◆チケット売り場のやり取りについて


作中、カリーナ(ブルーローズ)が虎徹の娘の楓のためにジャスティスフェスティバルのパレード特別観覧チケットを予約しようと、フェスティバルの事務局まで出かけた際、事務局員の口からバーナビーの抱えている事情を耳にする。

回想。ジャスティスフェスティバルの事務局。
パレードの特別観覧席のチケットを楓の為に予約しに来たブルーローズ。

事務局員「パレードの観覧チケットですね」

ブルーローズ「ええ」

回想。事務局員と話すブルーローズ。

事務局員「ブルーローズさんもプレゼントですか?ヒーローの皆さんはお優しいんですね」

ブルーローズ「は?」

回想。笑顔で話している事務局員。

事務局員「実は先日、バーナビーさんが孤児院の子供たちを招待したいと」

(ライジング版KOW完成台本P138より抜粋)

その後、カリーナは誤解からバーナビーと仲違いしたままヒーローをクビになっていた虎徹に対して
「何もわかってない」「今までアイツの何を見てたの?バーナビーはちゃんと理想を追ってるよ」と説教。
そこで虎徹は、バーナビーがギャラに拘っていた本当の理由を理解するのだが、一連の描写には幾つかの問題点が出てくる。


スタッフの話を聞くブルーローズwiki以外への転載禁止

【問題点】

  • 守秘義務を忘れて、バーナビーの事情をカリーナに漏洩するフェスティバル事務局員の職業意識とモラルのなさ。
いくらバーナビーが自らの理想や孤児院の子供達の事を話そうが(これはこれでバーナビーのモラルを疑う所でもあるが。それにしても、半ば見ず知らずのスタッフには話せる孤児院の事を、どうして虎徹だけには頑なに話さないのだろうか?)、スタッフ(それも単なるチケットセンター等の販売員ではなく、フェスティバル直轄の事務局員である)ならば、いかなる購入客の情報を知ったとしても、それを他者に口外する事はタブーである。

それを「バーナビーの事情をカリーナが知る」というシチュエーションのためとはいえ、上記の事柄を横において優先させるのはいかがなものか。
更にこの時、カリーナの傍にはタイタンインダストリーの社員ロバートが同行しているので(上図参照)、彼にもバーナビー関連の漏洩話を聞かれている可能性が非常に高い。

  • たまたま事務局スタッフの漏洩でバーナビーの事を知っただけにすぎないカリーナが、賢しらな態度で虎徹に上から目線で諭しているシーン。
「カリーナが、虎徹のバーナビーへの誤解を解く」事がポイントなのだろうが、彼女がバーナビーの事情を知った経緯や背景から、かえってその言動に嫌味や軽薄さを感じる。
(虎徹を説教した後にも、更に「…マーベリック事件の後、自分みたいに親がいない子どもを助けたいって色々やってるみたい」と、バーナビーの理想らしき内容をさも彼の事情通であるかのように語っている)
せめて「私も偶然知ったんだけど…」「こういう人のプライバシーの事は言いたくないけど」等の前置きがあれば、これらのマイナス印象を緩和できたのではないだろうか?

  • 何よりも、単に「虎徹のバーナビーに対する誤解を解く」だけならば、事務局でチケット購入のようなシチュエーションを作る必要はない。
アポロンメディアをクビになってタクシードライバーに転職した虎徹の情報が、僅か数日ほどでネットに出回った(カリーナも、このネットで虎徹の様子を知った)のだから、
顔出しヒーローで有名人のバーナビーが、出動に遅刻してでも孤児院の援助をする事など、虎徹よりもはるかに早く広まりそうなものだが。
(実際、ライジング後連載再開したMJ版ではバーナビーが有給休暇を取っただけでもニュースになるほどである)

ヒーローをクビになった虎徹が、再就職用に作成した自分のHPを確認するついでにバーナビーが孤児院に援助している事に関するネットの書き込みを発見、そこでようやくバーナビーが金に拘る本当の理由に気がつく、という形でも充分代用できたのではないだろうか?

  • 更に後日、犯人のフェスティバル襲撃を予測しておきながら、チケットを渡した彼らに何の対策もフォローもしていない。
これまでの事件による出動を経て、犯人がシュテルンビルトの女神の伝説になぞらえている事から、ジャスティスデーのフェスティバル当日に襲撃が来る事を予想していたバーナビーとカリーナは、子供達や楓に連絡を取って警告や場合によっては「やっぱり危ないから来てはダメ」と諦めさせる必要があるのだが、当日は祭り会場の警備をするだけで特別彼らに連絡したり気にかけたりしているような描写はない。

そして事件が起こった後も、バーナビーは子供達を置き去りにしたままシュナイダー救出へ。
カリーナも、(虎徹が一緒にいるからと踏んだのかは謎だが)楓を気遣うなどの様子は一切なかった。
最終更新:2016年10月20日 11:31
添付ファイル