「ここは……?」
「目が覚めたか」
竜が体を起こした。
「あなたは?」
「
木野薫だ。よろしく」
「よろしくお願いします。……もしかして手当てしてくれたんですか?」
「ああ」
木野がサングラスを外した。
思っていたより若そうな顔立ちに竜が少し驚いた。
サングラスをしていた時点では50代くらいに見えたからだ。
「俺は医者だ。応急処置はしておいた。しばらく安静にしていれば平気だろう」
その会話にさくらが割り込んだ。
「あのカブトムシもどこかに行ったようです。恐らく天道さんのところでしょう。…失礼。あなたもテンドウさんでしたね」
竜が苦笑した。
「そうだ、あの三人の怪人は?」
「三人? ……あ」
さくらが木野の顔を見た。
「恐らく君のいう三人目の怪人は俺だ」
その場の空気が一気に重くなる。
「それは、すみません」
竜が小さな声で言った。
□
「グッ!」
涼が頭を押さえながらゆっくりと体を起こした。
喫茶店のような場所で三人の男がくつろいでいた。
「……あなたたちは?」
「セリザワカズヤだ」
「
瀬川耕司です」
「私は風間大介」
目に入った三人の自己紹介をきき、涼も「俺は葦原涼っていいます」と軽い自己紹介をする。
「それより、あの怪物は……?」
「逃げていきましたよ」
「……そうですか」
涼が足を引きずりながら歩いた。
「無理しないでください!!」
瀬川が後ろから止めた。
「あいつを倒さないと、また多くの人が犠牲になる」
「あいつがどこに行ったのかなんてわかりません!」
「涼さん……でしたよね。あいつは放っておいて大丈夫でしょう。ここには変身能力が備わった人間が多いみたいです。私も、この二人もそうですよ。……あなたもそうなんじゃないですか?」
図星だった。
「……葦原くん、あいつには大分ダメージを与えておいた。しばらく休んでおいたほうがいい」
「……わかりました」
涼が喫茶店のソファにもたれかかった。
□
涼が再び目を覚ました。
自分が寝ていた事にようやく気付いた。服についた汗が妙に気持ち悪い。
セリザワ、風間、瀬川も眠りについていた。
ここに連れて来られた当初は夜だったというのに、もう朝の日差しがジンジンと降り注ぐ。
まるで連鎖反応を起こすように、セリザワと風間も起きあがった。
「ふぁ~」
少し間抜けな声をあげて瀬川も起き上がる。
「葦原くん、そろそろ治ったか?」
そういえば、痛みが大分楽になっていることに涼は気付いた。
「ええ。大分楽になりました」
「そうか。それはよかった」
セリザワが遅すぎる朝食を作りに、キッチンへ歩いた。
「セリザワさん、さっき見ましたが食パンしかありませんでしたよ」
「そうみたいだな」
キッチンの上にはトースターと五枚の食パンといちごジャムが置いてあった。
「仕方がない。……トーストで我慢だな」
セリザワがため息をついた。
□
竜、さくら、木野の三人が付近を探索していると九朗ヶ岳に辿り着いた。
「あれは、戦っているんじゃないか!?」
木野が指差した方向には遺跡の前で戦う四つの色が見えた。
赤、白、青、銀。
「あれは!」
竜が指差したのはダグバだった。
「あの怪人は先ほどの怪人のようですね。……うん? あれは、チーフ! どうやら残りの三人は味方のようです。加勢しましょう!」
さくらがアクセルラーを腕に走らせる。
「ボウケンジャー、スタートアップ!!」
さくらがボウケンピンクに姿を変える。
「変身!」
木野もアナザーアギトに変身する。
「クロス……」
「竜さんはここにいてください!」
ボウケンピンクが変身しようとした竜を止めた。
「その傷じゃ当分は戦闘なんてしなほうがいい」
アナザーアギトがそういった後で走り出す。
それに続いてボウケンピンクも走り出した。
──男の子はカブトムシ。間違っていると言われても、正しいと思うならば進むもの。
不意に竜の脳裏にその言葉が浮き上がってきた。
「いくぞ! 総司」
──クロスチェンジャー!!
□
トースト一枚の短い朝食を終え、四人は喫茶店を出た。
喫茶店を出てすぐのところに、青白く光る
魔法陣があることに、風間は気付いた。
「何でしょう? コレ……」
風間がそれを指差した。
「喫茶店に入ったときはなかったですよね? こんなもの」
瀬川がそっと右足を魔法陣の上に置いた。
「うわああ!!」
瀬川の姿が消えた。
『大変です! こっちに来てください!』
魔法陣の向こうから瀬川の声が聞こえた。
「行くぞ!」
セリザワ、葦原、風間が魔法陣に足を置いていく。
すぐにそこから誰もいなくなっていた。
□
「あれは……」
「戦闘だ!!」
風間が思わずそう叫んだ。
白い異形がその声に気付き、こちらを向く。
「待て!」
その直前で青い異形・仮面ライダークウガドラゴンフォームが四人を庇った。
「グワッ!」
人間相手に発した攻撃だったため、まだ弱いフォームのクウガに辛うじて大きなダメージは与えなかった。
「逃げろ!」
「いや! 俺たちもアイツと戦うぞ!」
──変身!!
四つの声が重なった。
□
ボウケンピンクとアナザーアギト、仮面ライダーギルス、仮面ライダーJ、ウルトラマンヒカリ、仮面ライダードレイクライダーフォームが一気に走り出した。
いまさら互いを驚いたりしなかった。
アナザーアギトに襲われたはずのギルスも、ただ白の異形へと走っていた。
「九人がかり? 面白いね。……でも、何人いようと僕は倒せないよ」
ダグバがギルスに蹴りを入れた。
「ウグァゥ!!」
「葦原さん!!」
しかし、ドレイクがダグバを背後から撃つ。
「シルバーブレイザー!!」
「サバイバスター!!」
メガシルバーとボウケンピンクもダグバを撃つ。
三つの銃がダグバを襲う。
「待て!!」
レッドホークがブリンガーソードを手にダグバへ突進した。
「天堂さん! まだ安静に……」
「男の子はカブトムシ。間違っていると言われても、正しいと思うならば進むもの!!」
ボウケンピンクが天道の言葉を思い出した。
「だからって!!」
だがその先の言葉をボウケンピンクは言えなかった。
「ウイングガンドレット!!」
レッドホークの拳がダグバに突き刺さる。
しかし、ウイングガンドレットが燃え出した。
「燃えた!?」
「あんまり調子に乗らないでよね」
今度はレッドホークの体も燃えた。
「何もないところから火を!?」
「僕にはそういう能力があるんだよ」
次はボウケンピンク、ドレイク、メガシルバーの体にも炎が襲った。
「うわっ!!」
だが、ボウケンピンクのハイドロシューターの威力を弱めたもので、火は消火される。
「なーんだ、消せたんだ」
「野郎!!」
メガシルバーが今度はズバーンで反撃した。
「ズバーン!!」
ボウケンレッドがその金色の剣を見て驚いた。
「こんな所でまたお前と会うとはな。よし、もう一度言う……俺がお前を選ぶ! 力を貸せ!」
メガシルバーがズバーンをその手から離した。
「あんたのものだったんだな」
手から離されたズバーンは自動的にボウケンレッドの手の中に入っていった。
「お前も力になりたいんだな。……わかった。行け! ズバーン」
ズバーンが聖剣としての姿から大剣人の姿に変形する。
「ズ・バーン!!」
ズバーンが軽い肩の体操をして、ダグバの前に走る。
「ズババババババババーン!!」
ダグバの体を某世紀末漫画の主人公のように付きまくっていくズバーン。だがその攻撃もダグバにはほとんど効いていなかった。
「効かないよ」
ダグバがズバーンの腕を握り、ボウケンレッドの元へ吹き飛ばした。
「やはり、あいつは強い!!」
「だがこっちは11人だ!! アタック!!」
ボウケンレッドが姿勢を正して、指をパチンと鳴らした。
全員が体を起こして突撃した。
「デュアルクラッシャー!! ドリルヘッド!!」
──夢のど真ん中、心の磁石が
「シューターハリケーン!!」
──目覚める「夢」の鼓動をおしえる
「ズババババババーン!!」
──君は出会うだろう ただ一つだけの
「アサルトキック!!」
──宝が誰にも眠っているんだ
「ウグァゥ!!」(ギルスヒールクロウ)
「奥義!! スプラッシュドラゴン!!」
──Start Up! 熱き魂(イノチ)
「シルバーブレイザー!!」
「ナイトビームブレード!!」
──Shift Up! 迅き血潮
「ウイングガンドレット!!」
──生まれた僕らは奇跡の子ども 無限の夢を追いかけてみよう
「クロックアップ!! ライダーシューティング!!」
「ライダーキック!!」
──GoGoGo!GoGoGo!Ready Go! すすめ!ボウケンジャー
「これが俺たち正義の力だ!!」
全ての攻撃がダグバのベルトに命中していた。
──海を空を谷を 砂漠を越えて
「だけど、まだ……ギリギリやれるかな……?」
ダグバが自然発火能力で周囲を燃やした。
だが、戦士たちは躊躇わずに炎を突っ切って行った。
「こんな炎、俺たちの熱きハートに比べれば、なんでもない!!」
──逃げない!負けない!泣かない! 燃えろ!アドベンチャー
「ねえ、正義って強いんだね。……でも、僕はそれを超えるよ。またいつか蘇って君たちと戦うよ」
「あたりまえだ!! だが正義は必ず勝つ!!」
「いつでも、悪を憎む心に天は味方する!!」
「そっか……」
ダグバが破裂した。
「ミッション完了! グッジョブ!!」
ボウケンレッドのサムズアップと共に辺りが火に包まれる。
その業火の中から十一の陰が横並びに歩いてきたのはその直後だった。
「地球の果てまで 目指せ!ボウケンジャー」
「Go! Go!」
「Ready Go!」
□
「ダグバがやられたみたいだな」
闇の支配者のシルエットが言った。
「まあいい……。そのほうが好都合だ」
そのシルエットが消えた。
□
「倒せましたね~」
そんな事とは露知らず、十一人の戦士はほとんど戦いの後の打ち上げ状態だった。
そして自己紹介をしていた。
アナザーアギトにやられたはずの涼も木野を認めたようだった。
──しかしそんな宴の真っ最中
「ウワッ!!」
明石暁の脳裏に一つの光景が現れた。
「どうしました? チーフ」
「……いや、なんでもない」
それがどんなイメージだったのか。幸のイメージか否か。それは明石にしかわからない……。
【現在地:長野県九朗ヶ岳付近】
【木野薫の持ち物:サングラス】
【
天堂竜の持ち物:クロスチェンジャー】
【
西堀さくらの持ち物:GM01-スコーピオン、アクセルラー】
【明石暁の持ち物:アクセルラー、宏のオルゴール時計、アマダム、バッグ、七星剣、ズバーン】
【
風間剛の持ち物:(体内にアマダム)】
【早川裕作の持ち物:ケイタイザー】
【セリザワカズヤの持ち物:ナイトブレス、ナイトブレード、アーブギア(勇者の鎧)】
【瀬川耕司の持ち物:カメラ】
【風間大介の持ち物:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター】
【芦原涼の持ち物:なし】
参戦時期
木野薫⇒改心直後、天堂竜⇒34話直後、西堀さくら⇒最終回前半、セリザワカズヤ⇒35話(
ババルウ星人撃破後)、瀬川耕司⇒本編終了後、風間大介⇒40話終了後、明石暁⇒最終回後、風間剛⇒最終回後、早川裕作⇒スーツ改造後、ズバーン⇒最終回後
※ダークカブトゼクターとライダーベルトはどこにあるのか不明です。恐らく、持ち主(擬態天道)の元にあると思われます。
※ダークホッパー、ジェイクロッサー、マシンゼクトロン、ギルスレイダー、オートスライダー、剛のバイク、風間のメイクアップ道具に関しては次の書き手さんに任せます。
※ゴーゴービークルに制限なし。
※明石のバッグの中には水や食料等が入っています。
最終更新:2008年11月08日 20:43