「いやあ晴れたな、降水確率60%だったてのに。用意周到の鬼としては残念だったか?」
「それほどでもないよ。梅雨の時期は、雲の形からして外れやすいと某眉毛が濃い気象予報士も言っていたしね、外れても仕方ない」
「アレの場合は負け惜しみの開き直りと言うべきな気もするがなあ」
あと、眉毛が濃いと聞くと別の誰かを想像して脇腹が痛くなるから止めてくれ。
「て、なんで今更傘を広げてるんだ?」
「梅雨の晴れ間というのは元々太陽の紫外線が強い時期な上、雨で大気中に漂う埃などの微粒子が洗い流されているからね。直射日光を浴ると肌や頭皮が酷く傷付いてしまうんだ。せっかく用意していたのだし、せめてもの有効活用さ」
佐々木、笑顔が哀しいぞ。