の選択肢というのはどうなんかね。
(レトロフリークの登場で若干ハードルは下がったか)

スーファミ時代の代表作はストーリーの評価が高いので、やはりプレイしてもらいたいです。
ゲーム夜話さんで天地創造を紹介しています。ネタバレも抑えられてるのでどうですかね。
ゲーム夜話 天地創造

ブライティスやTHEゼロヨンはPSアーカーブスでプレイ可能…
ですが、まぁ、ゼロヨンはやらん方がいいと思うよ。クインテットらしさ全然ないし。

クインテットの謎

このWikiを立ち上げるきっかけでもあった晩年の動向ですが、関係者のTweetによって色々明らかになりました。
  • 公式ページが更新されなかったわけ→開発が忙しすぎて更新できなかったと思われる
  • 倒産に至った経緯→下請けへの未払いを抱えながら次の仕事を回すという自転車操業の末倒産
  • 作品の再販やリメイクが行われない理由→権利関係が整理される前に倒産したから。唯一間に合ったのがアクトレイザー。
最終更新:2020年08月13日 13:44