「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

想いと力1

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匿名ユーザー

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ソラは不思議な女性と出逢い、話をする機会を得る。話をする内に、ソラは、この女性が
ラクス・クラインでることに気付く。

「…もし、なにかを成そうとするのなら、『想い』だけでも、『力』だけでもいけません。『想い』と『力』、この二つが揃わなければ、なにも成すことは出来ないのです」
その女性――いえ、ラクス様は、わたしにそう告げました。
「…『想い』だけでも、『力』だけでも…」
わたしは、呟く。確かに、想いだけではなにかを成すことは出来ないかもしれない。でも…。
考え込んだわたしを見て、ラクス様は問い掛ける。
「どうしました?なんだか、お悩みのようですが」
「…あ、いえその、…」
なにかが引っかかっていた、でも、そのなにかが分からない。
それになにより、目の前にいるのは、あの、ラクス・クライン様なのだ。
わたしごときが、お話を伺うことすら恐れ多いのに、ましてや、そのお言葉に反論するなど…。
でも、わたしは真実を知りたい、真実に近づきたい。なら…。
「…確かに、想いだけではなにも成すことができないでしょう。…でも、なにかが引っかかるんです」
それを聞いたラクス様は、ものすごく、驚かれたようでした。
まあ、こんな小娘が、天下のラクス・クライン様に意見しているのだから、当たり前です。
分かっていてはいたけど、今更ながら、自分の発言に青くなりました。
「まあ、なにが、引っかかっておいでですの?」
でも、ラクス様は別段怒った様子もなく、むしろ、興味深そうに目をキラキラさせ、わたしに顔を近づけて来ます。
――ああ、ラクス様って、やっぱり、スゴく綺麗。
思わず、わたしはその顔に見とれ、ポーっとなってしまいました。
「…?どうしました?」
て、いけない、ちゃんとお応えしないと。
「…えーと、その…」
なんだろう、なぜだか、それをそのまま、受け入れてはいけないような気がする。でも、なぜ、それを受け入れてはいけないのか、がすぐには分からない。
「…すいません、失礼なこと、言っておいて、なんなんですが、今すぐは、分かりません。ただ、なんだか、違うような気が…」
わたしは、情けない気持ちでいっぱいになりました。
せっかくラクス様がわたしの話を聞いくださるのに…。
「…そうですか」
ラクス様は残念そうに言われました。
その様子を見てわたしはますます、小さくなりました。
「…あらら、もう、こんな時間、わたくし、そろそろ、行かなければ。…もし、またどこかでお会いできたら、その答えをお聞かせくださいね」
立ち上がり、そう言って、ラクス様は微笑まれました。
その笑顔に私は、またポーっとなってしまいます。
「それでは。あなたとお話できて楽しかったですわ、ソラ・ヒダカ」
ラクス様はそう言われると、わたしに背を向け歩み去っていきました。
――また、お会いできたら、いいな。
その美しい後ろ姿を見送りながら、わたしはぼんやりとそんなことを考えていました。
「…あれ?なんでラクス様、わたしの名前知ってるんだろう?わたしみたいな、なんにもない小娘……!!」
その途端、わたしは唐突に理解しました。
なぜ、わたしがラクス様の言葉に引っかかりを覚えたのかを。
「なにかを成すには『想い』と『力』がなければ、ならない」
――では、『想い』しか持たないわたしは、『力』を持たないわたしは、なにも成すことが、できない?
わたしは、ただただ、その場に立ち尽くしました。

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