ブルーローズ/カリーナ・ライル
◆不器用な恋心ゆえにツンになる
氷を操るNEXT能力を持ち、歌も歌うアイドルヒーローとして人気を博している。所属企業タイタンインダストリーからの要望で女王様キャラを演じているが、素顔は少々意地っ張りな所もあるけれど、根は明るく真面目な女子高生。
ブルーローズ「社長、あの決めゼリフ、恥ずかしいんで変えちゃ駄目ですか?」
タイタンインダストリーCEO「あの上からな感じが人気なんだよ。ふっ、わかってないねぇ」
ブルーローズ「……」
(TV版第1話・打ち上げ会場でのブルーローズとCEOの会話より) |
元々は歌手志望で、ヒーロー活動も始めは単に歌手デビューへの条件として渋々行っていたが、TV版で虎徹に悩みを打ち明けて以降は彼女なりのヒーローへの自覚と、やがて虎徹に対する淡い恋心を抱くようになっていった。
TV版では、素直になれなくてつい照れ隠しから憎まれ口を叩いてしまうようないわゆる「ツン」として描かれているが、ライジングではツンというよりヒスに見えるほどのきつさになり、かなりの変貌を遂げている。
◆ツンを通り越したヒステリックで高慢なキャラ化
「私の氷はちょっぴりコールド、あなたの悪事を完全ホールド」を決め台詞に、自身のNEXT能力である氷を巧みに操りながら、犯人を確保する。
TV版では、逃走防止のため犯罪者の足元を凍らせる程度に留めるなど、能力の加減・調整をしていた(余談だが、TV版終盤でブルーローズの能力をコピーした楓も、彼女より強力に敵を凍らせつつも呼吸はできるように配慮していた)彼女だが、「ライジング」では足元どころか犯人の全身を凍りづけにしており、もはや「貴方の悪事」を通り越えて犯罪者の生命や人生を完全ホールドしかねない行為を、平然とやっている。
上段:ジョニーとポーリーの手下(ローズ)下段:ロトワングと彼の部下(楓) |
ヒーローがもてはやされている現在でも偏見と差別が存在するNEXTに対して、さらなる悪印象や悪影響を与えるおそれがあるのではないだろうか?
シュテルンビルトの伝統ある女神様の祭り(にも関わらず、TV版ではそのような習慣がある描写は一切なかったのだが)を知らなくて当たり前のライアンを「知らないのぉ?」と小馬鹿にする発言。
その祭りに楓を招待しようとパレードの観覧チケットを購入に訪れたフェスティバルの事務局で、偶然バーナビーの事情を知っただけにもかかわらず、誤解からバーナビーと仲違いしていた虎徹を「全然わかってない。今までアイツの何を見てたの?」と上から目線で説教している。
悪夢を見て眠り続けるネイサンの病室で、ヒーローをクビになっていて基本連絡は取れなくなっていた虎徹を「やっと来た」と呆れるような口調で迎える。
(その際、虎徹と極秘に連絡を取っていた、あるいは楓やその他ヒーロー仲間経由で虎徹に知らせていたような描写も皆無)
◆消火器と同レベルにされたNEXT能力
虎徹の消火器特攻により、それまでネイサンの能力の暴走をつきっきりで抑えていた彼女のNEXT能力もdisられる羽目に。
ネイサンの炎が消火器でおさえられるなら、ネイサンとカリーナの能力が消火器と同等ということになる。それならば、彼女だけがひとり徹夜でネイサンに付き添う必要は全くなく、むしろ病院スタッフなどに消火器でネイサンの炎をおさえさせ(または病室に大量の氷を運ばせるなどして)、カリーナは混乱する街の沈静化や事件を起こした犯人確保のために、「ブルーローズ」として出動させるべきではないか?
◆正体をばらす映画特典
映画特典のコラムカードは、【ヒーローが雑誌から依頼を受けて書いたコラム】というコンセプトで各ヒーロー分が用意されたのだが、カリーナのコラムはその内容が「ヒーローのブルーローズ」ではなくアイドル女子高生が書いたようなものになっている。以下はその概要である。
掲載雑誌:「月刊SIXTEEN」(ネーミングから女子高生がターゲットの雑誌だと伺える)
内容:「オススメの勉強方法」を教えてほしいという読者リクエストに答えるもの。しかしそれは逆に自分が教えてほしいくらいとの事で、代わりに「ブルーローズのとっておきの気分転換の方法」を披露しており、気分転換アイテムとして「筆記用具」を提案している。
この内容が「テスト前はいつもテンパってるし~」と女子高生が友達との会話をしているような口調の文章で書かれているのだが、コラムカードのコンセプトが【〈ヒーローが〉雑誌から依頼を受けて書いたコラム】であり、ブルーローズが会社から女王様キャラとして売り出されている事を考えると、このコラム文にはそのようなキャラの片鱗は欠片すら見えず、コンセプトと大きくズレたものになっている。
コンセプトのズレに関しては正直な所他ヒーローのコラムも似たり寄ったりの印象で、きちんとコンセプトに沿っていると感じられるのはライアンのコラムくらいなのだが、その中でもカリーナのコラムは自分の正体が女子高生であることを暴露しているともとれる内容であるため、あえてここに特記するものである。
最終更新:2015年06月29日 20:23