自らを刺し、致命傷を負い倒れるキョン。
佐々木「キョン!」
キョン「佐々木……お前は……い、生きろ……」
佐々木「キミこそが生きるんだ!……キョン……死ぬな……死なないでっ!」
キョンの目が閉じる。
佐々木「キョン……起きてぇっ!キョン──っ!」
から二周目。一周目の佐々木が二周目の佐々木を殺害し、二周目のキョンをよりしろに、一周目のキョンを取り戻そうとする。ラストは
佐々木が苦悩に表情を歪めている。携帯の画面の中に一周目のキョンの姿。
佐々木「キョン……」
キョン「佐々木……また繰り返すのか?」
佐々木「キミに……命を与えるために……」
キョン「もう……終わりにしようぜ?な?」
佐々木「僕は……キミを失いたくない……!」
キョンが悲しげに首を横に振る。
佐々木「僕を一人にしないで……!」
キョン「俺はここにいる。お前のそばにいる。新しい命なんかなくても、昔みたいに未来を夢見ていた時みたいに……ただ願えばな。」
携帯の画面からキョンが消え、佐々木の隣にキョンが現れた。
キョン「佐々木……」
佐々木「キョン……」
携帯の画面の中に、佐々木の姿。佐々木、ハルヒ、みくる、藤原、橘、朝倉、谷口、国木田、鶴屋、森、キョンの姿が次々に浮かび、そして消えていく。
無邪気に話をする、一周目の佐々木とキョン。そこへ二周目の佐々木とキョンがやって来て、一緒に話を書き始める。
4人がいるのは、セピア色に囲まれた佐々木の閉鎖空間。
彼らを取り巻く空気は、2人が戦っていたような非日常ではなく、みんなが楽しく暮らしている世界。
楽しげに笑い合い、4人が本を書き続ける。
閉鎖空気が収束した後。
世界を記した二冊の本が残された。その本は、日を追う毎にページを増やしていく。まるで日記のように。
この本を長門が拾い上げ、何もかもがリセットされた三周目が始まる。
キョン「長門、何を読んでいるんだ?」
佐々木「ずっと二冊、同じ本を読んでるよね。私にも貸して欲しいわ。」
長門「……だめ。」
本の中。一周目の佐々木とキョンが、二周目の佐々木とキョンが、幸せな世界を過ごしている……。
最終更新:2013年04月29日 13:19