「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

抵抗の資格

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ついに、リヴァイブと合流する、ソラ。
しかし、ソラに対し、リヴァイヴの面々は冷たかった。
「・・・なぜ、こんなとこに戻ってきた?おまえをオーブに帰すのにどれだけ、みなが苦労したと思ってる。・・・オーブに帰れ」
冷然と告げるシンに圧倒されそうになるソラ。
だが、勇気を振り絞り、オーブで起こったことを話す。
「・・・掃除だって、洗濯だって、センセイの手伝いもします。いまはできないけど、車の運転も、機械の整備も覚えます、だから、わたしをリヴァイブに入れてください。わたしは、わたしは、真実が知りたいんです!」
そのソラの決意に、シンは怒りで応える。
「ふざけるな!俺たちは、命懸けで戦ってるんだ。それを、真実が知りたい?そんな馬鹿げた理由があるか!?」
言葉に詰まるソラ。
――どうしたら、どうしたら、わたしの想いをシンさんに、みんなに分かってもらえるの?
「・・・ふーん、真実を知りたい、ってのはそんなに馬鹿げた理由なのか?」
それまで、黙って見ていた、ジェスがシンに問う。
「あたりまえだ!!」
怒りに満ちた目でジェスを見据えるシン。
――こいつさえ、いなければ、ソラはオーブを出るなんてことはできなっかたはずだ。
「じゃあ、シン・アスカ、あんたはさぞかし、立派な理由で戦ってるわけだ?」
気にせず続けるジェス。その顔には人を小馬鹿にしたような笑みが張り付いていた。
「・・・まさか、復讐なんて、馬鹿げた理由で、戦ってるわけじゃないよなぁ?」
ソラは、訝しげにジェスを見る。
――変だ、ジェスさんはこんな顔をする人じゃない。
「っ、きっさまー!」
ジェスの表情に、シンは怒りの叫びを上げて、殴りかかる。
顔面を殴られ、吹き飛ぶ、ジェス。
「ジェスさん!」『シンっ!』
「きさまに、きさまに何が分かるっ!」
大尉と中尉に取り押さえられ、もがきながら、シンが叫ぶ。
「・・・わからない、さ・・・」
転がったままのジェスが応える。その言葉には、先ほどまでの、嘲るような調子はない。
「・・・こりゃ、いてえや・・・」
呟きながらなんとか体を起こし、シンを見る。
「・・・俺には、あんたの気持ちなんかわからない」
「・・・くっ、こいつっ!」「馬鹿、やめろ、シン」
再び、殴りかかろうとするシンを大尉たちが必死で抑える。
「・・・じゃあ、あんたにソラの気持ちがわかるのか?」
シンの動きが止まる。
「あんたにとっては、馬鹿げた理由かもしれない。彼女がこの地に喜び勇んで帰ってきたとでもあんたは思ってるのか?」
大尉たちがシンを放す。シンはなにも言わず、ジェスを見る。
「・・・ソラがここで、どんなめにあったか、あんたはよく知ってるはずだ。ひもじい思いもしたし、悔しい思いもした。なにより大怪我を負うような怖い思いまでした。そんな経験をしたところに帰ってきた、彼女の決意を、馬鹿げた理由と、あんたは笑うのか?」
「・・・俺は・・・」
それきり、言葉に詰まるシン。
「・・・俺が言いたいのはそれだけさ」
そういうと、ジェスはゴロンと地面に横たわった。
「・・・ジェスさん・・・」
ソラは、感謝の思いを込めてジェスを見て、シンに向き直る。
「お願いします。わたしを、リヴァイブの一員に加えてください」
シンは応えない。顔を見合す、大尉たち。
「・・・そういうのは僕に言うべきだと思うんだが・・・いいけどね、別に」
微かに苦笑しながら、ユウナがソラの前に出る。
「本気、かね?ソラ君?」
ソラは黙って頷く。やれやれと首を振りながら、振り返り話始める、ユウナ。
「僕は思うんだが、レジスタンスの参加条件とは、なんだろう?」
一同は、再び顔を見合すが、誰も応えない。
「・・・性別、は関係ない。年齢、も関係ない。技術、も関係ない。必要なのは、決意、それだけだ」
言ってから、ソラに向き直る。
「・・・もっとも、そう思ってるのは僕だけかもしれないし、僕は独裁者じゃないんで、ほかのみんなが反対なら、君を受け入れるわけにはいかない」
「俺は反対だ!」
反射的にシンが叫ぶ。が。
「あたしは、賛成するよ」
「コニール!?」「コニールさん!?」
頭を掻きながら、コニールがソラに歩み寄る。
「あたしも、最初は反対だったんだけどね、そこの兄さんの話を聞いたら、確かにソラの決意がわかったよ」
コニールはソラを見て、それからシンに視線を移す。
「シン、あたしがレジスタンスとして、あんたに初めて会ったとき、何歳だったか覚えてるだろ?」
「知るか」
シンはそっぽを向いて応える。構わず、ソラに向き直り話を続ける、コニール。
「14歳さ、シンに会う半年前にあたしは、レジスタンスに入った」
ソラは、驚きに目を見張る。
「そんときのあたしは、銃も撃てなかったし、車の運転もできなかった。みんな言ったさ、『おまえなんか入れてもしょうがない』。それでもあたしは、食い下がった。もちろん、理由はソラとは違う、それでもあたしにあったのは、ソラと同じ、決意だけだった」
コニールはソラを見据える。
「ほんとうに、あんたの決意が本気なら、あたしは、あんたの加入に賛成する」
それは、ソラが今まで見たこともないコニールの顔だった。
甘えも、優しさもない、厳しさしかない、怖い顔。それでも。
「はい」
恐れも、迷いもなく、ソラは頷いていた。
「ちょっ、ちょっとまて・・・」
慌てるシン。だが。
「・・・そうね、私も助手が欲しいわね」
「セッ、センセイ!?」
髪を掻き揚げながら、センセイ。
「暇なときは、暇だけど、忙しいときは、とことん忙しいのよね。ソラちゃんには、何度か手伝ってもらったし、筋はいいわ」
「・・・本人が本気ならしかたあるまい。正直、料理がうまい人間は欲しいな、・・・銃や車の扱いはうまくなっても、料理の腕は上げれんやつがいるしな」
「そうですよ、ソラちゃんは、うちには欠かせない人材ですよ」
「おまえは女性が増えるのがいいだけだろ。・・・だが、リーダーの言葉にも一理ある」
「・・・おまえら」
苛立つシンの前に、ナラが立って、胸を叩く。
「だいじょうぶですよ、シンさん。ソラは俺が守るから」
意気揚々と告げるその胸を、突然掴み、そのまま、吊るし上げる、シン。
「!?シ、シンさん!?」
ナラが見たのは、怒りに燃える、灼熱の瞳。
「守る!?確実だと、絶対だと、言えるのか!お前は!?」
「くっ、くるしい、シンさん・・・」
「シン!?」
みなが、再び、シンを止めるため、動きだそうとしたとき、冷静な声がその場に響いた。
『・・・シン、おまえは、ソラに誰を重ねている?』
「・・・レイ」
呆然と呟く、シン。手の力が消え、ドサリとナラの体が地面に落ちる。
ゴホゴホと咳き込むナラを尻目に、レイは同じ質問を繰り返す。
『・・・おまえは、ソラに誰を重ねている?』
「・・・俺は・・・」
拳を握り締め、俯く、シン。
『ソラは彼女らとは、違う。そして、結末も違う、いや、おまえが同じにはさせない。・・・違うか?』
「・・・・・・」
『俺はおまえを信じている』
「・・・どいつもこいつも。・・・勝手に、しろ」
足早にその場を、立ち去る、シン。
「・・・シンさん・・・」
その背を悲しげに見つめる、ソラ。その目の前に手が差し伸べられる。
「あらためて、リヴァイブへようこそ、ソラ・ヒダカ」
ユウナの手を強く握り締める、ソラ。
「・・・それじゃあ、さっそく仕事をしてもらいましょうか」
と、センセイ。
「はい?」
「あの馬鹿、本気でなぐったからねぇ」「け、これだから、手加減をしらねえガキは」「あの、オレの心配は?」
「ああ!ジェ、ジェスさん!!」
      • たぶん、今回一番がんばった男、ジェス・リブルは、顔を真っ赤に腫らし、痛みで、意識を失っていた。

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