「私たちの目的?」
その女性――「センセイ」はキーボードを叩く手を止めそう聞き返した。
実名、過去共に全く不明のこの女性だが、レジスタンスの人間達は
「センセイ」と呼んで慕っている。その名の通り優れた医療技術を持ち、
面倒見もいい。センセイというよりはお母さんのような役回りだ。
実名、過去共に全く不明のこの女性だが、レジスタンスの人間達は
「センセイ」と呼んで慕っている。その名の通り優れた医療技術を持ち、
面倒見もいい。センセイというよりはお母さんのような役回りだ。
歳は20代半ばといったところだろうか。街に出れば誰もがふりむくような
端正な顔立ちの女性だが、ボロボロの白衣にボサボサの髪、
首にかけているこれまた古びた聴診器が不思議なほど板についていた。
端正な顔立ちの女性だが、ボロボロの白衣にボサボサの髪、
首にかけているこれまた古びた聴診器が不思議なほど板についていた。
「でもまたどうしていまさらそんなことを?」
「こんな危険なことをずっと続けてるってことは
それなりの理由があるんですよね?気になってたん
ですけどなかなか聞ける機会が無くって…」
それなりの理由があるんですよね?気になってたん
ですけどなかなか聞ける機会が無くって…」
「なるほどね…愛しのナラ君やシンが危険を省みず戦場に出ていくのを
黙って見ていられない訳だ、優しいソラちゃんは。それでせめて
こんなことをする理由だけでも、か。若いっていいねぇ。」
黙って見ていられない訳だ、優しいソラちゃんは。それでせめて
こんなことをする理由だけでも、か。若いっていいねぇ。」
「ち、ちがいます!何言ってるんですか!」
小柄でほっそりとした体型に、透き通る様な藍色の瞳が印象的な
ソラと呼ばれたその少女は、顔を真っ赤にして首をぶんぶんと振った。
センセイはソラをかわいがってくれたし、今回のようによく相談にも
乗ってくれる。だが最近はいつもこの調子なのでソラも少し困っていた。
ソラと呼ばれたその少女は、顔を真っ赤にして首をぶんぶんと振った。
センセイはソラをかわいがってくれたし、今回のようによく相談にも
乗ってくれる。だが最近はいつもこの調子なのでソラも少し困っていた。
「まあ冗談はほどほどにして…リヴァイヴの目的の話だったね。
その辺はあたしよりリーダーに聞いた方が早いと思うんだけど…
ちょうどもうすぐ休憩時間だね。ついといで。」
その辺はあたしよりリーダーに聞いた方が早いと思うんだけど…
ちょうどもうすぐ休憩時間だね。ついといで。」
言うが早いかセンセイは立ち上がるなりさっさと出て行ってしまった。
「ちょっと待ってくださいよ!もう…!」