68-243「佐々木さんのキョンな日常 黄金週間の二人」

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 5月の大型連休の最後の日のことだ。佐々木から電話をもらい、俺は佐々木と二人で買い物に行くことになった。  大型連休中、俺は親戚の家に行った以外は大したこともなく、なんとなく時間を無駄に過ごしていた。そんな 時、佐々木から「キョン、時間があるなら買い物に付き合ってくれないか。」と連絡が有り、、暇だった俺は 二つ返事で承諾した。  当日、佐々木は我が家にやって来た。待ち合わせ時間までまだ大分余裕があるのだが、やけに早いな。  佐々木の姿を見ると、妹と母親は喜んで、特に妹は俺達が買い物に行くことを知ると付いてくるとか言い出した が、今回はダメだ。連休中、さんざん妹の遊び相手をさせられて、最後の日ぐらいは勘弁して欲しいからな。  初夏の季節を先取りしたような、空色の服を着ている佐々木の姿は、いつも見慣れた制服姿とは違った魅力がある。  葉桜が鮮やかな翠色を誇っている並木道の下を俺達は歩いていた。日に日に日差しは強くなっている。春から夏へ、 確実に季節は動いているのだ。  電車に乗って、百貨店やファッションビル、大型SCが集中する街中に向かった。電車の中で、何人かの男共が佐々木 の方へ視線を向けていた。そういう事をを目にすると、やはり俺の親友は美しい女の子なんだな、と再確認する。が、 その後、男共は何故か俺にも視線を向けたあと、一様に首をかしげていた。何のつもりだ。  目的地のターミナル駅に着くと、とりあえず駅に隣接する百貨店に向かった。  時間はたっぷりある。女は男よりも買い物に時間をかけるというのは我が親友も例外ではなかった。だが、その時間 は俺にとってもちっとも退屈な時間ではなく、あの佐々木が真剣に着るものを選ぶという、あまり目にすることがない 光景を見ることができた。せっかくだからと、俺は佐々木に一着、洋服を選びプレゼントした。7件ほど回り、いろいろ 試着して、俺が佐々木に一番似合っていると思った服だ。  「ありがとう、キョン。君が選んでくれた物だ。大事に着るよ。」  その後、俺達はいろいろな場所に行き、昼は佐々木お薦めのレストランに入った。それぞれ別のものを注文したが、 お互いに少しずつ分け合い、どちらの料理も堪能した。  その後、時間があったので佐々木が見たかった映画を見て、それからまた何件か店を回り、帰りの電車に乗る頃には かなりの荷物になっていた。もちろん、俺が全部持ってやったさ。そんなの当然のことだろう?  それから、夕飯は俺の家で佐々木も一緒に食べることになった。その最中に佐々木が俺から服を買ってもらったことを 喋ったのは気恥ずかしかったが。その後、妹と佐々木はゲ-ムをしていたが、あまり遅くなるのもいかんので、適当に切り 上げさせ、俺は佐々木を家まで送り届けた。珍しく今日は佐々木の母親も家にいて、俺は挨拶をした。  「それじゃ、キョン。あした学校で。今日はありがとう。楽しかったよ。」  俺もだ。じゃあ、また明日な。     次の日。久しぶりのような感じがする級友たちの姿を眺めながら、鈍っていた学生生活の感を取り戻している最中、俺の そばに朝倉がやってきた。ん?何か、顔がニヤついているぞ。休みにどこか出かけ、いいことでもあったか?  「うん。昨日長門さんと買い物に行ったのよ。」  へえ、お前達もか。どこに行ったんだ?  朝倉の言った場所と店の名前を聞いて、俺は固まってしまった。  「とっても仲の良さそうな二人組が服を選んでいるのを見たのよね。試着室の前で、女の子が『似合うかい』とか聞いていたけど」  それ以上言うな!言わんでくれ。  (あくまでも俺の感性ではあるが)佐々木によく似合ったので、俺は褒めまくったのである。  「で、そのあと―」  だから言わなくていい!俺は耳を塞ぎ、朝倉を無視することにした。

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