「中学最後のバレンタインだ。僕も一つチョコを作ってみようかと思ってね。
くっくっ、そうしたらこのザマさ。慣れないことをするものじゃないな……本当に」
「佐々木……」
「いいんだ、キョン。こんなものを貰ったところで誰も喜びやしないさ」
「そんなことはない。形は悪いかもしれん。味も悪いかもしれん。だが、そのチョコレートには
お前の気持ちが篭っているだろう? 失敗なんか気にせず渡してみろ」
「キョン……ぼ、僕は」
「それを誰に渡すつもりか知らないが、お前の気持ちはきっと伝わるはずだ。
いや、きっともう伝わっているはずさ!」
追い討ち
「は、はは。いいんだ、もう。そのチョコレートは君にあげるよ。ははは。
今日はもう帰るよ。はは、ははは」
ガラッ ピシャン
「馬鹿野郎! お前、渡さなかったら絶対に後悔するぞ! 俺は絶対に食べないからな!
絶対にだ! 絶対だぞ!? 戻ってこい、戻ってこい佐々木ー!」
最終更新:2013年03月03日 01:27