『佐々木とくっくっ』楽屋裏
「しかし、まぁ……俺達のSSも増えたなぁ。」
「悲恋やフラクラ、微エロにそのものズバリ、ラブラブSS……増えているよねぇ。」
ペラペラと、プリントアウトされたSSを見る二人。
「好きなSSについて語ろうか?」
「それは不遜というものだよ、親友。書き手がある以上、書き手の価値観が入り、必ずしも中立的な観点と言い難くなる。
そしてその価値観にそぐわない書き手の否定にもなりかねない。」
「ふむ。なら、何について話す?」
キョンはコーヒーに口をつけた。
「そうだね。僕達二次元のキャラクターの二次創作についてはどうだい?」
佐々木はコーヒーに砂糖を投下する。
「……お前、砂糖入れすぎじゃないか?」
キョンの言葉に、佐々木が手を止める。
「そう。そこだよ、親友。」
「?」
「僕が甘いものが好きだという事に誰がした?砂糖を投下するからと甘いものが好きとは限らない。」
「……お前な。」
キョンがやれやれ、と手を上げる。
「こうした書き手の表現で、ミスリードを誘う手法もあるわけだ。」
「受け取りは、個人の自由というわけだな。」
「その通りだよ、キョン。」
「メタファー発言になるが、原作ありきか原作無視かによっても大分違うよな。」
「うむ。原作に忠実だとここは悲恋、フラクラだらけだ。
言い方は悪いが、原作で有り得なかったものを表現する為にこうした二次創作スレッドはあると思うよ。」
「確かにな。」
「さて、『日常』シリーズも完結間近なわけだが。こうしたハルヒの力に対する解釈というものも、二次創作スレッドの醍醐味といえるな。」
「確かにね。手前味噌になるが、この書き手もまたそうしたテーマで書いていたね。」
「長編に、エロパロ四部作か。エンドレスエイトもあったな。」
「この書き手については、どうでもいいとして……キャラクター人気というものについて、考えてみないかい?」
「キャラクター人気ねぇ。ネガティブな側面のみ見たら、俺もお前もクズにしかならんぞ。」
「くっくっ。特に嫌われやすいからね、主人公であるキミの立場は。」
「うるせぇ。」
「フラクラ、都合良すぎ、等々…」
「
その他のラノベ主人公を敵に回す前に、その発言をやめろ親友。」
「くっくっくっくっ。そうしないと話が立ち行かないのもわかっているさ。
そしてヒロインにしても同じだよ。」
「まぁな。原作公認で空気扱いされているヒロインもいるしな。」
「ああ、イ……」
「そこまでだ、親友。」
「テーマが絞りきれんが、ひとまずはここでやめておくか?」
「そうだね。流石に色々不遜なものも多い。」
「こうしたファンフィクションというものも、書き手次第なわけだ。」
「とりあえずは、また戻るかね。親友。」
「ああ。『演じ手』にな。」
「別に役割を演じなくてもいいんだがね。」
「どういった意味でだよ、親友。」
END
最終更新:2013年04月29日 13:08