アレキサンダー・ロイズ
◆品性を失った一流企業の中間管理職
アポロンメディアヒーロー事業部の社員で、虎徹とバーナビーの上司。
物事をビジネスライクに捉えており、ヒーロー界初のコンビのプロデュースも当初はキャラに明確な差をつける方針を採っていた。
バーナビーを重用して売り出すことに熱心な一方、虎徹のことはバーナビーの引き立て役として冷遇していたが、コンビとして人気が出始めるようになってからは虎徹への待遇が良くなった。(Wikipediaより)
TV版では上品な物腰と多少の日本語が読めるなど博識な面も覗かせ、結果を出す人間は評価するが、そうでない者はドライに接するなどモデル国にありがちな典型的WASP(White Anglo-Saxon Protestant。今日では所謂マイノリティ集団に属さない白人を指す)のような人物として描かれていた。
ところがライジングでは、見苦しいまでに権力者(新オーナーのシュナイダー)に媚びるような態度を取る一方で、タクシー運転手をしつつヒーロー再就職を目指していた虎徹に対しては「他の6大企業は何処も君を雇わない。現実を見つめた方がいいんじゃないか」と追い打ちを掛けるような真似をしている。
脚本担当の西田氏は「ロイズなりの虎徹への叱咤激励」と評しているが、あくまでヒーローとしての再就職に拘っている虎徹に対して、叱咤にはなっているがまったく激励になっていない。
そもそも、かつて自らの会社のボスの策略で冤罪を背負わされ、そのせいで正体が露呈した社員(虎徹)に対してロクな賠償や補償もせず、コンビ再結成から僅か3ヶ月で転属・退職勧告など一切なくクビにする事は、果たして現実的と言えるのだろうか?
◆「元上司を家まで送ったら、いつの間にか家族が増えてました」
その理由として、ライジング作中ロイズを彼の自宅まで送り届けた虎徹が、夫人と総勢5人もの子供達に迎えられたロイズが、彼らに土産を渡す姿を目撃するシーンがある。
(下図左参照。だが、家の外の道路で土産等の受け渡しをするのは、防犯面からもあまり褒められた行為ではない。本来そうしたプライベートな事は、家の中で行うものである)
彼がどうしてあそこまで偉くなろうとしてるか、収入を上げようとしてるのか、その理由を補完するには 大家族だからというのが説得力があるかなって。 (ライジング版KING OF WORKS(KOW)内・西田氏のコメントより) |
「ヒーローに拘らず非現実的な夢を追い求めるより、これからは現実を見つめて家族を守れ」という事を表現したかったようであるが、ロイズのような一定の学歴や能力を持つ人間ならば、既婚未婚・子供の有無を問わず出世を望むのはごく当たり前の事である。
更にTV版第2話のアポロンメディア社内のロイズの部屋に飾られた写真立て(下図右参照)には、ぼかして描写されているので明瞭には映っていないが、色調や人影の数からライジングに登場した夫人とは明らかに異なる人物が描かれており、子供の数も圧倒的に足りない(オフィスに家族の写真を飾る時は、集合写真にしろ複数に分けるにしろ全員の分を飾る筈である)。
TV版でも特別子煩悩・子供好きという描写やエピソードのなかったロイズが、無計画かつパートナーや子供達に負担を強いるような家族計画をするだろうか?
また、これだけ虎徹に夢を諦めさせ現実を見つめさせようという、作中でも比較的重要視されているようなシーンにも関わらず、ライジング版KOW内の設定集にはロイズの家族は線画によるラフのみで、カラーや詳細など特別な設定は掲載されていない(ロイズ自身も、ベン・ジャクソン・斎藤さんと同じページ内にまとめられており、彼単独の掲載ではない)。
これらの事から、彼の子供や家族というのを単にシチュエーション作りの為の記号として用いているだけなのではないか、という疑念も湧いてくるが、真相は謎である。
ロイズの家族(ライジング本編より) |
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ロイズのオフィス(TV版第2話より)※wiki以外への転載禁止 |
ロイズの妻と子供達のラフ(ライジング版KOWより)※wiki以外への転載禁止 |
最終更新:2015年10月01日 23:32