折紙サイクロン/イワン・カレリン

◆NINJAでござる!な見切れヒーロー

ヘリペリデスファイナンス所属のヒーロー。
ヒーロー活動よりも、「HERO-TV」の放送中にスポンサーロゴをアピールするために見切れて映る事に執念を燃やす【見切れ職人】
故にランキングは低いが、ファンの間では隠れた人気を得ている。
折紙サイクロン
金融のへリペリデスファイナンス所属。
企業イメージを守るためもあってリスクを避け、事件解決にはあまり関与しない。
そのかわり、TV画面で企業名をアピールすることには力を注いでいる。
カメラがほかのヒーローを追っているときに、画面に入り込む「見切れ」の技は8人の中で随一。
(MONTHLY HEROより抜粋)

ヘリペリデスファイナンスCEO「今日の見切れ方、最高でした。次回もお願いしますよ」

折紙サイクロン「ばっちり企業名、アピールするでござる。あっ、いや、しますから」

(TV版第1話・打ち上げ会場での会話より)
素顔は忍者に憧れる日本かぶれの青年。ヒーロー活動中は常にハイテンションな「ござる」口調だが、かなり後ろ向きな性格で、立ち姿勢も猫背気味。
NEXTを対象としたヒーロー養成所でもあるヒーローアカデミーの出身で、同じくアカデミー出身のバーナビーは、歳上だが後輩に当たる(バーナビーもイワンの事を「折紙先輩」と呼んでいる)。

TV版ではアカデミー時代に起こった事件による親友との確執(後に和解)や、本来ヒーロー向きではない自分の能力に悩んでいる事が多かったが、元々の身体能力は高く、様々な事件を通じて彼なりの成長を遂げていた(特にTV版最終話では、死んだと思われた虎徹の無事を喜ぶヒーロー達の中でただひとり、逃亡を図るマーベリックを手裏剣で牽制するという非常に彼らしい描写があった)。

◆「擬態」は「擬態」のはずだけど

NEXT能力は擬態。手に触れた相手の姿形(着衣やヒーロースーツなども含む)や声を完璧にコピーすることが出来る。無機物にも擬態する事が可能。
ただし擬態出来るのはあくまで外見と声だけで、相手の能力まではコピーする事ができないのだが、ライジングでは敵のNEXTであるリチャード・マックスの音波攻撃を、皿状の物体(おそらく反響板のようなもの?)に擬態して跳ね返すような行動を取っている。

作中ではリチャードの攻撃に対処する為に重要な形態であるかのように描かれていたが、ビルすら破壊可能なリチャードの能力に対抗するには、形状だけでなくその強度や素材、性能も求められるので、対象物の姿形しかコピーできない折紙の能力では、他のヒーロー達同様リチャードの能力によって吹き飛ばされていたのではないだろうか?

それとは別に、エピローグにおいて突如何の事件性も脈絡もなく、親子で瓦礫掃除のボランティアに訪れていた母親の姿に擬態している。
TV版での折紙は、基本(第8話で虎徹の前で能力を披露した以外は)事件解決の為に『ヒーローとして』擬態をしていたのだが、安易に能力を乱用するような真似は、所属企業や自身のイメージが大切なヒーローとして褒められたものではない。

また、「ライジング」公開以降連載再開したミラクルジャンプ(MJ)版でも、折紙がシスターの老女に手を貸すふりをして彼女の姿に擬態し、刑務所に収監された親友に会いに行くというエピソードがあった。(連載再開後のMJ版の舞台はライジング以降だが、時折過去のエピソードが掲載されている。最終的に折紙はこの行為を止めている)

◆し、し…思想犯『か』!?

シュナイダーへの個人的な復讐の為だけに、シュテルンビルトの伝説を利用して街を破壊しまくるヴィルギルを「思想犯か」と評する台詞。
思想犯=殺人を犯さないかのようにライジング内では扱われているが、現実では思想犯だからといえど死者を出さない訳ではない。
(むしろTV版でテロ行為をしつつ市民にはっきり声明を出したジェイクやクリーム達の方が、NEXT至上主義者による思想犯に近い)

なお、英語版では折紙の「思想犯か」の台詞及び字幕が「White-collar Crime(ホワイトカラー犯罪者)」に変更されている。
本来の意味は己の社会的立場を利用して犯罪を犯す者の事で、主に脱税・贈収賄などを指すのだが、 おそらく「犯人であるヴィルギルが、オーナーの個人秘書である立場を利用して、シュナイダーを陥れようとした」という風に意訳したのではないかと推測される。

◆それまでの功績をふいにしても突き進む正々堂々?への道

ライジングでは突如「正々堂々を目指す」とし、それまでの見切れや忍者特性を封印するかのような描写がある。
(更に、いくらNEXT犯罪者とはいえ武器を持たない丸腰のリチャードを相手に刀を振り下ろしたり、小型の手裏剣でリチャードの身体に直接攻撃をしている)


左:マーベリックの逃走経路を塞ぐ折紙 中央:リチャードに刀を振り下ろす折紙 右:折紙の手裏剣を身体に受けたリチャード ※wiki以外への転載禁止

実際TV版でもMONTHLY HEROの折紙の紹介(当項目の上記を参照)をはじめ、HERO-TVのインタビューでも「今日の見切れ方、最高でした!」とCEOやスポンサー受けも
良かった(そうした理由から、折紙のスポンサーロゴは他のヒーロー達よりも多い)のだが、それまでの自分のスタンスや良さをふいにしてまで方針の転換を
決めたり、スポンサーありきのヒーローシステム下で、担当部署や上司等とのすりあわせ描写もなく正々堂々を目指せるのだろうか?

また、そんな折紙の描写によって過去に行われた【(見切れた)折紙を探せ!】などのコラボ企画や、キャラクロにて折紙をイメージしたメニューの【見切れ職人ドリンク】(ただし、こちらは何故かライジング公開以降も1年以上販売され続けていた)等が、折紙本人によって否定されたような形になってしまっている。

ちなみに、キャラクター原案者の桂(正和)氏は、自身の画集(「桂画集1」)及び劇場版第1作目の「ビギニング」パンフレット上で、折紙について以下のような発言をしている。
【イワン・カレリン】(「桂画集1」P56より)
超イケメンでお願いしますとの熱烈なリクエストにより主役級のキャラクターが出来ました。
暗い性格のキャラクターと認識していたので、前髪で目を隠したりしました。
カッコつけてるんじゃないんです。はずかしいから顔を隠したいんです。

【折紙サイクロン】(「桂画集1」P57より)
隈取りだけで顔を表現しよう!と思い付いた時は燃えました。
片肌ぬいだ肩に桜吹雪のイレズミ(プリント)を入れるのを、うっかり忘れて納品したのだけど
そこにスポンサーロゴを入れられたので結果よかったです。
普段とのギャップで思いっきりハデにしてやろうと思い、かなり細かいところまでこだわった渾身のデザインです。
コイツが活躍する所を早く観たい!!と思ったら…見切れキャラ? ん? ん?

──今後描きたいキャラクターやストーリーはありますか?

桂氏「折紙サイクロンは描きたいですね。見切らせたいのではなくて(笑)、
最初にデザインしたときの、根暗で、人と顔をあんまり合わせないようなイメージで

(ビギニングパンフレット内・桂氏インタビュー記事より抜粋)
ただし、上記の桂氏の発言が「ライジング」での折紙の描写や表現に直接結びついたかどうかは不明である。
最終更新:2016年01月14日 20:30
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