人間、エルフとくれば次はドワーフか獣人か、この本ではドワーフについて語りたいと思う。毛むくじゃらで、頑固で、気難しく、酒と喧嘩が大好きで、恋人は身の丈のハンマー…なんて思われて居るのが一般的であろうか。実際のところは、概ね事実ではあるが、ドワーフの中でも人間に近く、美人な女性もいる事は特に記しておきたい…。

 兎に角、もともと彼等は山奥の、鉱山地帯の様な場所を住処とする、まさに鍛治の為に生まれてきた様な種族であった。大抵は力持ちで、非常に丈夫な肉体、そして驚くことに、見た目とは裏腹に繊細な仕事もできてしまうのだ。生憎、生まれ持って魔法に触れる機会が無かったのか、その辺りに関しては馴染みがない様だ。

 人間との初めての接触に関してはよく知られてないが、エルフより身近な存在である事から悪くは無かったのであろう。ともすれば、文献によっては共存してきたと記されてもいる。鍛治仕事は一級品であったが、どうやら良い設計図を書けるものがいなかったらしい。それを踏まえれば、設計こそすれど実際に作れなかった人間との相性は比較的良く、協力関係になるのは必然的であったか。


───著者不明
最終更新:2022年07月24日 21:41