「今日は寒いな」
「そうですねー、関西の方が東京よりは暖かいイメージありましたけどそうでもないですね」
「阪神レース場は川沿いだからね、山から吹きおろしの冷たい風が吹いてくるから仕方ないさ」
皆さんこんにちは、カランドローネです
今日は桜花賞の当日、今回こそは!と意気込んだ結果何とかしてルドルフさんとナリタブライアンさんが桜花賞の視察に来るのに無理矢理くっついてくることが出来ました!
「そうですねー、関西の方が東京よりは暖かいイメージありましたけどそうでもないですね」
「阪神レース場は川沿いだからね、山から吹きおろしの冷たい風が吹いてくるから仕方ないさ」
皆さんこんにちは、カランドローネです
今日は桜花賞の当日、今回こそは!と意気込んだ結果何とかしてルドルフさんとナリタブライアンさんが桜花賞の視察に来るのに無理矢理くっついてくることが出来ました!
……代わりに外泊許可は貰えなかったので桜花賞が終わったら皆さんと一緒に府中へトンボ返りです……
せっかくだから1泊したかった……
ブライアンさんそれがわかった上で
「菊花賞や阪神大賞典の時に食った神戸牛のステーキや近江牛のすき焼きは美味かったぞ」
とかドヤ顔で言うんですよ?
これはイジメですか?
でも言った後で本人も哀しそうな顔になっていたので痛み分けかもしれません……
(ルドルフさんは苦笑してました)
せっかくだから1泊したかった……
ブライアンさんそれがわかった上で
「菊花賞や阪神大賞典の時に食った神戸牛のステーキや近江牛のすき焼きは美味かったぞ」
とかドヤ顔で言うんですよ?
これはイジメですか?
でも言った後で本人も哀しそうな顔になっていたので痛み分けかもしれません……
(ルドルフさんは苦笑してました)
私達の現在位置は阪神レース場のスタンド席の指定席
の筈だったのですが、ブライアンさんが
「現場近くで見ないとレースの機微は解らん」
と言ってずんずんと進んだ結果、2階席のゴール前最前列、吹きっさらし部分に来ております
自販機で買ってきたホットココアが美味しいです
の筈だったのですが、ブライアンさんが
「現場近くで見ないとレースの機微は解らん」
と言ってずんずんと進んだ結果、2階席のゴール前最前列、吹きっさらし部分に来ております
自販機で買ってきたホットココアが美味しいです
時刻は現在15:10、そろそろ桜花賞のパドックの時間なのですが、
ぎっしり人が詰まっているこの状態でここから離れたら戻って来られなさそうなので、仕方なく待機しています
ぎっしり人が詰まっているこの状態でここから離れたら戻って来られなさそうなので、仕方なく待機しています
「パドックが始まったようだね」
場内モニターにパドックの様子が映し出されています
少し遠くなので細かいところまでは見えませんが、流石ティアラの第1戦、凄い盛り上がりのようです
場内モニターにパドックの様子が映し出されています
少し遠くなので細かいところまでは見えませんが、流石ティアラの第1戦、凄い盛り上がりのようです
「あ、くーちゃんだ」
画面にくーちゃんが映りました
ルドルフさんの勝負服とよく似た濃い緑色のへそ丈のベルスリーブジャケット
右肩には赤い飾り布付のエポレットがワンポイントで着いています
その内側に、オフショルダーのスリットワンピース
明るい緑色のワンピースの首元が白レースで少し透けているのがお洒落です
ワンピースの上にはこれまた白いレースのサッシュを掛け、その上からジャケットを羽織っています
ウエストにはジャケットと同じ色のサッシュベルト、重ね着のスカートは膝丈のプリーツスカート
緑がかったグレーのスカートがワンピースのラインをキレイに見せています
そして頭にはメンコと一体化した肩口までのショートベール付のファシネーター
色味は濃い緑色で統一して全体的なシルエットは花嫁衣装にもパーティードレスにも見える姿ですが、エポレットとサッシュがその印象を引き締めています
画面にくーちゃんが映りました
ルドルフさんの勝負服とよく似た濃い緑色のへそ丈のベルスリーブジャケット
右肩には赤い飾り布付のエポレットがワンポイントで着いています
その内側に、オフショルダーのスリットワンピース
明るい緑色のワンピースの首元が白レースで少し透けているのがお洒落です
ワンピースの上にはこれまた白いレースのサッシュを掛け、その上からジャケットを羽織っています
ウエストにはジャケットと同じ色のサッシュベルト、重ね着のスカートは膝丈のプリーツスカート
緑がかったグレーのスカートがワンピースのラインをキレイに見せています
そして頭にはメンコと一体化した肩口までのショートベール付のファシネーター
色味は濃い緑色で統一して全体的なシルエットは花嫁衣装にもパーティードレスにも見える姿ですが、エポレットとサッシュがその印象を引き締めています
「おー、くーちゃんカッコいい」
「何も私に似せる必要はないとは言ったのだがね
レクイエムがこれが良いと言って聞かなかったのさ」
「あ、ルドルフさんは先に見てたんですね
くーちゃん『当日までのお楽しみ』って私には絶対見せてくれなかったんですよ」
「レクイエムを擁護するなら、彼女にも姉としての誇りがあるのだろうさ
勝負服は戦装束だ
君にはその一番映える姿を見せたかったのだろうし、
それならやはりレースの当日を置いて他にはないだろう」
「シンボリ家の連中は面倒くさいのしか居ないのか?会長」
ブライアンさんが私達の会話に呆れたようにツッコミを入れます
「面倒くさいのは重々承知だがね
こう言う心意気というものも大事なのは君とて理解しているだろう?」
「心意気が無意味とは言わんが、まずはレースの結果を出すことを考えるべきだろうに」
「その結果を出す為にも心意気が必要なのさ、あの子のようなタイプは」
「面倒くさいのは変わらんな」
「君にかかると心意気も形無しだな
勝たな、仕方なし
と関西なら言うところか」
自信満々に駄洒落を飛ばすルドルフさん
気のせいか横におられるURA職員の方の顔も引き攣っているように見えます
「何も私に似せる必要はないとは言ったのだがね
レクイエムがこれが良いと言って聞かなかったのさ」
「あ、ルドルフさんは先に見てたんですね
くーちゃん『当日までのお楽しみ』って私には絶対見せてくれなかったんですよ」
「レクイエムを擁護するなら、彼女にも姉としての誇りがあるのだろうさ
勝負服は戦装束だ
君にはその一番映える姿を見せたかったのだろうし、
それならやはりレースの当日を置いて他にはないだろう」
「シンボリ家の連中は面倒くさいのしか居ないのか?会長」
ブライアンさんが私達の会話に呆れたようにツッコミを入れます
「面倒くさいのは重々承知だがね
こう言う心意気というものも大事なのは君とて理解しているだろう?」
「心意気が無意味とは言わんが、まずはレースの結果を出すことを考えるべきだろうに」
「その結果を出す為にも心意気が必要なのさ、あの子のようなタイプは」
「面倒くさいのは変わらんな」
「君にかかると心意気も形無しだな
勝たな、仕方なし
と関西なら言うところか」
自信満々に駄洒落を飛ばすルドルフさん
気のせいか横におられるURA職員の方の顔も引き攣っているように見えます
「ルドルフさん……
人前では止めましょうよ……」
「会長、いつも言っているがアンタのそれは周りの士気を下げるからレースの前にはやめた方が良い」
「そうなのか……」
ちょっぴり肩を落として寂しそうなルドルフさんですが、これを聞いて困惑する周囲の一般客の皆さんの気持ちにも配慮したほうがいいと思います
人前では止めましょうよ……」
「会長、いつも言っているがアンタのそれは周りの士気を下げるからレースの前にはやめた方が良い」
「そうなのか……」
ちょっぴり肩を落として寂しそうなルドルフさんですが、これを聞いて困惑する周囲の一般客の皆さんの気持ちにも配慮したほうがいいと思います
返しウマで出走者が1人ずつバ場に出てきました
皆が軽く走る中、くーちゃんはゆっくりとコースの内ラチの側を走って点検しています
皆が軽く走る中、くーちゃんはゆっくりとコースの内ラチの側を走って点検しています
「くーちゃん大分慎重になってますねー、デビューの時や年末のこともあったし」
「レクイエムは芝に二回も泣かされたからな、慎重になるのもさもありなんと言うところだ」
「芝に泣かされる程度の実力なのが悪い」
ブライアンさんのコメントがセメントすぎます
「レクイエムは芝に二回も泣かされたからな、慎重になるのもさもありなんと言うところだ」
「芝に泣かされる程度の実力なのが悪い」
ブライアンさんのコメントがセメントすぎます
発走が近づくにつれ緊張が高まってきました
これは桜花賞
ティアラ三冠の第1戦であり、古くは八大競走にも挙げられていた由緒正しい1戦
そのレースにくーちゃんが出ると言う事の重さに私の方がプレッシャーを感じています
くーちゃんも、グローリア先輩も、パストラル先輩もここから見ると気合こそ入っていても緊張しているようには見えません
この揺るがない精神こそが大レースに必要なものなのでしょう
……私の精神は今更ながら揺るぎっぱなしですが……
これは桜花賞
ティアラ三冠の第1戦であり、古くは八大競走にも挙げられていた由緒正しい1戦
そのレースにくーちゃんが出ると言う事の重さに私の方がプレッシャーを感じています
くーちゃんも、グローリア先輩も、パストラル先輩もここから見ると気合こそ入っていても緊張しているようには見えません
この揺るがない精神こそが大レースに必要なものなのでしょう
……私の精神は今更ながら揺るぎっぱなしですが……
「ブライアン、君はこのレース誰が本命だと思う?」
唐突に、ルドルフさんがブライアンさんに質問しました
「前走までのデータだけを見るならサクラグローリアだな
追い込みとは言え上がりの脚がジュニア離れしている」
やはりブライアンさんから見てもグローリア先輩は図抜けているようです
「ふむ、パストラルやレクイエムはどうかな?」
「パストラルは悪くない
タイム自体もここまで優秀だし、マイルでサクラグローリアに食いつけるのは阪神JFで証明している
アンタの親戚のレクイエムはわからん
出走レースの記録も悪くない程度だし、競った相手がメイクデビュー以外格下過ぎる
しかも怪我明けとはいえ格下に一度負けている
あと二人には及ばないように見えるがな」
反論したいところですが実績だけで評価するとそうなるのは事実です
悔しい……!
「返しウマを見てもそう思うか?」
「気合のノリ具合は良い
それ以上は走ってみないと判らん」
「だそうだよ、カランドローネ
どうやらレクイエムの気合の入り方はブライアンの御墨付きのようだ」
横で二人の話を聞いて沈んでいた私に唐突に話が振られました
唐突に、ルドルフさんがブライアンさんに質問しました
「前走までのデータだけを見るならサクラグローリアだな
追い込みとは言え上がりの脚がジュニア離れしている」
やはりブライアンさんから見てもグローリア先輩は図抜けているようです
「ふむ、パストラルやレクイエムはどうかな?」
「パストラルは悪くない
タイム自体もここまで優秀だし、マイルでサクラグローリアに食いつけるのは阪神JFで証明している
アンタの親戚のレクイエムはわからん
出走レースの記録も悪くない程度だし、競った相手がメイクデビュー以外格下過ぎる
しかも怪我明けとはいえ格下に一度負けている
あと二人には及ばないように見えるがな」
反論したいところですが実績だけで評価するとそうなるのは事実です
悔しい……!
「返しウマを見てもそう思うか?」
「気合のノリ具合は良い
それ以上は走ってみないと判らん」
「だそうだよ、カランドローネ
どうやらレクイエムの気合の入り方はブライアンの御墨付きのようだ」
横で二人の話を聞いて沈んでいた私に唐突に話が振られました
「は、はい?!」
「おや、驚かせてしまったかな?
レクイエムを心配しているようだったが、ブライアンの言うとおり気合のノリ具合は良い
君の姉貴分はそんな状態でライバル達に食いつけないようなウマ娘ではないだろう?」
微笑むルドルフさん
「何故判りきったような話をするのかと思えばソイツのお守りか
過保護が過ぎるぞ」
「後輩を導くのも生徒会長としての仕事の内だよ
私情が入っていないとは言わないがね」
「アンタは甘すぎる」
ルドルフさんの心配りが有難いです
先程までの緊張や不安が、嘘のように落ち着いてコースを眺めることが出来ています
返しウマが終わり、ゲートの前で順番待ちをするくーちゃんの姿を見ながら
今日は心残りのないレースをしてほしい、
その上で出来るなら勝って欲しい
私はそう祈らずには居られませんでした
「おや、驚かせてしまったかな?
レクイエムを心配しているようだったが、ブライアンの言うとおり気合のノリ具合は良い
君の姉貴分はそんな状態でライバル達に食いつけないようなウマ娘ではないだろう?」
微笑むルドルフさん
「何故判りきったような話をするのかと思えばソイツのお守りか
過保護が過ぎるぞ」
「後輩を導くのも生徒会長としての仕事の内だよ
私情が入っていないとは言わないがね」
「アンタは甘すぎる」
ルドルフさんの心配りが有難いです
先程までの緊張や不安が、嘘のように落ち着いてコースを眺めることが出来ています
返しウマが終わり、ゲートの前で順番待ちをするくーちゃんの姿を見ながら
今日は心残りのないレースをしてほしい、
その上で出来るなら勝って欲しい
私はそう祈らずには居られませんでした