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『皇帝の怒り』


(キャラ)ローズ・ティコ、ダース・シディアス、フィン





真夜中の渋谷は死の静寂に包まれていた。
本来ならば無数の人々が行き交い、ネオンと喧騒が渦巻くはずの場所に、今はただ冷たい夜風だけが吹き抜けている。街灯の明かりが虚しくアスファルトを照らし、信号機は意味を失ったまま赤と青に点滅を繰り返していた。


「はあっ……はあっ……!」


フィンは息を荒げながらローズの手を強く引いていた。背中のデイパックが激しく揺れ、中に放り込まれた支給品の金属音が夜の静寂に不気味に響く。


「ローズ、急げ! あいつが来る!」

「わかってる……!」


ローズ・ティコはレジスタンスの整備兵として数々の戦場を潜り抜けてきた女性だ。
フィンは彼女の隣を走りながら歯を食いしばった。元ファースト・オーダーのストームトルーパーとして育てられた男だが、脱走以来レジスタンスの重要な戦力となっていた。


「くそっ……なんなんだこの状況は!」


二人がこの場所に引きずり込まれたのは、ほんの数分前のことだった。
気がついた時には見知らぬ首輪が首に装着され、奇妙なデイパックとスマホが手元にあった。
そして——


「逃げろ! あいつは……あいつは本物だ!」


フィンが叫んだ瞬間だった。
夜空を裂くような、青白い閃光が二人の背後から迫ってきた。

ズズゥゥゥゥンッ!

地面が爆ぜコンクリートが溶けるほどの雷撃が夜気を焼き払う。逃げ惑う二人の影を、圧倒的な暗黒の気配が追い詰めていた。
ゆっくりと、しかし確実に。
黒いローブを纏った老人が迫ってくる。顔は深く影に覆われ黄色く輝く双眸だけが闇の中で異様に浮かび上がっていた。
ダース・シディアス。
銀河帝国の樹立をその手に成し遂げた、シスの暗黒卿その人だった。






ダース・シディアスは、怒りに震えていた。
銀河帝国が正式に樹立された、その瞬間に——。
元老院の議場で、ジェダイの反乱を糾弾し、新たな秩序の始まりを宣言したその最高の瞬間に、彼はこの忌々しい殺し合いに引きずり込まれたのだ。
首に巻かれた首輪が、冷たい金属の感触でシディアスの皮膚を締め付ける。暗黒面の力を用いても、これを外すことはできなかった。試みた瞬間、警告音と共に死の危険を感知した。爆発すれば復活すら出来ない完全なる死が訪れると理解した。


「…………許せん」


シディアスの唇から、低い呻きが漏れた。
野望が成就した瞬間。ジェダイを滅ぼし、銀河を掌握したその瞬間に、こんな戯れに巻き込まれるなど、到底受け入れられるものではなかった。暗黒面の力さえ制限されている。この屈辱。この怒り。
シスの力は怒りによって増幅される。
ならば今、シディアスはかつてないほどに強大だった。
前方に二つの気配が見えた。逃げ惑う愚かな虫けらども。


「逃がさん」


フィンとローズは必死に路地へと逃げ込もうとしていた。フィンはブラスターを構え、後ろを振り返りながら牽制射撃を繰り返す。
無駄だ。
シディアスは右手をゆっくりと掲げた。
暗黒面の力が、怒りに応じて全身を駆け巡る。制限されているとはいえ、まだ十分に——


「無限のパワーを食らえ!」


シディアスの声が夜の渋谷に響き渡った。
瞬間、両手から青白いフォース・ライトニングが奔流となって放たれた。

ビリビリビリビリッ!!

雷撃の奔流が路地を埋め尽くす。看板が溶け、アスファルトが爆ぜ、街灯が次々とショートして火花を散らした。フィンとローズの悲鳴が、稲妻の轟音にかき消される。


「うああああああっ!?」


フィンが身を挺してローズを庇おうとした。しかし遅い。ライトニングは二人を同時に捉え容赦なく肉体を焼き焦がした。


「フィン……!」


ローズは震える手でフィンの頰に触れ、血の混じった唇を寄せた。


「愛してる」


二人はキスをした。
最後の瞬間、互いの唇を重ねながら。
二人の身体は青白い雷光に完全に包み込まれた。
肉が焼ける音、骨が砕ける音、絶叫が混じり合い、二つの黒焦げの骸が、路地の地面に崩れ落ちた。


【フィン@スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ 死亡】
【ローズ・ティコ@スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ 死亡】


ダース・シディアスはゆっくりと息を吐いた。
怒りはまだ収まらない。
いや、むしろ増幅している。
この街にいるであろう他の参加者たち。強制的にここに連れてこられた哀れな駒ども。
シディアスはローブの袖を払い、ゆっくりと歩み寄った。
黒焦げになったフィンとローズの骸を見下ろす。
シディアスは薄く笑った。怒りに満ちた、冷たい笑みだった。


「48時間……か、良かろう。参加者全員を暗黒面の力で叩き潰してくれる。そして最後の一人になった暁には——」


シディアスは首輪に指を這わせ、冷たい金属の感触を確かめた。


「主催者にこの屈辱の代償を、必ず支払わせるとしよう」


夜風が黒焦げの死体の臭いを運んでくる。
シディアスはゆっくりと歩き始めた。
シスの暗黒卿としての暴力が、今この街に解き放たれた。
怒りが彼の原動力だ。
そしてこの怒りは、まだ始まったばかりだった。


【ダース・シディアス@スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐】
[状態]:極度の憤怒と屈辱
[装備]:ライトセーバー×2
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1
[思考]:全参加者を暗黒面の力で殲滅する。
1:制限されたフォースの力を怒りで補い敵を狩る。
2:最後の一人になった暁には主催者への復讐を果たす。







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最終更新:2026年08月12日 23:42