「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

迷いと決意

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匿名ユーザー

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「……」
アスランはソファーに腰掛け、手に持ったコーヒーカップを眺める。
頭に思い浮かぶのは、怒りに満ちた、紅い瞳。
「…シン…」
呟く声は苦渋に満ちていた。
「…アスラン?」
見上げると心配そうな親友の顔があった。
「キラ…」
「なんだか、顔色が悪いよ」
「大丈夫…」「じゃ、ないでしょ」
アスランの言葉を遮り、正面に座る、キラ。黙ってアスランを見詰める。
「……シンが、いたんだ…」
諦めたように、話し出すアスラン。
「シン?…ああ、インパルスとディスティニーのパイロット、…生きていたんだ……もしかして…」
「たぶん、いや、間違いなく、記念式典爆破はあいつの仕業だろう……凄い目で俺を見てたよ。あの状況でなければ、撃たれていただろうな」
顔を天井に向け、疲れたように話すアスラン。それを心配そうに見詰める、キラ
「…アスランはどうしたいの?」
「…俺は、俺はもう一度、シンに会いたいよ」
「アスラン!?」
「分かっている、分かっているさ。会ったところでどうにもならない。いや、会った瞬間、撃ち殺されるな」
「…アスラン…」
「心配するな、キラ。テロリストが一人でた、だけだ。…軍を預かる俺には関係ないさ」

アスランはキラに向き直る。
「だか、もし、あいつがMSに乗るとしたら、単騎で相手ができるのは、俺か、おまえだけだ」
「…その時は、僕がでるよ」
「キラ…」
「アスランは優しすぎるからね。…ただ彼とやるとしたら、手加減はできないよ」
親友の言葉にアスランの瞳が一瞬、揺れる。
「…ああ」
言葉少なに頷くと、アスランは立ち上がる。
「すまん、今は一人にさせてくれ」
逃げるように立ち去るアスラン。
「相変わらず、ですのね、アスランは」
「優しすぎるんだよ、アスランは」
後ろから掛かった声に、振り向きもせず、キラは応える。
「キラは優しくありませんの?」
「僕は…」振り返り、キラは最愛の人を視野に収める「僕は君や、アスランや、カガリを守るためなら、鬼にも悪魔にもなる」
フレイやトールの顔がキラの脳裏に浮かぶ。もう、あんな思いはしたくない。
「まあ、頭に角でもお生えになるのかしら?」
キラの思いを知ってか知らずか、ラクスは楽しげに笑う。
「ふふ、その内ね」
キラはラクスを抱きしめる。
―なにがあろうと、僕は、君を守る。
キラは抱きしめる両手に力を込めた。

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