なんてことのない日曜日でした。
ただいつもの通りに見かけない男の人が立っていた、そして私はその横を通り過ぎる。
そう、それだけのことのはずでした。
男の人がキラ様とカガリ様のポスターに唾を吐きかけるまでは…
ただいつもの通りに見かけない男の人が立っていた、そして私はその横を通り過ぎる。
そう、それだけのことのはずでした。
男の人がキラ様とカガリ様のポスターに唾を吐きかけるまでは…
「ちょ、ちょっとそこの人、ポスターに唾吐くなんて、な、何やってるんですか!」
「ん? 何だお前?」
「こんな悪いことしたら捕まっちゃいますよ!? 否、私が通報しますからね!」
「ふん、俺がオーブのSPごときに捕まるかよ」
「ん? 何だお前?」
「こんな悪いことしたら捕まっちゃいますよ!? 否、私が通報しますからね!」
「ふん、俺がオーブのSPごときに捕まるかよ」
私が通報することまでもなく、早速サイレンの音が近づいてきます。
ほらみなさい、悪いことをした人はきちんと捕まって天罰が下されるんです。
どうですか!この素晴らしい世界!これこそカガリ様、ラクス様の作られた世界です!
ほらみなさい、悪いことをした人はきちんと捕まって天罰が下されるんです。
どうですか!この素晴らしい世界!これこそカガリ様、ラクス様の作られた世界です!
「そこの二人! キラ様とカガリ様への不敬罪により逮捕する!」
そうですともSPの人、やっちゃってください!
こんな悪い人はばっちり逮捕しちゃって…
こんな悪い人はばっちり逮捕しちゃって…
「二、二人って…ええええっ!! 私は違っ!」
「うるせーよ」
「うるせーよ」
私が誤解を解く間も無く、悪い人の絵に描いたような右ストレートがSPの人の顔面をとらえました。
厳ついSPの人はちょっと間抜けで、でもちょっと幸せそうな顔で倒れていきます。
厳ついSPの人はちょっと間抜けで、でもちょっと幸せそうな顔で倒れていきます。
「おい、お前」
「…」
「おい! 何を呆けてるんだ! さっさとここから逃げろ!」
「…」
「おい! 何を呆けてるんだ! さっさとここから逃げろ!」
そうです。私は何を呆けているんでしょう。
ポスターに唾を吐いたり、SPを問答無用でぶっ飛ばすような「極悪人」の側からはさっさと逃げるべきです。
ポスターに唾を吐いたり、SPを問答無用でぶっ飛ばすような「極悪人」の側からはさっさと逃げるべきです。
「そこの二人、大人しくしろ! こんな真似をして良い度胸だな」
さあ早くも別のSPの人がやってきました。
ああオーブのSPは仕事熱心だなあ。感心、感心。
ただ私を誤解しているその早とちりがちょっと問題です。
さあ早く私の誤解を解いてこの極悪人を捕らえなくては…
ああオーブのSPは仕事熱心だなあ。感心、感心。
ただ私を誤解しているその早とちりがちょっと問題です。
さあ早く私の誤解を解いてこの極悪人を捕らえなくては…
「待ってください! 私は違うんです!」
「早く逃げろよ、この馬鹿!」
「早く逃げろよ、この馬鹿!」
極悪人のハイキックがSPの人を頭を薙ぎ払いました。
SPの人は前のめりにダウンです。SPの人も私の弁解もKO間違いなしです。
ここで通りかかった女の人が見事な悲鳴を上げました…
SPの人は前のめりにダウンです。SPの人も私の弁解もKO間違いなしです。
ここで通りかかった女の人が見事な悲鳴を上げました…
さて初期とは比べ物にならないサイレンの音があちらこちらから聞こえてきます。
事態の悪化に私の意識が遠くなりかけたとき、一台の車が目の前に止まりました。
事態の悪化に私の意識が遠くなりかけたとき、一台の車が目の前に止まりました。
「おっコニール、気が利くな!」
「馬鹿野郎! 街の様子がおかしいと思ったら予想通りだ…そっちの娘は何だ?」
「巻き込んじまったみたいだな」
「…もういい、とにかく二人とも早く乗れ!」
「馬鹿野郎! 街の様子がおかしいと思ったら予想通りだ…そっちの娘は何だ?」
「巻き込んじまったみたいだな」
「…もういい、とにかく二人とも早く乗れ!」
気が付くと極悪人とその仲間の車に乗っていました。
どこで歯車が狂ったんだろう…
今日が雨だったら出かけなかったのに…
占いに今日は新しい出会いがある。恋の予感かも!なんて書いてあるからいけないんだ…
うん、そうだね、きっと生まれてこなければよかったんだ…
私が鬱になっている間に極悪人共は密談をしています。
どこで歯車が狂ったんだろう…
今日が雨だったら出かけなかったのに…
占いに今日は新しい出会いがある。恋の予感かも!なんて書いてあるからいけないんだ…
うん、そうだね、きっと生まれてこなければよかったんだ…
私が鬱になっている間に極悪人共は密談をしています。
「シン、一度だけ聞く。何で偵察がこんな騒ぎになるんだよ?」
「まあ、ものの弾みだ」
「チッ、それにしても本気で対プラント戦勝記念館を襲うつもりか?
今の戦力だけではあの警備を突破するのは困難だ」
「戦力ね…サハクはともかくとして、サーペント・テールはどうだった?」
「現状での協力は望めない」
「そうかやっぱりな。それでもやるさ、あそこにはデスティニーが磔にされてるからな」
「まあ、ものの弾みだ」
「チッ、それにしても本気で対プラント戦勝記念館を襲うつもりか?
今の戦力だけではあの警備を突破するのは困難だ」
「戦力ね…サハクはともかくとして、サーペント・テールはどうだった?」
「現状での協力は望めない」
「そうかやっぱりな。それでもやるさ、あそこにはデスティニーが磔にされてるからな」
この極悪人は予想以上です。聖なる戦勝記念館を襲撃するなんて。
それにしてもデスティニーとは何でしょう。
記念館に戦争の悪の象徴として一機のMSが展示されているのは知っていますが。
…確かその名前がデスティニーだったような気がします。
それにしてもデスティニーとは何でしょう。
記念館に戦争の悪の象徴として一機のMSが展示されているのは知っていますが。
…確かその名前がデスティニーだったような気がします。
「い、いったい、あなたたちは記念館を襲って何をするつもりですか?」
「何をするって? 決まってるだろ、俺達は運命(デスティニー)を取り返しに行くのさ」
「何をするって? 決まってるだろ、俺達は運命(デスティニー)を取り返しに行くのさ」
第二話「デスティニー奪還」へ続く