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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

ヘタレと本音と欲望と

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匿名ユーザー

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 とある週末、今日は巴が桜田家に泊まる日だ。
 ジュンには「雛苺と過ごしたいから」と言ってあるが、一番の目的は恋人ののりと一緒に時間を過ごす事。
 もちろん雛苺と遊ぶのも楽しみなのだが、やっぱり付き合ってるんだから週末は甘い時間を過ごしたかった。

 そして今の時間は夜九時過ぎ。
 雛苺達は鞄の中に戻り、ジュンは部屋に戻っている…今からは甘い二人の時間。
 二人は誰もいなくなったリビングで、ソファに二人並んで座っている。
 もちろん、お互い手は握り合ったままで。
「雛ちゃん達も寝たわねぇ」
「そうですね、変わらず元気そうで安心しました」
「ええ、毎日元気いっぱいよ」
「そう…いつも雛苺の相手してくれてありがとうございます」
「ううん、雛ちゃんと遊ぶの楽しいから全然迷惑じゃないわよ」
 のりはそれだけ言うと巴へともたれかかって来た。
 巴からものりにもたれかかり、お互いの密着度がより高まる。
 テレビも消してあり、お互いの息以外聞こえない静かな空間。
 心地良い沈黙、お互いがそこにいるだけで十分な安心感が二人を包む。

 その沈黙を破ったのはピピピと言う無機質な電子音。
 お風呂が沸いたという合図だ。それを聞いて、二人はその音がした方を見る。
「お風呂沸いたみたいですね」
「そうね、巴ちゃん先入っていいわよ」
「いえ、のりさんの家なんですからのりさんが先にどうぞ」
「気にしなくても良いのに。…そうだ、じゃあ一緒に入る? 背中洗ってあげよっか?」
 ちょっと含みのある笑みでのりがそう問いかけると、巴は顔を赤くして立ち上がった。
「い、いいです一人で。…じ、じゃあ、お風呂借りますね」
 巴は赤い顔が見られないようのりから顔を背け、少し早足でお風呂場へと向かって行った。

―※―※―※―※―

「…はあ…まただ…」
 お風呂に浸かりながら、巴はさっきの自分を思い出して自己嫌悪に陥っていた。
 普通に部屋の中で甘えたりするのは平気なのだが、そこから先…例えば一緒にお風呂に入るとか、そう言うのは変わらず平気でいられない。
 恥ずかしくて緊張して、どうすればいのか分からなくなってしまうのだ。
 当然、体を重ねる時なんてもう全身が固まり頭が爆発しそうで、とても愛撫がどうのこうのとか言ってる場合じゃない。
 自分からは十分に感じさせてあげることもままならず、行為が終わった後は情けなくて落ち込んでしまう。
 のりはそんな巴を励まし庇ってくれるのだが、それが余計に申し訳なく感じて来る。
「…どうしてなんだろう…」
 何とかしてもっと積極的に、そして緊張しないようになりたいのだが。いつまでもこうだとのりに失礼だ。
 十分に自分からものりを感じさせ、お互いに体も心も満足させたい。
 …まあ、キスが出来るようになったのは、少しは成長した証拠かもしれないが。
「…ああもう!」
 不甲斐ない自分が嫌で、ネガティブな思考を振り払おうとお風呂の中へと沈み込んだ。

「…のぼせたかな…フラフラする…」
 エッチな考え事をしていたのと、それで少し長風呂したせいか足元が覚束ない。
 少しフラフラとした足取りでリビングに戻ると、のりがソファに座ってテレビを見ていた。
 ドアを開けるとのりは巴に気が付いてこっちを向く。
「お湯加減はどうだった?」
「ええ、ちょうど良かったですよ。ただ長風呂したせいかのぼせたっぽいですけど…」
「あら…大丈夫?」
 お風呂上りで赤くなった巴の顔を、のりは心配そうに覗き込む。
「そうだ、冷蔵庫にジュースがあるからそれ飲んで」
「いいんですか? ただの水でいいですけど…」
「だから遠慮しないで。私と巴ちゃんの仲なんだから。これはお姉ちゃん命令、分かった?」
「お姉ちゃん命令って…」
 真顔でそんな事を言うのりがおかしく、思わず笑みがこぼれた。
 そんな巴の額に一つキスを落とし、巴は少し驚いてそこに触れる。
「ちゃんと飲まなきゃダメよ? それじゃ、私もお風呂入ってくるわね」
「…はい…」
 少し惚けている巴に手を振ると、のりはリビングから出て行った。
 残された巴はのりに言われたとおりジュースを飲もうと、キッチンの冷蔵庫へ向かう。
 それを開けると、確かに手前側に果物の絵が書かれた缶が幾つかあった。
「これで良いか…」
 まだ少しフラフラする頭で、適当にオレンジが書かれている缶を手に取った。

―※―※―※―※― 

「ふう。巴ちゃん、ちゃんとジュース飲んでるかな」
 風呂から上がってさっぱりしたのりがリビングに戻ると、巴はソファに座ってボーっとしていた。
 よく見るとその手にはオレンジの書かれた缶が握られていて、ちゃんと飲んだことを知って一人頷く。
「ちゃんと飲んでるわね、えらいえらい」
 そう声を掛けると、それで巴はのりに気が付いてこっちを見た。
 巴はのりを確認すると立ち上がり、そのままつかつかと歩み寄ってくる。
 少し様子が違う巴に、のりは少し訝しんだ。
「? どうしたの、巴ちゃ…!」
 刹那、台詞を全て言い切る前に巴に唇で口を塞がれてのりの目が大きく見開かれる。
 更にのりの口をこじ開け、巴の生温かく湿った舌が入り込んできた。
「んんっ! んむ、あふ…!」
 激しく動揺するのりの口内を、巴の舌が水音をたてて動き回り犯していく。
 舌と同時に巴の唾液も一緒に口の中へ送り込まれ、どうする事も出来ずそれを飲み込んだ。
 それはまるで一種の媚薬のようにそれはのりの神経を痺れさせ、頭をクラクラさせる。
 いつもと違う巴の様子に恐怖を感じ取り、意識と力を振り絞り巴を引き離した。
 巴の口とのりの口を銀色のアーチが繋ぎ、蛍光灯に反射して輝き酷く淫靡な光景となる。
「はぁ…巴ちゃん、どうしたの…? いつもの巴ちゃんじゃない…」
「何言ってるの? 私は私だよ、のり」
 普段とは違う口調で呼び捨てにされ、背筋をゾクリとした物が走る。
 だがその中、巴の息から普段なら感じられない匂いを感じ取った。
「…巴ちゃん、まさかお酒飲んだ…?」
 変わった匂いはお酒の匂いに間違いない。
 そう言えば前に両親が帰って来た時に残して行った缶チューハイを冷蔵庫に入れっぱなしにしたままだった気がする。
 それを飲んでしまったのか。 

「お酒…ああ、あれお酒だったんだ。道理で変わった味だと思った」
「気付かなかったの!?」
「開けちゃったし捨てるのももったいなかったから、全部飲んだよ」
「もう…」
 呆れと驚きと諦めと色んな感情が入り混じって溜息を吐いた。
 巴はそんなのりに顔を近付けてきて、欲望の混じった目で顔を覗き込む。
「私にお酒を飲ませて、どうしようとしたのかな?」
「飲ませてって、そんなつもりじゃ…!」
「そんな悪い恋人にはお仕置きが必要かな。フフフ…今まで上手く出来なかった分、十分悦ばせてあげるからね…」
 とても中学生とは思えない程の色気を含んだ雰囲気の台詞に飲まれ、のりの体から力が抜けていく。
 そのまま押し倒され、フローリングの床のひんやりした冷たさが背中に伝わる。
 もはや抵抗する力も無くなり、そんなのりを巴は満足そうに見下ろした。
「可愛いよのり…愛してる…」
「…巴…ちゃん…」
 耳元でそう囁かれて完全に抵抗する気を失い、全てを巴に預けようと目を閉じる。
 そののりに巴はもう一度口付けようと顔を近付けていく。 

 ガチャッ。
「なんか腹減ったー。何か食べるも…の……」
 あと少しで唇と唇が重なるという所でリビングの扉が開き、ジュンが廊下から現れた。
 その瞬間、場の空気が完全に凍りつき、巴とのりはモロにジュンに見られてしまった。
 その時間はたっぷり数秒はあっただろうか、ジュンが口を開いた事で時間は動き出した。
「な、な、な、二人とも何して…!」
「…桜田君…よくも邪魔したわね…」
 完全にパニックになったジュンを、巴は怒りに満ちた目で睨みつける。
 そして立ち上がり、近くに置いてあった自分の竹刀袋から竹刀を取り出しジュンを見据える。
 殺される、そう察したジュンは慌てて弁明をし始めた。
「…ぼ、僕は何も見てない! 何にも何にもほんとに…!」
「ダァァァイ!!」
 ドゴッ!
「げふぅっ!!」
 必死に弁明をするジュンに、巴は情け容赦なく突き攻撃を放った。
 避ける間も無くそれを喰らったジュンはそのまま後ろにぶっ倒れて気を失ってしまった。
 さすがにのりもこれには驚き、思わずジュンに駆け寄る。
「じゅ、ジュン君大丈夫!?」
「大丈夫、急所は外してあるわ。明日には目を覚ますはず」
「ほ、本当…?」
「ええ、これは私とのりの邪魔をした…報…い…」 

 竹刀を袋にしまう巴だったが後半には力が抜けてきて、そのままその場に崩れ落ちてしまった。
 ジュンから慌てて巴へと駆け寄り何とか支えると、可愛らしい巴の寝息が聞こえて来た。
「…寝ちゃってる…」
 やれやれといった様子で笑みを浮かべ巴をお姫様抱っこすると、そのまま自分の部屋のベッドに寝かしつけた。
 顔を覗き込めば、さっきまでの様子が嘘のようなあどけない表情で眠りについている。
 頬をそっと撫でてあげると、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「…でもビックリした…巴ちゃん酔うとあんなふうになるんだ…」
 さっきまでの巴を思い出し、のりは少し恐ろしくなった。それと同時に、別な感情が浮かび上がる。
「…けど…ああいうふうに迫られるのも良いかも…」
 …意外と満更でもないのりだった。

 ちなみに、巴もジュンも目を覚ました時には昨日の事など全て忘れていた。

終わり
 

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