31-165「佐々谷」


なぜ、俺が未だにあいつらとつるんでいたのかというと、ずばり、まだ佐々木のことが好きだったからだ。
佐々木はキョンのことが好きで、俺の方にその目は向いてないってのは分かっていたが、こればっかはしょうがねーよ。


……でも、佐々木は今、俺の側に居る。
結局キョンは涼宮とよりを戻しちまった。まあ涼宮の相手を出来る人間はあいつくらいだし、しょうがねーのかもな。
長門ともまだ続いてるみたいだ……本人いわく「そんな関係じゃない」らしいが、そう思ってるのは本人だけだぜ。
キョンとは『親友』だがこと恋愛に関してはどうしようもなく、そしてそれを擁護する気は起きないぜ。まったくな……長門も涼宮もよく我慢できるもんだぜ。
俺も古い人間というか意外と潔癖症……いやちょっと神経質なところがあったのかもな。


「なあ佐々木。……俺で良かったのか?お前は今もキョンのことが、」
「くどいよ、谷口くん。確かにキョンは僕にとってかけがえの無い『親友』さ。でもね、僕の『彼氏』は君だよ。
……うん、正直に言うよ、僕はキョンが好きだった。それは確かさ。でもキョンにとって僕はそういう感情の対象にはついになり得なかった。
それに僕は……なんていうのかな、潔癖症……いや神経質なタチでね。キョンのああいう気が多いのが耐えれなかったんだ」

ああ、そうか……結局俺も佐々木も似たもの同士だったってことか。

佐々木のキョンを見る顔はまだ完全に吹っ切れてはいないように俺には感じられる。
でもそれでもいい。俺は一時の仮宿でいいんだ。そのときが来ればキョンの元に笑って送り返してやろう。
でもそれまでは、佐々木の側で、もう少し寄り添っていてもいいよな?

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最終更新:2008年03月16日 20:52
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