剣豪と影と輝ける星と ◆6XQgLQ9rNg


 ◆◆

 何が起こったのか、全く分からなかった。
 トッシュの心に言葉が届いたと確信しホッとして、名を名乗ったら彼が驚きを見せた。
 とか思っていたら赤毛の男は困ったように俯き加減になり、すぐに顔を上げて。

 トッシュがいきなり武器を構えて、空いた手でリオウを突き飛ばしてきた。
 固い床の上で転がってしまわないよう、リオウは咄嗟に受身を取って手を付く。
「どうしたんです――!?」
 尋ね声はトッシュの背中に飛び、返ってきたのは気迫で作られた叫びだった。
 声と共に、トッシュがひのきの棒を振るう。
 鈍い音と甲高い音が連続し、トッシュの足元に手裏剣――蒼流凶星が落下する。
 サスケが愛用しているその武器は、トッシュによって弾き落とされたようだった。
 その名の通り、天を流れる凶星のように手裏剣が降り注いでいる。
 そして、リオウは見る。
 手裏剣の雨を弾き、いなし、避けるトッシュに向けて高速で降下する、短剣を握った影――エイラを殺めた影を、だ。

「危ないッ!」

 叫び、トッシュに向けてリオウは駆ける。
 転がって見上げるトッシュの手にあるひのきの棒は、いつしかへし折れていた。
 リオウが必死で固い床を蹴り飛ばす。
 影が落ちてくる。
 トッシュが体勢を立て直そうとする。
 その左足にいくつもの手裏剣が突き刺さり機敏さを奪い取った。
 ひのきの棒を構え迎撃しようとしたトッシュが、初めて武器が折れていたことに気付く。
 トッシュの手から迎撃の手段が、喪失する。
 そして、手裏剣の雨が止んだ。
 代わりに、龍騎士の力を得て跳躍した影の刃が、トッシュへと肉迫する。
 重力加速度を味方につけた鋭い刃が、トッシュの身を切り裂くその直前に。

 リオウが、ヘッドスライディングのようにして、トッシュを吹っ飛ばした。
 そのままバランスを崩し、床に滑り込む。
 全身を擦り剥かせて、リオウは、妙に熱い床だと思った。

「馬鹿野郎ッ!!」

 トッシュの怒声と、全く同時のタイミングで。
 影の手にある、暗殺者の名を冠した刃が、リオウの皮膚を破り血管を引きちぎり肉を押し潰し臓器を貫いた。
 影の体重と落下の勢いが乗った一撃は、死の気配を一気に強めるほどの激痛を呼ぶ。
 体内に侵入してきた冷え切った異物の感触は、たまらなく不快だった。
 そんなリオウの意識を汲み取ったかのように、その刃はあっさりと引き抜かれる。
 直後、体内から熱い液体が噴出し身を汚していく。血液が喉に落ち、呼吸を阻害する。
 酸素を求めた喉が、思い切りむせ返る。その動作で傷口が刺激され、鋏で傷をこじ開け掻き混ぜられるような激痛が迸る。
 口の中に、粘ついた鉄の味が広がった。
 全身を駆け抜ける悪寒が、血液の喪失を自覚させてくる。血の巡りが悪くなれば、意識が遠のくまで時間はかからない。
 だから、気を失わないように、リオウは右手に意識を集中させる。
 そこに在る、真の紋章の片割れに、意識を注ぎ込む。

 ◆◆

「この野郎――ッ!」
 折れたひのきの棒を投げつけ、トッシュがシャドウに飛び掛る。
 だが負傷した足では踏み込みが甘くなり、速度も勢いも低い。
 そんな攻撃が、シャドウを捉えられるはずがない。容易に避けられ、付け入る隙を作ってしまう。
 シャドウの攻撃が肩を深く切り裂いた。
 それだけで済んだのは、トッシュの身のこなしが卓越していたためだった。
 全力で殴りかかるが、当たらない。
 手を止めては駄目だと、トッシュは思う。
 少しでも動きを止めれば、その隙を突いて死に至る一撃を叩き込まれるに違いない。
 故にトッシュは、がむしゃらに殴りかかる。
 動くたびに肩と足が痛み、血液が零れ落ちるが、不愉快さと痛覚を完全に無視をする。
 当たれと、倒れろと念じただひたすらに拳を放つ。
 一発、当たらない。
 二発、当たらない。
 三発、当たらない。
 四発、当たらない。
 五発、当たらない。
 避けられるたびに反撃が飛んできて、徐々に傷が増えていく。
 傷の数に比例して、心の悲鳴が大きくなる。
 悔しさが、無念さが、情けなさが、無力さが、トッシュを食い荒らす。
 誇りも仲間も護れなかった。
 護りたくないと思ったことなど一度もなかったはずなのに。
 必死だった。
 護りたいと思い、望み、願い、そして動き続けてきた。
 なのに、護りたかったものは全て、遥か遠いところで潰えて消えてしまった。

 ならば今はどうだ。
 肩を並べたいと思う男がいる。
 そいつは仲間の義弟であり、自身の迂闊さのせいで喧嘩を売ってしまった男だった。
 今度こそ護りたいと思った。すぐ側で護れると思った。
 そう思ったばかりだったのに。
 だというのに。

 ――俺は結局、何も護れやしねぇのか……。

 拳は当たらない。
 一発たりとも当たらない。
 それでも拳を止めはしなかった。
 止めたくなどなかった。
 止めた瞬間、あらゆるものを完全に失ってしまうような気がしたから。
 時折突き込まれる反撃を受けながらも、トッシュは拳を振り回す。
 体中が傷だらけだと、気付かずに。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ――ッ!!」

 その咆哮にどんな感情が乗っているのか、トッシュ自身にも分からなかった。
 ただ獣のように叫び、子どものように殴りかかるだけ。

 そんな体術とは決して呼べない攻撃で、いつまでも凌げるはずがない。
 右腕が掴み取られ、動きが止められた。
 慌てて振り払おうとするが、シャドウの力は思いの外強く、逃がしてはくれない。
 トッシュを切り裂こうと、リオウを貫いた刃が翻る。
 首筋を狙って突き込まれるその刃を避けるには、距離が近すぎた。
 トッシュは、半ば反射的に左腕を前に出して盾にする。
 腕の中に、鋭い金属が差し込まれた。
 それだけでは終わらない。
 シャドウは、トッシュの腕に突き立てた短剣を、引き抜かずにスライドさせたのだ。
 腕の中を、刃が滑らかに進んでいく。
 血管を、筋肉を、神経線維を切り裂く刃は、骨から全てをこそぎ落とそうとしているようだった。
 想像を絶する激痛が、駆け巡る。
 腕の中の組織が常に刻まれているせいで、痛覚が上げる絶叫は止まらない。
 ナイフを差し込まれたバターのように、体組織が切り取られていく。
 終わらない激痛を与えられ続けて、さしものトッシュも、意識を保てるはずがなかった。
 体中から、力が抜けていく。
 視界が完全に暗転する前に、トッシュが最後に捉えたのは、部屋中に広がる碧の輝きと、浮かび上がる『輝く盾』だった。

 ◆◆

 輝く盾の紋章によって生まれた光が、ゆっくりと薄まっていく。
 仲間の傷を完全に癒し、かつ敵を灼く眩い光は、本来の効力よりも遥かに弱まっていた。
 その証拠に、リオウの傷は全く癒えてはいないし、消耗した体力は少しも戻ってきてはいない。
 だというのに、彼は少なからず安堵を覚えていた。
 安堵する理由は、二つ。
 一つは、リオウの狭まった視界の中、倒れ伏すトッシュの身に刻まれていた無数の傷が、確かに癒えていたこと。
 もう一つは、エイラの命を奪ったあの影を、撃退できたことだった。
 本当によかったと、思う。
 今度は護ることができたのだ。
 エイラが槍に貫かれる瞬間を目の当たりにしたときから。
 冷たくなったナナミの姿を見つけたときから。
 ずっと無力感が滞っていた。淀んだそれは、リオウにこびり付いていた。
 だとしても、今度は救えた。護れた。その事実が、堪らなく嬉しかった。
 それでいてリオウは、自分と同じ無力感に、トッシュも捉われませんようにと、願う。
 そもそも、トッシュが先にシャドウの存在に気付き、リオウを助けてくれたのだ。
 伝えたいことがあった。告げたいことがあった。
 だから必死で、リオウは口を動かす。
 例えトッシュの意識がなくて、聞こえないと分かっていても。
 言わずにはいられなかった。
 小さく動く口から、絶え絶えの息遣いと粘ついた血液が零れ落ちる。
 その隙間を縫うように紡がれた声は、掠れていた。

「ありがとう……。あなたは……無力なんかじゃ……ない。だって……」

 ――あなたが助けてくれたから、今、ぼくはこんなに安心できている。

 そう続けようとするが、消えない痛みと息苦しさが邪魔をする。
 死の気配が、すぐ隣までやって来ていた。
 その濃密な気配は、リオウの脳裏に生の思い出を浮かび上がらせる。

 たとえば、都市同盟のリーダーとして、多くの仲間たちと戦ったときのこと。
 辛いことも多かった。傷つき悲しみ、逃げ出したくなるときだって、あった。
 それでも戦えたのは、仲間が支えてくれたから。ありがとうと思う。そして、申し訳ないとも、思う。
 そして、ビクトールビッキーが無事であるように願う。
 彼らがゴゴやトカ、トッシュと手を取り合えますようにと、望む。

 たとえば、ゲンカクに拾われて、温かな家族を得られたときのこと。
 ゲンカクはとても厳しくて、それ以上に優しい人だった。
 心から尊敬している。
 彼のようになれていたらいいなと、思う。

 たとえば、義姉と親友――ナナミとジョウイと共に過ごした、最高に楽しかった日々のこと。
 こんな輝かしい日々が、永遠に続くと思っていた。
 ずっとずっと三人で一緒にいられて、何だってできると信じてやまなかった。
 一度は道を違えてしまっても、目指すところはいつも同じで、見つめるものはいつだって変わらなくて。
 必ずもう一度、同じ道を歩けると思っていた。
 だけど。
 そんな夢のような時間は、悪夢じみた殺戮劇によって、呑み込まれてしまう。

 ――ごめん、ジョウイ。約束、果たせそうに、ないよ。

 霞んだ視界がじわりと滲み、ほとんど何も見えなくなる。
 寒気が止まらない。血が零れ落ちていくたび、生命力が零れる。
 熱かったはずの床から熱を感じられなくなっていく。
 身体の自由が効かず、感覚が徐々に失われ続ける。
 叫び出したくなるような激痛に苛まれていたはずなのに、もう、それすらも感じられない。 
 死神の鎌は、既にリオウの命に食い込み始めていた。
 このまま死んでしまうんだったら。
 せめて。
 せめて、右手の紋章が、ジョウイの元に届けばいい。届いて欲しい。
 届けと念じながら、力を振り絞り、右手を翳す。
 翳された拳に宿る紋章が、一際大きく輝いた。
 それは目を傷めそうなほどに強い光だが、不思議な優しさに満ちた輝きだった。

 その光に導かれるように、強い意志が宿り続けていた瞳が、閉ざされて。

 天魁星は、輝きを失った。

【リオウ(2主人公)@幻想水滸伝Ⅱ 死亡】
【残り37人】

 ◆◆

 制御室へ足を踏み入れた瞬間、鉄臭さが鼻をついた。
 それは、機械の城が放つ無機質な臭いではなく、生々しい臭いだった。
 ゴゴは足を止め、顔を顰める。
 制御室には、赤毛の男――トッシュが呆然と立ち尽くしていた。
 彼の視線の先にあるのは、血溜まりの中に倒れ伏す、たった一人の少年だった。
 もう彼は、ぴくりとも動いてはいない。
 うつ伏せになったリオウの背中には、深い傷が刻まれている。
 内部組織が覗いているその傷からは血液が止め処なく溢れていて、血溜まりを肥大化させ続けている。
「お、お客様のなかにお医者様はいらっしゃいませんかー!?」
 後ろで何か騒いでいるトカに構う気にはなれず、黙ったままゴゴはリオウへと近づいていく。

 もう二度と、あの“何か”が宿った瞳は見られないのだ。
 彼の物真似を完璧に行うことは不可能になり、リオウの物真似は不完全燃焼のまま終わってしまった。
 愛を知ったティナに続く興味深い対象の死に、悔しさを禁じえなかった。
 ゴゴは想起する。
 多くの思い出を、大切な仲間や親友、家族のことを語る、リオウの様子を。
 彼は、大切な義姉と義父の側に行けただろうか。
 そうであればいい。そうであってほしい。
 そんな感傷めいたことを想うのは、彼に惹かれていた証だろう。
 だがその事実も、もう、詮無い過去となって消え失せてしまう。

「お前が、やったのか?」
 トッシュの前で立ち止まり、ゴゴは静かに尋ねる。
 その抑揚のない声はどこまでも平坦で、性別すら分からない。
「あぁ……そうだな。コイツが死んじまったのは……俺のせいだ」
 彼の声が微かに震えているのを、ゴゴは聞き逃さなかった。
 無手であるトッシュの周囲には、へし折れた細い棒と、血に塗れた手裏剣がいくつも散らばっていた。
「そうか。ならば今度は、お前の物真似をさせてもらおう」
「……あァ? 何言ってやがンだ?」
 三白眼に睨まれるが怯まず、トッシュの全身をくまなく観察する。
 すると、ゴゴを取り巻く空気が、鋭いものに変わった。
 不意に殺気立ったゴゴは、早足でトッシュに歩み寄る。
「腑抜けてんじゃねぇッ!」
 迷わず、その横面を思い切り殴りつけた。トッシュの身体が吹き飛び、床を滑る。
「てめぇのせいでリオウが死んだんだろ?
 だったら、こんなとこでボサっとしてねぇでやるべきことがあるだろうが!」
 驚愕に染まった顔でゴゴを見上げるトッシュ。ゴゴはその胸倉を掴み、強引に立ち上がらせる。
 接触しそうなほどに顔を近づけ、至近距離でトッシュを睨みつけた。
「てめぇの手で、けじめを付けやがれ」
 凄みを利かせた低い声で告げると、トッシュを投げ捨てるように手を離す。
「もしできねぇんだったら、俺が一人でやってやる。
 リオウが死んだのは――俺のせいでもあるからな」

 吐き捨て、トッシュに背を向けて歩き出す。
 ゴゴもまた、リオウの死には責任を感じていた。
 妄言を垂れ流すトカをもっと早く説得できていれば、すぐにここへ戻ってこれた。
 あるいは、トカの説得を早々に切り上げて戻ってくるべきだった。
 そうすれば、リオウを救えたのかもしれないのに。
 そして、責任を感じているが故に、ゴゴは直感していた。
 トッシュが直接リオウを殺めたわけではないだろう、と。
 仮に手を下したのがトッシュなら、あの呆然とした様子や声を震わせていた様子や、『俺のせい』という言葉は不自然だ。
 トッシュが、人を殺しておいて平然と演技が出来そうな男だったなら、その不自然さも作られたものである可能性も考えられた。
 しかし、この見るからに不器用そうな男が、そんな演技ができるとは思えなかったのだ。
 そして、その推測が確かなら。
 この城の中に、リオウを殺した殺戮者がいることになる。
 そいつに意趣返しをすることこそ、トッシュとなったゴゴと、トッシュ本人にとってのけじめのはずだ。

「おいトカゲ」
「は、はいッ!? めまぐるしい展開に置いてけぼりだった我輩に、ようやく日の目が当たったトカ!?」
「下らないこと言ってねぇで、リオウを弔ってやってくれ。お前に頼むのは癪だが、お前しかいねぇからな。
 終わったら必ずここで待っていろ。
 それでもし、誰かに襲われたなら、とりあえず騒げ。いいな?」
「わ~~~おッ! もしかして我輩の期待度うなぎ上りの急上昇?
 ならば応えないわけにはいきませんな。万事お任せあれ!」
 胸を張るトカに、ゴゴは大いなる不安を覚える。
 だが、最低限の常識はあるだろうとタカをくくり、制御室を後にすべく階段を上がる。
 手がかりはないが、虱潰しに捜すしかない。まずは城を隅々まで回るべきだろう。
「……待てよ」
 そう呼び止められたのは、駆け出そうとしたときだった。

 ◆◆

 制御室から出て行こうとするゴゴを、迷わずに呼び止める。
 振り返り見下ろしてくるゴゴの眼光は鋭く、まるで自分に見られているようだった。
「誰も、できないなんて言ってないぜ」
 傷も痛みも疲れもなく、体調は絶好だと言っていい。
 おそらく、あの碧の光のおかげだろう。
 リオウの手に宿った『輝く盾の紋章』の力。
 ナナミやビクトールから聞いていたそれが、今、トッシュを生かしている。
 リオウによって、救われた。
 言わばこの命は、リオウに貰ったようなものだ。
 ならば、彼の無念を晴らすのは、紛れもなく自分の役目だ。
 たとえ武器がなくとも、無様に腑抜けてなどいてはならない。
 分かっていたはずだ。
 それなのに、度重なる無力さや無念さが、トッシュをがんじがらめに縛り付けていた。
 断ち切れたわけでは決してない。トッシュは未だ、それらを引きずっている。
 だからまだ、果てしなき蒼は握れない。
 それでも、トッシュは立ち上がり歩き、階段を昇る。
 そんなトッシュに、ゴゴがデイバックから取り出した何かを差し出した。
 それは何処にでも在るような変哲のない、細身の剣だった。
「丸腰でいられても、足を引っ張られるだけだからな」
「ありがてぇ……!」
 軽いその剣は、何度か使えばすぐに壊れてしまいそうだった。
 だが、構わない。
 大層な名を持つ魔剣よりは、いくらか今の自分には相応しい。
 何も出来ない無力さに完全に押し潰されてしまうのは、何も果たせずにこの剣が壊れてしまったときでいい。
「さぁ……行こうぜ。けじめを付けによ」
 トッシュの声に、ゴゴが頷く。
 そしてトッシュは、急ぎ階段を駆け上がる。
 あらゆるわだかまりを、断ち切るために。
【C-5地下北西 移動してきたフィガロ城内部制御室周辺 一日目 昼】
【ゴゴ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:トッシュの物真似中、健康
[装備]:花の首飾り、点名牙双
[道具]:不明支給品0~1個(確認済み。回復アイテムは無し)、基本支給品一式
    ナナミのデイパック(スケベぼんデラックス@WILD ARMS 2nd IGNITION、基本支給品一式)
[思考]
基本:数々の出会いと別れの中で、物真似をし尽くす。
1:城の中の殺戮者を探し、リオウの仇を取る。
2:後に制御室へ戻り、トカと行動を共にする。
3:ビッキーたちは何故帰ってこないんだ?
4:トカの物まねをし足りない
5:人や物を探索したい。
[備考]
※参戦時期はパーティメンバー加入後です。詳細はお任せします。
※基本的には、『その場にいない人物』の真似はしません。

【トッシュ@アークザラッドⅡ
[状態]:健康。
[装備]:ほそみの剣@ファイアーエムブレム 烈火の剣
[道具]:不明支給品0~1個(確認済)、基本支給品一式 、ティナの魔石 、果てしなき蒼@サモンナイト3
[思考]
基本:殺し合いを止め、オディオを倒す。
1:城の中のシャドウを捜し、リオウの仇を取ってけじめをつける。
2:果てしなき蒼は使わない。
3:リオウに免じて、トカゲも許してやろうか……?
4:必ずしも一緒に行動する必要はないが仲間とは一度会いたい(特にシュウ)。
5:ルカを倒す。
6:第三回放送の頃に、A-07座礁船まで戻る。
7:基本的に女子供とは戦わない。
[備考]:
※参戦時期はパレンシアタワー最上階でのモンジとの一騎打ちの最中。
※紋次斬りは未修得です。
※ナナミとシュウが知り合いだと思ってます。
※果てしなき蒼@サモンナイト3はトッシュやセッツァーを適格者とは認めません。
※セッツァーと情報交換をしました。ヘクトルと同様に、一部嘘が混じっています。
 エドガー、シャドウを危険人物だと、マッシュ、ケフカを対主催側の人物だと思い込んでいます。

 ◆◆

 制御室ではやはり、機械の音がいつまでも響いていた。
 もう動かなくなってしまったリオウを眺めるのは、リザード星の住人だ。
 トカは覚えている。
 強い意志の宿る、澄み渡ったリオウの瞳を。
 トカは覚えている。
 居場所に帰るために力を貸してほしいという、リオウの言葉を。
 トカは覚えている。
 いなくなった人の分まで生きたいという、リオウの叫びを。
 されどもう、強い意志は潰えてしまい彼の望みは叶わない。
 いくら天才科学者とはいえ、死者を甦らせられはしない。
 リオウは既に、物言わぬ存在になり果ててしまったのだ。

 しかし彼は、トカに一つの希望をもたらした。
 それは、優勝せずとも故郷に帰れるかもしれない、というものだ。
 故郷への帰還だけを夢見ているトカにとっては、手段や過程などどうでもよかった。
 他者を利用した結果リザード星に帰れるのなら、それでも何ら問題はない。
 あの金髪キザ野郎や野蛮な赤毛男と友好的な関係を築けるかは分からない。
 だとしても、闇雲に殺しまわるのではなく、人脈を広げていくのも手だと、トカは思う。
 その結果、やはり魔王には叶わず星に帰れないのなら。
 そのときこそ、他の参加者を皆殺しにすればいいのだ。


「ありがとうリオウくん。我輩は君の犠牲を、決して無駄にはしない……!」
 どのように弔おうか考えながら、トカはリオウの支給品を回収し、遺体を抱え上げた。

【C-5地下北西 移動してきたフィガロ城制御室 一日目 昼】
【トカ@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:疲労(大)、尻尾にダメージ小。
[装備]:エアガン@クロノトリガー 、魔導アーマー(大破。一応少しずつ回復中?)@ファイナルファンタジーⅥ
[道具]:クレストカプセル×5@WILD ARMS 2nd IGNITION(4つ空)
    天命牙双(右)@幻想水滸伝Ⅱ、魔石『マディン』@ファイナルファンタジーⅥ、
    閃光の戦槍@サモンナイト3、基本支給品一式×2
[思考]
基本:リザード星へ帰る。
1:リオウを弔い、とりあえず制御室で待つ。
2:フィガロ城を地上に戻したい。
3:金髪キザ野朗(エドガー)や野蛮な赤毛男(トッシュ)を含む参加者と協力し、故郷へ帰る手段を探す。
4:もしも参加者の力では故郷に帰れないなら皆殺しにし、魔王の手で故郷に帰してもらう。
[備考]:
※名簿を確認済み。
※参戦時期はヘイムダル・ガッツォークリア後から、科学大迫力研究所クリア前です。
※クレストカプセルに入っている魔法については、後の書き手さんにお任せします。
※魔導アーマーのバイオブラスター、コンフューザー、デジュネーター、魔導ミサイルは使用するのに高い魔力が必要です。

※制御室に、蒼流凶星@幻想水滸伝Ⅱがいくつか落ちています。

 ◆◆

 ごとごと、ごとごとと、機械が動き続けている。
 フィガロ城の地下奥に座り込み、機械特有の油臭さを感じながら、シャドウは回復魔法を詠唱していた。
 あのまま腕を刻み、赤毛の男を仕留めるつもりだった。
 なのに失敗したのは、少年を殺し切れていなかったせいだ。
 詰めが甘かったとシャドウは反省する。
 確実に少年を殺していなかったせいで、赤毛の男の傷は癒され、シャドウは光に灼かれてしまった。
 本能的に危機を察知し、即座に撤退したため致命傷を負わずに済んだが、相手を侮っていたと言わざるを得ない。

「ケアルラ」

 先ほどの熱を持った光とは異なる輝きが、シャドウを包む。
 薄い光がもたらす回復力では、全快には程遠く、痛みも疲労も残っている。
 だが、戦闘に支障がない。
 音もなく立ち上がる。
 やるべきことは明瞭だ。考える必要も迷う理由も立ち止まる道理も、欠片ほどに存在しない。
 索敵と殺害を、果てしなく繰り返すのみ。
 かくしてシャドウは気配を隠しながらも、移動を開始した。
 感慨も感傷もなく、ただ獲物を求めて。

 駆動音と油臭さと蒸気が溢れる機械の城には未だ、影が潜んでいる――。

【C-5地下北西 移動してきたフィガロ城地下 一日目 昼】
【シャドウ@ファイナルファンタジーVI
[状態]:疲労(中)、左肩にかすり傷、腹部にダメージ(小)、軽い火傷。
[装備]:アサッシンズ@サモンナイト3、竜騎士の靴@FINAL FANTASY6
[道具]:蒼流凶星@幻想水滸伝Ⅱ、エイラのランダム支給品0~2個(確認済み)、基本支給品一式*2
[思考]
基本:戦友(エドガー)に誓ったように、殺し合いに乗って優勝する。
1:有利な現状を存分に活かしフィガロ城内の人間を殺す。
2:参加者を見つけ次第殺す。ただし深追いはしない。
3:知り合いに対して……?
[備考]:
※名簿確認済み。

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投下順で読む


077-1:機械仕掛けの城での舞踏 トカ 090-1:グリーン・デスティニー
シャドウ
トッシュ
ゴゴ
リオウ GAME OVER


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最終更新:2010年07月01日 21:15