トブルクを巡る戦いが明日始まる。
その緊張感から寝付けなかったシンは、
隠れ家周辺を少し歩くことにした。
月明かりに照らされる一面の砂漠。
とても静かだった。
サクサクと砂を踏みしめるシン、
その目の中に一人の女性の姿が飛び込んできた。
「ハーネンフースさん……」
「あら、アスカくん、こんばんはいい月ですね」
シホ・ハーネンフース。
背中まで届く黒髪に、切り揃えられた前髪。
シンより幾つか前の赤服だった女性である。
「こんばんは、確かにいい月ですね」
シンは彼女がジュール隊にいたと記憶している。
そう、現在こちらの攻勢に備えているラクス親衛隊のイザーク・ジュールが率いていた部隊に。
戦えるのだろうかとシンは思う。
だがそれは自分にも言えるかと自嘲気味に笑う。
恐らくアスラン・ザラも明日の戦いの中に姿を見せるだろう。
それを自分は……どうするのか。
「私が戦えるか…不安ですか?」
「え、いえ、そんな」
「考えが全部顔に出てますよ」
「大丈夫ですよ、戦いますよ私は、そして聞きだします、
隊長に、何故ってね……それは君も同じでしょう」
「ええ、俺もあいつに聞きたいことがあります」
「聞けるといいですね」
「ハーネンフースさんも」
その緊張感から寝付けなかったシンは、
隠れ家周辺を少し歩くことにした。
月明かりに照らされる一面の砂漠。
とても静かだった。
サクサクと砂を踏みしめるシン、
その目の中に一人の女性の姿が飛び込んできた。
「ハーネンフースさん……」
「あら、アスカくん、こんばんはいい月ですね」
シホ・ハーネンフース。
背中まで届く黒髪に、切り揃えられた前髪。
シンより幾つか前の赤服だった女性である。
「こんばんは、確かにいい月ですね」
シンは彼女がジュール隊にいたと記憶している。
そう、現在こちらの攻勢に備えているラクス親衛隊のイザーク・ジュールが率いていた部隊に。
戦えるのだろうかとシンは思う。
だがそれは自分にも言えるかと自嘲気味に笑う。
恐らくアスラン・ザラも明日の戦いの中に姿を見せるだろう。
それを自分は……どうするのか。
「私が戦えるか…不安ですか?」
「え、いえ、そんな」
「考えが全部顔に出てますよ」
「大丈夫ですよ、戦いますよ私は、そして聞きだします、
隊長に、何故ってね……それは君も同じでしょう」
「ええ、俺もあいつに聞きたいことがあります」
「聞けるといいですね」
「ハーネンフースさんも」