佐々木から貰ったチョコレート。あの悪夢のリップスティックチョコレートだったわけだが……
SOS団の団室。俺はハルヒ達と『お返し』について話していた。
「受けた恩は、倍返し。受けた仇は三倍返しだよな。」
俺から相談を受けたハルヒ達は、興味津々といった感じだ。
「男の夢を叶えた、出来た彼女じゃない。」
「叶えたというよりは、はめられたというべきか。」
長門がポツリと言う。
「ナニを?」
「いや、そりゃハメ……って、やかましい!」
全員が、手を叩いて笑う。
「ま、製菓会社の陰謀に乗るなら、キャンディやマシュマロがお返しとしては適当じゃない?」
「捻りがないな。」
「ジュエルリングとかはどうですかぁ?あの指輪飴。可愛いですよ?」
ハルヒが朝比奈さんの手を取る。
「みくるちゃん、給料三ヶ月分です、受け取ってください……」
「やっすッ!給料安ッ!仕入値なら月給12円かよ!」
思わず突っ込み、全員が笑う。
「古泉くんは、お返し決めたの?」
「ええ。……ホワイトデーですし、ね?」
ニヤリと笑う古泉。
「「「「うわぁ……」」」」
皆が引く。エロ笑いはやめろ、古泉。
「こんな鬼畜エロは放っておくとして、キョンくんどうします?手作りするなら手伝いますよぉ?」
ありがとうございます、朝比奈さん。
「手作りするなら呼んで欲しい。失敗作は私が食べる。」
そっちかい、長門!
「なら、あたし達へのお返しはあんたの手作り!で、あたし達が有希の家で手伝う、と。
佐々木さんには、別口で作ってあげなさい。」
なるほど。お前にしては名案だな、ハルヒ。
「では僕は皆さんに……」
「あ、ルイヴィトンのスハリのお財布がいいですぅ。」
「あたしエルメスのトートバッグ!ガーデンファイル!あれ便利だし!」
「……昔の学術書……」
……PCで調べると、全てとんでもない額だ。古泉が唖然としている……。すまん。力にはなれん。頑張れ、古泉。
今日もまたSOS団は平和だ。
「あなたはね!」
END
最終更新:2013年04月07日 03:26