「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

ソラの選択

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―これは、なに?
私はただ、呆然と立ち尽くした。
目の前の瓦礫の山、これはなに?
いえ、分かっている、これはホーム(孤児院)、私の、家…。先生やみんなは、どこ?
気がつけば、私は地面にへたり込んでいた。
「ちっ、やつらか」
「…ピースガーディアン…見せしめ、ね」
後ろから二人の話声が聞こえる。
…ピースガーディアン?見せしめ?
唐突に、私は理解した。
「とにかく、ここには、いられないわ。ソラ、さあ、立って」
コニールさんが私に手を伸ばす。
「いやっ!!」
私は、その手を思い切り振り払った。
パチンッ、その音は、瓦礫とかしたホームの敷地に虚しく、響いた。
「―ソラ?」
「あなた達が、あなた達が悪いんだ!!」
呆然とするコニールさんに、私は叫んでいた。
「あなた達が、記念式典をむちゃくちゃにしたから、ましてや、ラクス様を暗殺しようとしたから、私のホームが壊され、みんなが連れていかれたんだ」
涙がでてきた。
「私があなた達みたいな、悪い人と一緒にいたから…」
後は声にならなかった。
「―私たちは、私たちは…」
コニールさんはなにかを言おうとするが、途中で止める。
そう、言い訳なんか、ききたくない。

「―そうだ、おれたちは、悪人だ」
唐突に声がした。
コニールさんでもない、シンさんでもない。
冷静で、落ち着いた、でも、なにか奇妙な声。
「レイ…」
シンさんが、微かに呟く。声はシンさんの腕の方から聞こえた。…通信機?
「通信機越しで悪いが、少し話を聞いてくれないか?」
私は応えない。ただ、声の主が自らを悪人と認めたことに驚いていた。
沈黙を了承と認めたのか、゛レイ゛さんは話始めた。
「…確かに、俺達は悪人だ。だが、きみは悪人か?」
―なっ?
「そ、そんなこと、…でも、シンさん達と一緒にいたから、悪人と思われたかも…」
「…ふ、そうか…」
゛レイ゛さんは少し、笑ったようだった。シンさんとコニールさんはなにも言わず、見ている。
「…では、このホームに住んでいた人は悪人か?ホームを壊されなければならないような、悪人なのか?」
ガツンと、頭を殴られたような気がした。そんな訳がない。゛レイ゛さんも分かっていて、言っている。
「…それは、正しいことなのか?」
正しくなんか、ない。
でも、ピースガーディアンは正義の軍隊。だって、ラクス様が、そうおっしゃった。なのに…。

「…悪人の俺達を捕まえず、悪人でない人達の家を壊す、正義の軍隊…」
私は、訳が分からなくなって、シンさんとコニールさんの顔を見た。
二人とも、なにも言わず、ただ、私を見ている。
―この人達は、悪人?
「…知りたいか?なぜ、こんなことになったのか…」
―知りたい。なぜ、こんなことになったのか。この、平和な世界で。
「…教えて、くれるんですか?」
「…教えることは出来ない。だが、もし俺達についてくるなら、見せてやる、この平和な世界の真実を。後は君が判断しろ、なにが悪くて、なにが良いのかを…」
「レイ!?」
シンさんが、あせったような声を上げる。
でも、私の唇はまるで、なにかに導かれたかのように、言葉を紡ぎ出していました。
「…私に、見せて下さい、この世界の真実を」
「レイ!!」
シンさんが声を荒げる。
「彼女を巻き込んだのは、おまえのミスだ。責任を取れ」
「グッ!」
シンさんは困ったように私を見る。
私は真剣な目で、シンさんを見詰める。「…ちっ、どうなっても、しらねえからな…」
言いながら、右手を私に差し出してくれました。
私はその手をしっかりと握り締めたのです。

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