鏑木 楓(かぶらぎ かえで)


虎徹のひとり娘で、活発な性格の小学生(TV版開始当時は9歳、ライジングでは11歳)。
オリエンタルタウンで父方の祖母である安寿(あんじゅ)と2人暮らしをしている。フィギュアスケートを嗜んでおり、TV版第2話のスケートリンクで危ない所をバーナビーに救われて以来、彼のファンになった。

父親の虎徹がNEXTでヒーローである事を知らされずに育てられた(別居の理由も、単に仕事の都合とだけ説明されていた。これは虎徹の正体がバレた時に、犯罪者などの逆恨みで家族に危険が及ぶのを避けるための親心も含まれている)ので、親子間のコミュニケーションが上手くいかない時もあったが、虎徹が帰省した際に起こった事故で助けられた一件で、以前よりは素直になった。

また、TV版第17話でNEXT能力が発現。内容は「NEXTの能力をコピーする」(直近に接触したNEXTの能力をコピーして使用できるが、コピー中に他のNEXTに触れた時には能力もその人物のものに上書きされる)。
TV版終盤で虎徹がマーベリックの陰謀により殺人の汚名を着せられた際、安寿から父親がヒーローのワイルドタイガー(WT)である事を知らされ、それからは応援するようになった。

TV版最終話から約3ヶ月後が舞台のライジングで、ある意味一番『劇的ビフ○ーアフター』な変化(成長ではない)を遂げた人物。
一般的に小学校高学年で成長期を迎える女子は多いとされるが、彼女の場合それらをはるかに上回っている。

それに応じて彼女の服装バリエーションも豊富になっているが、TV版最終話から約3ヶ月後という設定のライジングでは、衣装の好みがTV版の頃から激変しているだけでなく、のどかな田舎町であるオリエンタルタウンでは都会的すぎて少々浮いてしまいそうに見える。(一部、小学生の楓には年齢的に早いのでは?と思われるものもある)
ファッションも、スポーティなものに統一されていた(また、どことなく少年時代の虎徹を彷彿とさせた)TV版と比べ、ライジングのそれは衣装によって傾向がバラバラである。

左:スケート着と普段着(TV版)右:部屋着・外出着・普段着(ライジング版)

これについては、監督の米たに氏とキャラクターデザインの山本美佳氏の意向によるものが大きいとされる。

──印象が大きく変わったキャラクターということで、楓のこともお伺いできればと思います。

山本『米たに監督から、「友恵に似せたい」というオーダーがありまして、友恵さんの設定を見ながら描いていますね。
髪型も友恵さんに寄せたり、あとは若干成長しているところも大きいですね。
ただあまり女子っぽくするというよりは、もう少しスポーティでやんちゃさを残しています。衣装のパターンも多いですよね。
部屋着はちょっと大人っぽい感じも出して、ラフだけどちょっとセクシーにレギンスにしたりとか。
お出かけ着はそこそこ背伸びした感じです。もしかしたらバーナビーに会えるかもしれないので、ここは「乙女心全開」でいいかなと思いまして。
学校着は本当にスポーティで、普段の楓ちゃんという感じですね。』

※ライジング版KING OF WORKS(KOW)スタッフインタビューより

ライジングで虎徹がヒーローをクビになった後、カリーナ(ブルーローズ)にこっそり電話で連絡を取っている。
TV版終盤の事件により多少のやり取りや接触はあったものの、いつの間にカリーナと密に連絡が取れるほどの仲になっていたのだろうか?
小学生の楓と女子高生のカリーナとでは、あまり共通の話題も接点もないように思える。むしろ、楓と年齢の近いパオリン(ドラゴンキッド)の方が適任なのでは?
更に言えば、他社のライバルヒーローであるカリーナに父親の解雇について連絡した所で、どうにもならない事だと思われる。

カリーナから貰ったフェスティバルのチケットで、祖母の安寿や伯父の村正とシュテルンビルトを訪れた際、「お前は好きな事をやっていいんだぞ」という虎徹に「お父さんこそ、やりたい事やってる?」と返す描写や、虎徹と別れて安寿たちと合流した後の「お父さんなら大丈夫だよ」と、まるですべてを悟っているかのような反応や表情が、上記のような制作側の虎徹の亡妻である友恵にあえて似せている意図も合わさり、かえって不自然に見える。

その後、犯人による襲撃で危険に巻き込まれる。確かに楓もNEXTではあるが、あのような崩落した建物の瓦礫の穴に落ちたのに、いくらアニメとはいえ傷ひとつなく平然としていられるのは、奇跡というよりむしろ異常。

※下図参照。右側のマス目状の瓦礫が普通の建物だと仮定すると、実行犯3人組による爆破で出来た穴は最低2~3階分の建物が見える位の深さまで到達している事になり、楓は建物の2~3階から飛び降りたのと同じ状況になる。(また、当時楓の周囲は3人組が起こした爆発等の影響で下水が噴出していたにも関わらず、彼女の衣服にはあまり汚れが付着していない)

その際も、キョトンとした表情の妙にサービス的なお約束ポーズも忘れない。(ちなみに楓は11歳の小学生女児である)

建物の崩落に巻き込まれる楓(ライジング本編より) wiki以外への転載禁止

TV版終盤で虎徹が冤罪をかけられて窮地に陥っていた時には、父親のために自分の小遣いをはたいて単身シュテルンビルトに向かう行動力や、事件解決後に虎徹に抱きつきながら「お父さん、カッコよかったよ!」と賞賛するなど親思いの一面を覗かせていた楓だが、ライジングではヴィルギル達により街を破壊尽くされたという大事件の後、ボロボロになりながらも生還した虎徹が抱きつこうとするのに一瞬応える素振りを見せておきながら「ヤメタ」と翻している。

1761:笑顔でヒーローたちに駆け寄る楓。

「!」

1762:タイガー、楓に気付き駆け寄る。

ワイルドタイガー「!」

1763:駆け寄るタイガーと楓。タイガー。手前で立ち止まる楓。

1764:手を広げているタイガー、“あれ?なんでこないの?”という気持ち。楓、後ろを向きしょんぼりするタイガー。

「ヤメタ」

ワイルドタイガー「?……!……」

ライジング版KOW内・完成台本(P316-317)より

その理由として、エピローグで食卓で突如右手が巨大化する自分に驚く楓の描写があり、二部ヒーローのチョップマンと接触して彼の能力を維持させるためという制作側の意図があったようだ。(米たに氏曰く「ライジング本編は120分あったが20分削った」。その中に楓とチョップマンのシーンも含まれているという)

──余韻を楽しむ……という点では映画的な作りといえますね。

米たに「そう思ってもらえるとうれしいですね。シナリオ時点ではどの能力をコピーするかっていう話しもいっぱい出て楽しかったですね。
最初、西田さんから、楓が目玉焼きを食べる時に塩をパラパラとかけて、スモウサンダーの能力(※2)をコピーしたことがわかるという
面白い案も提案されましたが、絵だけだと、ちょっとわかりづらいので、セリフがなくてもわかるチョップマンの能力になりました。

(※2)スモウサンダーの能力:スモウサンダーのNEXT能力は、手から塩を出せるというもの。
設定集P55に掲載されている設定画にも描かれている。(ライジング版KOWより)

しかし、それならば一度虎徹と感動の再会を果たした後で、チョップマンと実は接触していたという設定にしても良かったのではないだろうか?

更に、物語の最後を締めくくるように楓自作の詩が披露されるが、外見の著しい成長とは真逆の方向を行く内容である。
(何度も言うが、楓は11歳の小学校高学年女児である)

「おひさま」   鏑木楓

おひさまってね、お空で輝く太陽だけじゃないんだよ

タッタカ走る虎だって
ピョンピョン跳ねるウサギだって
キラキラ輝く氷だって
ビュービュー吹いてる風だって
メラメラ燃える炎だって
モオモオ叫ぶ牛だって
ドロンと変わる影だって
ピカピカ光る雷だって

皆それぞれ違うけど、皆がおひさま燃やしてる

時には悲しくて、苦しくて、沈んじゃったりするけれど、
いつかは必ず皆のおひさま昇るんだ

沈むたんびにおひさま昇る
どんな時でもおひさま昇る
今日も明日もおひさま昇る

(「ライジング」ムックより)wiki以外への転載禁止
最終更新:2016年08月28日 13:37