クインテット作品を復活させるには

クインテット作品が復活することは、非常に困難というのが実情である。
まぁ、そんなのある程度調べれば分かる話なので、実情とは別に復活への道を探ろうと思う。
(ここでいう「復活」とは、作品が配信されるなどユーザーが気軽に買えて会社にお金が落ちる状態を指す)


金と手間
ゲーム会社も企業である以上、利益をあげなければならない。
過去の作品を配信する場合、当時より定価は低くなるが、コストが少なければ前向きになってくれるはずだ。
スクエニでは旧スクウェア作品の配信が目立つが、これはスクウェアが基本内製で、ただでさえ少ない利益を取り合う必要が無いのが理由だろう。
ただし、旧スクウェアの『レーシングラグーン』(配信なし)や、『トレジャーハンターG』(スティング制作の外注だがWiiのバーチャルコンソールで配信)などの例があるので、細かい部分は謎も多い。

複数会社が関わると厄介なのはコストだけではない。
下の例は、一年かけて権利関係を整理し配信(再開)に漕ぎ着けた『リンダキューブアゲイン』の事例である。
リンダキューブアゲイン配信開始
配信と言う事だけに関して言えば、桝田さんもアルファ・システムも一切リスクは無いので、赤字にはなりませんが、使った労力や交通費と言うのを考えると、果たして何本ダウンロードされたら良いのか?
桝田省治による尖ったゲームデザインで、マニア人気のある作品でこう書かれているのである。


権利関係
そもそも倒産した会社の権利関係なんてクリア出来るのか?という問題もある。
ここで見てもらいたいのが以下の事例。
ミニファミコンの週刊少年ジャンプ50周年記念バージョンに『北斗の拳』と『北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝』が収録されているが、この2作品については、著作権法第67条の2第1項の規定に基づく申請を行っているという。
著作権法 第2章 著作者の権利 第8節 裁定による著作物の利用(第67条―第70条)
開発のショウエイシステムは倒産しているため、この制度を利用したのだろう。
この制度を利用すれば、著作権者が不明でも権利関係の解決は出来そうである。
ただ、こちらも相当な労力はかかるだろう。


結局、コストや手間を超越するのは人しかないのでは無いだろうか。
最近(2019年)の明るいニュースとして、初代社長の橋本昌哉氏がイニスジェイに在籍している事が明らかになったことだろう。
こういった方々やスクエニに感謝のメッセージや復刻を願う気持ちを送ることが地味であるが大切なことだと思う。

もちろん、スクエニに入って、そういう面倒事を解決する存在になれればそれが一番だが。
その場合、クインテットに限らず、スクウェア、エニックス両方のレトロゲームまで守備範囲を広げた方が良いだろう。
作品を作るのも復刻させるのも人なのだから。
最終更新:2020年08月11日 23:48